記事一覧に戻る
77222026 第3四半期スタンダードJGAAP

国際計測器(7722) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益53%増

2026年度第3四半期の売上高は103.8億円(前年同期比+9.9%)、営業利益は15億円(同+53.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥103.8億¥94.5億+9.9%
営業利益¥15.0億¥9.8億+53.1%
経常利益¥17.2億¥12.2億+41.8%
純利益¥12.0億¥8.5億+41.1%
ROE(年換算)12.7%9.8%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は、増収を上回る増益率を示し、営業レバレッジの発現が最大の特徴である。売上高は103.8億円(前年比+9.9%)、営業利益は15.0億円(同+53.1%)、経常利益は17.2億円(同+41.8%)、純利益は12.0億円(同+41.1%)となった。主力製品バランシングマシンの増収と固定費吸収に加え、営業外収益に含まれる為替差益1.4億円が経常利益を押し上げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は103.8億円で前年比+9.9%増加した。地域別では日本が78.7億円(+10.7%)と最大の伸びを示し、その他地域(+195.1%)、東伸工業(+109.0%)が大きく伸びた一方、韓国(-4.9%)、米国(-10.0%)は減収となった。製品別ではバランシングマシンが主力事業で全体成長を牽引したとみられる。

【損益】売上原価率は59.2%で、粗利率は40.8%となり、販管費率26.4%と合わせて営業利益率は14.4%に達した。売上高が9.9%増加する一方、営業利益は53.1%増加しており、固定費吸収による営業レバレッジが明確に発現している。営業外収益2.5億円には為替差益1.4億円が含まれ、経常利益を押し上げた。税引前利益17.2億円に対し法人税等5.3億円で実効税率は約30.6%、純利益は12.0億円(同+41.1%)となった。増収増益である。

セグメント別分析

地域別セグメント(経常利益ベース)では、日本(国際計測器)が売上78.7億円・利益15.0億円で利益率19.1%と最大の稼ぎ手となった。韓国は売上9.1億円に対し利益3.6億円・利益率39.3%と高収益を維持した。一方、米国は売上8.1億円に対し経常損失1.9億円で、前年の損失から大幅に悪化しており、海外拠点の収益性に課題が残る。東伸工業は売上3.4億円・利益0.5億円(利益率13.5%)で前年から大幅増益、中国は売上3.0億円と大きく伸びたが利益率4.8%にとどまる。全体として日本セグメントへの利益依存度が高い構造である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率14.4%、純利益率11.1%はいずれも前年同期から改善し、売上成長率9.9%を上回る増益率が営業レバレッジの発現を示している。粗利率40.8%は堅調で、販管費率26.4%との組み合わせで利益率改善に寄与した。【キャッシュ品質】DSO(売掛金回収日数)は約68日、在庫回転日数は約218日、CCCは約215日と長く、特に仕掛品34.5億円は棚卸資産の70.6%を占め、資金回収の遅延懸念がある。【投資効率】ROE(年換算)は12.7%で、純利益率・財務レバレッジ(総資産/純資産1.70倍)を背景に良好な水準にある一方、研究開発費は0.4億円(売上高比0.4%)と限定的である。【財務健全性】自己資本比率58.7%、現金及び預金84.4億円に対し有利子負債は合計約21.8億円で、ネットキャッシュは約63億円と推定され、財務基盤は保守的かつ強固である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の数値は開示されていないため、BS推移から資金動向を分析する。現金及び預金は84.4億円と前年の79.0億円から増加し、利益成長と整合的な資金蓄積が確認できる。一方、仕掛品は34.5億円と前年の28.98億円から大幅に増加し、増収に伴う運転資本の拡大が資金効率に影響していると考えられる。売掛金は26.0億円で前年の31.9億円から減少しており、回収は一定程度進展した可能性がある。有利子負債(短期借入・1年内返済長期借入・長期借入の合計)は減少傾向にあり、利益成長を背景に負債圧縮と現金積み増しが同時に進んでいる状況がうかがえる。

収益の質

経常利益17.2億円と純利益12.0億円の差は主に法人税等5.3億円によるもので、実効税率は約30.6%と特段の異常は見られない。営業外収益2.5億円のうち為替差益1.4億円が大きな構成要素であり、これは経常利益の約7.9%に相当する非事業性の一時的要因として留意される。包括利益は14.1億円で純利益12.0億円を上回り、為替換算調整額1.6億円と有価証券評価差額金0.5億円がその他の押し上げ要因となっている。運転資本面では仕掛品の積み上がりが利益と現金創出のタイミングに乖離を生じさせる可能性があり、アクルーアルの観点からは利益の質を注視する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高71.6%、営業利益88.0%、経常利益95.8%、純利益96.1%となった。標準的な進捗ペース(75%)に対し利益系指標は大きく上回っており、通期の営業利益予想17.0億円(前年比+40.4%)、経常利益予想18.0億円(同+27.5%)に対する達成確度は高いとみられる。当四半期において業績予想の修正が行われており、進捗の強さを反映した見直しであったことがうかがえる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり10.00円で、通期配当予想は35.00円(配当予想の修正は無)となっている。通期予想EPS89.05円を基準とすると、予想配当性向は約39.3%となる。現金及び預金84.4億円と保守的な財務レバレッジを踏まえると、配当継続に対する資金面の余力は相対的に大きいと考えられる。

リスク要因

  1. 運転資本効率の悪化: 仕掛品が34.5億円と棚卸資産の70.6%を占め、DIO約218日、CCC約215日と長期化している。売上拡大に伴い資金拘束が拡大するリスクがある。

  2. 海外拠点の収益性ばらつき: 米国セグメントは経常損失1.9億円(前年の損失から悪化)となっており、地域別の収益構造に不均衡が見られる。一方、中国は増収したが利益率4.8%に留まる。

  3. 研究開発投資の限定性: 研究開発費は0.4億円で売上高比0.4%にとどまる。中長期的な製品競争力維持の観点から、投資水準の推移が確認事項となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率14.4%8.6% (4.3%–12.7%)+5.8pt
純利益率11.5%6.4% (2.8%–10.3%)+5.1pt

営業利益率・純利益率ともに製造業中央値を大きく上回り、業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.9%3.3% (-2.1%–8.9%)+6.6pt

売上高成長率も業種中央値を上回り、増収基調が業種内でも相対的に強い。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 主力事業の増収と固定費吸収により、営業利益成長率が売上成長率を大きく上回る営業レバレッジが確認できる。通期予想に対する利益進捗も高水準にあり、当第3四半期時点での予想修正はこの進捗を反映したものとみられる。

  2. 仕掛品の積み上がりとCCCの長期化は、利益成長と現金創出のタイミングに乖離を生じさせる構造的な要因であり、今後の在庫・売掛金の現金化動向が業績の質を判断する上での注目点となる。

  3. 地域別では日本・韓国が高い利益率を維持する一方、米国は損失が拡大しており、セグメント間の収益性のばらつきが継続的な観察点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)902円
base(基準)926円
bull(強気)946円
算出前提
1株純資産(BPS)933円
調整後予想EPS98.0円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向39.3%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.99倍 / 9.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 901円〜952円、ω±0.1で 926円〜926円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(96%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。