| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥6057.5億 | ¥6252.7億 | -3.1% |
| 営業利益 | ¥1225.2億 | ¥1356.8億 | -9.7% |
| 経常利益 | ¥1243.2億 | ¥1382.7億 | -10.1% |
| 純利益 | ¥920.1億 | ¥994.7億 | -7.5% |
| ROE | 18.9% | 23.6% | - |
2026年3月期決算は、売上高6,057.5億円(前年比-195.2億円 -3.1%)、営業利益1,225.2億円(同-131.6億円 -9.7%)、経常利益1,243.2億円(同-139.5億円 -10.1%)、純利益920.1億円(同-74.7億円 -7.5%)と減収減益となった。主力の半導体製造装置(SPE)事業が投資サイクルの調整局面に入り売上が6.5%減少したことが最大の要因である。一方、ディスプレー製造装置および成膜装置(FT)事業は売上が24.9%増、営業利益が181.9%増と大幅改善し、ポートフォリオ分散効果を発揮した。営業利益率は20.2%(前年21.7%)と1.5pt低下したものの二桁を維持し、ROEは18.9%と高水準を確保した。営業CFは927.1億円(前年比+30.1%)、フリーCFは630.0億円で、配当支払(297.0億円)を十分に賄う現金創出力を示した。
【売上高】売上高は6,057.5億円(前年比-3.1%)と2期ぶりの減収となった。セグメント別では、半導体製造装置(SPE)が4,859.8億円(前年比-6.5%)と主力が減速し、全社売上の80.2%を占める同事業の調整が全体を押し下げた。グラフィックアーツ機器(GA)は574.9億円(同+8.5%)と堅調に推移したが、営業利益は36.0億円(同-16.1%)と収益性が悪化した。ディスプレー製造装置および成膜装置(FT)は447.6億円(同+24.9%)と大幅増収を達成し、営業利益も86.0億円(同+181.9%)と急回復した。プリント基板関連機器(PE)は145.4億円(同+2.6%)と微増にとどまり、営業利益は3.8億円(同-64.2%)と大幅減益となった。その他事業は279.5億円(同+7.1%)と伸長したが、営業損失24.4億円(前年損失18.2億円)と赤字が拡大した。売上総利益率は38.5%(前年37.6%)と0.9pt改善し、粗利の絶対額は2,331.7億円(前年2,352.9億円)と微減に留まった。
【損益】販売費及び一般管理費は1,106.5億円(前年比+11.0%増)と売上減少とは対照的に増加し、販管費率は18.3%(前年15.9%)へ2.4pt上昇した。この結果、営業利益は1,225.2億円(同-9.7%)、営業利益率は20.2%(前年21.7%)と1.5pt低下した。営業外損益は純額で18.0億円の利益(前年25.8億円)と縮小し、受取利息11.7億円、受取配当金9.7億円が増加する一方、為替差損10.8億円(前年5.4億円)が利益を圧迫した。経常利益は1,243.2億円(同-10.1%)となった。特別損益は投資有価証券売却益31.2億円を主因に純額24.2億円の利益を計上し、税引前利益は1,267.4億円(同-8.8%)となった。法人税等は347.4億円(実効税率27.4%)で、純利益は920.1億円(同-7.5%)、純利益率は15.2%(前年15.9%)と減収減益で着地した。
半導体製造装置(SPE)は売上4,859.8億円(前年比-6.5%)、営業利益1,227.1億円(同-10.4%)、営業利益率25.2%(前年26.4%)と、売上減少率を上回る利益減となった。同セグメントは全社営業利益の90.7%を占める主力事業であり、半導体投資サイクルの調整局面が業績全体に波及した。グラフィックアーツ機器(GA)は売上574.9億円(同+8.5%)と増収を達成したものの、営業利益は36.0億円(同-16.1%)、営業利益率6.3%(前年8.1%)へ低下し、収益性の悪化が顕著となった。ディスプレー製造装置および成膜装置(FT)は売上447.6億円(同+24.9%)、営業利益86.0億円(同+181.9%)、営業利益率19.2%(前年8.5%)と、利益率が10.7pt改善し、最も強い回復を示した。プリント基板関連機器(PE)は売上145.4億円(同+2.6%)と小幅増収ながら、営業利益は3.8億円(同-64.2%)、営業利益率2.6%(前年7.5%)と大幅に低下した。その他セグメントは売上279.5億円(同+7.1%)と伸長したが、営業損失24.4億円(前年損失18.2億円)と赤字が拡大し、新規事業分野への投資コストが先行した。
【収益性】営業利益率は20.2%で前年21.7%から1.5pt低下したものの、二桁の高水準を維持した。売上総利益率は38.5%(前年37.6%)と0.9pt改善し、粗利の絶対額は2,331.7億円(前年2,352.9億円)と微減に留まった。販管費率は18.3%(前年15.9%)へ2.4pt上昇し、販管費の絶対額は1,106.5億円(前年比+11.0%)と売上減少とは対照的に増加した。純利益率は15.2%(前年15.9%)と0.7pt縮小したが二桁を堅持し、ROEは18.9%と優良水準(>15%)を確保した。ROEをデュポン分解すると、純利益率15.2%×総資産回転率0.838×財務レバレッジ1.48=約18.9%となり、前年の総資産回転率0.932から約10%低下したことがROE低下の主因である。【キャッシュ品質】営業CFは927.1億円で純利益920.1億円を上回り、OCF/NI比率は1.01倍と利益の現金裏付けは良好である。一方、OCF/EBITDA比率は0.68倍(EBITDA=営業利益+減価償却費=1,370.7億円)とキャッシュ転換効率は弱く、運転資本の動きが重石となった。在庫回転日数(DIO)は155日(前年約145日)、売上債権回転日数(DSO)は61日と高止まりし、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)は173日へ延伸した。【投資効率】総資産は7,224.2億円(前年6,712.9億円)へ511.3億円増加し、総資産回転率は0.838回転(前年0.932回転)へ低下した。設備投資は255.1億円(売上高比4.2%)、減価償却費145.8億円に対しCapex/減価償却比率は1.75倍で、能力拡張と近代化投資を継続している。無形固定資産は134.7億円(前年71.0億円)へ63.7億円増加(+89.7%)し、ソフトウェア等のデジタル投資を積極化した。【財務健全性】流動比率は228.2%(流動資産5,085.7億円/流動負債2,228.8億円)、当座比率は189.4%と極めて高水準で、短期支払余力は強固である。有利子負債は短期借入金24.9億円と長期借入金0.8億円の合計25.7億円で、Debt/EBITDA比率は0.02倍、実質無借金の財務体質である。自己資本比率は67.4%(前年62.7%)へ4.7pt改善し、自己資本は4,866.8億円(前年4,206.9億円)へ659.9億円増加した。現金及び預金は1,473.7億円、短期有価証券800.0億円を合わせた手元流動性は2,273.7億円で、流動負債2,228.8億円を上回る厚い資金バッファーを有する。
営業CFは927.1億円(前年712.3億円、前年比+30.1%)で純利益920.1億円を上回り、OCF/NI比率1.01倍と利益の現金裏付けは良好であった。運転資本変動の内訳では、在庫の減少が124.1億円のプラス寄与(前年は879.3億円のマイナス)、売上債権の増加が72.5億円のマイナス(前年は1,203.7億円のプラス)、仕入債務の減少が50.5億円のマイナス(前年は2,386.6億円のマイナス)となった。契約負債(前受金)の減少が190.9億円のマイナス(前年は3,557.8億円のマイナス)となり、受注残の縮小が資金流出要因となった。その他流動負債の増加が206.8億円のプラス寄与を示し、引当金や未払費用の増加が資金を補った。法人税等の支払は468.4億円(前年246.7億円)と大幅に増加し、キャッシュアウトが拡大した。投資CFは-297.1億円で、有形固定資産の取得-255.1億円、無形固定資産の取得-53.6億円と成長投資を継続した一方、投資有価証券の売却益46.7億円が資金流入に寄与した。フリーCFは630.0億円(営業CF+投資CF)で、配当支払297.0億円を十分に賄う水準である。財務CFは-402.0億円で、配当金支払-297.0億円、自己株式の取得-161.8億円、自己株式の処分57.6億円の純額-104.2億円が主な支出であった。現金及び現金同等物の期末残高は2,257.3億円(前年1,984.8億円)へ272.5億円増加し、手元流動性は強化された。OCF/EBITDA比率0.68倍とキャッシュ転換効率の弱さは、在庫・売掛の高止まりと運転資本の波動が主因であり、来期にかけてDIO・DSOの圧縮が鍵となる。
営業利益1,225.2億円に対し経常利益は1,243.2億円と18.0億円上乗せされ、営業外収益が純額でプラス寄与した。営業外収益49.3億円の内訳は、受取利息11.7億円、受取配当金9.7億円、補助金収入11.5億円等であり、経常的な金融収益と政策支援が含まれる。営業外費用31.3億円では、為替差損10.8億円(前年5.4億円)が主因で、円高進行局面での外貨建資産の評価損が収益を圧迫した。持分法による投資利益は3.2億円と小規模で、営業外損益の経常性は概ね高い。特別損益は純額24.2億円の利益(投資有価証券売却益31.2億円-減損損失5.9億円-固定資産除却損5.0億円等)で、一時的要因として税引前利益を1.9%押し上げた。営業CFは927.1億円で純利益920.1億円とほぼ一致し、OCF/NI比率1.01倍とアクルーアルは小さく、利益の質は高い。包括利益は1,057.3億円(純利益920.1億円+その他包括利益137.2億円)で、為替換算調整額49.8億円、有価証券評価差額金48.7億円、退職給付調整額38.7億円が純利益を上回る要因となったが、いずれもBSの評価調整で経常収益への影響は限定的である。総じて、経常利益ベースの収益力は高く、特別損益・営業外損益の影響は軽微で、キャッシュ裏付けも確保されており、収益の質は良好と評価できる。
通期業績予想は、売上高7,250.0億円(前年比+19.7%)、営業利益1,500.0億円(同+22.4%)、経常利益1,500.0億円(同+20.7%)、純利益1,100.0億円、EPS 581.74円と増収増益の見通しである。年間配当予想は60円(2026年4月1日付で1株→2株の株式分割実施後ベース、株式分割前ベースでは350円)である。当期実績に対する進捗率は、売上高83.6%、営業利益81.7%、経常利益82.9%で、下期に大幅な増収増益を前提とする計画である。SPE事業の投資サイクル回復と、FT事業の伸長継続が前提となるが、契約負債が831.5億円(前年1,004.0億円)へ減少しており、受注残の厚みがやや低下している点は注視を要する。会社は2026年5月13日に機関投資家・アナリスト向け決算説明会を開催予定で、その場で受注動向や顧客投資計画の詳細が開示される見込みである。通期計画達成には、下期の受注回復と在庫・運転資本の正常化(DIO・DSO圧縮)、販管費の伸び抑制が鍵となる。
年間配当は293円(第2四半期末123円+期末170円)で、当期純利益920.1億円に対する配当金総額297.2億円から配当性向は32.3%と算出される。ただし、期中平均株式数189,065千株に対し配当支払総株数は189,088千株で概ね一致し、会社開示の配当性向30.1%と整合する。フリーCF630.0億円に対し配当支払297.0億円は47.1%で、FCFベースでも十分に持続可能である。自己株式は期中にネット取得110.8億円(取得161.8億円-処分57.6億円、自己株式残高は282.6億円から68.0億円へ減少)を実施し、配当と合わせた総還元性向は約44.4%(配当+自己株式取得÷純利益)と健全レンジに収まる。自己株式の処分は自社株報酬や従業員持株会への譲渡と推測され、資本効率の向上に寄与した。実質無借金(有利子負債25.7億円)、現金1,473.7億円+短期有価証券800.0億円の手元流動性2,273.7億円を有し、配当余力は極めて大きい。次期予想配当は60円(株式分割後、株式分割前ベースでは年間350円)で、当期比で増配を示唆し、累進的配当方針を継続する姿勢が読み取れる。
半導体製造装置(SPE)サイクル依存: 売上の80.2%、営業利益の90.7%をSPE事業が占め、半導体投資サイクルの調整局面では業績が大きく変動する。当期は売上-6.5%、利益-10.4%と減速し、WFE(Wafer Fab Equipment)投資の回復時期とペースが業績見通しの最大変動要因となる。地政学リスクや顧客の設備投資延期も影響する。
運転資本効率の悪化とキャッシュ転換の弱さ: 在庫回転日数(DIO)155日、売上債権回転日数(DSO)61日、CCC173日と高止まりし、OCF/EBITDA比率0.68倍とキャッシュ転換効率が低下した。在庫滞留や売掛金回収長期化は、製品ミスマッチや顧客支払条件の悪化を示唆し、今後の値引き・償却リスクを孕む。契約負債は831.5億円(前年1,004.0億円)へ減少し、受注残の厚みが低下している点も、短期の売上パイプラインへの懸念材料である。
販管費の増加と営業レバレッジの逆転: 販管費は1,106.5億円(前年比+11.0%)と売上減少とは対照的に増加し、販管費率は18.3%(前年15.9%)へ2.4pt上昇した。採用強化や開発投資の先行が主因と推測されるが、売上回復が遅れる場合は固定費負担が利益率を圧迫し続けるリスクがある。営業利益率は20.2%(前年21.7%)と1.5pt低下しており、来期計画達成には営業レバレッジの発現(売上増に伴う固定費吸収)が不可欠である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 20.2% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +12.5pt |
| 純利益率 | 15.2% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +10.0pt |
収益性は業種中央値を大幅に上回り、営業利益率・純利益率ともに上位クラスに位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -3.1% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -6.8pt |
売上高成長率は業種中央値を下回り、半導体装置サイクルの調整局面にある。
※出所: 当社集計
高ROE・高利益率の収益基盤は堅固だが、総資産回転率の低下がROE押し下げ要因となった。在庫回転日数(DIO)155日、売上債権回転日数(DSO)61日、CCC173日の高止まりと、OCF/EBITDA比率0.68倍のキャッシュ転換効率の弱さが確認される。来期にかけて在庫・売掛の圧縮と運転資本の正常化が進めば、総資産回転率の改善とキャッシュ創出力の回復が期待でき、ROE・バリュエーションの再評価余地がある。
SPE事業への集中度(売上80.2%、利益90.7%)は高く、半導体投資サイクルに連動する業績変動リスクが大きい。一方、FT事業の売上+24.9%、利益+181.9%、利益率19.2%(前年8.5%)と10.7pt改善は、ポートフォリオ分散の進展を示す。契約負債は831.5億円(前年1,004.0億円)へ減少し、受注残の厚みはやや低下したため、H1の受注動向と先端ノード・先端パッケージ向けの装置需要の立ち上がりが、通期計画(売上+19.7%、営業利益+22.4%)達成の鍵となる。会社計画は下期の大幅増益を前提としており、受注回復のタイミングと規模が最大の注目点である。
財務体質は最強クラスで、実質無借金(有利子負債25.7億円、Debt/EBITDA 0.02倍)、現金+短期有価証券2,273.7億円、自己資本比率67.4%と極めて強固である。フリーCF630.0億円は配当297.0億円を十分に賄い、総還元性向44.4%と健全レンジに収まる。次期予想配当は株式分割後60円(分割前ベース年間350円)で、当期比で増配を示唆し、累進的配当方針の継続が期待される。強固なBSは成長投資(CapEx/減価償却1.75倍)と株主還元の両立を支える基盤であり、今後の受注回復局面ではM&Aや技術投資の余地も大きい。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。