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75212026 第3四半期スタンダードJGAAP

ムサシ(7521) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益12%減

2026年度第3四半期の売上高は281億円(前年同期比-0.5%)、営業利益は24.9億円(同-12.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 ムサシ

商社・卸売/卸売業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥281.0億¥282.3億−0.5%
営業利益¥24.9億¥28.4億−12.3%
持分法投資損益---
経常利益¥25.6億¥42.2億−39.3%
純利益¥12.9億¥30.9億−58.4%
ROE(年換算)4.9%12.1%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は減収減益であり、特に営業外・特別損益の悪化が純利益を大きく圧迫した点が最重要ポイントである。売上高は281.0億円(前年比-0.5%)とほぼ横ばいだったが、営業利益は24.9億円(同-12.3%)、経常利益は25.6億円(同-39.3%)、親会社株主に帰属する純利益は12.9億円(同-58.4%)と、下段の利益ほど減益幅が拡大した。粗利率の低下と、前年同期にあった持分法投資利益の反動剥落、情報・印刷・産業システム機材セグメントでの減損損失2.0億円が主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は281.0億円で前年同期比-0.5%とほぼ横ばい。セグメント別では金融汎用・選挙システム機材が85.1億円(同+7.0%)と増収を確保し、連結売上の30.3%を占める。一方、情報・印刷・産業システム機材は129.9億円(同-2.4%)、紙・紙加工品は64.0億円(同-5.4%)と減収となり、主力2セグメントの落ち込みを金融汎用・選挙が一部相殺した構図である。

【損益】売上原価204.1億円は前年比増加し、粗利率は27.4%と前年同期29.3%から199bp低下した。販管費は52.0億円(同-4.6%)に抑制したが粗利減を吸収できず、営業利益は24.9億円(同-12.3%)に減益。経常利益は25.6億円(同-39.3%)まで悪化し、前年同期にあった持分法投資利益12.9億円の反動剥落が主因である。特別損失2.3億円(うち減損損失2.0億円)も加わり、純利益は12.9億円(同-58.4%)と大幅減益。結論として減収減益である。

セグメント別分析

金融汎用・選挙システム機材は売上高85.1億円(前年比+7.0%)、セグメント利益22.8億円(同+8.4%)と好調を維持し、連結営業利益2.5億円の大半を占める中核事業である。情報・印刷・産業システム機材は売上高129.9億円(同-2.4%)にとどまり、セグメント損益は前年同期の4.4億円の黒字から0.4億円の赤字へ転落した。同セグメントでは固定資産の減損損失2.0億円を計上しており、収益性悪化と資産価値の見直しが同時進行している。紙・紙加工品は売上高64.0億円(同-5.4%)、セグメント利益0.8億円(同-36.6%)と減収以上に採算が悪化した。不動産賃貸・リース事業等は売上高4.9億円、セグメント利益1.6億円(同+1.9%)と小規模ながら安定している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.8%で前年同期10.0%から119bp低下し、粗利率も27.4%と同29.3%から199bp低下した。純利益率は4.6%で前年同期11.0%から638bp低下しており、実効税率44.9%の高さが税引前利益から純利益への転換を弱めている。【キャッシュ品質】包括利益は14.7億円で純利益12.9億円を上回り、有価証券評価差額金等のその他包括利益が資本を補完している。【投資効率】年換算ROEは4.9%で、純利益率の低下がROEの主たる制約要因となっている一方、総資産回転率0.749倍、財務レバレッジ1.43倍は保守的な水準にある。【財務健全性】自己資本比率は70.0%と高く、現金及び預金222.8億円は短期借入金35.2億円を大幅に上回り、実質的にネットキャッシュの資本構成である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示はないが、BSの動きから資金動向をみると、現金及び預金は222.8億円で前年同期の222.9億円から概ね横ばいを維持している。純資産は350.4億円と前年同期339.6億円から10.8億円増加し、利益剰余金は313.3億円に積み上がっている。短期借入金は35.2億円で変動がなく、有形固定資産は37.5億円とほぼ一定である一方、無形固定資産は3.9億円へ前年同期比91.2%増加した。全体として、大きな投資・資金調達の変動はなく、内部留保の積み増しと現金の安定的な保持が特徴である。

収益の質

当期の利益は一時的要因の影響を強く受けており、経常的な収益力とは区別して評価する必要がある。営業外収益は1.8億円と小さく、受取配当金0.9億円、受取利息0.5億円が中心で、前年同期にみられた持分法投資利益12.9億円は当期は発生していない。この反動が経常利益の同-39.3%という大幅減益の主因であり、営業利益の減益幅(-12.3%)を上回る悪化となっている。加えて特別損失2.3億円のうち2.0億円は情報・印刷・産業システム機材における減損損失であり、非経常的な一時要因として区別すべきである。実効税率は44.9%と高く、税負担も純利益を圧迫した。包括利益14.7億円が純利益12.9億円を上回る点は、有価証券評価差額金等の資本項目が業績の質を部分的に補完していることを示す。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高69.8%、営業利益61.1%、経常利益61.8%、純利益54.9%であり、いずれも標準的な75%進捗を下回っている。通期予想は売上高402.7億円(前年比+7.7%)、営業利益40.7億円(同+21.4%)、経常利益41.5億円(同-12.4%)、純利益23.5億円を見込み、会社は第4四半期に売上高121.6億円、営業利益15.9億円、純利益10.6億円という大きな上積みを前提としている。金融汎用・選挙システム機材の利益創出力の継続と、情報・印刷・産業システム機材の収益回復が計画達成の焦点となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり28.00円で、通期予想の年間配当は76.00円である。通期純利益予想23.5億円に対する配当性向は約25.8%であり、持続可能性の目安とされる60%を大きく下回る。利益剰余金313.3億円、現金及び預金222.8億円という厚い財務余力が配当の持続性を支えている。ただし、通期純利益予想の実現には第4四半期に大幅な利益計上が必要であり、配当の前提となる利益進捗は継続して確認が必要である。

リスク要因

  1. 情報・印刷・産業システム機材の採算悪化: 売上高は129.9億円(前年比-2.4%)となり、セグメント損益は前年同期の4.4億円の黒字から0.4億円の赤字へ転落した。同セグメントで減損損失2.0億円も計上しており、収益回復の遅れは全社利益率改善の阻害要因となる。

  2. 金融汎用・選挙システム機材への利益集中: 同セグメントのセグメント利益は22.8億円で連結営業利益24.9億円の91.6%に相当する。金融機関の投資計画や選挙関連需要の案件タイミングの変動が、全社業績に与える影響は大きい。

  3. 高い実効税率と一時的要因による純利益の圧迫: 実効税率は44.9%と高く、税負担係数0.550が税引前利益から純利益への転換効率を低下させている。前年同期に経常利益を支えた持分法投資利益12.9億円の反動剥落も、営業外損益のボラティリティ要因として今後の推移確認が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(trading)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.8%3.3% (1.8%–5.0%)+5.5pt
純利益率4.6%3.1% (1.4%–6.3%)+1.5pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を上回り、収益性は業種内で相対的に優位な水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−0.5%5.2% (-4.1%–8.6%)−5.7pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、増収基調にある同業他社と比べて成長面では劣後している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 収益構造は主力事業への依存が強まっている。金融汎用・選挙システム機材が連結営業利益の91.6%を占める一方、情報・印刷・産業システム機材は赤字に転落し、減損損失2.0億円を計上した。事業ポートフォリオ間の収益性の差が拡大している点は、決算データから読み取れる構造的な変化である。

  2. 経常利益・純利益の減益幅が営業利益の減益幅を上回っている。前年同期にあった持分法投資利益12.9億円の反動と特別損失2.3億円が要因であり、営業段階の減益(-12.3%)よりも下段の利益指標(経常-39.3%、純利益-58.4%)が大きく悪化した点は、収益の質を評価する上で注目される。

  3. 財務基盤は自己資本比率70.0%、ネットキャッシュの資本構成と強固であり、通期計画達成には第4四半期への利益集中という季節性が伴う。第3四半期累計の進捗率は利益面で55〜61%台にとどまり、標準的な75%進捗を下回っている点が決算データ上の注目点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,566円
base(基準)4,600円
bull(強気)4,659円
算出前提
1株純資産(BPS)5,142円
調整後予想EPS356.8円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向22.1%
予想EPSの信頼度調整×1.037(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 12.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,473円〜4,732円、ω±0.1で 4,582円〜4,612円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。