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77292026 第3四半期プライムJGAAP

東京精密(7729) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益10%増

2026年度第3四半期の売上高は1,130億円(前年同期比+9.5%)、営業利益は209.3億円(同+9.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1129.7億¥1031.4億+9.5%
営業利益¥209.3億¥190.8億+9.7%
経常利益¥217.2億¥197.9億+9.7%
純利益¥142.2億¥181.9億−21.8%
ROE7.9%10.3%-

Executive Summary

半導体製造装置事業の増収増益が牽引し営業段階は好調だが、特別損失により最終利益は減益となった点が今回決算の要点である。売上高は1,129.7億円(前年比+9.5%)、営業利益は209.3億円(同+9.7%)、経常利益は217.2億円(同+9.7%)と増収増益を確保した一方、純利益(親会社株主帰属)は141.5億円(同-21.8%)にとどまった。営業増益は生成AI関連のHPC需要が牽引した半導体製造装置事業の拡大によるものであり、最終減益は特別損失21.0億円の計上が主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1,129.7億円で前年同期比+9.5%増収。主力の半導体製造装置事業が生成AI含むHPC需要(メモリ・ロジックプローバ、グラインダ)を捉え867.9億円(同+12.2%)と伸長し、全社増収の中心となった。計測機器は261.9億円(同+1.6%)と緩やかな増収にとどまったが、航空宇宙・防衛関連の受注拡大が下支えした。

【損益】営業利益は209.3億円(同+9.7%)、経常利益は217.2億円(同+9.7%)と営業外損益の影響は小さく、経常段階まで着実に増益が続いた。営業外収益10.5億円には為替差益5.1億円が含まれ経常利益を押し上げたが、特別損失21.0億円(特別利益1.9億円との差引で純額19.1億円)の計上により税引前利益は198.1億円と経常利益を下回った。この結果、純利益は141.5億円(同-21.8%)となり、経常利益と純利益の乖離は約35%に達している。営業・経常段階は増収増益、最終段階は特別損失の影響による減益であり、実態としては増収増益基調と評価できる。

セグメント別分析

半導体製造装置は売上構成比76.8%を占める主力事業であり、営業利益176.8億円(構成比84.4%、前年比+13.4%)を計上し、全社増益を牽引した。同セグメントの利益率は20.4%で前年の20.2%から改善し、増収に伴う採算改善(営業レバレッジ)が確認できる。計測機器は売上261.9億円(同+1.6%)に対し営業利益32.5億円(同-6.6%)と減益で、利益率は12.4%と前年13.5%から低下した。セグメント間の利益率差(20.4% vs 12.4%)は大きく、全社利益率の水準は半導体製造装置の動向に強く依存する構造である。

主要財務指標

収益性: ROE 7.9%、営業利益率18.5%、粗利率40.7%。 財務健全性: 自己資本比率76.1%、流動資産1,648.2億円に対し流動負債460.9億円で流動性は厚い。 資本構成: 有利子負債は長期借入金90.0億円中心で、現金及び預金506.8億円が上回る保守的な構成。 1株指標: EPS(基本)348.97円(前年448.08円、YoY-22.1%)。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別開示はないが、貸借対照表からは運転資本の拡大が読み取れる。棚卸資産のうち仕掛品は461.9億円と前年400.5億円から増加し、生産・出荷計画の進展に伴う積み増しとみられる。現金及び預金は506.8億円で前年545.4億円からやや減少したが、自己資本比率76.1%と高水準を維持し、財務基盤は引き続き強固である。長期借入金は90.0億円で前年130.0億円から減少しており、計画的な返済が進んでいる。

収益の質

経常利益217.2億円に対し純利益141.5億円と乖離が大きく、主因は特別損失21.0億円(特別利益1.9億円との差引で純額19.1億円)の計上である。この特別損益は一時的要因であり、経常的な収益力は経常利益ベースで評価するのが妥当である。営業外収益10.5億円は売上高の0.9%と小規模で、為替差益5.1億円と受取配当金2.3億円が主な内訳である。営業利益と経常利益の差は小さく、本業の収益性は良好に保たれている。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1,650.0億円(同+9.6%)、営業利益320.0億円(同+7.7%)、経常利益320.0億円(同+6.9%)で、期中に売上+10億円、営業利益+5億円の上方修正が行われた。第3四半期累計の進捗率は売上高68.5%、営業利益65.4%であり、標準的な75%進捗をやや下回る。これは半導体製造装置・計測機器とも第4四半期の出荷・受注が計画上厚く配分される事業特性を反映したもので、第4四半期に売上520.3億円、営業利益率21.3%程度の水準が必要となる。契約負債(前受金)は67.4億円で、今後の売上計上への一定の裏付けとなる。

株主還元

第2四半期配当は1株111.00円、通期予想配当は1株222.00円である。通期予想EPS530.16円に基づく予想配当性向は41.9%であり、自己資本比率76.1%、現金及び預金506.8億円という財務余力を踏まえると、配当の持続性に懸念は小さい。自社株買いに関する開示はなく、還元指標は配当性向として評価される。

カタリスト

【短期】第4四半期における半導体製造装置の出荷進捗と、計測機器の航空宇宙・防衛関連受注(第3四半期単独で既往ピークの107億円)の売上化状況。

【長期】生成AI関連HPC需要の持続性、およびHybrid Bonding向けグラインダの2026年度下期以降の業績貢献の進捗。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率18.5%8.6% (4.3%–12.7%)+9.9pt
純利益率12.6%6.4% (2.8%–10.3%)+6.2pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回り、収益性で優位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.5%3.3% (-2.1%–8.9%)+6.2pt

売上成長率も業種中央値を上回り、上位水準の成長を実現している。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 半導体製造装置が営業利益の84.4%を占めており、半導体設備投資サイクルの変動や顧客の投資延期が全社業績に大きく波及しやすい構造である。

  2. 運転資本の拡大: 仕掛品は461.9億円と前年から15.3%増加しており、生産進行に伴う在庫水準の上昇が資金効率に影響を与え得る。

  3. 特別損失の発生: 当期は特別損失21.0億円を計上し純利益を押し下げた。内容の継続性次第で、翌期以降の利益変動要因となり得る。

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率18.5%、純利益率12.6%は業種中央値を大きく上回り、半導体製造装置事業を中心とした高い収益性が決算の特徴である。

  2. 営業・経常段階の増益に対し純利益が減益となった点は特別損失という一時的要因によるものであり、経常的な収益基調とは区別して捉える必要がある。

  3. 通期予想は期中で上方修正されたが、進捗率は売上・利益とも標準を下回っており、第4四半期の出荷・受注動向が計画達成の鍵となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,794円
base(基準)5,030円
bull(強気)5,110円
算出前提
1株純資産(BPS)4,459円
調整後予想EPS609.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.9%
予想EPSの信頼度調整×1.150(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.13倍 / 8.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,890円〜5,176円、ω±0.1で 5,017円〜5,051円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。