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77512026 第1四半期プライムUS-GAAP

キヤノン株式会社 2026年度 第1四半期 決算

キヤノン株式会社の2026年度第1四半期決算レポート

キヤノン株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥10936.5億¥10584.0億+3.3%
営業利益¥713.7億¥965.2億−26.1%
税引前利益¥747.4億¥988.5億−24.4%
純利益¥483.0億¥722.3億−33.1%
ROE1.3%1.9%-

Executive Summary

当第1四半期は増収減益となり、売上成長を利益へ転換できていない点が最大の論点である。売上高は1兆936.5億円(前年同期比+3.3%)と増収を確保したが、営業利益は713.7億円(同-26.1%)、純利益は483.0億円(同-33.1%)と大幅な減益となった。営業利益率は6.5%で前年同期の約9.1%から約2.6pt低下しており、コスト吸収力や製品・地域構成の採算悪化が主因とみられる。通期予想に対する進捗率は売上高23.0%に対し営業利益15.7%、純利益14.5%と利益面で標準的な四半期進捗(約25%)を下回っており、下期の採算改善が計画達成の前提となる。

業績変動要因

【売上高】売上高は1兆936.5億円で前年同期比+3.3%増となり、前年の1兆584.0億円から352.4億円増加した。通期予想4兆7,650億円に対する進捗率は23.0%で、標準的な四半期進捗率25%をやや下回る水準である。

【損益】営業利益は713.7億円(前年同期比-26.1%)、税引前利益は747.4億円、純利益は483.0億円(同-33.1%)となった。税引前利益は営業利益を33.7億円上回っており、営業外損益は損益を下支えした一方、税引前利益から純利益への転換率(税負担係数)は0.646にとどまり、税負担が純利益の減少幅を拡大させた。営業利益率は6.5%と前年同期比約2.6pt低下し、売上増加分をコストが上回って吸収した形である。結論として、当四半期は増収減益である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は6.5%、純利益率は4.4%で、いずれも前年同期(約9.1%、約6.8%)から低下した。税引前利益率は6.8%、税負担係数は0.646であり、税引前利益から純利益への転換効率は相対的に弱い。【キャッシュ品質】営業キャッシュフロー等の開示は限定的であり、当四半期の利益評価は損益計算書上の利益率と税負担係数を中心に行う。【投資効率】ROEは1.3%(四半期実績ベース)であり、Q1純利益を年換算した簡便計算では約5.3〜5.6%となる。総資産回転率は0.175回(四半期)、財務レバレッジは1.70倍で、資本効率の改善余地が残る。【財務健全性】自己資本比率は55.0%で前年同期の56.9%から低下したが、依然として厚い資本基盤を維持している。総資産は6兆2,378.6億円、純資産は3兆6,602.0億円である。

キャッシュフロー分析

営業・投資・財務の各キャッシュフロー数値は開示情報に含まれていないため、損益面の指標を中心に資金動向を評価する。純利益483.0億円に対し、税引前利益は747.4億円であり、税負担係数0.646が税引前利益から純利益への転換を抑制している。自己資本比率は55.0%と厚く、純資産3兆6,602.0億円が総資産の過半を占める構成は、当面の財務的な耐性を支える基盤となっている。今後は営業利益率の回復に伴い、利益の現金転換力がどの程度追随するかが焦点となる。

収益の質

当四半期の税引前利益747.4億円は営業利益713.7億円を33.7億円上回っており、営業外損益が小幅ながら利益を押し上げている。一方で税引前利益から純利益への転換率は64.6%にとどまり、一般的な水準とされる70%前後を下回るため、税負担が純利益の押し下げ要因となっている。営業利益率の低下(前年同期比約2.6pt)は一過性ではなく、売上増加にもかかわらず生じている点から、構成変化やコスト吸収力の低下といった構造的要因の関与が示唆される。特別損益に関する情報は開示されておらず、当四半期の減益は主として営業段階の収益性低下と税負担の重さによって説明される。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上高4兆7,650億円、営業利益4,560億円、純利益3,330億円)に対する第1四半期の進捗率は、売上高23.0%、営業利益15.7%、純利益14.5%である。売上高は標準的な四半期進捗率25%に近いのに対し、営業利益・純利益は大きく下回っており、通期計画達成には残り3四半期での採算改善が必要となる。会社は当四半期に業績予想を修正しており、修正後計画に対しても利益進捗は下期偏重の構造となっている点に留意が必要である。

株主還元

会社は2026年12月期の配当につき、金額を引き下げることなく配当性向40%を目途とする方針を示している。通期予想EPS388.42円、予想配当160円から算出される予想配当性向は約41.2%であり、会社方針と概ね整合する。第1四半期の基本EPSは55.20円で、通期予想EPSに対する進捗率は14.2%にとどまり、純利益進捗率14.5%と近い水準である。配当方針の維持には下期以降の利益回復が重要な前提となる。なお自己株式取得の実績額は開示されていないため、本評価は配当のみに基づく配当性向で行っている。

リスク要因

  1. 収益性低下リスク: 売上高が前年同期比+3.3%となる一方、営業利益は-26.1%となり、営業利益率は約2.6pt低下した。通期予想営業利益率9.6%とQ1実績6.5%の乖離が大きく、採算回復の遅れは通期計画達成を左右する。

  2. 通期計画の後半偏重リスク: 営業利益・純利益の進捗率はそれぞれ15.7%、14.5%で標準的な25%を下回る。残り期間には約10%台半ばの営業利益率が求められ、Q1実績からの大幅な改善が必要となる。

  3. 税後利益転換リスク: 税引前利益から純利益への転換率(税負担係数)は0.646にとどまる。営業利益が回復しても、この転換率が改善しなければ純利益・EPSの回復幅は限定的となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.5%7.2% (3.2%–12.5%)−0.7pt
純利益率4.4%5.9% (2.9%–12.5%)−1.5pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業種内でやや低い位置づけにある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.3%5.6% (1.1%–13.9%)−2.3pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、増収ペースは業種内で相対的に緩やかである。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 当四半期は売上高+3.3%増収に対し営業利益-26.1%、純利益-33.1%の減益となり、売上成長を利益へ転換できていない点が決算上の最大の特徴である。

  2. 営業利益・純利益の通期進捗率は15.7%、14.5%と標準的な25%を下回っており、下期における営業利益率の回復度合いが通期計画達成の鍵となる。

  3. 自己資本比率55.0%という厚い資本基盤を維持しつつ、配当については40%目途の配当性向方針のもと予想配当性向41.2%を見込んでおり、利益計画の進捗が今後の還元余力を左右する。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,072円
base(基準)4,162円
bull(強気)4,276円
算出前提
1株純資産(BPS)3,952円
調整後予想EPS419.4円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.2%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.05倍 / 9.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,046円〜4,284円、ω±0.1で 4,157円〜4,170円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。