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77012026 第3四半期プライムJGAAP

島津製作所(7701) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益7%増

2026年度第3四半期の売上高は3,987億円(前年同期比+3.8%)、営業利益は502.4億円(同+6.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/精密機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3987.2億¥3843.0億+3.8%
営業利益¥502.4億¥470.4億+6.8%
経常利益¥529.8億¥491.6億+7.8%
純利益¥390.9億¥361.4億+810.0%
ROE7.4%7.3%-

Executive Summary

増収率を上回る営業増益となり、収益性が緩やかに改善した決算である。売上高は3,987.2億円(前年比+3.8%)、営業利益は502.4億円(同+6.8%)、経常利益は529.8億円(同+7.8%)、純利益は390.9億円(同+8.1%、親会社株主帰属ベース)となった。営業利益率は12.6%で前年同期から約35bp改善し、増収に伴う販管費・原価吸収力の改善が寄与した。通期予想に対する進捗率は売上高71.8%、営業利益69.8%と標準的な75%を下回り、第4四半期の収益性向上が計画達成の焦点となる。

業績変動要因

【売上高】売上高は3,987.2億円(前年比+3.8%)。セグメント別では計測機器が918億円で9期連続の3Q過去最高を更新した一方、産業機器はTMPリカーリング売上高が+31%と大きく伸長、航空機器も防衛需要を背景に+21%と高い伸びを示した。医用機器も為替円安と欧州以外での需要により+14%増収となった。

【損益】営業利益は502.4億円(同+6.8%)、経常利益は529.8億円(同+7.8%)と増収を上回る増益を達成した。経常利益と営業利益の乖離は約27.5億円で、為替差益19.2億円が主因である。特別損益は利益1.9億円・損失2.3億円とネットで軽微であり、純利益390.9億円は主に経常的な収益力に支えられている。結論として増収増益である。

セグメント別分析

構成比最大の主力事業は分析計測機器で、売上高2,599.6億円(全体の65.2%)、営業利益355.7億円(利益率13.7%)を計上し、全社利益の過半を牽引する。産業機器は営業利益81.2億円(利益率15.7%)でTMP市況回復により大幅増益、航空機器は営業利益59.7億円(利益率19.7%)と全セグメント中最も高い利益率を示し、防衛関連需要が寄与した。医用システムは営業利益24.6億円(利益率4.7%)と相対的に低収益で、前年同期比では大幅増益ながらセグメント間の利益率格差が大きい。全体の増益は分析計測機器の規模と、産業機器・航空機器の高い伸びに支えられている。

主要財務指標

収益性: ROE 7.4%、営業利益率12.6%(前年同期比約35bp改善)。 財務健全性: 自己資本比率77.0%、流動比率345.1%と極めて保守的な財務構成。 1株当たり指標: EPS 135.28円(前年122.94円、+10.0%)。 運転資本効率: 売掛金1,445.1億円・棚卸資産889.0億円が総資産の合計約33.8%を占め、資産回転率の改善余地がある。

キャッシュフロー分析

営業CF・投資CF・財務CFの実績値は開示データに含まれておらず、キャッシュフローの水準そのものの評価は困難である。現金及び預金は1,456.8億円で、流動負債1,352.8億円を上回る潤沢な水準にある。棚卸資産(製品889.0億円、仕掛品344.1億円、原材料355.5億円)の増加は半導体製造装置向け需要回復に伴う積み増しが背景とみられ、運転資金の拘束要因となっている。契約負債439.4億円は顧客からの先行受領を示し、運転資金負担を部分的に緩和する構造である。

収益の質

経常利益529.8億円と純利益390.9億円の差は主に法人税等138.6億円によるもので、経常的な税負担の範囲内である。営業外収益44.2億円は売上高の1.1%にとどまるが、その内訳の為替差益19.2億円は市場環境に左右される性質であり、経常利益の増益をすべて営業活動の改善と同一視すべきではない。特別損益はネットで軽微(利益1.9億円、損失2.3億円)であり、収益の質を大きく歪める要因ではない。売上債権・棚卸資産の増加ペースが営業利益の伸びを上回る場合、将来的なキャッシュフローの質に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高5,550億円(前期比+3.0%)、営業利益720億円(同+0.4%)、経常利益720億円(同0.0%)。為替円安を反映し売上高を上方修正した一方、M&A費用・研究開発費の増加見込みから営業利益は据え置かれた。第3四半期累計の進捗率は売上高71.8%、営業利益69.8%、経常利益73.6%であり、標準的な75%進捗を下回る。計測機器はM&A費用増により営業利益が下方修正された一方、医用・産業・航空の3セグメントは需要好調・為替効果により上方修正され、全体を下支えする構成である。

株主還元

第2四半期配当は1株27円、通期配当予想は67円(前期26円から増配見込み)。通期EPS予想186.89円に基づく予想配当性向は約35.8%であり、現金及び預金1,456.8億円、自己資本比率77.0%という強固な財務基盤を踏まえると、配当の持続性に懸念は乏しい。自社株買いに関する開示はなく、本レポートでは配当性向のみを記載する。

カタリスト

【短期】第4四半期の業績進捗(通期計画達成には営業利益率の押し上げが必要)、Tescan買収に伴うシナジーの具体化、半導体・マテリアル・ライフサイエンス分野への新製品投入。

【長期】2026年6月に予定される新中期経営計画(2026-2028年度)の発表、半導体製造装置向けTMP需要や防衛関連(航空機器)需要の持続性。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率12.6%8.6% (4.3%–12.7%)+4.0pt
純利益率9.8%6.4% (2.8%–10.3%)+3.4pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、業種内でも上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.8%3.3% (-2.1%–8.9%)+0.5pt

売上高成長率は業種中央値をわずかに上回るが、IQR上限8.9%には届かず標準的な水準にとどまる。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 運転資本の長期化: 売掛金1,445.1億円・棚卸資産889.0億円が総資産の約33.8%を占め、回収・在庫効率の改善が今後のキャッシュ創出力に影響する可能性がある。

  2. 為替・関税変動: 為替差益19.2億円は営業利益の3.8%に相当し、円高方向への変動は経常利益を押し下げる要因となる。関税影響は営業利益に直接・間接合計で押し下げ要因として作用している。

  3. セグメント別の需要変動: 計測機器の北米での医薬向け設備投資減少、医用機器の欧州での官公庁予算執行遅延など、地域・製品別の需要変動が一部セグメントの収益に影響している。

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は12.6%と前年同期から改善し、業種中央値8.6%を4.0pt上回る水準にある。分析計測機器を主力としつつ、産業機器・航空機器の高利益率セグメントの伸長が収益構造を下支えしている。

  2. 通期計画に対する進捗率(営業利益69.8%)は標準進捗75%を下回っており、第4四半期の収益性向上が計画達成の分岐点となる。

  3. 配当は通期67円への増配を予想し、予想配当性向は約35.8%にとどまる。自己資本比率77.0%という保守的な財務基盤が、配当政策の安定性を支える構造的背景となっている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,844円
base(基準)1,899円
bull(強気)1,955円
算出前提
1株純資産(BPS)1,839円
調整後予想EPS191.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向35.9%
予想EPSの信頼度調整×1.024(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.03倍 / 9.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,846円〜1,954円、ω±0.1で 1,898円〜1,901円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。