- 売上高: 1,629.50億円
- 営業利益: 179.17億円
- 当期純利益: 113.79億円
- 1株当たり当期純利益: 153.38円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,629.50億円 | 1,530.20億円 | +6.5% |
| 売上原価 | 1,067.71億円 | 992.62億円 | +7.6% |
| 売上総利益 | 561.79億円 | 537.57億円 | +4.5% |
| 販管費 | 382.61億円 | 358.11億円 | +6.8% |
| 営業利益 | 179.17億円 | 179.45億円 | -0.2% |
| 営業外収益 | 14.25億円 | 18.39億円 | -22.5% |
| 営業外費用 | 10.76億円 | 13.89億円 | -22.5% |
| 経常利益 | 182.65億円 | 183.96億円 | -0.7% |
| 税引前利益 | 236.36億円 | 229.11億円 | +3.2% |
| 法人税等 | 75.53億円 | 46.94億円 | +60.9% |
| 当期純利益 | 113.79億円 | 159.03億円 | -28.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 158.89億円 | 181.78億円 | -12.6% |
| 包括利益 | 152.08億円 | 188.28億円 | -19.2% |
| 減価償却費 | 170.77億円 | 147.86億円 | +15.5% |
| 支払利息 | 4.46億円 | 4.25億円 | +4.9% |
| 1株当たり当期純利益 | 153.38円 | 172.56円 | -11.1% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 152.91円 | 172.09円 | -11.1% |
| 1株当たり配当金 | 67.00円 | 28.00円 | +139.3% |
| 年間配当総額 | 59.69億円 | 59.69億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 772.09億円 | 675.43億円 | +96.66億円 |
| 現金預金 | 488.41億円 | 419.49億円 | +68.92億円 |
| 売掛金 | 69.82億円 | 59.48億円 | +10.34億円 |
| 棚卸資産 | 140.23億円 | 137.69億円 | +2.54億円 |
| 固定資産 | 1,432.35億円 | 1,417.73億円 | +14.62億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 250.96億円 | 246.56億円 | +4.40億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -110.41億円 | -114.45億円 | +4.04億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -71.96億円 | -209.01億円 | +137.05億円 |
| フリーキャッシュフロー | 140.55億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 11.0% |
| 総資産経常利益率 | 8.5% |
| 配当性向 | 33.0% |
| 純資産配当率(DOE) | 5.4% |
| 1株当たり純資産 | 1,196.01円 |
| 純利益率 | 9.8% |
| 粗利益率 | 34.5% |
| 流動比率 | 282.3% |
| 当座比率 | 231.0% |
| 負債資本倍率 | 0.76倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +6.5% |
| 営業利益前年同期比 | -0.2% |
| 経常利益前年同期比 | -0.7% |
| 税引前利益前年同期比 | +3.2% |
| 当期純利益前年同期比 | -28.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -12.6% |
| 包括利益前年同期比 | -19.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 103.97百万株 |
| 自己株式数 | 592千株 |
| 期中平均株式数 | 103.60百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,212.54円 |
| EBITDA | 349.94億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 28.00円 |
| 期末配当 | 39.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| CommercialKaraoke | 652.78億円 | 119.22億円 |
| KaraokeCabinAndRestaurant | 710.03億円 | 66.33億円 |
| MusicSoftware | 54.59億円 | 1.40億円 |
| OperatingSegmentsNotIncludedInReportableSegmentsAndOtherRevenueGeneratingBusiness | 212.08億円 | 28.12億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,687.00億円 |
| 営業利益予想 | 185.00億円 |
| 経常利益予想 | 189.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 122.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 118.01円 |
| 1株当たり配当金予想 | 34.00円 |
2026年度FYの第一興商は、売上高が前年同期比+6.5%増の1,629.5億円と拡大する一方、営業利益は179.17億円(-0.2%)と横ばいで、トップライン成長に対し利益の伸びが伴わない決算となった。粗利は561.79億円で粗利率は34.5%(前年約35.1%)と約60bp低下した。営業利益率は11.0%と前年約11.7%から約70bp低下し、販管費の増加が収益性を圧迫した。経常利益は182.65億円(-0.7%)で金利負担の増加は軽微に留まったが、当期純利益は158.89億円(-12.6%)と大きく減益となった。純利益率は9.8%と前年約11.9%から約210bp低下した。特別利益79.94億円(主に固定資産売却益76.63億円)が計上される一方、特別損失26.24億円(減損24.12億円等)も発生し、一時的要因の振れが大きい決算である。品質アラートの示す通り、純利益の63.4%が一時的項目に起因とされ、利益の持続可能性に注意が必要である。営業キャッシュフローは250.96億円で純利益比1.58倍と良好だが、OCF/EBITDAは0.72倍とやや弱く、キャッシュコンバージョンに改善余地がある。フリーキャッシュフローは140.55億円と潤沢で、配当・自社株買いを十分に賄った。バランスシートは総資産2,204.45億円、自己資本1,253.49億円で自己資本比率は約56%と堅牢、Debt/EBITDA 1.57倍、インタレストカバレッジ78.5倍と財務耐性は強い。短期借入金は31.96億円へ大幅減少、長期借入金は516.82億円へ増加しており、負債の長期化で満期ミスマッチを抑制している。セグメントでは業務用カラオケが営業利益119.22億円で最大の稼ぎ頭、店舗事業は増収もコスト増でマージンが限定的改善に止まった。配当は期末に創業55周年の記念配当10円を含み年67円、配当性向は43.8%でFCFカバレッジ2.02倍と持続可能性は高い。ガイダンスは売上高1,687億円、営業利益185億円と小幅増益計画だが、親会社株主に帰属する純利益は122億円、EPS118.01円と慎重(今期比で減益)で、記念配当反動もあり来期DPSは34円と保守的。減損計上や固定資産売却益の寄与から、来期は一時要因剥落のなかでコア収益力とキャッシュ創出の持続性が主要な見どころとなる。総じて、成長投資を継続しつつも、コスト管理とキャッシュコンバージョン改善がROE維持の鍵である。
ROEは12.7%で、純利益率9.8%×総資産回転率0.739×財務レバレッジ1.76倍の積に整合する。3因子のうち、今期は純利益率の低下がROEの重石で、総資産回転率とレバレッジは大きな変動がない。純利益率の悪化は、営業利益率の低下(約70bp)と一時損益・税負担の揺らぎに起因する。営業面では、売上総利益率の約60bp低下と販管費の増加(358.11億円→382.61億円)が営業レバレッジを相殺し、特に広告宣伝費や減価償却費の増加が寄与した。5因子分解では、EBITマージン11.0%、金利負担係数1.319(=EBT/EBIT)と良好で、税負担係数0.672はやや重め。最も変化が大きいのは利益率要素で、店舗事業のコストインフレ(人件費、賃料、減価償却)とミックスが背景。一方、財務レバレッジは抑制的で持続性は高く、資本効率悪化のリスクは限定的。販管費成長率(+6.8%程度)が売上成長率(+6.5%)をやや上回っており、コストコントロール強化が必要である。固定資産売却益や減損など一時損益の振れは来期剥落が見込まれ、コアのEBITDAマージン(21.5%)を基点にした収益性の見極めが重要。
売上高は+6.5%で、業務用カラオケ(+4.8%)とカラオケ・飲食店舗(+6.7%)の二本柱が牽引、「その他」も+13.9%と寄与した。営業利益は横ばいで、コスト上昇と粗利率の低下が成長を相殺。EBITDAは349.94億円、EBITDAマージン21.5%と堅調で、のれん償却前EBITDAは355.26億円とIFRS企業比較でも見劣りしない。設備投資/減価償却は0.98倍で、概ねメンテナンス水準ながら、直近の投資配分は選択と集中の色彩が強い。来期ガイダンスは売上+3.5%、営業利益+3.3%の増収増益計画だが、親会社純利益は122億円計画と今期比減少で、一時益の反動や慎重な前提が含意される。コア収益の牽引役は引き続き業務用カラオケで、店舗事業は人件費・賃料・原材料のコストプレッシャー下での価格・稼働最適化が課題。
流動比率282.3%、当座比率231.0%と高水準で短期支払能力は極めて良好。総有利子負債は548.78億円、現金預金488.41億円でネット有利子負債は約60億円規模、Debt/EBITDA 1.57倍、Debt/Capital 30.4%と投資適格レンジ。インタレストカバレッジ78.46倍で金利耐性は強固。短期借入金は31.96億円まで縮小し、現金/短期負債は15.3倍と満期ミスマッチリスクは低い。一方、長期借入金は516.82億円へ増加しており、負債の長期化による金利・流動性管理の妙が見られる。資産除去債務20.78億円や退職給付負債92.91億円は中期のキャッシュアウト要因として管理が必要だが、現状のキャッシュ創出力からみて許容範囲。
自己株式: -105.71億円 → -11.95億円(+88.7%)- 自己株式の大幅減少は過年度の自己株買い縮小・処分の影響。資本効率の改善に寄与。短期借入金: 124.43億円 → 31.96億円(-74.3%)- 短期負債圧縮で流動性リスクを低減。現金/短期負債15.3倍と極めて健全。のれん: 50.94億円 → 74.35億円(+46.0%)- 事業取得の進展を反映。のれん/EBITDA 0.21倍、のれん/純資産5.9%とリスクは低位。買掛金: 38.85億円 → 23.75億円(-38.9%)- 支払サイト短縮や仕入動向の変化に伴う運転資本の動き。短期キャッシュの一時的流出要因。長期借入金: 411.28億円 → 516.82億円(+25.7%)- 借入の長期化により満期ミスマッチを抑制。金利上昇局面での負担管理が論点。
営業CFは250.96億円で純利益の1.58倍と高品質。フリーキャッシュフローは140.55億円で、配当・自社株買い合計78.53億円を十分にカバーした。OCF/EBITDAは0.72倍と目標0.9倍に届かず、売上債権増(-9.18億円)や買掛金減(-15.71億円)、税金支払の増加など運転資本要因がコンバージョンを抑制。固定資産売却による資金回収(投資CF内の固定資産売却収入160.83億円)はキャッシュ総額には寄与するが、反復性が低い点に留意が必要。アクルーアル比率-4.2%は現金主導で質は総じて良好だが、来期は一時益の剥落下でOCFの持続性確認が焦点となる。
年間DPSは67円(期末に記念配当10円を含む)で配当性向は43.8%、自社株買い18.84億円を含めた総還元性向は約49.4%と健全。FCFカバレッジは2.02倍で還元の持続可能性は高い。ガイダンスではDPS34円と記念配当反動で通常水準へ回帰見込み。今期水準のキャッシュ創出力とレバレッジ指標からみて、通常配当の維持余力は十分と判断される一方、来期は純利益計画が保守的であるため、配当性向の管理が重要となる。
ビジネスリスクとして、カラオケ・外食需要の景気感応度が高く、稼働率・客単価の低下リスク、人件費・賃料・原材料のコストインフレによるマージン圧迫、コンテンツ・著作権料や機器更新負担の上昇、店舗資産の減損リスク(今期も減損24.12億円を計上)が挙げられます。
財務リスクとしては、固定資産売却益等の一時益依存度上昇に伴う来期減益リスク、長期借入金の増加に伴う金利上昇局面での負担増(現状感応度は限定的)、退職給付債務92.91億円や資産除去債務20.78億円に係る将来キャッシュアウトが挙げられます。
主な懸念事項としては、⚠️一時的項目の寄与が純利益の63.4%と高く、収益の持続可能性に不透明感、OCF/EBITDAが0.72倍とキャッシュ転換が弱含み、運転資本効率改善が課題、販管費の伸びが売上成長を上回りつつあり、コスト規律強化の必要性が挙げられます。
重要ポイントとして、売上は堅調も、粗利率低下と販管費増で営業利益率は約70bp低下、一時損益の振れが大きく、純利益は-12.6%と減益。品質アラートも点灯、キャッシュ創出は強くFCF140.6億円、財務レバレッジ低位で耐性高い、主力の業務用カラオケはマージン18.3%で牽引、店舗事業のコスト最適化が鍵、来期は増収増益計画ながら純利益は保守的見通し、記念配当反動でDPSは通常化が挙げられます。
注視すべき指標は、EBITDAマージンとOCF/EBITDA(キャッシュ転換率)の改善度合い、販管費伸長率 vs 売上成長率(営業レバレッジ)、店舗稼働率・客単価・機器稼働等のKPI、減損・資産売却等の一時損益比率の推移、Debt/EBITDAと金利感応度(固定・変動のミックス)です。
セクター内ポジションについては、国内エンタメ・外食複合プレーヤーの中で、財務基盤とEBITDA創出力は上位水準。一方で今期は一時益寄与が大きく、コア利益の成長トレンドは同業優良銘柄と比べやや見劣り。来期はコスト規律とキャッシュ転換の改善が相対的評価の鍵。