| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥529.9億 | ¥461.8億 | +14.7% |
| 営業利益 | ¥37.7億 | ¥18.2億 | +106.9% |
| 経常利益 | ¥34.7億 | ¥18.9億 | +83.7% |
| 純利益 | ¥15.4億 | ¥2.5億 | +520.6% |
| ROE | 4.3% | 0.7% | - |
2026年3月期通期決算は、売上高529.9億円(前年比+68.1億円 +14.7%)、営業利益37.7億円(同+19.5億円 +106.9%)、経常利益34.7億円(同+15.8億円 +83.7%)、純利益15.4億円(同+12.9億円 +520.6%)と増収増益で着地した。売上高はFPD装置事業の高採算案件増加と半導体・フォトマスク装置事業の拡大により2桁成長を達成、営業利益は粗利率27.8%(前年比+1.5pt改善)と販管費率20.7%(同-1.6pt改善)の両面から収益性が向上し倍増となった。経常利益は営業外で持分法損益-7.4億円と支払利息1.8億円が圧迫要因となったが、為替差益3.8億円が下支えした。純利益は特別損失3.8億円(減損損失3.6億円等)を計上したものの、税引前利益の大幅増により前年比5.2倍へ急伸、EPSは243.48円(前年84.07円)と189.6%増加した。
【売上高】売上高529.9億円は前年比+14.7%と2桁増収を達成した。セグメント別にはFPD装置事業が319.8億円(売上構成比60.3%、前年比+7.2%)、半導体・フォトマスク装置事業が195.9億円(同37.0%、+31.5%)と主力2事業が揃って拡大した。FPD装置は高付加価値案件の比率上昇と大型設備の検収進捗により安定成長、半導体・フォトマスク装置は前年の低水準からの反動と新規案件獲得により3割超の伸びを記録した。その他事業は18.1億円(+2.8%)と小幅増にとどまった。地理別の明示データはないが、為替差益3.8億円の計上から海外売上の寄与拡大が推察される。
【損益】営業利益37.7億円は前年比+106.9%と倍増し、営業利益率は7.1%(前年3.9%、+3.2pt改善)へ回復した。増益の主因は粗利率27.8%(前年26.3%、+1.5pt)の改善と販管費率20.7%(前年22.3%、-1.6pt)の低下で、FPD装置の高採算案件構成比上昇と営業レバレッジが奏功した。セグメント別にはFPD装置事業が営業利益32.2億円(利益率10.1%、前年比+253.1%)と主導し、半導体・フォトマスク装置事業は6.5億円(利益率3.3%、-47.3%)と増収ながら減益となった。半導体側は立上げコストと価格競争により低採算が続いた。経常利益34.7億円(+83.7%)は営業増益が牽引したが、持分法損益-7.4億円(前年-3.1億円)と支払利息1.8億円が営業外で圧迫要因となり、為替差益3.8億円がこれを一部相殺した。特別損益では固定資産売却益3.1億円と減損損失3.6億円がほぼ相殺し、純額で-0.5億円の負担となった。税引前利益34.2億円から法人税等10.6億円(実効税率30.9%)と非支配株主利益0.7億円を控除し、親会社株主帰属純利益は15.4億円(前年2.5億円、+520.6%)と大幅増益となった。結果、増収増益を達成した。
FPD装置事業は売上319.8億円(前年比+7.2%)、営業利益32.2億円(同+253.1%)と高採算案件の比率上昇により利益率10.1%(前年3.1%)へ急改善し、全社営業利益の85.5%を占める主力事業となった。半導体・フォトマスク装置事業は売上195.9億円(+31.5%)と大幅増収ながら、営業利益6.5億円(-47.3%)と減益で利益率3.3%(前年8.3%)へ低下した。増収要因は新規案件獲得と前年の低ベースからの回復だが、立上げコストと価格競争が採算を圧迫した。その他事業は売上18.1億円(+2.8%)、営業損失1.1億円(前年-3.3億円、損失幅は縮小)と赤字継続だが、IT・OLED照明・農業等の小規模事業群として改善傾向にある。
【収益性】営業利益率7.1%は前年3.9%から+3.2pt改善し、純利益率2.9%(前年0.5%、+2.4pt)、ROE4.3%(前年0.7%、+3.6pt)と収益性は全面的に回復した。粗利率27.8%(+1.5pt)の改善はFPD装置の高採算ミックスと製造効率化によるもので、販管費率20.7%(-1.6pt)の低下は固定費の吸収と営業レバレッジが寄与した。ROAは4.8%(前年2.5%)へ上昇し、総資産回転率0.73回転(前年0.63回転)と資産効率も改善した。【キャッシュ品質】営業CF57.5億円は純利益15.4億円の3.7倍と高品質で、OCF/EBITDA比率は1.28倍と良好なキャッシュコンバージョンを示した。減価償却費7.4億円を加算したEBITDA45.1億円に対し営業CFは1.28倍と現金創出力は堅実である。運転資本効率はDSO120日、DIO135日、DPO41日でCCC215日と滞留が顕著で、特に仕掛品101.6億円(棚卸資産の71.5%)の厚みが検収遅延とプロジェクト偏在を示唆する。【投資効率】設備投資10.6億円は売上高比2.0%、減価償却費7.4億円を上回る水準で成長投資を継続した。投資有価証券は20.5億円(前年比+96.2%)へ増加し、余資運用と戦略持株の積み増しが進んだ。【財務健全性】自己資本比率49.6%(前年45.8%)と健全水準を維持し、流動比率283.1%、当座比率280.3%と流動性は極めて潤沢である。有利子負債148.8億円に対し現金同等物294.8億円でネットキャッシュは+146.0億円、Debt/EBITDA比率3.30倍、インタレストカバレッジ20.7倍と財務耐性は高い。短期借入金は21.6億円(+66.9%)へ増加したが、現金/短期負債比率13.6倍で流動性リスクは低い。
営業CFは57.5億円(前年比+7.6%)で、税引前利益34.2億円に減価償却費7.4億円、のれん償却2.1億円、持分法損失7.4億円等の非資金費用を加算し、運転資本の変動として売上債権減少+26.9億円、棚卸資産減少+19.4億円の資金流入があった一方、仕入債務減少-20.4億円が資金流出要因となった。法人税等の支払10.4億円を控除後、営業CF小計68.6億円から調整し57.5億円を計上した。投資CFは-17.0億円で、設備投資10.6億円と投資有価証券取得3.3億円が主要な支出項目、定期預金の純増減と固定資産売却益0.9億円が一部相殺した。フリーCFは40.5億円(営業CF+投資CF)と十分な現金創出力を示した。財務CFは-15.7億円で、長期借入金の実行48.8億円と返済-60.4億円の純返済-11.6億円、短期借入金の純増50.4億円から減少-46.5億円で差引+3.9億円のネット調達、配当支払7.7億円が主要項目である。為替換算調整2.9億円の正の効果を加え、現金同等物は期首261.2億円から期末289.0億円へ+27.8億円増加した。運転資本の質では、売掛金DSO120日と在庫DIO135日の高水準がCCC215日の長期化を招いており、特に仕掛品比率71.5%は検収の偏りと案件の長期化を反映している。今後の運転資本圧縮と検収平準化がキャッシュ効率改善の鍵となる。
経常利益34.7億円のうち営業利益37.7億円が大半を占め、経常ベースの収益は堅実である。営業外では持分法損益-7.4億円が恒常的な圧迫要因となっているが、為替差益3.8億円が一時的な追い風として寄与した。特別損益は固定資産売却益3.1億円と減損損失3.6億円がほぼ相殺し純額-0.5億円と軽微だが、一時的項目の純利益に対する比率は約30%と変動要因として留意が必要である。包括利益34.9億円は純利益15.4億円を大きく上回り、為替換算調整額5.8億円と有価証券評価差額金4.8億円のOCI項目が+11.2億円の上乗せ要因となった。現金創出力は営業CF57.5億円が純利益の3.7倍と高く、アクルーアルは健全な範囲にある。運転資本ではDSO120日とDIO135日の滞留が顕著で、仕掛品101.6億円の厚みが粗利取り崩しや期ずれのリスク源泉となるが、営業CF小計68.6億円と運転資本変動後57.5億円の差は運転資本の資金流出を示し、今後の改善余地を示唆する。
2027年3月期通期ガイダンスは売上高600.0億円(前年比+13.2%)、営業利益55.0億円(+45.9%)、経常利益47.0億円(+35.3%)、純利益30.0億円と増収増益を見込む。営業利益率は9.2%へ+2.1pt改善を想定し、FPD装置の高採算維持と半導体・フォトマスク装置の採算改善が前提となる。当期実績に対する進捗率は売上88.3%、営業利益68.5%、経常利益73.8%で、売上は順調だが利益面ではガイダンス達成に向け下半期の積み上げが必要となる。配当予想は年40.0円で、EPS予想317.35円に対し配当性向12.6%と保守的な方針を示す。
年間配当は80.0円(中間40.0円、期末40.0円)で、EPS243.48円に対し配当性向32.9%と適正水準にある。総配当支払7.7億円に対しフリーCF40.5億円でFCFカバレッジは5.3倍と持続可能性は高い。現金同等物294.8億円の潤沢なバッファと自己資本比率49.6%の健全な資本構成から、成長投資と株主還元の両立が可能な状態にある。2027年3月期の配当予想は40.0円と据え置きで、EPS予想317.35円に対し配当性向12.6%へ低下する見込みだが、実際の方針は業績進捗と投資機会により調整される可能性がある。自社株買いの開示はなく、還元は配当のみで実施されている。
セグメント集中度とFPD需要サイクル: FPD装置事業が売上の60.3%、営業利益の85.5%を占め、顧客の設備投資計画と需要サイクルに対する感応度が極めて高い。FPD需要のピークアウトや大型案件の剥落時には収益が急減するリスクがある。
運転資本滞留と仕掛品リスク: CCC215日、仕掛品比率71.5%と滞留が顕著で、検収遅延や工程ボトルネックにより粗利率の取り崩しや期ずれが発生するリスクがある。プロジェクトの長期化と案件偏在が資金効率を圧迫する懸念がある。
半導体・フォトマスク装置の低採算と持分法投資損失: 半導体事業の利益率3.3%と低採算が継続し、持分法損失7.4億円が拡大傾向にある。価格競争と立上げコスト負担が短期的に利益変動を増幅するリスクがあり、関連会社の収益悪化が通期の利益ボラティリティ源泉となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.1% | 7.8% (4.6%–12.3%) | -0.6pt |
| 純利益率 | 2.9% | 5.2% (2.3%–8.2%) | -2.3pt |
収益性は業種中央値をやや下回り、営業利益率は-0.6pt、純利益率は-2.3ptの差で推移する。半導体装置の低採算と一時的項目の影響が相対的な劣位要因となっている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 14.7% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | +11.0pt |
売上高成長率は業種中央値を+11.0pt上回り、製造業セクター内で上位の成長ペースを示す。FPD装置と半導体装置の2事業拡大が牽引している。
※出所: 当社集計
収益性の反転と営業レバレッジの発現: 営業利益率7.1%(前年比+3.2pt)、純利益率2.9%(+2.4pt)、ROE4.3%と収益性が全面回復し、販管費率の低下と粗利率改善により営業レバレッジが効いた局面にある。FPD装置の高採算案件構成比上昇が主導し、今後の半導体装置の採算改善が実現すれば利益水準の再評価余地がある。
キャッシュ創出力と配当持続性の高さ: 営業CF57.5億円、フリーCF40.5億円と堅実な現金創出力を示し、配当支払7.7億円に対しFCFカバレッジ5.3倍と持続可能性は高い。現金同等物294.8億円の潤沢なバッファと自己資本比率49.6%の健全な財務構造から、成長投資と株主還元の両立が可能な状態にある。
運転資本効率とセグメントミックスの改善余地: CCC215日、仕掛品比率71.5%と運転資本の滞留が顕著で、検収平準化と仕掛品圧縮が短期の改善課題となる。また半導体装置の利益率3.3%と低採算が続くが、立上げコスト一巡後の採算改善が2027年度ガイダンス(営業利益率9.2%)達成の前提となる。FPD装置の高採算維持と半導体の収益性回復が両輪で進めば、利益率の構造的改善とROE向上が期待される。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。