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73802026 通期プライムJGAAP

十六フィナンシャルグループ(7380) 2026年度通期決算

2026年度通期の売上高は1,691億円(前年同期比+24.0%)、経常利益は427.7億円(同+36.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1690.9億¥1363.0億+24.0%
営業利益---
経常利益¥427.7億¥312.4億+36.9%
純利益¥277.7億¥211.4億+31.4%
ROE5.9%5.0%-

Executive Summary

2026年3月期は、金利収益の拡大を主因に増収増益となり、経常利益の伸び率が経常収益の伸び率を上回る質の高い増益となった。経常収益は1,690.9億円(前年比+24.0%)、経常利益は427.7億円(同+36.9%)、親会社株主帰属純利益は273.8億円(同+31.3%)となった。貸出金利息の増加が収益拡大を牽引した一方、預金利息も急増しており、純金利マージン(NIM)は1.22%と低水準にあることから、収益改善の持続性には調達コストと運用利回りのバランスが鍵となる。

業績変動要因

【売上高】経常収益は1,690.9億円(前年比+24.0%)となった。銀行業が外部顧客向け経常収益1,334.3億円(全体の78.9%)を占め、貸出金利息53.99億円(前年比+28.6%)の増加が牽引した。リース業は272.2億円、その他事業は84.5億円で、いずれも銀行業に次ぐ規模にとどまる。貸出金残高は5兆762億円で前年比+1.5%にとどまっており、今期の増収は貸出量の拡大よりも利回り改善が主因である。

【損益】経常利益は427.7億円(前年比+36.9%)、親会社株主帰属純利益は273.8億円(同+31.3%)となった。営業経費は470.8億円で前年比+6.7%にとどまり、経常収益の伸び率を大きく下回ったため、営業レバレッジが利益拡大に寄与した。一方、預金利息は115.7億円と前年の35.9億円から大幅に増加しており、資金調達コストの上昇圧力が顕在化しつつある。特別損失28.9億円(うち減損損失28.4億円)が税引前利益を一定程度押し下げたが、経常利益の伸びを打ち消すには至らなかった。結論として、今期は増収増益である。

セグメント別分析

銀行業が経常収益1,334.3億円、セグメント利益401.9億円、利益率30.1%と収益の中核を担う。リース業は経常収益272.2億円、セグメント利益9.6億円、利益率3.5%にとどまり、銀行業との利益率格差は26.6ptに達する。その他事業(クレジットカード業務等)は経常収益84.5億円、セグメント利益130.3億円と高い利益率を示すが、セグメント間取引を含む区分であり単純比較には注意が必要である。セグメント利益は経常利益ベースで算定されており、連結の営業利益とは定義が異なる点に留意されたい。

主要財務指標

【収益性】経常利益率は25.3%で前年の22.9%から2.4pt改善し、純利益率も16.2%で前年の15.3%から0.9pt上昇した。NIMは1.22%であり、貸出金利息の増加が収益を支える一方、預金利息の急増がスプレッド確保上の課題として残る。【キャッシュ品質】営業CFは1,903.2億円の流出で、親会社株主帰属純利益に対する比率はマイナス6.95倍となったが、銀行業では預金・貸出金・有価証券の残高変動が営業CFを大きく左右するため、一般事業会社と同一の基準での評価には注意を要する。【投資効率】ROEは5.9%、自己資本比率は6.3%(提示ベースでは6.2%)である。純資産は4,732.8億円で前年から+11.7%となり、有価証券評価差額の改善が資本を押し上げた。【財務健全性】貸出金5兆762.1億円に対し預金6兆3,784.7億円で、預貸率は約79.6%と標準的な範囲にある。有価証券は1兆1,125.5億円で前年比-14.9%となり、運用資産構成の変化が見られる。

キャッシュフロー分析

営業CFは1,903.2億円の流出となり、前年の28.8億円の流入から大きく転換した。銀行業では預金・貸出金・有価証券等の残高変動が営業CFに直接反映されるため、この流出は一般事業会社の収益性悪化のシグナルとは異なり、資金運用ポートフォリオの構成変化を反映したものと捉えられる。投資CFは2,249.8億円の流入で、有価証券残高の減少(前年比-14.9%)と整合的である。財務CFは101.9億円の流出で、うち自社株買いが30.1億円を占める。営業CFと投資CFを合算したフリーキャッシュフローは346.6億円の黒字となり、現金及び現金同等物は244.7億円増加して1兆945.4億円となった。設備投資は171.2億円で減価償却費38.0億円の4.5倍に達しており、建設仮勘定の急増(前年8.1億円から162.7億円へ)と合わせ、システム・拠点投資の進捗を注視する必要がある。

収益の質

当期利益の増加は、貸出金利息の拡大という経常的な要因に支えられている一方、預金利息の急増という調達コスト上昇の影響も同時に進行しており、収益構造は転換点にあると言える。特別損失28.9億円(うち減損損失28.4億円)が発生したが、特別利益はほぼ計上されておらず、一時的要因は損益にマイナス方向に作用した。包括利益は598.5億円となり、前年の190.7億円の損失から大きく改善した。この改善は有価証券評価差額金272.8億円の増加によるところが大きく、親会社株主帰属純利益273.8億円とほぼ同水準の包括利益となっている。営業CFが大幅な流出である一方で発生主義の純利益は増加しており、両者の乖離は銀行業の資金ポジション変動によるところが大きいが、利益の現金裏付けという観点からは継続的なモニタリングが有用である。

業績予想・ガイダンス

2027年3月期の会社予想は経常利益410.0億円(前年比-4.1%)、親会社株主帰属純利益280.0億円、EPS158.09円である。当期実績427.7億円に対し経常利益は17.7億円の減益予想となっており、預金金利上昇や信用コストの増加、市場関連損益の変動などを保守的に織り込んでいる可能性がある。一方でEPS予想は当期153.22円から+3.2%の増加を見込んでおり、純利益予想の増加に加え、自己株式取得による株数減少効果も影響していると考えられる。

株主還元

配当は株式分割前ベースで中間100円、期末140円、年間240円であり、開示ベースの配当性向は31.3%である。自社株買いは30.1億円実施されており、配当と合わせた株主還元は積極的な水準にある。2027年3月期の配当予想は2026年4月の株式1株につき5株の分割を反映した50円であり、分割を考慮しない場合は年間250円に相当する。営業CFが当期は流出となっているため、還元原資としては当期利益や有価証券等からのキャッシュ回収状況を踏まえた確認が有用である。

リスク要因

  1. 純金利マージン(NIM)の低さ: NIMは1.22%にとどまり、貸出金利息の増加が収益を支えた一方で預金利息が前年の35.9億円から115.7億円へ急増した。今後の金利環境下で預金金利の上昇が貸出・運用利回りの改善を上回れば、収益性が圧迫される可能性がある。

  2. 銀行業への収益集中: 外部顧客向け経常収益の78.9%を銀行業が占めており、地域経済や取引先企業の信用状況の変化が連結業績に大きく波及する構造にある。貸出金5兆762.1億円に対し貸倒引当金繰入額は20.8億円である。

  3. 建設仮勘定の急増: 建設仮勘定は前年8.1億円から162.7億円へ増加し、有形固定資産688.9億円の23.6%を占める。大型のシステム・拠点投資が進行中であり、完成時期の遅延や投資対効果は今後の減価償却負担と合わせて確認が必要な項目である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率16.4%11.9% (7.2%–35.4%)+4.5pt

自社の純利益率は業種中央値を4.5pt上回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)24.0%10.1% (7.3%–12.1%)+13.9pt

自社の増収率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い成長を示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 経常収益+24.0%、経常利益+36.9%と増収を上回る増益を達成し、営業経費の伸び率(+6.7%)が収益の伸びを下回ったことが利益率改善の主因である。経常利益率は前年比2.4pt上昇し、収益性改善の局面にある。

  2. 貸出金利息の拡大が収益を牽引する一方、NIM1.22%という低水準と預金利息の急増は、金利環境の変化に対する収益感応度が高いことを示す。預貸率79.6%は標準的な範囲を維持している。

  3. 純資産は前年比+11.7%増加し、有価証券評価差額の改善と包括利益の大幅な回復(前年190.7億円の損失から598.5億円の利益へ)が資本基盤を強化した。一方で建設仮勘定の急増は、大型投資の進捗と投資対効果を継続的に注視すべき項目である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。