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73892026 通期プライムJGAAP

あいちフィナンシャルグループ(7389) 2026年度通期決算

2026年度通期の売上高は85.2億円、営業利益は71.6億円(同+45.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1251.4億¥1010.4億+23.9%
営業利益--+45.2%
経常利益¥309.1億¥102.8億+200.6%
純利益¥218.1億¥91.0億+45.1%
ROE5.1%2.6%-

Executive Summary

金利上昇局面で銀行業の収益性が大幅に改善し、経常利益がほぼ3倍に拡大した増収増益決算となった。経常収益は1,251.4億円(前年比+23.9%)、経常利益は309.1億円(同+200.6%)、純利益は218.1億円(同+45.1%、前年91.0億円との対比では実質+139.7%相当の親会社株主帰属純利益ベースの伸び)。増益の主因は銀行業の資金運用収益拡大と貸倒引当金の戻入、一般管理費の削減であり、資金調達費用の増加を吸収して収益性が大きく向上した。

業績変動要因

【売上高】経常収益1,251.4億円(前年比+23.9%)は銀行業が牽引した。銀行業は1,131.0億円(同+23.8%)で全体の90.4%を占め、資金運用収益が737.8億円(同+26.3%)に拡大したことが主因である。リース業は68.6億円(同+10.6%)、その他事業は55.1億円(同+60.6%)と規模は小さいが増収した。

【損益】経常利益は309.1億円(同+200.6%)と大幅増益となった。銀行業のセグメント利益が307.4億円(同+199.0%)に急拡大し、利益率も27.2%(前年11.5%相当)へ改善した。資金調達費用が211.8億円(同+165.5%)と大きく増加した一方、貸倒引当金繰入額が17.7億円の戻入超となり、一般管理費も450.0億円(同-5.8%)に減少したことが利益を押し上げた。リース業は増収ながらセグメント利益0.4億円(同-77.5%)と採算悪化がみられる。純利益は218.1億円(同+45.1%)にとどまり、経常利益の伸び率を下回るのは、前年の実効税率が低水準だった反動で税負担が正常化したためである。増収増益。

セグメント別分析

銀行業が経常収益の90.4%、セグメント利益(経常利益ベース)の99.4%を占める中核事業であり、利益率27.2%で他セグメントを大きく上回る。リース業は経常収益68.6億円(前年比+10.6%)と増収したが、セグメント利益は0.4億円(同-77.5%)に急減し、利益率は0.6%に低下した。資金調達コストや案件採算の悪化が影響したとみられる。その他事業(クレジットカード業務等)は経常収益55.1億円(同+60.6%)、利益2.9億円(同+3.2%)で利益率5.2%と、増収に対し利益の伸びは限定的である。連結業績は銀行業への依存度が極めて高く、他セグメントの分散効果は限定的である。

主要財務指標

【収益性】経常利益率は24.7%で前年10.2%から大幅に拡大し、純利益率も17.4%へ改善した。ROEは5.1%で、銀行業態特有の低い総資産回転率と高い財務レバレッジを反映した水準である。【キャッシュ品質】営業CFは1,822.1億円で純利益の8.4倍に達し、前年の流出超から大幅改善した。ただし銀行業では預金・貸出金・有価証券の増減が営業CFを左右するため、非金融企業と同水準での解釈には注意を要する。【投資効率】設備投資31.0億円は減価償却費32.4億円の範囲内に収まり、投資は抑制的である。EPS(基本)は89.42円(前年比+141.1%)、BPSは1,767.23円と純資産増加を反映して上昇した。【財務健全性】自己資本比率は6.0%で前年5.2%から改善したものの、一般的な銀行の健全性目安である8%を下回る水準にある。預貸率は82.5%で適正レンジ内にあり、預金基盤に基づく貸出運営は安定している。

キャッシュフロー分析

営業CFは1,822.1億円の流入となり、前年の1,050.8億円の流出から大きく転換した。投資CFは39.3億円の流入(うち設備投資31.0億円)で、フリーキャッシュフローは1,861.3億円に達した。財務CFは65.8億円の流出で、自社株買い11.2億円と配当支払が主な使途である。銀行業では預金・貸出金・有価証券の期末残高変動が営業CFの規模を大きく左右するため、当期の大幅な資金流入が構造的に持続するものかは今後の預金・貸出動向を含めて見極める必要がある。現金及び現金同等物は7,878.5億円に積み上がり、手元流動性は前年から大きく増加した。

収益の質

当期の利益拡大には経常的要因と一時的性格を持つ要因が混在している。資金運用収益の増加(737.8億円、前年比+26.3%)は事業構造に沿った経常的な改善である一方、貸倒引当金繰入額が17.7億円の戻入超となったことは信用コストの一時的な正常化を反映しており、継続的な利益源泉とは見なしにくい。特別損失9.7億円(うち減損損失1.3億円)は限定的な影響にとどまる。包括利益は836.3億円と純利益218.1億円を大きく上回っており、その差は有価証券評価差額金469.2億円の増加が中心である。市場金利・価格変動により逆方向に振れうる項目であるため、純利益と包括利益の乖離は資産価格環境に左右される点に留意が必要である。営業CFが純利益を大きく上回っており、会計上の見かけの利益が過度に非現金項目に依存している兆候は見られない。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想の経常利益280.0億円に対し、実績は309.1億円で進捗率110.4%となり、予想を上回って着地した。一方、純利益は会社予想230.0億円に対し実績218.1億円で進捗率94.8%にとどまり、経常利益の上振れが最終利益まで完全には波及していない。EPS実績89.42円は会社予想94.37円をやや下回った。経常利益と純利益の進捗率の差は、税負担の正常化や特別損失の発生が影響したとみられる。

株主還元

年間配当は中間50.00円、期末85.00円の合計135.00円(前年85.00円から増配)であり、XBRL報告ベースの配当性向は30.2%である。自社株買いも11.2億円実施しており、配当と合わせた総還元は配当のみの水準を上回る。なお2026年4月1日付で1株を5株に分割しており、翌期予想配当30.00円は分割後表示で、分割前換算では150.00円に相当する。表示基準(分割前後)の違いに留意した比較が必要である。

リスク要因

  1. 銀行業への高い利益集中: 経常収益の90.4%、利益の大半を銀行業が占めており、資金利益や信用コストの変動が連結業績に直接波及する構造にある。

  2. 自己資本比率の水準: 自己資本比率6.0%は前年5.2%から改善したが、一般的な健全性目安の8%を下回る。有価証券評価差額金469.2億円の増加など含み益の拡大が資本の一部を支えており、市場変動時には逆方向に作用しうる。

  3. 信用コストの反動リスク: 当期は貸倒引当金繰入額が17.7億円の戻入超となり増益に寄与したが、これは一時的性格が強く、今後与信費用が正常化・増加に転じた場合、利益水準への反動が生じ得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(bank)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率17.4%11.9% (7.2%–35.4%)+5.5pt

自社の純利益率は業種中央値を上回るが、IQR上限35.4%と比較すると業種内でも上位グループには入らない水準である。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)23.9%10.1% (7.3%–12.1%)+13.8pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、IQR上限も超える伸びとなっている。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 経常利益は309.1億円(前年比+200.6%)に達し、銀行業の資金運用収益拡大と貸倒引当金の戻入、一般管理費削減が牽引した。経常利益率は24.7%へ1,452bp拡大している。

  2. 預貸率は82.5%と適正レンジ内で安定している一方、自己資本比率は6.0%と一般的な健全性目安8%を下回り、資本政策の動向が注目点となる。

  3. リース業のセグメント利益は前年比77.5%減少しており、増収にもかかわらず採算が悪化している。銀行業への高い利益集中を踏まえると、非銀行分野の分散効果は限定的である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。