記事一覧に戻る
76302027 第1四半期プライムJGAAP

壱番屋(7630) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益14%減

2027年度第1四半期の売上高は169.8億円(前年同期比+7.8%)、営業利益は10.8億円(同-14.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 壱番屋

小売/小売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥169.8億¥157.5億+7.8%
営業利益¥10.8億¥12.7億−14.3%
経常利益¥11.4億¥13.6億−15.8%
純利益¥7.5億¥9.3億−19.7%
ROE2.3%2.8%-

Executive Summary

当第1四半期は増収減益となり、売上拡大が販管費増を吸収できていない点が最大の特徴である。売上高は169.8億円(前年比+7.8%)と拡大した一方、営業利益は10.8億円(同△14.3%)、経常利益は11.4億円(同△15.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7.3億円(同△21.1%)といずれも減益となった。粗利率は49.3%と高水準を維持したが、販管費率が42.9%まで上昇し、営業利益率は前年同期比で約1.7pt低下した6.4%となった。

業績変動要因

【売上高】売上高は169.8億円で前年同期比+7.8%増収。単一の飲食事業セグメントであり、既存店動向と店舗網拡大が増収要因と推察される。通期予想726.0億円(同+10.8%)に対する進捗率は23.4%で、標準的な25%をやや下回る水準。

【損益】営業利益は10.8億円(同△14.3%)、経常利益11.4億円(同△15.8%)、純利益7.5億円(同△19.7%)と減益。売上原価率は前年から改善したが、販管費が72.9億円(売上高比42.9%)まで増加し、増収効果を上回る費用負担が利益率を圧迫した。営業外収支は0.6億円の黒字で経常利益への一部下支えとなったが、営業減益を補うには至らなかった。特別損益はほぼ均衡(純額0.0億円)で一時的要因の影響は軽微。結論として、当期は増収減益である。

セグメント別分析

当社グループは飲食事業並びに付帯業務の単一セグメントであり、セグメント別の開示は行われていない。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は6.4%で前年同期の約8.0%から低下、純利益率も4.3%と前年同期の約5.9%から縮小した。粗利率は49.3%と高く原価段階の収益力は維持されているが、販管費率42.9%の上昇が収益性低下の主因である。【キャッシュ品質】特別損益はほぼ均衡し、営業外収益(2.9億円、売上高比1.7%)への依存も限定的で、利益の質は経常的な営業活動に基づいている。【投資効率】ROEは2.3%(四半期実績)にとどまり、総資産回転率・財務レバレッジの水準を踏まえても収益性の低さが主因となっている。【財務健全性】自己資本比率68.9%、有利子負債はごく僅か(長期借入金1.1億円)であり、流動資産185.5億円が流動負債78.8億円を大きく上回るなど、財務基盤は保守的かつ強固である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別開示は限定的だが、貸借対照表の推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は111.5億円で前年同期の132.8億円から減少しており、利益剰余金も273.0億円と前年の278.5億円から縮小している。この間、有形固定資産は162.0億円、無形固定資産・のれんは合計88.6億円とやや増加しており、店舗投資やM&A関連資産への資金配分が継続していることがうかがえる。有利子負債は極めて小さい水準にとどまり、資金調達を外部借入に頼らない財務運営が続いている。

収益の質

当期の利益は特別損益がほぼ均衡(特別利益0.0億円、特別損失0.0億円)しており、一時的要因による押し上げ・押し下げは軽微である。営業外収益2.9億円のうち大部分がその他営業外収益で構成され、受取利息配当金は0.1億円と小さく、特定の一過性収益への依存は見られない。一方で税引前利益11.4億円に対し法人税等が4.0億円と実効税率は約34.5%に達し、税負担が純利益への転換効率を抑制している。包括利益は7.9億円で純利益7.5億円との乖離は小さく、為替換算調整額0.5億円がプラス要因となっているが、退職給付に係る調整額はわずかにマイナスであり、収益の質を大きく歪める要素は確認されない。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高23.4%、営業利益21.7%、純利益21.4%といずれも標準的なQ1進捗率25%をやや下回るが、大幅な乖離ではない。通期予想の営業利益率は6.9%であり、Q1実績6.4%からの改善が今後求められる。会社は当四半期において業績予想・配当予想のいずれも修正を行っておらず、現時点で通期計画は据え置かれている。残る期間で売上高556.2億円、営業利益39.2億円、純利益19.9億円の積み上げが必要となる。

株主還元

通期の配当予想は1株当たり16.00円で、通期EPS予想17.04円に基づく配当性向は約93.9%となる。この水準は一般的な持続可能性の目安である60%を上回っており、利益計画の達成が配当維持の前提となる。自己株式数は24,680株と僅少であり、自社株買いに関する開示はなく、還元は配当のみを対象とした配当性向で評価される。財務基盤は現金及び預金111.5億円、自己資本比率68.9%と強固であり、短期的な配当支払い余力自体は確保されているが、Q1の親会社株主帰属純利益が前年同期比21.1%減となっている点は、通期の配当性向水準の持続性を判断するうえでモニタリングが必要である。

リスク要因

  1. コスト吸収リスク: 売上高が前年同期比+7.8%増加する一方、販管費率が42.9%まで上昇し営業利益は同△14.3%となった。原材料費・人件費・物流費等のコスト上昇を売上成長で吸収できていない可能性がある。

  2. 高還元水準と利益計画の連動リスク: 予想配当性向は約93.9%と高く、通期純利益計画(27.2億円)が未達となった場合、内部留保確保と配当維持の両立余地が縮小する。

  3. 固定的負担リスク: リース債務11.4億円、退職給付に係る負債10.6億円、資産除去債務6.9億円など、店舗運営に伴う中長期の固定的な将来負担が存在する。単一の飲食事業セグメントであるため、これらの負担吸収力は既存店収益力に依存する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.4%3.2% (0.7%–7.3%)+3.2pt
純利益率4.4%2.1% (0.4%–5.9%)+2.3pt

自社の収益性は業種中央値を上回っており、粗利率の高さが収益性面での優位性を支えている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)7.8%7.7% (1.4%–14.4%)+0.1pt

売上高成長率は業種中央値とほぼ同水準であり、突出した成長ではなく業界平均的なペースである。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は前年同期比+7.8%増と拡大した一方、営業利益は同△14.3%、純利益は同△21.1%と減益しており、増収が利益成長に転化していない構図が確認できる。

  2. 営業利益率は6.4%と前年同期から約1.7pt低下し、販管費率42.9%の水準が収益性低下の主因となっている。通期予想営業利益率6.9%との差は、Q2以降の費用コントロールが焦点となる。

  3. 財務面では自己資本比率68.9%、有利子負債僅少という保守的な構造が維持されており、収益性の一時的な下振れに対する耐性は相対的に高い。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)187円
base(基準)194円
bull(強気)198円
算出前提
1株純資産(BPS)199円
調整後予想EPS17.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向93.9%
予想EPSの信頼度調整×1.028(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.97倍 / 11.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 189円〜199円、ω±0.1で 194円〜194円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 54%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。