クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥747.3億 | ¥408.1億 | +83.1% |
| 営業利益 | ¥173.4億 | ¥82.8億 | +109.4% |
| 経常利益 | ¥169.3億 | ¥78.1億 | +116.9% |
| 純利益 | ¥117.0億 | ¥54.4億 | +114.9% |
| ROE | 15.8% | 8.4% | - |
Executive Summary
2026年度第3四半期累計は、サプライチェーン支援関連および貴金属在庫販売の急拡大を主因に、大幅な増収増益となった。売上高は747.3億円(前年比+83.1%)、営業利益は173.4億円(同+109.4%)、経常利益は169.3億円(同+116.9%)、純利益(親会社株主帰属)は117.0億円(同+114.9%)となった。営業利益率は23.2%で前年同期20.3%から改善した。なお増収の一部には原材料在庫からのイリジウム・ルテニウム販売165.6億円(売上総利益32.7億円)が含まれ、通常事業の需要と区別して評価する必要がある。
業績変動要因
【売上高】売上高は747.3億円で前年同期比+83.1%。牽引役はサプライチェーン支援(146.3億円、同+255.6%)と、その他セグメント(178.4億円、同+2392.0%)で、後者には原材料在庫からの貴金属販売165.6億円が含まれる。報告セグメントでは電子(74.1億円、+54.3%)、薄膜(118.5億円、+38.0%)、サーマル(43.6億円、+21.7%)が伸長した一方、ファインケミカル・リサイクルは186.4億円で同▲1.9%と横ばいにとどまった。地域別ではアジア(日本除く)が318.9億円(前年比+241.2%)と大きく伸び、欧州(151.5億円、+63.0%)、北米(93.8億円、+40.1%)、日本(183.2億円、+18.4%)が続く。
【損益】売上総利益率は27.8%(前年27.7%)とほぼ横ばいだが、販管費が34.6億円にとどまり売上急増に対して伸びが抑制されたことで、営業利益率は23.2%まで改善(前年20.3%)した。セグメント利益率は薄膜が50.9%(前年40.3%)、ファインケミカル・リサイクルが34.4%(前年26.0%)と大幅改善した一方、電子は24.9%(前年33.8%)、サーマルは31.1%(前年33.5%)に低下した。経常利益は為替差損6.3億円、支払利息6.8億円により営業利益を4.0億円下回る169.3億円となった。純利益は117.0億円(同+114.9%)。結論として、貴金属販売という一時的要因を含みつつも増収増益である。
セグメント別分析
売上構成比(売上総利益ベース)は、ファインケミカル・リサイクルが最大の25.0%(186.4億円、利益率34.4%)、次いでその他178.4億円(利益率20.0%、うち貴金属販売寄与大)、サプライチェーン支援146.3億円(利益率10.8%)、薄膜118.5億円(利益率50.9%)、電子74.1億円(利益率24.9%)、サーマル43.6億円(利益率31.1%)の順。薄膜とファインケミカル・リサイクルが高利益率を維持し収益基盤を支える一方、サプライチェーン支援は売上急拡大にもかかわらず利益率10.8%にとどまり、貴金属取引の薄利多売的な性格を反映している。
主要財務指標
【収益性】営業利益率23.2%(前年20.3%)、純利益率15.6%(前年13.4%)、ROE15.8%はいずれも高水準で、売上総利益率27.8%の小幅改善と販管費率4.6%への低下による営業レバレッジが寄与している。【キャッシュ品質】棚卸資産は877.9億円と大きく、うち原材料650.5億円が中心で、貴金属在庫を多く抱える事業構造が資産効率を抑制している。【投資効率】総資産回転率は年間換算で0.6倍前後にとどまり、収益性の高さに比して資産効率は相対的に低い。EPS(基本)は475.30円(前年221.85円、同+114.2%)。【財務健全性】自己資本比率59.0%(前年52.0%)、流動比率は流動資産972.3億円に対し流動負債391.6億円で高水準、有利子負債113.4億円に対し支払利息負担も限定的であり、財務基盤は保守的な範囲にある。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書の開示はないが、貸借対照表の変化から資金動向を読み取ることができる。現金及び預金は57.6億円と前年の130.5億円から大きく減少した一方、棚卸資産は877.9億円(前年414.6億円)へ倍増しており、貴金属を中心とする在庫積み増しに資金が投じられたとみられる。買掛金は240.8億円(前年223.4億円)に増加し、仕入債務の活用によって運転資本の一部を賄っている。利益剰余金は519.8億円(前年426.5億円)へ増加し、当期純利益の内部留保が進んでいる。全体として、収益拡大の裏側で在庫への資金拘束が強まっており、資金効率面でのモニタリングが必要な局面にある。
収益の質
当期の増収増益には経常的な事業成長に加え、原材料在庫からのイリジウム・ルテニウム販売という性格の異なる要因が混在する。この貴金属販売は売上高165.6億円、売上総利益32.7億円を計上し、連結売上高の22.2%、売上総利益の15.7%に相当するため、通常の製品・サービス需要とは区別して評価する必要がある。営業外損益では為替差損6.3億円と支払利息6.8億円が経常利益を押し下げ、営業利益169.3億円に対し経常利益は169.3億円(4.0億円減)にとどまった。包括利益は117.4億円で純利益117.0億円とほぼ同水準であり、為替換算調整額等その他の包括利益項目は小幅にとどまることから、利益の質を大きく損なう要因は見当たらない。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想(売上高960.0億円、営業利益225.0億円、経常利益220.0億円)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高77.8%、営業利益77.0%、経常利益77.0%といずれも標準的な75%水準をやや上回る。第4四半期に必要な売上高は212.7億円、営業利益は51.6億円で、これは営業利益率24.3%に相当し、累計実績の23.2%をやや上回る水準となる。当期は業績予想および配当予想の修正が行われており、高採算セグメントの構成比と貴金属販売の継続性が下期計画達成の重要な変数となる。
株主還元
通期配当予想は1株当たり155円で、通期EPS予想609.95円に対する配当性向は25.4%となる。第2四半期配当は0円であり、年間配当は期末配当に集中する構成である。予想配当総額は期中平均株式数2,459万株を基準に約38.1億円となり、通期純利益予想150.0億円に対する負担は抑制的である。利益剰余金519.8億円は予想年間配当総額の約13.6倍に相当し、配当原資は確保されているといえる。
リスク要因
-
貴金属価格変動リスク: 原材料在庫からの販売は当期売上高165.6億円、売上総利益32.7億円を計上しており、イリジウム・ルテニウム等の価格下落時には在庫評価やマージンへの影響が想定される。
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在庫・運転資本リスク: 棚卸資産は877.9億円(前年414.6億円)に拡大しており、サプライチェーン支援需要の変動や貴金属調達条件の変化が資金効率に影響し得る。
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為替リスク: 為替差損6.3億円が計上されており、営業利益の3.6%に相当する。アジア・欧州・北米での販売拡大に伴い、通貨変動の業績への影響が継続する。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(manufacturing)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 23.2% | 8.6% (4.3%–12.7%) | +14.6pt |
| 純利益率 | 15.7% | 6.4% (2.8%–10.3%) | +9.2pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 83.1% | 3.3% (-2.1%–8.9%) | +79.8pt |
売上高成長率は業種中央値を大幅に上回るが、貴金属在庫販売という一時的要因を含む点に留意が必要である。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
-
営業利益率23.2%、純利益率15.6%、ROE15.8%と収益性は業種内で高水準にあり、通期計画に対する進捗率も売上高77.8%、営業利益77.0%と標準を上回る。
-
当期成長の一部は原材料在庫からの貴金属販売165.6億円によるものであり、薄膜(利益率50.9%)やファインケミカル・リサイクル(同34.4%)など既存事業の実力値と切り分けて捉える必要がある。
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棚卸資産の急増(877.9億円、前年414.6億円)と現金預金の減少(57.6億円、前年130.5億円)が示すように、収益拡大の裏で在庫への資金拘束が強まっており、運転資本の動向が今後の資金効率を左右する構造的な論点となる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 3,948円 |
| base(基準) | 4,102円 |
| bull(強気) | 4,294円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 3,009円 |
| 調整後予想EPS | 639.6円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 25.4% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.36倍 / 6.4倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 3,984円〜4,226円、ω±0.1で 4,074円〜4,146円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。