| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥348.8億 | ¥351.8億 | -0.9% |
| 営業利益 | ¥15.3億 | ¥15.3億 | -0.2% |
| 経常利益 | ¥15.5億 | ¥15.8億 | -1.4% |
| 純利益 | ¥10.3億 | ¥10.7億 | -4.1% |
| ROE | 3.5% | 3.7% | - |
2027年3月期Q1決算は、売上高348.8億円(前年比-3.0億円 -0.9%)、営業利益15.3億円(同-0.0億円 -0.2%)、経常利益15.5億円(同-0.2億円 -1.4%)、純利益10.3億円(同-0.4億円 -4.1%)と微減収減益。売上は前年並みを確保したものの、粗利率が25.9%と前年26.3%から0.4pt低下した一方、販管費率は24.2%と前年24.7%から0.5pt改善し、営業利益率は4.4%と前年4.4%と同水準を維持。経常利益は非営業収支の小幅悪化で前年比1.4%減、純利益は実効税率32.5%の影響で4.1%減となった。通期計画(売上高1380.0億円、営業利益55.0億円、純利益35.0億円)に対する進捗率は売上25.3%、営業利益27.9%、純利益29.4%と利益面で標準進捗を上回り、上期の前倒し進行を示唆。
【売上高】売上高は348.8億円で前年比-0.9%と微減。食品スーパー単一セグメントのため内訳詳細は開示されていないが、既存店の客数・客単価動向の鈍化が示唆される。粗利率は25.9%と前年26.3%から0.4pt低下し、値引き強化や商品ミックスの変化、仕入環境の影響が粗利を圧迫。売上総利益は90.4億円で前年92.4億円から2.0億円減少。
【損益】販管費は84.6億円と前年86.7億円から2.2億円減少し、販管費率は24.2%と前年24.7%から0.5pt改善。人件費・水道光熱費の抑制が寄与し、粗利率の低下を相殺。結果、営業利益は15.3億円と前年並みを確保し、営業利益率は4.4%で横ばい。営業外収支は受取配当0.1億円、受取利息0.0億円、支払利息0.3億円で純額で0.2億円のマイナス、経常利益は15.5億円(前年比-1.4%)。特別損益は特別損失0.4億円(固定資産除却損)、特別利益0.1億円(固定資産売却益)で純額0.3億円の負担となり、税引前利益は15.3億円。法人税等5.0億円(実効税率32.5%)を控除し、純利益は10.3億円(前年比-4.1%)。結論として、微減収減益ながら、販管費コントロールで営業段階の利益率は維持され、経常・純利益段階での減益は非営業・税負担の小幅増による。
【収益性】営業利益率は4.4%で前年4.4%と同水準、粗利率25.9%と前年26.3%から0.4pt低下した一方、販管費率24.2%と前年24.7%から0.5pt改善し相殺。純利益率は3.0%と前年3.1%から0.1pt低下。ROEは3.5%と低位で、資本効率の改善余地が大きい。【キャッシュ品質】インタレストカバレッジは49.4倍(営業利益15.3億円÷支払利息0.3億円)と非常に健全で、金利負担は軽微。在庫回転日数は62日(棚卸資産42.0億円÷売上原価248.9億円×365日)とやや滞留傾向、在庫圧縮の余地あり。【投資効率】総資産回転率は0.584回転(売上高348.8億円÷総資産597.4億円)、資産効率は穏当。【財務健全性】自己資本比率は49.1%と前年51.8%から2.7pt低下したが、依然として健全水準。流動比率は113.2%(流動資産240.0億円÷流動負債212.0億円)、当座比率は93.4%で短期流動性は良好。Debt/Capital比率は18.8%(有利子負債119.5億円÷総資本597.4億円)、D/E比率は1.04倍と保守的。現金預金は130.5億円と前年101.5億円から28.6%増加し、財務余力は厚い。
営業段階の利益は15.3億円で前年並みを確保し、経常利益15.5億円との差異は軽微で経常的キャッシュ創出力は安定的。貸借対照表の変動から資金動向を見ると、現金預金が130.5億円と前年比+29.0億円(+28.6%)増加し、手元流動性は大きく向上。売掛金は30.0億円と前年23.3億円から+6.6億円(+28.5%)増加しており、販促施策や決済条件の変化により回収サイトが伸びた可能性があり、運転資本のキャッシュ吸収要因となる。一方、棚卸資産は42.0億円と前年44.9億円から-2.8億円減少し、在庫効率の改善による運転資本の圧縮がキャッシュを生んだ。買掛金は92.3億円と前年82.4億円から+9.9億円増加し、仕入債務の増加も運転資本の好転要因。有形固定資産は248.0億円と前年241.5億円から+6.5億円増加し、設備投資は継続的に実施されている模様。現金の積み増しは営業CFの堅調と売掛金回収、在庫圧縮、買掛金増加の複合効果と推察され、短期の投資・株主還元余力は高い。
利益構造は経常的収益が大宗を占め、営業外損益は軽微。営業外収益は0.8億円(受取配当0.1億円、その他0.1億円)、営業外費用は0.6億円(支払利息0.3億円、その他0.0億円)で純額0.2億円のマイナスに過ぎず、営業利益15.3億円から経常利益15.5億円への橋渡しは安定的。特別損益は特別利益0.1億円(固定資産売却益0.2億円)、特別損失0.4億円(固定資産除却損0.4億円)で純額0.3億円の負担と限定的で、一時的要因の影響は小さい。経常利益15.5億円と純利益10.3億円の乖離は法人税等5.0億円(実効税率32.5%)によるもので、税負担は標準的範囲内。営業利益と経常利益の差は0.2億円と僅少で、経常性の高い利益構造。包括利益は10.3億円で純利益とほぼ一致し、有価証券評価差額0.2億円、退職給付調整額-0.1億円と軽微で、純資産への非実現損益の影響は限定的。総じて、収益の質は高く、アクルーアルベースの歪みは小さい。
通期計画は売上高1380.0億円(前年比横ばい圏を想定)、営業利益55.0億円(前年比-4.0%)、経常利益55.0億円(前年比-6.7%)、純利益35.0億円。Q1時点の進捗率は売上高25.3%、営業利益27.9%、経常利益28.2%、純利益29.4%と、利益面で標準進捗25%を上回る。営業利益は+2.9pt、純利益は+4.4ptの前倒しで、販管費抑制と非営業収支の安定が寄与。通期見通しに対する修正は行われておらず、上期の好進捗が下期の保守性を示唆する可能性もあるが、粗利率の回復と販管費管理の継続が通期達成の鍵。
配当予想は0円で、配当実施の開示はない。純利益10.3億円、純資産293.5億円と安定的な利益基盤と厚い自己資本を有し、財務余力は十分だが、現状は内部留保・再投資を優先する方針と推察される。配当性向・総還元性向は0%で、株主還元は行われていない。今後の利益成長と資本効率の改善により、配当政策の導入や還元開始が検討される余地はある。
粗利率圧迫リスク: 粗利率は25.9%と前年26.3%から0.4pt低下し、値引き強化や商品ミックスの変化、仕入環境の影響が顕在化。価格競争の激化や原材料コスト上昇局面では粗利率の更なる圧迫リスクがあり、プライベートブランドやミックス改善、価格転嫁の浸透が必要。
在庫回転の長期化リスク: 在庫回転日数は62日とやや滞留傾向で、棚卸資産は42.0億円と前年44.9億円から減少したものの、回転速度の正常化には更なる改善余地。在庫滞留の長期化は値下げ・廃棄損の拡大を招き、粗利率とキャッシュ創出力への下押し圧力となる。
販管費上昇リスク: 販管費率は24.2%と前年24.7%から0.5pt改善したが、今後の賃上げ・電力費上昇局面では人件費・水道光熱費の増加により販管費率の再上昇リスクがある。売上成長が鈍い中での費用増は営業利益率を圧迫し、収益性の悪化要因となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 4.4% | 3.4% (0.8%–7.7%) | +1.0pt |
| 純利益率 | 3.0% | 2.2% (0.5%–6.2%) | +0.7pt |
収益性は小売業種内で中央値を上回り、販管費コントロールの相対優位性が示される。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -0.9% | 7.7% (0.8%–14.6%) | -8.6pt |
成長性は業種中央値を大きく下回り、既存店の活性化や新規出店、業態戦略の強化が課題。
※出所: 当社集計
営業利益率4.4%を維持し通期進捗率27.9%と前倒し傾向も、粗利率0.4pt低下が構造的課題。プライベートブランド強化やミックス改善、価格転嫁の浸透により粗利率の回復が進めば、営業利益率の上方余地が拡大。販管費抑制の継続性と粗利改善の両立が収益性向上の鍵。
現金預金130.5億円(総資産の21.8%)と手元流動性は厚く、インタレストカバレッジ49.4倍、D/E比率1.04倍と財務基盤は堅固。ROE 3.5%と資本効率は低位だが、在庫回転の正常化(回転日数62日→50日台への短縮)と粗利率の回復が進めば、資本効率の改善余地は大きい。配当政策は現状未実施だが、利益成長と資本効率改善により将来の株主還元開始の可能性も視野。
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