- 売上高: 585.70億円
- 営業利益: 13.08億円
- 当期純利益: 9.79億円
- 1株当たり当期純利益: 86.85円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 585.70億円 | 518.27億円 | +13.0% |
| 売上原価 | 385.79億円 | - | - |
| 売上総利益 | 132.49億円 | - | - |
| 販管費 | 118.99億円 | - | - |
| 営業利益 | 13.08億円 | 19.14億円 | -31.7% |
| 営業外収益 | 45百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 1百万円 | - | - |
| 経常利益 | 12.87億円 | 19.58億円 | -34.3% |
| 税引前利益 | 19.58億円 | - | - |
| 法人税等 | 5.34億円 | - | - |
| 当期純利益 | 9.79億円 | 14.24億円 | -31.2% |
| 減価償却費 | 7.68億円 | - | - |
| 支払利息 | 44万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 86.85円 | 125.23円 | -30.6% |
| 1株当たり配当金 | 36.00円 | 0.00円 | - |
| 年間配当総額 | 3.39億円 | 3.39億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 106.74億円 | - | - |
| 現金預金 | 79.40億円 | - | - |
| 売掛金 | 9.36億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 11.37億円 | - | - |
| 固定資産 | 155.26億円 | - | - |
| 有形固定資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 17.03億円 | 23.06億円 | -6.03億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -9.76億円 | -14.37億円 | +4.61億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -10.20億円 | -8.10億円 | -2.10億円 |
| フリーキャッシュフロー | 7.27億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 2.2% |
| 総資産経常利益率 | 4.8% |
| 配当性向 | 24.0% |
| 純資産配当率(DOE) | 2.0% |
| 1株当たり純資産 | 1,532.61円 |
| 純利益率 | 1.7% |
| 粗利益率 | 22.6% |
| 流動比率 | 173.4% |
| 当座比率 | 154.9% |
| 負債資本倍率 | 0.54倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +13.0% |
| 営業利益前年同期比 | -31.7% |
| 経常利益前年同期比 | -34.2% |
| 当期純利益前年同期比 | -31.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 11.44百万株 |
| 自己株式数 | 207千株 |
| 期中平均株式数 | 11.28百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,532.60円 |
| EBITDA | 20.76億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 30.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 615.00億円 |
| 営業利益予想 | 16.80億円 |
| 経常利益予想 | 16.30億円 |
| 当期純利益予想 | 12.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 106.84円 |
| 1株当たり配当金予想 | 20.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q4(通期)におけるダイイチの業績は、売上高は2桁増収ながらコスト上昇と販管費増で利益が大幅減益となり、採算悪化が鮮明な四半期でした。売上高は585.70億円で前年比+13.0%と堅調、粗利益は132.49億円、粗利率は22.6%でした。営業利益は13.08億円で前年比-31.7%、経常利益は12.87億円で-34.2%、当期純利益は9.79億円で-31.3%と二桁減益です。営業利益率は2.23%(=13.08/585.70)で、前年の推定3.69%から約-146bp低下しました。純利益率は1.67%(=9.79/585.70)で、前年推定2.75%から約-108bp低下しました。販管費は118.99億円で売上比20.3%と重く、労務費・エネルギー費・物流費などのコストインフレが営業レバレッジを相殺したとみられます。営業外は受取利息0.03億円・受取配当0.03億円等で軽微、金融費用は0.00億円と実質無借金体質に近く、財務費用負担は利益下押し要因ではありません。キャッシュフローは営業CF17.03億円で純利益9.79億円を上回り、営業CF/純利益は1.74倍と高品質でした(減価償却7.68億円が寄与、運転資本のマイナス影響は軽微)。フリーCFは7.27億円で、自己株買い1.44億円を実施しつつ財務CFは-10.20億円と株主還元・債務返済を進めました。財務健全性は良好で、流動比率173.4%、当座比率154.9%、負債資本倍率0.54倍と保守的、長期借入金は0.42億円にとどまります。ROEは5.7%と自社公表水準は未記載ながら、一般的な小売の資本コストを下回る可能性が高く、資本効率の改善余地が残ります。他方、事業投下資本のROICは10.2%とベンチマーク(>8%)を上回り、事業の投下資本効率は良好です。短期的にはコスト高と価格競争によるマージン圧力が続く一方、売上の着実な拡大と堅実な財務基盤が下支えとなる構図です。中期的には、既存店の付加価値強化、エネルギー・物流コストの平準化、効率投資による生産性向上が利益率回復の鍵となります。配当は開示不足ながら、計算上の配当性向は35.1%と健全域、FCFカバレッジ2.12倍からも還元の持続性は高いと評価します。なお、同社は総合商社ではなく食品小売主体であり、持分法投資利益への依存は見られません(未記載)。資源価格や持分法損益のブレといった商社特有のボラティリティは限定的で、むしろ地域密着小売のコスト・価格設定・競争環境が業績ドライバーです。総じて、強固なキャッシュ創出と保守的BSを備える一方、短期的な採算悪化とROE低下が主要な課題です。今後は売上の質(粗利ミックス)改善と販管費の伸び抑制による利益率回復が注目点となります。
デュポン分析の要約: (1) ROE 5.7%は、純利益率1.7%×総資産回転率2.142×財務レバレッジ1.59倍の積で整合。 (2) 直近の変動で最も影響が大きいのは純利益率の悪化(営業利益率低下が主因)。 (3) 背景として、売上は+13.0%の増収ながら、販管費の増勢(労務・電力・物流・価格投資)が粗利成長を上回り、営業レバレッジが発揮されなかったことが挙げられる。 (4) コスト高は一部持続的(賃金・物流)である一方、エネルギーのピークアウトや仕入価格の安定化が進めば段階的に正常化する余地がある。 (5) 警戒すべきは販管費成長率が売上成長率を上回る局面の継続と、粗利率の下押し(値上げ転嫁遅れ・価格競争)で、これが続けばROEのさらなる低下を招く。
売上は585.70億円で前年比+13.0%と堅調で、新規出店・既存店の単価上昇・来客数回復が寄与した可能性が高い。営業利益は13.08億円で減益となり、営業利益率は2.23%と低下、前年推定3.69%から約-146bpの縮小。純利益9.79億円、純利益率1.67%と収益性の低下が顕著。利益の質は、営業CF/純利益1.74倍、減価償却7.68億円の積み上がりから高いと評価できる。先行投資は設備投資9.57億円と適度で、ROIC10.2%は資本効率の健全性を示す。見通しでは、(1) 物価上昇の一巡と値上げ転嫁進展、(2) 省エネ投資・物流効率化、(3) プライベートブランドや鮮度訴求による粗利ミックス改善が営業利益率回復のカタリスト。逆風は、人件費・電力費の構造的上昇と地域競争の激化。短期は横ばい〜緩やかな改善、コストの安定化次第で中期的なマージン回復余地がある。
流動比率173.4%、当座比率154.9%と短期流動性は強固。総負債93.51億円に対し純資産172.14億円で負債資本倍率0.54倍、レバレッジは低位。長期借入金0.42億円、支払利息実質ゼロで金利リスクは極小。満期ミスマッチの観点では、流動資産106.74億円に対し流動負債61.57億円、うち買掛金31.33億円を現金79.40億円と運転資産(売掛9.36億円・棚卸11.37億円)が十分にカバー。オフバランスの可能性としてJGAAPのオペレーティングリース(店舗賃借)負担は存する可能性があり、固定費性が高い点は留意。流動比率<1.0やD/E>2.0に該当する警告事項はなし。
営業CF17.03億円は純利益9.79億円の1.74倍で品質は高い。純利益9.79億円+減価償却7.68億円≒17.47億円に対し、運転資本の影響は小幅なマイナスとみられ、CFの裏付けは堅実。投資CFは-9.76億円(設備投資-9.57億円が中心)で、成長投資を賄いつつフリーCFは7.27億円を確保。財務CF-10.20億円は自己株買い1.44億円と配当・その他返済の合算とみられ、還元原資はFCFで概ねカバー。配当+設備投資に対するFCFの持続性は高く、FCFカバレッジ2.12倍がそれを示唆。運転資本操作の兆候(期末在庫の過度な圧縮や売上債権の急減)は、開示範囲では認めにくい。
配当金はXBRL未記載だが、計算上の配当性向は35.1%で健全レンジ(<60%)。営業CF・FCFともに潤沢で、FCFカバレッジ2.12倍は配当の持続可能性を裏付ける。自己株買い1.44億円を実施しても財務余力は十分。今後も安定配当をベースに、利益動向次第で還元拡大余地はあるが、利益率の回復が前提。資本効率(ROE5.7%)はなお低位であり、過度な自己資本積み上がりが続く場合は機動的な買戻し・投資配分の最適化が論点となる。
ビジネスリスク:
- 食品小売の価格競争激化による粗利率下押し
- 人件費・電力費・物流費の構造的上昇
- 仕入価格の変動と価格転嫁遅れ
- 地域集中(北海道中心)に伴う需要変動・人口動態の影響
- 自然災害・気象リスクによる供給・需要の撹乱(生鮮比率が高い場合の影響大)
財務リスク:
- オペレーティングリース等のオフバランス負担(固定費)の増大
- インフレ継続時の運転資本需要増大
- 金利上昇局面での賃料改定や設備投資コスト上昇(借入自体は軽微)
主な懸念事項:
- 営業利益率の低下(2.23%)と販管費比率の高止まり(20.3%)
- ROE 5.7%と資本コストのギャップ拡大懸念
- コスト高の長期化により利益回復が遅延するリスク
重要ポイント:
- 増収にもかかわらず営業減益、営業利益率は前年比約-146bpと悪化
- 営業CF/純利益1.74倍、FCF7.27億円でキャッシュ創出は堅調
- 財務は保守的(負債資本倍率0.54倍、長期借入0.42億円)で金利感応度は低い
- ROIC 10.2%と投下資本効率は良好だが、ROE 5.7%は改善余地
- 配当の持続性は高く、自己株買いも実施済み
注視すべき指標:
- 既存店売上・客数/客単価のトレンド
- 粗利率とPB比率・生鮮ミックスの推移
- 販管費の伸び(人件費・電力・物流)と売上成長の関係
- 在庫回転・廃棄ロス率
- エネルギー価格動向と電力調達コスト
- ROEとROICのスプレッド推移
セクター内ポジション:
食品小売セクター内では財務健全性とキャッシュ創出は上位だが、直近期の利益率は同業上位(営業利益率3〜4%台)に比べ見劣り。コスト平準化とミックス改善が進めば平均水準への回帰可能性。
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