| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥752.5億 | ¥687.2億 | +9.5% |
| 営業利益 | ¥35.9億 | ¥33.1億 | +8.4% |
| 持分法投資損益 | - | - | - |
| 経常利益 | ¥38.9億 | ¥35.7億 | +9.0% |
| 純利益 | ¥22.7億 | ¥22.8億 | -0.4% |
| ROE | 7.7% | 8.4% | - |
当期は売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益がそろって前年を上回る増収増益決算となった。売上高は752.5億円(前年687.2億円、YoY+9.5%)、営業利益は35.9億円(同+8.4%)、経常利益は38.9億円(同+9.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は26.9億円(同+7.8%)。増収の主因はCUSPA営業本部の高成長(売上+54.6%)と海外営業本部の拡大(同+10.4%)で、利益面では粗利率が19.2%と前年(18.7%)から改善したことが増益を支えた一方、海外営業本部はセグメント利益が減少しており収益性には地域差が見られる。
【売上高】売上高は752.5億円でYoY+9.5%増。セグメント別(内部取引含む計ベース)ではCUSPA営業本部が72.2億円(+54.6%)と突出した伸びを示し、国内営業本部329.9億円(+5.1%)、海外営業本部280.0億円(+10.4%)も増収に寄与した一方、工機営業本部は81.6億円(-0.9%)で減収。地域別売上高では日本459.6億円(前年417.7億円、+10.0%)、アジア・オセアニア124.1億円(+9.2%)、中南米59.1億円(+5.5%)、その他109.7億円(+9.8%)と全地域で増収し、成長は特定地域に偏らず広範に及んだ。
【損益】営業利益は35.9億円(YoY+8.4%)、営業利益率は4.8%で前年からほぼ横ばい。粗利率は19.2%と前年比+0.5pt改善した一方、販管費率は14.4%とほぼ前年並みで、粗利改善分が増益に寄与した。経常利益は38.9億円(YoY+9.0%)で、受取配当金1.4億円・為替差益0.6億円を含む営業外収益4.0億円が営業外費用1.0億円を上回り、経常段階での上乗せとなった。特別損益は特別利益0.1億円・特別損失0.0億円と軽微で、一時的要因の影響はほぼない。親会社株主に帰属する当期純利益は26.9億円(YoY+7.8%)で、経常利益の伸び(+9.0%)をやや下回るが、これは税負担率の変動幅による小幅な差にとどまる。結論として増収増益。
4報告セグメント中3セグメントが増収したが、利益動向にはばらつきが見られる。国内営業本部は売上329.9億円(+5.1%)、セグメント利益15.2億円(+2.6%)で増収増益、利益率は4.6%(前年4.7%)とほぼ横ばい。海外営業本部は売上280.0億円(+10.4%)と最大の増収額を記録したが、セグメント利益は9.8億円(前年11.1億円、-11.5%)と減益し、利益率は4.4%から3.5%へ低下した。工機営業本部は売上81.6億円(-0.9%)、セグメント利益5.7億円(-2.7%)で小幅な減収減益。CUSPA営業本部は売上72.2億円(+54.6%)、セグメント利益4.2億円(前年1.0億円、+319.2%)と大幅増益で、利益率も2.1%から5.8%へ+3.6pt改善した。全社の増益はCUSPA営業本部の高成長と利益率改善に牽引された一方、海外営業本部の収益性低下が全社利益率の押し上げを抑制する構図となっている。
【収益性】営業利益率は4.8%で前年からほぼ横ばい、粗利率は19.2%と前年比+0.5pt改善し、粗利改善分が販管費増加(販管費率14.4%、ほぼ横ばい)を吸収した形である。【キャッシュ品質】営業CFは25.6億円で親会社株主に帰属する当期純利益26.9億円に対し0.95倍の水準にとどまり、棚卸資産の増加(-13.9億円の資金滞留)が現金創出を圧迫している。【投資効率】ROEは7.7%、総資産回転率は売上高752.5億円を期中平均総資産459.9億円で除した1.64倍で、資産効率は前年から改善している。【財務健全性】自己資本比率は61.4%(前年61.3%)とほぼ横ばいで高水準を維持し、流動資産375.3億円に対し流動負債149.9億円で流動比率は250%超と厚みのある短期支払能力を確保している。
営業CFは25.6億円で前年11.9億円から+114.4%と大幅に増加したが、増加の背景には税引前利益の伸びに加え、法人税等の支払い(-12.7億円)や運転資本変動の影響が含まれる。運転資本面では棚卸資産が13.9億円増加して資金を圧迫した一方、売上債権は5.8億円減少(回収進捗)、仕入債務は3.9億円減少しており、在庫の積み増しが営業CFの伸びを相対的に抑える要因となっている。投資CFは-7.8億円で、設備投資-2.3億円・無形資産投資等を含むが、前年の子会社株式取得を伴う大型投資(-28.9億円)からは大きく縮小した。財務CFは-0.9億円で、短期借入金の増加(+33.1億円)と長期借入金の返済(-24.5億円等)が相殺し合う構成となっている。この結果フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は17.8億円のプラスを確保しており、当期の配当支払(6.6億円)を十分にカバーする水準である。
経常利益(38.9億円)は営業利益(35.9億円)に対し3.0億円上乗せされており、その主因は受取配当金1.4億円・為替差益0.6億円を含む営業外収益4.0億円で、営業外費用1.0億円(支払利息0.6億円等)を差し引いた後もネットでプラスに寄与している。特別損益は特別利益0.1億円・特別損失0.0億円と極めて小さく、当期利益の大半は経常的な事業活動から生じたものと解釈できる。包括利益は29.1億円(うち親会社株主分28.9億円)で、親会社株主に帰属する当期純利益26.9億円との差は為替換算調整額+1.5億円や有価証券評価差額金+0.7億円によるもので、乖離幅は小さく利益の質は安定している。一方、営業CF(25.6億円)が純利益対比0.95倍にとどまる点は、棚卸資産の増加による運転資本負担がアクルーアル(発生主義と現金主義の差)を通じて利益の現金化を緩和していることを示しており、在庫動向は今後注視すべき論点である。
会社は来期(2027年3月期)の業績予想として売上高800.0億円(YoY+6.3%)、営業利益37.0億円(同+3.1%)、経常利益39.0億円(同+0.3%)、EPS予想135.22円を開示している。当期実績の増収率+9.5%・営業増益率+8.4%・経常増益率+9.0%と比較すると、来期計画は増収率・増益率とも鈍化する想定であり、特に経常利益は横ばい近辺の計画となっている点が特徴である。配当予想は20.00円とされているが、2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施しており、この予想値は分割後ベースの金額である点に留意が必要である。
当期の配当は中間33円・期末40円の合計73円で、配当性向は24.2%(前期も同水準の24.2%)と安定的に推移している。配当総額は当期のフリーキャッシュフロー17.8億円の範囲内に収まっており、キャッシュ面での還元余力は確保されている。なお2026年4月1日付で1株につき2株の株式分割が実施されており、来期の配当予想20.00円は分割後ベースの金額であるため、当期の73円と単純比較する際には分割の影響を考慮する必要がある。
海外営業本部の収益性低下: 売上は280.0億円(+10.4%)と増収した一方、セグメント利益は9.8億円(前年11.1億円、-11.5%)の減益となり、利益率は4.4%から3.5%へ低下した。増収が利益に結びつきにくい構造が継続すれば、全社利益率の頭打ち要因となり得る。
棚卸資産の積み増しと運転資本負担: 棚卸資産は126.4億円(前年111.1億円、+13.9億円)に増加し、営業CFの伸びを抑制する要因となっている。在庫水準の動向は今後のキャッシュ創出力を左右する観察点である。
借入金構成の短期化: 短期借入金は38.6億円(前年5.6億円、+33.1億円)へ急増した一方、長期借入金は22.5億円(前年45.7億円、-23.2億円)へ半減しており、負債の満期構成が短期に偏る変化が生じている。現金及び預金95.9億円は短期負債を上回る水準にあるが、金利環境や借換え動向は引き続き注視される項目である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 4.8% | 3.4% (1.4%–5.0%) | +1.4pt |
| 純利益率 | 3.0% | 2.3% (1.0%–4.6%) | +0.7pt |
| 自社の収益性は営業利益率・純利益率とも業種中央値を上回る水準に位置する。 |
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 9.5% | 5.9% (0.4%–10.7%) | +3.6pt |
| 売上高成長率は業種中央値を上回るものの、IQR上限(10.7%)の範囲内にとどまる水準である。 |
※出所: 当社集計
増収増益基調はCUSPA営業本部の高成長(売上+54.6%、セグメント利益+319.2%)に牽引されており、同事業の構成比上昇が全社利益率の押し上げ要因となっている。
海外営業本部は増収ながらセグメント利益が-11.5%と減益で、地域別に収益性のばらつきが生じている構造が決算データから読み取れる。
棚卸資産の増加(+13.9億円)と借入金の短期化(短期借入金+33.1億円、長期借入金-23.2億円)が同時に進行しており、運転資本と資金調達構成の変化がキャッシュフロー・財務指標の解釈において留意点となる。
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