- 売上高: 344.42億円
- 営業利益: 5.18億円
- 当期純利益: 4.11億円
- 1株当たり当期純利益: 475.93円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 344.42億円 | 321.55億円 | +7.1% |
| 売上原価 | 311.57億円 | 290.16億円 | +7.4% |
| 売上総利益 | 32.86億円 | 31.40億円 | +4.7% |
| 販管費 | 27.68億円 | 27.86億円 | -0.7% |
| 営業利益 | 5.18億円 | 3.53億円 | +46.7% |
| 営業外収益 | 85百万円 | 76百万円 | +12.3% |
| 営業外費用 | 8百万円 | 21百万円 | -59.9% |
| 経常利益 | 5.95億円 | 4.07億円 | +46.2% |
| 税引前利益 | 6.39億円 | 3.80億円 | +68.2% |
| 法人税等 | 2.07億円 | 1.41億円 | +47.5% |
| 当期純利益 | 4.11億円 | 2.30億円 | +78.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.28億円 | 2.37億円 | +80.6% |
| 包括利益 | 6.06億円 | 3.33億円 | +82.0% |
| 減価償却費 | 1.66億円 | 1.68億円 | -1.5% |
| 支払利息 | 4百万円 | 3百万円 | +53.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 475.93円 | 263.54円 | +80.6% |
| 1株当たり配当金 | 125.00円 | 0.00円 | - |
| 年間配当総額 | 94百万円 | 94百万円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 128.26億円 | 116.94億円 | +11.32億円 |
| 現金預金 | 9.25億円 | 7.64億円 | +1.61億円 |
| 売掛金 | 100.76億円 | 90.79億円 | +9.97億円 |
| 固定資産 | 55.97億円 | 55.46億円 | +51百万円 |
| 有形固定資産 | 24.45億円 | 25.05億円 | -60百万円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1.49億円 | -10.43億円 | +11.92億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | 19百万円 | -1.07億円 | +1.26億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -2百万円 | -2.09億円 | +2.07億円 |
| フリーキャッシュフロー | 1.68億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 1.5% |
| 総資産経常利益率 | 3.3% |
| 配当性向 | 39.8% |
| 純資産配当率(DOE) | 1.3% |
| 1株当たり純資産 | 8,798.59円 |
| 純利益率 | 1.2% |
| 粗利益率 | 9.5% |
| 流動比率 | 135.4% |
| 当座比率 | 135.4% |
| 負債資本倍率 | 1.30倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.1% |
| 営業利益前年同期比 | +46.7% |
| 経常利益前年同期比 | +45.9% |
| 当期純利益前年同期比 | +78.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +80.6% |
| 包括利益前年同期比 | +82.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 960千株 |
| 自己株式数 | 59千株 |
| 期中平均株式数 | 901千株 |
| 1株当たり純資産 | 8,900.53円 |
| EBITDA | 6.84億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 105.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 350.00億円 |
| 営業利益予想 | 5.30億円 |
| 経常利益予想 | 6.20億円 |
| 当期純利益予想 | 4.15億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 4.30億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 477.27円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
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2025年度Q4の東北化学薬品は、売上・利益とも増加し、営業増益率が売上成長を大きく上回る良好な四半期決算となりました。売上高は344.42億円で前年比+7.1%、営業利益は5.18億円で+46.7%と大幅増益、経常利益は5.95億円で+45.9%、当期純利益は4.28億円で+80.6%と二桁増を達成しました。粗利益は32.86億円で粗利率は9.5%(前年からの改善が示唆)となり、販管費は27.68億円に抑制され、営業利益率は約1.5%まで改善しました。前年実績を推計すると、営業利益率は約1.1%→1.5%へ約40bpの改善、純利益率は約0.74%→1.24%へ約50bp拡大したと見られます。営業外収益は0.85億円で、営業外収入比率は19.9%と一定の寄与を示し、受取配当金0.58億円・受取利息0.07億円が主因です。インタレストカバレッジは122倍と極めて健全で、金利負担は業績の制約になっていません。総資産は184.22億円、純資産は80.19億円で、負債資本倍率は1.30倍と保守的な資本構成を維持しています。一方で、営業キャッシュフローは1.49億円にとどまり、営業CF/純利益は0.35倍と品質面の課題が浮き彫りです。売掛金が100.76億円と大きく、運転資本の積み上がりがキャッシュ創出を圧迫している可能性が高いです。フリーキャッシュフローは1.68億円と黒字で、設備投資は0.20億円と軽微であるため、短期的な資金需要は抑制的です。流動比率は135.4%(当座比率同値)と可もなく不可もなくで、短期支払能力に問題は見られませんが、ベンチマーク150%には届かず、引き続き運転資本の効率化が必要です。デュポン分解によるROEは5.3%で、純利益率1.2%・総資産回転率1.87倍・財務レバレッジ2.30倍の積に整合します。ROICは4.7%と5%をわずかに下回り、投下資本効率に改善余地が残ります。配当は総額・年間配当の開示が不足するものの、計算上の配当性向は23.6%で保守的、FCFカバレッジ1.67倍は概ね良好です。総じて、損益は着実に改善し、金利負担も軽微で財務は健全ですが、営業キャッシュ創出力(特に売掛金・在庫回転の改善)とROICの引き上げが次年度の主要課題です。今後は粗利率の維持・販管費の伸び管理、運転資本の健全化によるキャッシュ創出の回復、非営業収益への過度な依存回避が持続的成長の鍵となります。
デュポン分析(ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ): 1) 純利益率1.2% × 総資産回転率1.870 × 財務レバレッジ2.30倍 = ROE約5.3%。2) 期中の最も大きな変化は、営業利益の伸び(+46.7%)に伴う利益率の改善で、営業利益率が約40bp拡大した点がROE改善の主要ドライバーと推定。3) その背景には、粗利率の改善(9.5%)と販管費の伸び抑制による営業レバレッジの発現、加えて受取配当金など営業外収益の寄与(営業外収入比率19.9%)がある。4) 利益率の改善は、価格転嫁やミックス改善・コスト管理の継続である程度持続可能だが、営業外収益は市況や配当政策に左右されやすく変動的で、一部は一時的と評価。5) 懸念トレンドとして、売上成長(+7.1%)に対し運転資本膨張が示唆され、営業CFが伸びていない点、またROICが4.7%と低位で、資本回転(売掛金の滞留など)が総資産回転率の頭打ち要因になり得る点を指摘する。
売上は+7.1%で堅調、化学品需要の底堅さと価格転嫁が示唆される一方、粗利率9.5%を確保し、営業増益率が売上成長を大幅に上回った。営業利益5.18億円(+46.7%)は販管費の伸び抑制とミックス改善の効果が大きい。純利益は+80.6%と大幅増で、営業外収益(受取配当金等)の寄与も確認される。利益の質は、営業CF/純利益0.35倍という弱さが足かせで、売上増に伴う運転資本の増大がキャッシュ創出を圧迫。持続可能性の観点では、販管費率を現状水準で維持しつつ、売掛金回収と在庫回転(未開示)を改善できれば、売上の伸びがそのままキャッシュ創出につながる余地が大きい。見通しは、価格・数量環境が大幅悪化しない限り、緩やかな増収・営業利益率の漸進的改善を想定するが、非営業収益依存の振れに注意。
流動比率135.4%、当座比率135.4%と短期流動性は中庸だが健全域。D/E(負債資本倍率)1.30倍は保守的で、インタレストカバレッジ122倍により支払能力は極めて高い。総負債104.03億円のうち流動負債94.72億円が大半で、買掛金80.13億円の比重が高い一方、流動資産128.26億円の中核は売掛金100.76億円で、満期ミスマッチは大きくないが、資金が売掛金に滞留しやすい構造。短期借入金3.12億円・長期借入金0.11億円と有利子負債依存は極めて低く、金利上昇耐性は高い。オフバランス債務の開示はなく(未記載)、追加のコミットメント・保証の有無は不明。自己資本比率は未開示だが、純資産80.19億円・総資産184.22億円から約43%程度と推定され、資本余力は十分と判断。
営業CFは1.49億円にとどまり、営業CF/純利益は0.35倍で品質面に課題(警戒ライン<0.8を下回る)。フリーキャッシュフローは1.68億円と黒字で、投資CFが+0.19億円(資産売却や回収の可能性)でキャッシュ創出を下支え。設備投資0.20億円は軽微で、減価償却1.66億円に比べ低水準のため、設備負担は小さい。運転資本面では売掛金100.76億円が突出しており、売上増に伴う回収遅延・与信条件の緩みが営業CFを圧迫した公算。棚卸資産が未開示で詳細特定は困難だが、買掛金の伸長に対し売掛金の増加が上回った場合、キャッシュコンバージョンサイクルが悪化している可能性。配当・自社株買いは未開示だが、財務CFは-0.02億円と軽微で、外部資金への依存はない。
年間配当・配当総額は未開示だが、計算上の配当性向23.6%は保守的水準。FCFカバレッジ1.67倍は配当の資金面での余裕を示す一方、営業CFの弱さが継続する場合は持続可能性に低下リスク。ネット有利子負債は実質軽微で金利負担は小さいため、景気後退時でも配当維持余地は相対的に高い。今後の配当方針の安定性は、営業キャッシュフローの回復(売掛債権回転の改善)とROICの引き上げに依存する。
ビジネスリスク:
- 顧客需要の変動による数量ボラティリティ(化学品の市況・価格変動影響)
- 粗利率の低下リスク(価格競争・原材料コスト上昇時の転嫁遅れ)
- 主要顧客・仕入先への依存度上昇による交渉力低下
- 非営業収益(受取配当金等)への一定の依存による利益変動
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.35倍の低さに起因するキャッシュ創出リスク
- 売掛金100.76億円への資金滞留と回収遅延リスク
- 流動比率135%と中庸で、景気悪化局面での運転資金逼迫リスク
- ROIC4.7%と資本効率の低位継続リスク
主な懸念事項:
- 収益品質の弱さ(運転資本悪化示唆)
- ROICが5%を下回り資本コスト上回り確度が限定的
- 営業外収益比率19.9%で非反復的要因への感応度が高い可能性
- 未開示項目の多さにより継続的費用・投資の実態把握が難しい
重要ポイント:
- 増収・大幅増益で営業利益率は約40bp改善、利益体質は改善基調
- 営業外収益の寄与が大きく、純利益は+80.6%と強いが非反復要因への感応度に注意
- 営業CF/純利益0.35倍で収益品質は要改善、売掛金回転が鍵
- 流動性・レバレッジは健全、金利耐性は極めて高い
- ROIC4.7%は警戒域、資本効率向上(回転率・マージンの両面)が課題
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(目標≥1.0)
- 売掛債権回転日数・回収条件
- 粗利率と販管費率(営業利益率の定着度)
- ROIC(目標≥7〜8%)
- 非営業収益比率の推移(配当・有価証券関連)
セクター内ポジション:
同業卸売業の中では財務健全性と金利耐性は良好だが、運転資本効率とROICで相対的に見劣り。利益率改善は進む一方、キャッシュ創出と資本効率の両立が次の評価軸。
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