記事一覧に戻る
77152026 第3四半期プライムJGAAP

長野計器(7715) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益11%減

2026年度第3四半期の売上高は494.7億円(前年同期比-2.3%)、営業利益は49.7億円(同-10.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

長野計器株式会社

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥494.7億¥506.1億−2.3%
営業利益¥49.7億¥55.7億−10.7%
経常利益¥49.2億¥55.3億−11.0%
純利益¥34.7億¥43.0億−19.2%
ROE7.4%9.6%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は減収減益となり、主力の圧力センサ事業の採算悪化が連結利益を押し下げた。売上高は494.7億円(前年比△2.3%)、営業利益は49.7億円(同△10.7%)、経常利益は49.2億円(同△11.0%)、純利益は34.7億円(同△19.2%)となった。売上減少幅を上回る利益減少は、固定費負担の増大と圧力センサ事業の利益率低下が主因である。純利益の減益率が営業利益を上回るのは、前年に計上されていた投資有価証券売却益等の一時益が剥落した影響とみられる。

業績変動要因

【売上高】売上高は494.7億円で前年比2.3%減となった。セグメント別では、圧力計事業264.8億円(構成比53.5%、前年並み)、圧力センサ事業144.6億円(同29.2%、同9.6%減)、計測制御機器事業30.5億円(同6.2%、同9.6%増)、ダイカスト事業40.9億円(同8.3%、同5.6%増)となった。連結売上減少の主因は主力の圧力センサ事業の需要調整である。

【損益】営業利益は49.7億円(同10.7%減)、営業利益率は10.0%で前年の11.0%から低下した。圧力計事業は営業利益22.6億円(同1.9%増)と増益を確保した一方、圧力センサ事業は営業利益21.4億円(同35.7%減)となり、利益率は14.8%と前年の20.8%から大きく低下した。計測制御機器事業は増益、ダイカスト事業は前年の赤字から黒字転換したが、圧力センサ事業の落ち込みを補い切れていない。特別利益として固定資産売却益5.7億円を計上しており、これが税引前利益を押し上げる一時的要因となっている。経常利益は49.2億円(同11.0%減)で営業利益とほぼ連動する一方、純利益は34.7億円(同19.2%減)となり、前年に計上された投資有価証券売却益等の剥落により減益率が拡大した。総括すると、減収減益であり、主因は圧力センサ事業の需要・採算悪化である。

セグメント別分析

4セグメントのうち圧力計事業が売上高264.8億円・営業利益22.6億円と最大の利益貢献事業であり、増益を確保した。圧力センサ事業は売上高144.6億円・営業利益21.4億円で、利益率14.8%は連結内で高水準ながら前年比約6pt低下し、連結減益の中心となっている。計測制御機器事業は売上高30.5億円・営業利益2.8億円(利益率9.2%)で前年から利益率が改善、ダイカスト事業は売上高40.9億円・営業利益1.7億円(利益率4.2%)で前年の赤字から黒字転換した。ポートフォリオ内で明暗が分かれており、圧力センサ事業の需要回復が連結業績の鍵となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は10.0%で前年の11.0%から低下し、純利益率も6.8%と前年の8.6%を下回った。粗利率は31.6%、販管費率は21.5%であり、収益構造は一定の水準を維持しているが、増収局面への転換までは至っていない。【キャッシュ品質】税引前利益54.4億円には固定資産売却益5.7億円が含まれており、これを除いた経常的な利益水準は見かけよりも小さい。営業外収益は4.1億円で売上高の0.8%にとどまり、営業外収益への依存度は限定的である。【投資効率】ROEは7.4%で、一般的な目安である8%をやや下回る水準にある。総資産は750.1億円、純資産は471.7億円で、資産回転率の低さが資本効率の制約要因となっている。【財務健全性】自己資本比率は62.9%と高水準を維持し、流動資産434.5億円は流動負債191.4億円を大きく上回る。有利子負債は短期借入金79.5億円が中心であり、短期資金への依存度がやや高い点は留意される。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示は含まれないが、貸借対照表の推移から資金動向をみると、現金及び預金は108.3億円で前年の101.2億円から増加した。棚卸資産は164.8億円と高水準にあり、運転資本の滞留が資金効率面での課題となっている。有利子負債は短期借入金79.5億円を中心に構成され、長期借入金は5.7億円にとどまることから、資金調達は短期中心の構造である。自己資本比率62.9%と潤沢な現預金残高を踏まえると、財務面の柔軟性は確保されている。

収益の質

当期の税引前利益54.4億円には、固定資産売却益5.7億円を含む特別利益5.7億円が計上されており、経常的な収益力を上回る水準を押し上げている。特別利益を除いた場合の税引前利益は経常利益49.2億円を下回る水準となり、純利益34.7億円の一部は一時的要因に支えられている。営業外収益は受取配当金1.7億円を含む4.1億円で、営業外費用4.6億円(うち支払利息3.4億円)とほぼ相殺している。包括利益は46.4億円で純利益34.7億円を上回り、有価証券評価差額金11.7億円の増加がその主因である。純利益と包括利益の乖離は、事業の経常的な収益力というより金融資産の時価変動の影響が大きいことを示している。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高73.7%、営業利益73.1%、経常利益71.3%、純利益66.3%となった。売上高・営業利益の進捗は標準的な75%目安に近いが、純利益の進捗は相対的に低い。通期予想達成には第4四半期に売上高176.3億円、営業利益18.3億円程度の積み上げが必要であり、前年並みの利益率維持が前提となる。通期予想は売上高671.0億円(前年比3.5%減)、営業利益68.0億円(同11.1%減)であり、期初時点から減収減益を織り込んでいる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり26.00円であり、通期会社予想の年間配当は52.00円で、期末も同額の配当を前提とする水準である。通期予想純利益51.0億円を基準とした予想配当性向は約19.4%であり、配当のみを対象とした還元指標として低水準にある。利益剰余金319.3億円を踏まえると、当面の配当継続に対する余力は大きいとみられる。

リスク要因

  1. 圧力センサ事業の採算悪化: 売上高が前年比9.6%減、営業利益が同35.7%減となり、利益率は14.8%と前年から約6pt低下した。連結減益の主因であり、需要動向の推移が注目される。

  2. 棚卸資産の滞留: 棚卸資産は164.8億円で、在庫水準の高さが運転資本効率の課題となっている。需要調整が長期化した場合、評価損や稼働率低下を通じた収益圧迫が懸念される。

  3. 短期資金への依存: 有利子負債のうち短期借入金が79.5億円を占め、長期借入金5.7億円を大きく上回る。現預金108.3億円が短期負債を上回るため直近の資金対応力はあるが、借入構成の短期化は留意点である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.0%8.6% (4.3%–12.7%)+1.5pt
純利益率7.0%6.4% (2.8%–10.3%)+0.6pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に高い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.3%3.3% (-2.1%–8.9%)−5.6pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、トップライン面では業種内で劣後している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 圧力計事業は増益を確保し連結最大の利益貢献事業となった一方、高採算の圧力センサ事業は利益率が前年から約6pt低下し、連結減益の中心となっている。事業間の明暗がポートフォリオの構造的な特徴として表れている。

  2. 純利益には固定資産売却益5.7億円が含まれ、経常的な収益力は純利益の減益率(△19.2%)が示すほど悪化していない可能性がある一方、税引前利益ベースでも一時益寄与を除くと経常利益水準を下回る。

  3. 自己資本比率62.9%、流動比率の高さなど財務健全性は良好である一方、棚卸資産水準の高さと有利子負債の短期集中は、資金効率とリファイナンス構成の面でモニタリングが必要な項目である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,586円
base(基準)2,647円
bull(強気)2,726円
算出前提
1株純資産(BPS)2,540円
調整後予想EPS285.0円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向19.7%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.04倍 / 9.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,572円〜2,726円、ω±0.1で 2,645円〜2,651円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。