- 売上高: 1,236.07億円
- 営業利益: 46.48億円
- 当期純利益: 33.87億円
- 1株当たり当期純利益: 173.50円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,236.07億円 | 1,145.34億円 | +7.9% |
| 売上原価 | 970.02億円 | 900.08億円 | +7.8% |
| 売上総利益 | 266.04億円 | 245.25億円 | +8.5% |
| 販管費 | 219.55億円 | 199.51億円 | +10.0% |
| 営業利益 | 46.48億円 | 45.74億円 | +1.6% |
| 営業外収益 | 3.27億円 | 2.90億円 | +12.8% |
| 営業外費用 | 1.56億円 | 62百万円 | +151.6% |
| 経常利益 | 48.20億円 | 48.02億円 | +0.4% |
| 税引前利益 | 48.20億円 | 48.01億円 | +0.4% |
| 法人税等 | 14.32億円 | 14.25億円 | +0.5% |
| 当期純利益 | 33.87億円 | 33.76億円 | +0.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 33.87億円 | 33.76億円 | +0.3% |
| 包括利益 | 33.90億円 | 33.62億円 | +0.8% |
| 支払利息 | 1.48億円 | 58百万円 | +155.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 173.50円 | 172.33円 | +0.7% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 466.70億円 | 390.64億円 | +76.06億円 |
| 現金預金 | 84.09億円 | 71.66億円 | +12.43億円 |
| 売掛金 | 25.74億円 | 18.45億円 | +7.29億円 |
| 棚卸資産 | 330.87億円 | 277.25億円 | +53.62億円 |
| 固定資産 | 495.70億円 | 409.12億円 | +86.58億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.7% |
| 粗利益率 | 21.5% |
| 流動比率 | 138.6% |
| 当座比率 | 40.4% |
| 負債資本倍率 | 1.43倍 |
| インタレストカバレッジ | 31.41倍 |
| 実効税率 | 29.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.9% |
| 営業利益前年同期比 | +1.6% |
| 経常利益前年同期比 | +0.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +0.3% |
| 包括利益前年同期比 | +0.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 19.74百万株 |
| 自己株式数 | 289千株 |
| 期中平均株式数 | 19.53百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,035.11円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 28.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,639.03億円 |
| 営業利益予想 | 51.55億円 |
| 経常利益予想 | 53.51億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 38.58億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 197.77円 |
| 1株当たり配当金予想 | 29.00円 |
2026年度Q3の薬王堂HDは、売上高が前年同期比+7.9%と堅調に伸長した一方、利益面は営業利益+1.6%、当期純利益+0.3%にとどまり、増収鈍益の色合いが出ました。売上は1,236.07億円、営業利益は46.48億円、経常利益は48.20億円、当期純利益は33.87億円です。粗利率は21.5%と安定的ですが、営業利益率は3.76%で前年の約3.99%から約23bp低下しました。経常利益率も約3.90%と推計され、前年の約4.19%から約29bp縮小しています。純利益率は2.74%で、前年の2.95%から約21bp縮小しました。販管費は219.55億円と増加し、販管費率は17.8%(売上比)に達しており、増収に対してコスト上昇(人件費・光熱費・物流費)が吸収しきれていない構図です。財務面では総資産962.41億円、純資産395.85億円、レバレッジ2.43倍、ROEは8.6%と「要注意」水準の下限をやや上回る程度です。流動比率は138.6%と100%超を維持しつつ、当座比率は40.4%と低く、小売業特有の在庫依存体質が流動性の見え方を押し下げています。有利子負債は159.65億円(長期借入金)で、前年から+45%増加、Debt/Capitalは28.7%と投資適格レンジ内ながら、資金調達の積極化がうかがえます。インタレストカバレッジは31.41倍と極めて健全で、金利負担は利益水準に比し軽微です。BSでは在庫が総資産の34.4%と高く、買掛金215.14億円とのバランスでキャッシュコンバージョンサイクル短縮の余地があります。CF情報は未開示項目が多く、営業CF対純利益など利益の質の検証ができない点は重要な制約です。配当は中間無配・期末28円で、試算配当性向16.3%と保守的な株主還元姿勢が確認できます。品質アラートの通り、EBITマージン3.8%は5%未満で業界内では標準的ながら、短期的にはコストインフレや新店立ち上げ負担の影響が残っています。将来に向けては、既存店売上の持続、粗利率改善(PB拡大・値下げ率低減)、販管費の伸び抑制、在庫回転の改善が利益成長の鍵です。総じて、増収に対して利益率の軽度な圧迫と負債活用の増加が同時進行しており、コストと運転資本のコントロールが今後の焦点となります。
ROEは8.6%で、純利益率2.7%×総資産回転率1.284×財務レバレッジ2.43で説明できます。3要素のうち、期中で最も重しとなったのは純利益率の低下(約-21bp)で、粗利率は21.5%と維持しつつも販管費の伸びが上回り営業利益率が約-23bp縮小しました。ビジネス上の背景として、ドラッグストア業態の価格競争、光熱費・物流費・人件費の上昇、新店の立ち上げコストが販管費率を押し上げた可能性が高いです。金利負担係数は1.037と良好(利息負担軽微)であり、レバレッジの上昇がROE下支えに機能する一方、マージン劣化が上振れを相殺しています。この変化は、コストインフレ沈静化や効率化(自動化・人員配置最適化)次第で改善余地はあるものの、短期的には粘着性の高い費用項目が多く、完全な巻き戻しは段階的になると評価します。懸念トレンドとして、現状は売上成長率(+7.9%)に対して販管費の絶対額が増大し、営業レバレッジが効きにくい局面にあります。税負担係数0.703は正常レンジ、金利負担係数>0.90も健全で、ボトルネックは主に営業段階のコストとミックスです。
売上成長は+7.9%と堅調で、価格・数量要因と新店寄与の双方が想定されますが、既存店売上や来店客数/客単価の内訳は未開示です。粗利率21.5%は一定の価格優位とカテゴリミックスを示す一方、営業マージン3.76%は前年から縮小し、コスト上昇圧力が勝っています。小売業のKPI観点では、既存店売上成長(年+2%以上)と売場効率、在庫回転の改善が次の利益成長ドライバーとなります。新店の成熟曲線次第で販管費負担は逓減可能ですが、短期は立ち上げ費用が利益率に重く乗る点に留意が必要です。値下げ率・ロス率の管理、PB比率引き上げによる粗利改善余地があります。EC・オムニチャネルの寄与は未開示で、デジタル販売の効率性は今後の差別化要因となります。見通しとしては、既存店のトラフィック維持、価格最適化、労務・物流の生産性改善が進めば、営業利益率は4%前後への回復余地がある一方、コストインフレが継続する場合は3%台半ばでのもみ合いを想定します。
流動比率は138.6%で100%超を確保するものの、150%には届かず、当座比率は40.4%と低め(在庫依存型の小売に典型的)。短期負債の明細は未記載ですが、買掛金215.14億円が流動負債の中核で、現金84.09億円+売掛金25.74億円に対し在庫330.87億円が厚い構造です。満期ミスマッチは、在庫→売上→現金化の回転が前提となる一般的なドラッグストア構造で、買掛サイトの活用により一定程度緩和されているとみられます。有利子負債は長期借入金159.65億円のみと開示され、Debt/Capital 28.7%は投資適格レンジ内です。D/E(負債資本倍率)1.43倍は1.0超だが2.0未満で、財務リスクは中庸。インタレストカバレッジ31.41倍は強固で、金利上昇耐性も相応に高いと評価します。無形資産は9.51億円(総資産の1.0%)と軽量で、のれん未計上のため減損リスクは限定的。一方、長期借入金の前年からの増加(+45%)は成長投資や運転資金の強化を示唆し、金利環境次第では今後の財務コスト上昇リスクに留意が必要です。オフバランス債務(リース、保証等)は未開示のため評価不能です。
自己株式: -3.00億円 → -6.22億円(-107.3%)- 自社株買いの積み増しによる自己資本の減額。1株価値還元はポジティブだが、自己資本効率向上と引き換えに資本バッファはやや薄まる点に留意。無形固定資産: 6.15億円 → 9.51億円(+54.6%)- ソフトウェア等のIT投資増加が示唆され、業務効率化やEC/デジタル強化投資の可能性。減価償却負担の増加も伴うため費用化の進捗を要監視。長期借入金: 110.13億円 → 159.65億円(+45.0%)- 成長投資・出店・物流網整備・在庫増対応などの資金需要増。金利上昇時の支払利息増加リスクとコベナンツへの影響を注視。売掛金: 18.45億円 → 25.74億円(+39.5%)- キャッシュレス比率上昇やB2B取引増の可能性。回収サイトの延伸は営業CFを毀損し得るため、回転日数の管理が重要。
営業CF、投資CF、FCFの開示がなく、営業CF/純利益、アクルーアル比率、現金転換率など定量的評価は算出不能です。このため、利益の現金裏付けに関する検証は保留となります。BSから推察すると在庫が厚く、買掛金も大きい構造で、運転資本の動向(在庫回転日数、買掛回転日数)が営業CFを左右します。FCFの持続可能性は不明ですが、期末配当の支払い水準(配当性向16.3%)は保守的で、通常のメンテナンス投資が中心であれば自己資金での賄いは可能と推定します。運転資本操作の兆候はCF未開示のため判定不可ですが、売掛金の増加(+39.5%)はキャッシュ回収タイミングの注視ポイントです。
期末配当28円(中間無配)で試算配当性向は16.3%と低く、内外のベンチマークに照らしても十分な余力があります。FCFカバレッジは未計測ですが、利益水準とレバレッジ、金利負担の軽さから、基礎的な配当継続可能性は高いと見ます。今後の増配余地は、(1) 営業CFの安定化、(2) 設備投資と新店投資の規律、(3) 在庫の効率化によるFCF創出、の進捗に依存します。自己株式の増加(買い戻し進捗)も示唆され、総還元方針の柔軟性は維持されているとみられます。
ビジネスリスクとして、価格競争・値下げ圧力による粗利率低下リスク、人件費・光熱費・物流費の継続的上昇による販管費率悪化、新店立ち上げコストの長期化による営業利益率の圧迫、EC競合・オムニチャネル対応の遅れによるトラフィック減少、天候・季節要因によるカテゴリー需要の変動が挙げられます。
財務リスクとしては、長期借入金の増加(+45%)に伴う金利上昇局面での財務コスト増、在庫依存度の高さによるキャッシュフロー変動(在庫評価損・値下げリスク)、売掛金増加による回収リスクと運転資本負荷、流動比率が150%未満での短期資金繰り耐性の限定性が挙げられます。
主な懸念事項としては、営業利益率の低下(3.99%→3.76%)と品質アラート対象の低マージン体質、CF未開示により利益の現金裏付けが検証できないデータ制約、負債活用の強化と金利環境の変化に対する感応度上昇が挙げられます。
重要ポイントとして、増収(+7.9%)に対し営業・最終利益の伸びが限定的で、営業レバレッジが効きにくい局面、営業利益率3.76%と低位、販管費インフレが主因で短期は改善に時間、長期借入金の増加で成長投資の裏付けが示唆されるが、金利上昇リスクは織り込み必要、流動性は標準的だが在庫厚めの構造、在庫回転と買掛サイト管理がCFの鍵、配当性向16.3%と保守的で、CF安定化後は増配・自社株買い余地が挙げられます。
注視すべき指標は、既存店売上高(客数・客単価分解)、粗利率(PB比率、値下げ率、仕入条件改善)、販管費率(人件費・物流費・光熱費のトレンド)、在庫回転日数と棚卸ロス率、営業CF/純利益、FCF、設備投資額、新店出店数と黒字化までの期間、インタレストカバレッジと調達金利動向です。
セクター内ポジションについては、ドラッグストア業界の中では収益性は業界平均~やや弱め(営業利益率3~4%台)、財務はレバレッジ適度・金利負担軽微で健全性は中庸。今後は在庫・販管費効率化とPB拡大によるマージン改善の進捗が相対優位を左右する見通し。