| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥48.2億 | ¥66.7億 | -27.7% |
| 営業利益 | ¥7.0億 | ¥14.2億 | -50.5% |
| 経常利益 | ¥8.3億 | ¥13.9億 | -39.7% |
| 純利益 | ¥4.9億 | ¥7.9億 | -37.7% |
| ROE | 4.6% | 6.7% | - |
2026年5月期決算は、売上高48.2億円(前年比-18.5億円 -27.7%)、営業利益7.0億円(同-7.2億円 -50.5%)、経常利益8.3億円(同-5.5億円 -39.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益4.9億円(同-3.0億円 -37.7%)と大幅な減収減益となった。半導体製造装置需要の調整局面に直面し、主力のIoT関連事業が前年比-22.9%と大きく落ち込んだことが業績を圧迫した。営業利益率は14.6%(前年21.3%)へ-6.7pt低下したものの、売上総利益率は50.3%(前年45.1%)へ+5.2pt改善しており、製品ミックスや原価管理の効果が確認できる。一方で販管費は17.2億円と前年比+1.4億円増加し、固定費の硬直性が営業レバレッジの負の作用を強めた。ROEは4.6%(前年8.6%)へ-4.0pt低下し、要因は総資産回転率の悪化(売上減と現預金85.3億円の積み上がり)と営業利益率の縮小である。キャッシュ創出力は堅調で営業CFは13.4億円を確保、フリーCFは10.1億円と純利益の2.1倍に達した。自己資本比率89.5%、ネットキャッシュ80.3億円と財務基盤は極めて強固で、同時に自社株買い11.9億円と配当4.7億円で総還元16.6億円を実施した。
【売上高】売上高は48.2億円(前年比-27.7%)と大幅減収となった。セグメント別構成はIoT関連事業29.5億円(前年38.3億円、-22.9%)が全体の61.2%、インダストリー4.0推進事業18.6億円(前年20.6億円、-9.7%)が38.6%、その他0.1億円(前年0.8億円、-98.8%)が0.2%である。主力のIoT関連事業は撮像半導体検査用光源装置の需要調整により大幅減収となり、インダストリー4.0推進も精密除振装置や歯車試験機の受注減で減収が継続した。前年に連結子会社であった株式会社エア・ガシズ・テクノスの株式譲渡により、環境エネルギー事業の実質的消滅も売上減の一因である。売上総利益率は50.3%と前年45.1%から+5.2pt改善しており、製品ミックスの高付加価値化や原価低減の効果が確認できる。
【損益】売上原価は24.0億円で売上総利益は24.3億円、売上総利益率50.3%を確保した。販管費は17.2億円(前年15.9億円、+8.6%)と増加し、販管費率は35.7%(前年23.8%)へ+11.9pt上昇した。主な内訳は給料及び手当4.1億円、その他販管費6.5億円であり、固定費性の高い人件費や本社管理部門費が売上減少局面で利益率を圧迫した。研究開発費は1.9億円(売上比4.0%)で、前年5.9億円から大幅減少している。営業利益は7.0億円(前年14.2億円、-50.5%)、営業利益率は14.6%(前年21.3%)へ-6.7pt縮小した。営業外収益は1.6億円で、受取利息0.4億円と為替差益1.1億円が主因である。営業外費用は0.2億円(支払利息0.1億円、為替差損0.7億円含む)で、為替の純影響は+0.3億円程度と軽微である。経常利益は8.3億円(前年13.9億円、-39.7%)となった。特別損失は0.8億円(固定資産除却損等)が計上され、税引前利益は7.5億円、法人税等2.2億円(実効税率29.6%)を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は4.9億円(前年7.9億円、-37.7%)となった。結論として減収減益である。
IoT関連事業は売上29.5億円(前年比-22.9%)、営業利益13.5億円(同-30.9%)、利益率45.6%と高採算を維持した。撮像半導体検査用光源装置の需要調整が響いたが、製品の高付加価値性により利益率は高水準である。インダストリー4.0推進事業は売上18.6億円(同-9.7%)、営業利益1.0億円(同-61.3%)、利益率5.5%と収益性が大幅に悪化した。明立精機の精密除振装置や東京テクニカルの歯車試験機の受注減が響き、固定費負担が重く利益率が圧迫された。その他(環境エネルギー事業)は売上0.1億円、営業利益0.1億円と事業規模が縮小した。全社費用7.5億円(本社管理部門費6.9億円、棚卸資産調整0.6億円)を調整後の連結営業利益は7.0億円となった。セグメント間のマージン格差が顕著で、IoT関連事業が連結利益の大半を稼ぐ構造である。
【収益性】営業利益率14.6%(前年21.3%)、売上総利益率50.3%(前年45.1%)、ROE4.6%(前年8.6%)である。粗利率は改善したが、販管費率の上昇(35.7%、前年23.8%)により営業利益率は大幅に低下した。ROEの低下要因は総資産回転率の悪化(0.40回、前年0.49回)と営業利益率の縮小であり、財務レバレッジは1.12倍と低位で安定している。【キャッシュ品質】営業CFは13.4億円で純利益の2.7倍、営業CF/売上高比率27.8%と高水準である。フリーCFは10.1億円で純利益の2.1倍に達し、現金創出力は極めて強固である。アクルーアル比率は-17.1%とマイナスで、利益の現金化は良好である。【投資効率】設備投資1.9億円は減価償却費2.0億円と同水準で、維持投資中心である。研究開発費は1.9億円(売上比4.0%)と適切な水準を維持している。【財務健全性】自己資本比率89.5%(前年86.2%)、流動比率977%(前年813%)、当座比率966%と流動性は極めて高い。有利子負債は短期借入金3.9億円と長期借入金1.1億円の計5.0億円に対し、現預金85.3億円でネットキャッシュは80.3億円である。負債資本倍率0.12倍、Debt/EBITDA0.55倍、インタレストカバレッジ94倍(EBITDA/支払利息)と財務余力は極めて厚い。
営業CFは13.4億円(前年35.6億円、-62.4%)を確保した。税金等調整前当期純利益7.5億円に減価償却費2.0億円、のれん償却0.3億円等を加算し、小計は15.9億円である。運転資本の変動では、売上債権の減少5.7億円と棚卸資産の減少2.0億円が資金源泉となり、需要減速に伴う運転資本の解放がOCFを支えた。法人税等の支払2.9億円を差し引き、営業CFは13.4億円となった。投資CFは-3.2億円で、内訳は設備投資-1.9億円、無形資産投資-0.5億円、子会社株式譲渡による支出-1.0億円等である。フリーCFは10.1億円(営業CF13.4億円-投資CF3.2億円)と潤沢である。財務CFは-17.1億円で、配当支払-4.7億円、自社株買い-11.9億円、長期借入金返済-0.5億円が主因である。為替変動の影響+1.4億円を加味し、現預金は前年90.7億円から85.3億円へ-5.5億円減少した。運転資本の変動は一過性の資金流入(売掛・在庫減)であり、来期の需要回復局面では運転資本の再投下が見込まれる。
経常的収益は営業利益7.0億円が中心で、営業外収益1.6億円(売上比3.3%)の主因は受取利息0.4億円と為替差益1.1億円である。為替差損も0.7億円計上されており、為替の純影響は+0.3億円程度と営業利益の約4%に相当するが、収益構造への歪みは限定的である。特別損失0.8億円(固定資産除却損等)は純利益の約16%を占め、一時的要因の影響が中程度存在する。営業CFは13.4億円で純利益4.9億円の2.7倍、営業CF/EBITDA比率は1.49倍(EBITDA=営業利益7.0億円+減価償却2.0億円=9.0億円)と利益の現金化は極めて良好である。アクルーアル比率-17.1%とマイナスで、現金主導の利益構造である。経常利益8.3億円と純利益4.9億円の乖離は法人税等2.2億円(実効税率29.6%)と特別損失0.8億円が主因で、税負担と一時的損失が最終利益を圧迫した。
2027年5月期通期計画は売上高72.1億円(前年比+49.6%)、営業利益16.0億円(同+127.7%)、経常利益16.2億円(同+94.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益10.5億円、EPS103.41円、配当45円(特別配当10円含む)である。営業利益率は22.2%と当期14.6%から+7.6pt改善を見込む。半導体製造装置需要の回復と主力IoT関連事業の高採算回帰、インダストリー4.0推進事業の収益性改善が前提である。当期下期は売上高23.4億円(上期24.8億円)と減速しており、来期の大幅増収計画は需要の急回復を織り込んでいる。運転資本は当期に大幅解放されたため、来期の増収局面では売掛金・在庫の再投下によりOCFが伸び悩む可能性がある。計画達成には需要回復の確度と運転資本の正常化が焦点となる。
当期配当は年間44円(中間配当10円、期末配当34円)で、総配当額は約4.7億円である。配当性向は純利益4.9億円に対し約96%と高水準である。自社株買いは11.9億円を実施し、総還元額は16.6億円に達した。フリーCF10.1億円に対し総還元性向は164%とFCFを大幅に超過する水準である。配当のみであればFCFで十分カバーされるが、自社株買いを含めると手元資金を取り崩す形となっている。現預金85.3億円と潤沢な手元資金を背景に積極的な株主還元を実施したが、今後は業績回復と運転資本の増加需要を踏まえ、成長投資と株主還元のバランスが論点となる。来期配当予想は45円(特別配当10円含む)で、業績回復を前提とした設定である。
半導体投資循環変動リスク: 主力のIoT関連事業(売上の61.2%)は撮像半導体検査用光源装置に集中しており、半導体製造投資の調整局面では大幅な減収となる。当期は前年比-22.9%と大きく落ち込み、営業利益も-30.9%減少した。今後も半導体投資循環の変動により業績が大きく振れるリスクがある。
インダストリー4.0推進事業の低採算化リスク: 同事業の営業利益率は5.5%(前年12.9%)へ大幅低下し、収益性の悪化が顕著である。固定費負担が重く、売上減少局面で利益率が急速に圧迫される構造的課題がある。来期計画では収益性改善を見込むが、達成難易度は高い。
運転資本・在庫管理リスク: 棚卸資産は11.2億円(うち仕掛品6.2億円、原材料5.7億円)で、仕掛品比率が55.4%と高い。在庫回転日数は長期化傾向にあり(当期は運転資本解放で一時改善)、需要回復が遅れると陳腐化・評価損リスクが顕在化する。来期の増収計画では運転資本の再投下が必要で、キャッシュフロー圧迫要因となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 14.6% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +6.8pt |
| 純利益率 | 10.2% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +5.0pt |
収益性は業種中央値を大きく上回り、製品の高付加価値性と原価管理の優位性が確認できる。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -27.7% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -31.4pt |
成長性は業種中央値を大幅に下回り、半導体投資循環の逆風による減収が顕著である。
※出所: 当社集計
収益性と財務健全性の両立: 営業利益率14.6%は業種中央値7.8%を+6.8pt上回り、製品の高付加価値性が確認できる。自己資本比率89.5%、ネットキャッシュ80.3億円と財務基盤は極めて強固で、業績変動局面でも財務余力は厚い。一方でROE4.6%と資本効率は低位であり、総資産回転率の改善(売上回復と現預金の活用)が課題である。
需要回復局面への転換可否: 当期は半導体製造装置需要の調整により大幅減収となったが、来期計画は売上+49.6%、営業利益+127.7%と大幅回復を見込む。粗利率50.3%と高水準を維持しており、需要回復局面では営業レバレッジが正の作用を発揮する構造である。ただし、販管費の固定費性が高く、需要回復の遅れは収益性の低迷を長期化させるリスクがある。運転資本は当期に大幅解放されたため、来期の増収局面では売掛・在庫の再投下によりOCFが圧迫される可能性に留意が必要である。
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