- 売上高: 136.50億円
- 営業利益: 9.67億円
- 当期純利益: 9.86億円
- 1株当たり当期純利益: 72.44円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 136.50億円 | 131.83億円 | +3.5% |
| 売上原価 | 104.87億円 | - | - |
| 売上総利益 | 26.96億円 | - | - |
| 販管費 | 13.68億円 | - | - |
| 営業利益 | 9.67億円 | 13.28億円 | -27.2% |
| 営業外収益 | 1.62億円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.16億円 | - | - |
| 経常利益 | 11.19億円 | 13.74億円 | -18.6% |
| 税引前利益 | 13.74億円 | - | - |
| 法人税等 | 3.88億円 | - | - |
| 当期純利益 | 9.86億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.36億円 | 9.86億円 | -35.5% |
| 包括利益 | 6.43億円 | 16.85億円 | -61.8% |
| 支払利息 | 1百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 72.44円 | 112.66円 | -35.7% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 165.54億円 | 171.66億円 | -6.12億円 |
| 現金預金 | 86.05億円 | 97.62億円 | -11.57億円 |
| 売掛金 | 28.04億円 | 35.08億円 | -7.04億円 |
| 棚卸資産 | 11.18億円 | 9.92億円 | +1.26億円 |
| 固定資産 | 106.81億円 | 93.16億円 | +13.66億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.7% |
| 粗利益率 | 19.8% |
| 流動比率 | 503.8% |
| 当座比率 | 469.8% |
| 負債資本倍率 | 0.21倍 |
| インタレストカバレッジ | 779.84倍 |
| 実効税率 | 28.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +3.5% |
| 営業利益前年同期比 | -27.2% |
| 経常利益前年同期比 | -18.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -35.5% |
| 包括利益前年同期比 | -61.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 9.44百万株 |
| 自己株式数 | 651千株 |
| 期中平均株式数 | 8.78百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,558.53円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 40.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| FineProcess | 63.08億円 | 8.04億円 |
| Metal | 7.20億円 | 7.14億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 180.00億円 |
| 営業利益予想 | 13.00億円 |
| 経常利益予想 | 14.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 10.50億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 119.66円 |
| 1株当たり配当金予想 | 40.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の遠藤製作所は、売上増収ながら採算悪化により二桁減益となり、収益性が明確に後退した四半期でした。売上高は136.5億円で前年同期比+3.5%と増収を確保しましたが、営業利益は9.67億円で同-27.2%、経常利益は11.19億円で同-18.5%、当期純利益は6.36億円で同-35.5%と大幅な減益です。営業利益率は7.1%(=9.67/136.5)となり、前年同期の推計約10.1%から約-302bp低下しました。純利益率も4.7%と、前年の推計約7.5%から約-282bp縮小しています。粗利益率は19.8%と開示されていますが、粗利から販管費を差し引いた理論値と営業利益の間に差異があり(詳細内訳未開示)、一部コスト増・評価損やその他営業費用の発生が示唆されます。営業外収益は1.62億円(受取利息0.52億円など)と増益要因でしたが、営業外費用1.16億円が相殺し、非営業の純寄与は限定的です。財務体質は極めて良好で、現金預金86.05億円、流動比率503.8%、負債資本倍率0.21倍、インタレストカバレッジ約780倍と安全性は高いです。一方で、ROEは2.8%と低水準で、資本効率の弱さが目立ちました。ROICは5.0%と社外ベンチマーク(7–8%以上)に届かず、資本効率面の品質アラートが点灯しています。営業外収入比率は25.5%と示され、非営業要因への相対的な依存度が収益の質を押し下げる潜在リスクとなっています。キャッシュフロー(営業CF、FCF)は未開示で、利益とキャッシュの整合性は評価困難です。配当は未開示ながら、計算上の配当性向は59.4%と上限付近であり、減益局面での持続性はFCF次第です。四半期の総括としては、増収にもかかわらずコスト上昇・価格転嫁の遅れ等を背景に利益率が圧縮され、ROE/ROICともに目標水準を下回りました。今後は粗利率の回復(原価改善・ミックス是正・価格改定)と販管費の伸び抑制、ならびに営業外に頼らない利益質の改善が焦点です。運転資本は潤沢で短期的な資金繰り不安は小さいため、構造的な収益性回復に向けた施策(原価低減、選択的投資、価格戦略)の実行可否が重要な見所となります。
ROE分解(デュポン):ROE 2.8% = 純利益率4.7% × 総資産回転率0.501 × 財務レバレッジ1.21倍。変動寄与の最大要因は純利益率の低下(営業利益率の約-302bp縮小および純利益率の約-282bp縮小)で、売上の伸びをコスト上昇が上回ったことが主因とみられます。ビジネス上の背景としては、原材料・外注費の上昇、為替影響、または値上げ・ミックス改善の遅れが示唆されます(詳細内訳未開示)。この圧力の持続性は、価格改定の進捗と需要環境次第で半期~1年程度のタイムラグを伴う可能性があり、短期的には一部持続、中期的には是正余地ありと評価します。総資産回転率は0.501と低めで、豊富な現金保有(86.05億円)による資産厚みが回転率を希薄化しROEを抑制しています。財務レバレッジは1.21倍と低く、ROE押上げ効果は限定的です。懸念されるトレンドとして、増収(+3.5%)に対し営業利益が-27.2%と下落しており、事実上の負の営業レバレッジが発生しています(販管費や製造原価の伸びが売上成長を上回った可能性)。非営業寄与(受取利息等)への依存が高まると、コア事業の稼ぐ力の評価が厳しくなりうるため、営業利益率の回復が最重要課題です。
売上は+3.5%で増収を確保し需要は底堅いものの、コスト側の圧力により営業・最終利益で二桁減益。価格転嫁や高付加価値製品比率の引き上げが未達、または四半期内の反映が遅れている可能性があります。営業外収益(受取利息等)の寄与が目立ち、金利環境の追い風はあるものの、持続的成長の観点では営業利益の回復が優先。粗利率19.8%と開示される一方で、営業利益の着地(7.1%)は前年から約-302bpの後退で、コスト改善や歩留まり改善などのオペレーション対策が求められます。先行きは、①価格改定の進捗、②原材料市況の安定/低下、③製品ミックスの高付加価値化、④生産性改善による固定費吸収、の四点が回復ドライバー。外部要因では為替(円安)と金利環境の変化が収益に影響し得ます。短期は利益率の下押しリスクが残存、中期は原価・価格是正が進めば営業利益率の段階的回復が期待されます。
流動性は極めて健全で、流動比率503.8%、当座比率469.8%とベンチマークを大幅に上回ります。現金預金86.05億円に対し、短期借入金1.04億円・長期借入金0.17億円と有利子負債は極小。負債資本倍率0.21倍、自己資本は224.91億円と厚く、支払能力は極めて強固です。満期ミスマッチは限定的で、流動負債32.86億円に対し流動資産165.54億円と十分なバッファを保持。買掛金16.22億円・売掛金28.04億円の水準は、売上規模(136.5億円)と整合的なレンジに見え、過度な延伸の兆候は読み取りにくいです。オフバランス債務の開示は確認できず、現時点で特段の指摘事項はありません(データ未開示のため網羅性は限定)。
営業CF、投資CF、フリーCFは未開示のため、営業CF/純利益比率やFCFカバレッジの定量評価は不可能です。よって利益の質(キャッシュ創出能力)の判定には不確実性が伴います。運転資本は売掛金28.04億円、棚卸資産11.18億円、買掛金16.22億円で、期中の増減や回転日数は不明です(操作・積み増しの有無も判定不可)。現金保有は86.05億円と潤沢で短期的配当や運転資金需要は十分に賄える一方、ROIC圧迫(遊休資金による資産回転低下)というトレードオフがあります。設備投資・減価償却・配当支払のデータが欠落しているため、FCF対株主還元・成長投資の持続可能性評価は保留とします。
配当情報は未開示ですが、計算ベースの配当性向は59.4%とベンチマーク上限付近です。減益局面におけるこの水準は、FCFの安定性が確認できない限り、持続性にやや注意を要します。現金86.05億円の潤沢なバッファが短期的な配当余力を下支えする一方、ROIC 5.0%と資本効率は低位で、過度な内部留保・現金厚みは将来の還元方針(増配/自社株買い)や成長投資配分の再検討余地を示唆。FCF不明のため、現時点では「ネットキャッシュによる短期的な耐性は高いが、中期の持続性は利益・CF回復次第」という評価です。
ビジネスリスク:
- 原材料・外注費の上昇による粗利圧迫(価格転嫁遅延リスク)
- 製品ミックス悪化や需給環境の変化による利益率低下
- 為替変動による原価・輸出入採算の変動
- 主要顧客・用途への集中度上昇によるボラティリティ拡大(顧客ミックス未開示)
- 価格競争激化に伴う値下げ圧力
財務リスク:
- ROIC 5.0%と資本効率の低さ(資産厚み・現金滞留による回転率の希薄化)
- 非営業収益(受取利息等)への相対的依存度上昇に伴う利益の質低下リスク
- CF未開示による配当持続可能性評価の不確実性
主な懸念事項:
- 営業利益率の約-302bp縮小と二桁減益の持続性
- 粗利率19.8%に対し販管費・その他費用の増勢が示唆される点
- ROE 2.8%の低水準とレバレッジ低位に起因する株主資本効率の弱さ
- 原価・価格改定のタイムラグが今後の数四半期も続く可能性
重要ポイント:
- 増収にもかかわらずコスト上昇で営業・純利益が大幅減、営業利益率は約7.1%へ低下
- ROE 2.8%、ROIC 5.0%と資本効率は目標水準を下回る
- 流動性・財務安全性は極めて高く、短期資金繰りの懸念は小さい
- 非営業収益の寄与がやや目立ち、利益の質改善(コア稼得力回復)が課題
- キャッシュフロー未開示により、利益の現金裏付けと配当持続性の評価に不確実性
注視すべき指標:
- 営業利益率と粗利率の四半期推移(bpベース)
- 価格改定進捗と製品ミックス指標(高付加価値比率)
- 原材料コスト指数・為替レート(コストと採算感応度)
- 運転資本回転日数(売掛・棚卸・買掛)と営業CF/純利益比率
- ROICと総資産回転率(現金の最適化含む)
セクター内ポジション:
財務安全性は同業平均を大きく上回る一方、収益性・資本効率は足元で見劣り。短期的ディフェンシブだが、再評価には営業利益率とROICの改善が条件。
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