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75952026 第3四半期プライムJGAAP

アルゴグラフィックス(7595) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は488.9億円(前年同期比-2.2%)、営業利益は69.7億円(同-7.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥488.9億¥500.1億−2.2%
営業利益¥69.7億¥75.0億−7.1%
経常利益¥73.8億¥79.6億−7.3%
純利益¥163.0億¥54.0億+201.7%
ROE(年換算)44.7%12.1%-

Executive Summary

当期は本業の減収減益と、投資有価証券売却益による一過性の純利益急増が併存する決算となった。売上高は488.9億円(前年比-2.2%)、営業利益は69.7億円(同-7.1%)、経常利益は73.8億円(同-7.3%)と、いずれも減収減益で推移した。一方、純利益は163.0億円(前年54.0億円)と大幅増となったが、これは投資有価証券売却益160.3億円という特別利益が主因であり、本業収益力の改善を示すものではない。粗利率は26.1%と前年から改善したものの、販管費が前年比+8.5%増加したことが営業利益率の低下(14.2%、前年比-0.8pt)を招いた。

業績変動要因

【売上高】売上高は488.9億円(前年比-2.2%)と減収となった。情報・通信関連ソリューション事業において、顧客企業の設備投資・システム投資需要の回復が遅れていることが背景にあると考えられる。売上原価は前年比-2.8%と減収以上に圧縮されたため、粗利率は26.1%(前年25.7%)へ改善した。

【損益】営業利益は69.7億円(前年比-7.1%)、経常利益は73.8億円(同-7.3%)と、粗利率改善効果を上回る販管費増加(+8.5%)が収益性を圧迫した。販管費率は11.9%と前年10.7%から上昇し、営業利益率は14.2%(前年15.0%)へ低下した。経常利益は受取配当金3.8億円・受取利息1.0億円を主体とする営業外収益5.1億円により営業利益を上積みした。純利益は163.0億円(前年比+207.0%)と大幅増益だが、投資有価証券売却益160.3億円という特別利益が主因であり、経常利益と純利益の大幅な乖離はこの一時的要因で説明される。結論として、本業ベースでは減収減益、純利益ベースでは特別要因により増収増益に見える構図である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は14.2%で前年同期の15.0%から低下し、粗利率改善(26.1%、前年25.7%)を販管費増加が相殺した形である。純利益率は33.1%(前年10.5%)と大きく上昇したが、投資有価証券売却益による一時的な押し上げであり、経常的な収益力を示すものではない。【キャッシュ品質】純利益161.85億円に対し包括利益は103.2億円にとどまり、58.7億円下回る。その他有価証券評価差額金が93.3億円から32.9億円へ60.3億円減少したことが主因で、保有有価証券の時価変動が資本に逆風となった。【投資効率】年換算ROEは44.7%と極めて高水準だが、純利益率の急上昇による一過性の押し上げが主要因であり、恒常的な株主資本収益力を示す数値ではない。【財務健全性】自己資本比率は62.7%(前年69.0%相当)と依然高水準で、現金及び預金は358.3億円に達し、財務基盤は保守的である。総資産は775.2億円、純資産は485.9億円で、いずれも前年から減少している。

キャッシュフロー分析

CF計算書の直接データはないが、BS推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は358.3億円と前年358.9億円からほぼ横ばいで、高い流動性を維持している。投資有価証券は前年比42.1%減の122.7億円となっており、投資有価証券売却益160.3億円の計上と整合的である。この売却により得られた資金は、自己株式の大幅な積み増し(前年10.0億円から102.9億円へ92.9億円増加)に振り向けられたとみられ、資本構成の圧縮を伴う資本配分が行われたことがうかがえる。一方、棚卸資産は前年比95.7%増の43.2億円に積み上がっており、売上減少局面での在庫増加は運転資本効率の面で注視を要する。

収益の質

当期純利益163.0億円のうち160.3億円は投資有価証券売却益という非経常項目であり、経常的な収益力とは切り離して評価する必要がある。経常利益73.8億円は前年比-7.3%であり、営業外収益は受取配当金3.8億円を中心に安定的だが、売上高対比では1.0%程度に過ぎず依存度は限定的である。純利益と包括利益の乖離(163.0億円対103.2億円)は、有価証券の時価変動による評価差額金の減少(-60.3億円)が主因であり、実現益の計上と保有資産の含み益縮小が同時進行している点は収益の質を評価するうえで留意すべきである。税引前利益234.0億円に対する法人税等は71.0億円で、実効税率は概ね30%台と通常の水準にあり、税務面での異常性は見られない。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対し、Q3累計の進捗率は売上高66.3%(737.0億円中488.9億円)、営業利益64.8%(107.5億円中69.7億円)、経常利益65.2%(113.3億円中73.8億円)であり、通常目安の75%を下回る。計画達成にはQ4に売上248.1億円、営業利益37.8億円が必要で、これは営業利益率15.3%への改善を要求する水準であり、累計実績14.2%を上回る。売上高・利益ともに期末偏重の計画進捗となっており、Q4の案件計上および費用コントロールの動向が計画達成の鍵となる。

株主還元

第2四半期配当は1株80円であり、前年の年間配当水準50円から増加している。この配当を基準とした配当性向は約39.5%で、配当のみでみれば持続可能な範囲にある。ただし、当期純利益には投資有価証券売却益160.3億円が含まれており、配当性向の低さは経常的な利益水準を反映したものではない点に留意が必要である。自己株式は前年比92.9億円増の102.9億円に達しており、自社株買いも含めた総還元性向でみる場合はより高い水準となる可能性がある。配当の持続性は、今後の営業利益・経常利益の回復状況によって評価されるべきである。

リスク要因

  1. 売上債権回収の長期化: 売掛金151.8億円と電子記録債権を合わせたDSOは約85日であり、一般的な目安である60日を上回る。案件検収の遅延や大型プロジェクトの決済条件により、運転資本負担が高まっている可能性がある。

  2. 一過性利益への依存: 純利益163.0億円のうち160.3億円は投資有価証券売却益であり、年換算ROE44.7%や純利益率33.1%は当期特有の要因による押し上げを含む。投資有価証券は前年比42.1%減少しており、同様の利益源泉は縮小している。

  3. 在庫・仕掛品の積み上がり: 棚卸資産は前年比95.7%増の43.2億円に達し、売上高が減少するなかでの在庫増加は、案件進捗の遅延や採算悪化のリスクを示唆する。Q4における消化状況の確認が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率14.2%8.3% (3.6%–18.6%)+5.9pt
純利益率33.3%6.1% (2.3%–12.8%)+27.2pt

業種中央値と比較して収益性は高水準にあり、特に純利益率は特別利益の影響で大きく上振れている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.2%10.4% (-0.9%–19.9%)−12.7pt

業種内では成長率が中央値を大きく下回り、トップライン面で相対的に見劣りする状況にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 本業は売上高前年比-2.2%、営業利益同-7.1%と減収減益であり、粗利率の改善(+0.4pt)にもかかわらず販管費増加(+8.5%)が収益性を圧迫している点が構造的な注目点である。

  2. 純利益の大幅増加と年換算ROE44.7%は、投資有価証券売却益160.3億円という一時的要因による押し上げであり、通期計画の進捗率(純利益85.9%)も同様の背景を持つため、営業利益・経常利益の進捗(64.8%・65.2%)とあわせて確認する必要がある。

  3. 自己株式の大幅増加(+92.9億円)と投資有価証券の売却・圧縮(-42.1%)は、資産構成の変化を伴う資本配分の方向性を示しており、DSO85日・棚卸資産増加(+95.7%)といった運転資本効率の動向とあわせて、決算の質を評価するうえでの重要な観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)810円
base(基準)851円
bull(強気)864円
算出前提
1株純資産(BPS)707円
調整後予想EPS117.0円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.20倍 / 7.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 827円〜876円、ω±0.1で 848円〜857円。

注記:

  • 一時的な損益の影響を除くため、経常利益等から算出した正規化EPSを使用しています(会社予想EPSは258.6円)。
  • 通期予想に対する純利益の進捗(86%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。