- 売上高: 120.54億円
- 営業利益: -2.70億円
- 当期純利益: -12百万円
- 1株当たり当期純利益: -1.60円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 120.54億円 | 117.51億円 | +2.6% |
| 売上原価 | 91.60億円 | 88.25億円 | +3.8% |
| 売上総利益 | 28.93億円 | 29.25億円 | -1.1% |
| 販管費 | 31.64億円 | 30.57億円 | +3.5% |
| 営業利益 | -2.70億円 | -1.32億円 | -104.5% |
| 営業外収益 | 3.54億円 | 4.98億円 | -28.9% |
| 営業外費用 | 43百万円 | 42百万円 | +2.4% |
| 経常利益 | 40百万円 | 3.24億円 | -87.7% |
| 税引前利益 | 40百万円 | 3.24億円 | -87.7% |
| 法人税等 | 52百万円 | 1.16億円 | -55.2% |
| 当期純利益 | -12百万円 | 2.07億円 | -105.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -19百万円 | 2.07億円 | -109.2% |
| 包括利益 | 5.17億円 | 4.26億円 | +21.4% |
| 減価償却費 | 3.69億円 | 3.46億円 | +6.6% |
| 支払利息 | 13百万円 | 5百万円 | +160.0% |
| 1株当たり当期純利益 | -1.60円 | 16.98円 | -109.4% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 124.04億円 | 137.13億円 | -13.09億円 |
| 現金預金 | 67.92億円 | 61.56億円 | +6.36億円 |
| 売掛金 | 26.82億円 | 42.70億円 | -15.88億円 |
| 棚卸資産 | 15.90億円 | 16.43億円 | -53百万円 |
| 固定資産 | 163.77億円 | 153.55億円 | +10.22億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 13.33億円 | 11.03億円 | +2.30億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -3.22億円 | -3.13億円 | -9百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 1,725.74円 |
| 純利益率 | -0.2% |
| 粗利益率 | 24.0% |
| 流動比率 | 231.2% |
| 当座比率 | 201.6% |
| 負債資本倍率 | 0.36倍 |
| インタレストカバレッジ | -20.77倍 |
| EBITDAマージン | 0.8% |
| 実効税率 | 130.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.6% |
| 営業利益前年同期比 | +7.3% |
| 経常利益前年同期比 | -87.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +109.4% |
| 包括利益前年同期比 | +21.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 12.30百万株 |
| 自己株式数 | 66千株 |
| 期中平均株式数 | 12.23百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,726.39円 |
| EBITDA | 99百万円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 24.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Energy | 98百万円 | -3.10億円 |
| IcdMaking | 2.40億円 | 15百万円 |
| RealEstate | 0円 | 17百万円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 320.00億円 |
| 営業利益予想 | 7.00億円 |
| 経常利益予想 | 11.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 7.70億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 62.94円 |
| 1株当たり配当金予想 | 24.00円 |
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2026年度Q2のサンリンは、増収ながら営業損失が継続し、非営業益により経常黒字を確保するも最終赤字に転落した、脆弱な収益構造が露呈する決算となった。売上高は120.54億円で前年比+2.6%増と伸長したが、売上総利益は28.93億円、粗利率は24.0%にとどまり、販管費31.64億円を賄いきれず営業損失-2.70億円(前年比は損失縮小で+7.3%)となった。営業外収益は3.54億円(うち受取配当金1.24億円、受取利息0.01億円)と大きく、これが経常利益0.40億円(前年比-87.6%)の黒字確保に寄与した。純利益は-0.19億円(EPS -1.60円)と赤字で、実効税率は約130%と高く、税負担・調整要因が最終損益を圧迫している。営業利益率は約-2.24%(-224bp)で、昨年同期推定-2.48%(-248bp)から約+24bp改善した一方、経常利益率は約+0.33%(+33bp)に低下し、昨年同期推定約+2.75%から約-242bpと大幅に悪化した。EBITDAは0.99億円、EBITDAマージンは0.8%と低水準で、固定費吸収の不十分さが示唆される。営業活動CFは13.33億円と強い一方、純利益が-0.19億円のため、営業CF/純利益は-70.16倍となり、単純な品質指標では警告値となるが、実態としては赤字局面でもキャッシュ創出力が維持されている点はポジティブである。バランスシートは総資産287.81億円、純資産211.21億円、負債合計76.60億円で、負債資本倍率0.36倍、流動比率231%、当座比率202%と流動性・安全性は良好である。短期借入金26.05億円に対し現金67.92億円、売掛金26.82億円があり、満期ミスマッチは限定的。投資有価証券69.42億円を保有し、配当収入が経常益の下支え要因となる一方、マーケット変動リスクも内包する。ROICは-0.8%と資本コストを大きく下回り、資本効率は警戒水準である。デュポン分解では純利益率-0.2%、総資産回転率0.419、財務レバレッジ1.36倍で、ROEは-0.1%と低位にとどまる。販管費が売上総利益を上回る構造が続く限り、営業黒字化は限定的で、非営業収益への依存度が高い。将来に向けては、LPガス・石油等エネルギー商材の単価・気温動向に左右されやすく、粗利率改善と販管費効率化による営業黒字化が最優先課題となる。キャッシュ面は良好で、設備投資-3.52億円を控えめに抑制しており、暫定的なFCFはプラスとみられるが、非営業益の変動や税・一時費用の影響に注意が必要である。包括利益は5.17億円と黒字で、保有有価証券の評価益が寄与した可能性が高いが、再現性は低い。総じて、財務安全性は高い一方、収益の質(営業損益の継続赤字、非営業依存、実効税率の高さ)と資本効率(ROIC・ROE)の低さが同社の主要課題である。
ROEは、純利益率(-0.2%)×総資産回転率(0.419)×財務レバレッジ(1.36倍)= 約-0.1%と分解される。3要素のうちボトルネックは純利益率のマイナスで、販管費が売上総利益を上回る営業構造に起因する。営業段階では粗利率24.0%に対し販管費比率は売上比26.3%と高く、営業利益率は-224bpにとどまる。総資産回転率0.419は在庫・売掛を多く抱えるエネルギー卸・小売の性質上、業界感応度の高い水準で大きな改善余地は限定的。財務レバレッジ1.36倍は保守的で、ROE押上げ効果は小さい。経常段階では営業外収益3.54億円(売上比2.9%)が黒字化に寄与する一方、当期は前年の非営業益が高水準であった反動とみられ、経常利益率は約-242bp悪化(当社推定)した。ビジネス上の理由として、LPガス・石油等の粗利の薄さ、販売単価の変動、気温要因による販売数量のボラティリティ、加えて人件費等の固定費上昇が挙げられる。これらのうち、気温・資源価格に伴う粗利の変動は一時的な側面もあるが、固定費高止まりは構造的で持続性が高い。懸念されるトレンドとして、売上+2.6%に対し販管費は売上総利益を超過(売上比26.3%)し、営業レバレッジが負に働いている点を指摘する。
売上は+2.6%増と堅調だが、粗利率24.0%と薄利で、数量・単価の変動や気温要因に左右されやすい事業特性が続く。営業損失は-2.70億円と縮小したが、販管費が粗利を上回る構造が継続しており、持続的な利益成長には粗利率改善(商品ミックス・価格転嫁・仕入最適化)と販管費効率化(人員・拠点・外注費の最適化)が必須。非営業収益3.54億円(配当1.24億円を含む)への依存度が高く、投資有価証券の評価・配当動向に業績が左右されるため、成長の質は不安定。EBITDAマージン0.8%と低水準で、固定費吸収度は弱い。短期的にはキャッシュ創出力が改善しており、設備投資は抑制的(-3.52億円)で、FCFはプラスと見込まれる。中期的見通しは、エネルギー価格の安定、気温平年回帰、電力・ガスの小売競争の沈静化が前提となるが、構造的改善(ROIC>5%)には数期を要する可能性が高い。
流動比率231.2%、当座比率201.6%と高水準で、短期支払能力は十分。総資産287.81億円に対し純資産211.21億円、負債合計76.60億円で負債資本倍率0.36倍と保守的な資本構成。短期借入金26.05億円・長期借入金2.62億円に対し、現金67.92億円と売掛金26.82億円があり、満期ミスマッチリスクは限定的。インタレストカバレッジはEBITベースで-20.77倍と形式上の警告水準だが、実態としては現金同等物と営業CFの潤沢さが利払い耐性を補完。投資有価証券69.42億円の時価変動による純資産変動リスク(評価差額のOCI影響)には留意。リース等のオフバランス債務は開示不足により判定困難。
営業CFは13.33億円と純利益(-0.19億円)を大幅に上回り、在庫・売掛回収や前受金等の運転資本改善が寄与した可能性が高い。形式上、営業CF/純利益は-70.16倍で品質警告閾値を下回るが、赤字局面で営業CFがプラスという事実自体はキャッシュ創出の底堅さを示す。投資CFは未開示だが、設備投資-3.52億円が主要項目と仮定すると、暫定FCF(営業CF−設備投資)は約+9.81億円と健全。配当・自社株買いは未開示のためFCFカバレッジは不明。運転資本操作の兆候は四半期単独データでは判断困難だが、営業損益が赤字の中での強い営業CFは、季節性・前受金計上・棚卸圧縮の影響が含まれる可能性があるため、次四半期の反動に注意が必要。
年間配当・配当総額は未開示で、当期純損失のため計算上の配当性向は意味を持たない(-1553.7%)。一方、暫定FCFは約+9.81億円と推定され、保守的な配当であればキャッシュ面の耐性はある。ただし、収益の質が非営業依存で、ROICが-0.8%と低い現状では、配当維持の根拠はキャッシュと保有有価証券収益に依存しやすく、将来の持続可能性は業績の営業黒字化に懸かる。会社の配当方針の明示がないため、次回開示で方針・基準(連結配当性向目標、DOE等)の確認が必要。
ビジネスリスク:
- エネルギー(LPガス・石油)価格と気温要因による販売数量・粗利率の変動
- 販管費が粗利を上回る営業構造の長期化による赤字体質の固定化
- 小売電力・ガス市場における競争激化によるマージン圧迫
- 非営業収益(配当・有価証券関連)の変動依存
財務リスク:
- 有価証券69.42億円の時価変動に伴う包括利益・自己資本のボラティリティ
- インタレストカバレッジが会計上マイナスであることによる信用指標の見劣り
- 税効果・不可逆的税負担の発生などによる実効税率の上振れ(130%)
主な懸念事項:
- ROIC -0.8%、ROE -0.1%と資本効率が資本コストを大幅に下回る
- 営業損失の継続と販管費効率化の遅れ
- 経常利益が非営業収益に大きく依存し再現性が低い
重要ポイント:
- 増収にもかかわらず販管費が粗利を上回り、営業損失が継続
- 非営業収益3.54億円が経常黒字を辛うじて支える構造
- 営業CFは13.33億円と強く、設備投資控えめで暫定FCFはプラス
- 流動性・財務安全性は高いが、資本効率と収益の質が最大の課題
- ROIC改善には粗利率改善と固定費削減による営業黒字化が不可欠
注視すべき指標:
- 粗利率と商品ミックス(LPガス・石油・電力の構成)
- 販管費/売上比とSG&A対GP(販管費/売上総利益)
- 営業外収益(配当・有価証券関連損益)の比率とボラティリティ
- 営業CFの継続性(在庫・売掛・前受の動向)
- ROICと投下資本の回転(在庫・売掛回転日数)
- 実効税率の正常化進展
セクター内ポジション:
地域エネルギー卸・小売として財務安全性は高いが、総合商社等の資本効率ベンチマークと比較するとROIC・ROEは大幅に劣後。非営業収益への依存が高く、景気・市場に対するディフェンシブ性は限定的。
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