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73772026 第2四半期スタンダードJGAAP

DNホールディングス(7377) 2026年度第2四半期決算 営業益49%減

2026年度第2四半期の売上高は175.1億円(前年同期比+0.4%)、営業利益は4.7億円(同-48.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥175.1億¥174.4億+0.4%
営業利益¥4.7億¥9.1億−48.8%
経常利益¥4.6億¥9.2億−49.5%
純利益¥2.5億¥6.0億−57.8%
ROE1.7%3.9%-

Executive Summary

2026年度第2四半期決算は、売上高175.1億円(前年比+0.7億円 +0.4%)とほぼ横ばいながら、営業利益4.7億円(同-4.4億円 -48.8%)、経常利益4.6億円(同-4.6億円 -49.5%)、純利益2.5億円(同-3.5億円 -57.8%)と大幅減益となった。売上が安定的に推移する中、営業利益以下の各段階利益が急減しており、利益率の悪化と収益構造の変調が顕著である。営業CFが-79.2億円と大幅なマイナスを記録し、前年同期比で-47.5%のキャッシュアウトが拡大している点が最大の懸念材料である。

業績変動要因

【売上高】売上高175.1億円は前年比+0.4%と横ばいで、総合建設コンサルタント事業の単一セグメント構造において、案件ベースの受注変動により微増に留まった。売上総利益率は30.9%を確保し前年同期から大きな変動はないが、売上原価121.0億円に対し売上総利益54.1億円と粗利水準自体は維持されている。【損益】営業利益の急減(-48.8%)は販管費49.4億円が売上に対し28.2%を占め、販管費負担が前年比で重くなったことが主因である。営業外損益は営業外収益0.3億円に対し営業外費用0.4億円で純額-0.1億円と小幅なマイナス、支払利息0.3億円が発生しており財務コストの増加がみられる。経常利益4.6億円は営業利益とほぼ同水準で推移し、特別損益は特別損失0.1億円の計上に留まるため、税引前利益4.6億円に対し法人税等2.0億円(実効税率44.8%)と税負担が重く、純利益2.5億円へ大きく圧縮された。一時的要因は特別損益が軽微であるため限定的で、経常利益と純利益の乖離(経常利益4.6億円→純利益2.5億円で-45.7%減)は高い税率が主因である。包括利益は3.2億円で、有価証券評価差額金1.2億円のプラスが寄与したが、退職給付調整額-0.5億円が控除されている。結論として、増収微増ながら大幅減益であり、販管費率の上昇と税負担により利益水準が著しく低下した増収減益局面にある。

主要財務指標

【収益性】ROE 1.7%(前年同期は純利益6.0億円、純資産155.0億円でROE約3.9%であり大幅悪化)、営業利益率2.7%(前年同期5.2%から-2.5pt低下)、純利益率1.4%(前年同期3.4%から-2.0pt悪化)。ROEは過去水準と比べて大幅に低迷し、資本効率が著しく悪化している。【キャッシュ品質】現金預金25.5億円、短期負債141.6億円に対する現金カバレッジ0.18倍で流動性は極めて脆弱。営業CFが-79.2億円と大幅マイナスで、純利益2.5億円に対する営業CF比率は-31.5倍と収益の現金化が全く機能していない。【投資効率】総資産回転率0.55倍(年換算ベース)で資産効率は低位。【財務健全性】自己資本比率47.9%(前年60.7%から-12.8pt低下)、流動比率160.6%(流動資産227.4億円÷流動負債141.6億円)、負債資本倍率1.09倍(有利子負債90.9億円は短期借入金87.0億円を主体とし短期負債比率95.7%と極めて高い)。自己資本比率は前年比で大幅に悪化し、有利子負債の急増が財務健全性を圧迫している。

キャッシュフロー分析

営業CFは-79.2億円と大幅なマイナスで、純利益2.5億円に対して-31.5倍と利益の現金裏付けが全く確認できない状況である。営業CF小計(運転資本変動前)は-73.1億円のマイナスで、法人税等の支払-6.0億円、利息の支払-0.4億円を含む。売上債権は+4.9億円増加し資金流出となり、仕入債務は-1.9億円減少で支払が進んだことも資金を圧迫した。契約負債の減少-2.2億円は前受金の減少を示し、運転資本全体がキャッシュアウト方向に大きく変動している。投資CFは-2.2億円で設備投資-2.3億円が主因であり、減価償却費2.3億円とほぼ同水準の維持更新投資に留まる。財務CFは+77.9億円の大幅なプラスで、短期借入金の純増等により営業CFのマイナスを補填する構図である。FCFは-81.4億円と大幅な赤字で、現金創出力は極めて脆弱であり、短期借入依存で資金繰りを維持している状況が明確である。

収益の質

経常利益4.6億円に対し営業利益4.7億円で、非営業損益は-0.1億円と営業外での純減はわずかである。営業外収益0.3億円は受取配当金0.1億円等が主であり、営業外費用0.4億円は支払利息0.3億円が主体で有利子負債増加に伴う金融コストの発生が確認できる。営業外収益が売上高の0.2%と極めて小規模であり、収益構造は本業依存である。営業CFが純利益を大幅に下回る状況は、収益の現金回収が全く進んでいない事を示し、運転資本の悪化(売掛金増加、契約負債減少)がキャッシュを圧迫している。アクルーアル比率は(純利益-営業CF)÷総資産で算出すると(2.5億円-(-79.2億円))÷318.3億円=約25.7%と極めて高く、会計上の利益と現金実態の間に大きな乖離があり、収益の質は著しく低い。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高380.0億円(前期比+2.8%)、営業利益25.0億円(同-8.0%)、経常利益25.5億円(同-5.9%)で、当四半期時点での進捗率は売上高46.1%、営業利益18.7%、経常利益18.0%となり、標準的な進捗率(Q2=50%)を大きく下回る。特に営業利益・経常利益の進捗率が約19%と極めて低く、下期での大幅な収益改善が前提となっているが、現状の収益性悪化と営業CFのマイナス基調を踏まえると実現リスクは高い。予想修正は今回なされておらず、会社側は下期での案件進捗加速を見込んでいると推察されるが、運転資本管理の改善と販管費コントロールが実行されない限り通期予想達成は困難である。業績予想の前提として、案件の受注状況や回収スケジュールの詳細説明が投資家向けに求められる。

株主還元

期末配当80.0円が予想されており、年間配当金総額は約6.6億円(発行済株式数8,420千株-自己株式209千株=8,211千株ベース)となる。純利益2.5億円に対する配当金総額は、通期ベースで予想EPSが218.11円、配当予想75.0円とあるため通期純利益は約17.9億円を見込んでいると推察される。通期純利益17.9億円に対し年間配当総額は約6.2億円となり配当性向は約34.4%と計算されるが、当期Q2単体では純利益2.5億円に対し配当負担は過大である。自社株買い実績の記載はなく、FCFが-81.4億円の大幅マイナスである中で、配当を財務CFの借入増で支えている構図が懸念される。配当持続性については、通期での利益回復と営業CFの改善が前提条件であり、現金残高25.5億円と短期借入依存を考慮すると、配当政策の整合性について経営側の説明を確認する必要がある。

リスク要因

  1. 流動性リスク(定量化: 現金/短期負債比率0.18倍、営業CF-79.2億円): 短期借入金87.0億円に対し現金預金25.5億円と極めて低い現金カバレッジで、営業CFのマイナスが継続すれば借入のロールオーバー困難や金融機関との関係悪化リスクが顕在化する。短期負債比率95.7%と短期債務が大半を占め、リファイナンスリスクは極めて高い。
  2. 収益性悪化と利益率低迷(定量化: 営業利益率2.7%、前年比-2.5pt): 販管費率の上昇と案件採算の悪化が利益を圧迫しており、販管費49.4億円の削減や高付加価値案件の獲得が進まなければ通期業績予想の未達リスクが高まる。
  3. 運転資本管理の悪化(定量化: 売掛金回転日数26.3日、契約負債-2.2億円): 売上債権の増加と契約負債の減少により運転資本がキャッシュアウト方向に大きく変動しており、回収遅延や前受金減少が継続すれば資金繰りと収益認識の質にさらなる懸念が生じる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 同社はIT・テレコム業種と比較対象として集計した。 収益性: 営業利益率2.7%は業種中央値14.0%(IQR: 3.8%〜18.5%)を大幅に下回り、純利益率1.4%も業種中央値9.2%(IQR: 1.1%〜14.0%)の下限付近に位置する。ROE 1.7%は業種中央値5.6%(IQR: 0.7%〜6.2%)を下回り、資本効率で劣後。 健全性: 自己資本比率47.9%は業種中央値60.2%(IQR: 50.8%〜88.4%)を下回り、中位からやや低位。流動比率160.6%は業種中央値774%(IQR: 316%〜809%)と比べ著しく低く、流動性の脆弱性が際立つ。 効率性: 総資産回転率0.55倍は業種中央値0.35倍(IQR: 0.29〜0.37)を上回り相対的に高いが、キャッシュコンバージョン率は営業CFのマイナスにより業種中央値1.22倍(IQR: 0.86〜1.75)と比較して著しく劣る。 成長性: 売上高成長率+0.4%は業種中央値21.0%(IQR: 15.5%〜26.8%)を大きく下回り、成長性で業種内最下位クラス。 総合的には、資産回転率で一定の効率性は示すものの、収益性・健全性・成長性・キャッシュ品質の全ての面で業種標準を下回り、特に営業CFのマイナスと流動性の低さが業種内での相対劣位を際立たせている。 (業種: IT・テレコム(7社)、比較対象: 2025-Q2、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下2点である。第一に、営業CFが-79.2億円と大幅なマイナスで純利益との乖離が極めて大きく、運転資本管理(売掛金増加、契約負債減少)が深刻な資金流出要因となっている点である。アクルーアル比率約25.7%の高水準は収益の現金化に構造的な問題を示唆し、下期での回収改善と運転資本効率化が業績実現の前提となる。第二に、短期借入金87.0億円(短期負債比率95.7%)への依存度が極めて高く、現金/短期負債比率0.18倍と流動性が脆弱である点である。財務CFで+77.9億円を調達し営業CFのマイナスを補填する構図は、金融環境の変化や借入条件の厳格化に対する耐性が低く、配当政策の持続性も含め資本配分の整合性が問われる。通期予想達成には販管費コントロール、案件採算管理の徹底、運転資本の回収加速が不可欠であり、経営からの具体的な改善策の提示が注目される。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q2累計は、売上高が前年同期比0.4%増の175.05億円と横ばい圏を維持した一方、営業利益は同48.8%減の4.68億円となり、大幅な減益となった。売上総利益は54.07億円で前年同期の55.05億円から0.98億円減少した。粗利益率は前年同期の31.6%から30.9%へ70bp低下した。これに対して販管費は49.39億円と前年同期比7.8%増加し、売上成長率を7.4ポイント上回った。結果として営業利益率は前年同期の5.2%から2.7%へ250bp縮小した。経常利益も49.5%減の4.63億円、親会社株主に帰属する中間純利益は57.8%減の2.52億円となった。純利益率は前年同期の3.4%から1.4%へ200bp低下しており、営業段階での採算悪化に加え、実効税率44.8%が税後利益を圧迫した。営業外収支は0.05億円の純費用にとどまり、経常利益の減少は主として本業の利益率低下によるものである。特別損益は差引0.06億円の損失であり、業績の評価を左右する規模ではない。減損損失は0.01億円にとどまり、当期利益に対する一過性項目の影響は限定的である。営業CFはマイナス79.15億円と純利益2.52億円を大幅に下回り、営業CF/純利益はマイナス31.41倍となった。契約資産は前年同期比68.90億円増の183.19億円へ拡大しており、建設コンサルタント事業における進行案件の請求・回収タイミングが運転資本とキャッシュ創出を大きく左右している。売掛金は同4.92億円減少したものの、契約資産の大幅増加を踏まえると、回収済み現金への転換はなお弱い。通期会社予想に対するQ2進捗率は売上高46.1%に対し、営業利益18.7%、経常利益18.2%、純利益14.2%であり、利益面は標準的な50%進捗を大きく下回る。通期営業利益予想25.00億円の達成には下期で20.32億円、下期営業利益率9.9%が必要となる。総合建設コンサルタントの単一事業であるため、下期の案件進捗、原価管理、契約資産の回収および短期借入金の圧縮が通期達成と財務評価の主要な焦点となる。

収益性分析

年換算ROEは3.3%であり、デュポン分解では純利益率1.4%×総資産回転率1.100倍×財務レバレッジ2.09倍で説明される。3要素のうち収益性が最も弱く、純利益率は前年同期の3.4%から200bp低下したことがROE低下の主因である。総資産回転率は年換算済みで1.100倍にとどまり、契約資産183.19億円を含む運転資本の膨張により資産効率にも重しがかかっている。財務レバレッジ2.09倍はROEを補完する水準だが、収益力が低下する局面ではレバレッジによる資本効率押上げの効果は限定的となる。営業利益率は2.7%と前年同期比250bp低下し、要注意水準である。売上高が0.4%増にとどまる一方で、販管費が7.8%増加したため、営業レバレッジはマイナスに働いた。粗利益率も70bp低下しており、販管費増だけでなく案件採算または原価構成の悪化も利益圧迫に寄与したとみられる。EBITDAは6.96億円、EBITDAマージンは4.0%で、減価償却費2.28億円を加味しても収益力の改善余地が大きい。JGAAP上ののれん償却額0.27億円はEBITDAの3.8%に相当し、のれん償却前EBITDAは7.23億円となるが、会計処理による営業利益の歪みは軽微である。5因子分解では税負担係数が0.551と低く、実効税率44.8%が税後リターンをさらに押し下げた。金利負担係数は0.978であり、支払利息0.30億円はEBITを大きく毀損していない。年換算ROIC 2.4%も資本コストを意識した資本効率の観点では低位であり、利益率回復と契約資産を中心とする投下資本の回収加速が必要である。

成長性評価

売上高は前年同期比0.4%増にとどまり、通期会社予想の増収率2.8%に対してQ2時点の進捗率は46.1%である。下期には204.95億円の売上高が必要であり、前年同期並みの売上規模からの増収達成には案件進捗の加速が必要となる。利益予想の進捗率は営業利益18.7%、経常利益18.2%、純利益14.2%で、いずれも標準的なQ2進捗率50%を30ポイント超下回る。通期予想には下期の大幅な利益率改善が織り込まれている。具体的には、下期に必要な営業利益20.32億円は上期実績4.68億円の4.3倍であり、売上高に対する下期営業利益率は9.9%となる。前年同期の営業利益率5.2%および当期上期の2.7%を上回るため、採算性の高い案件の進捗、原価改善、販管費の抑制が不可欠である。単一の総合建設コンサルタント事業であるため、複数セグメント間の利益補完はなく、受注案件の進捗・原価・請求の変動が連結業績に直接反映される。契約資産は183.19億円と売上高を上回る規模にあり、案件の実行残高として将来売上への基盤となり得る一方、請求・検収の遅延時には利益およびキャッシュフローの不確実性を高める。会社は通期予想を据え置いているが、上期実績からは下期偏重の実現可能性を継続的に検証する必要がある。

財務健全性

流動比率は160.6%、当座比率も160.6%であり、流動資産227.44億円は流動負債141.58億円を85.85億円上回る。したがって、流動比率が1.0倍未満となる満期ミスマッチの警告水準には該当しない。一方、負債合計は165.97億円で総資産の52.1%を占め、前年同期比65.91億円増加した。有利子負債は90.93億円で、そのうち短期借入金が87.00億円、長期借入金が3.93億円である。短期負債比率は95.7%であり、借入のほぼ全額を短期資金に依存する資本構成である。現金預金25.52億円は短期借入金の0.29倍にとどまり、現金のみでは短期借入金の返済をカバーできない。このため、流動資産全体では余裕を持つ一方、契約資産の請求・回収および借換えへの依存度が高く、実質的なリファイナンスリスクには注意を要する。Debt/EBITDAは13.06倍で、一般的な4倍超のハイイールド警戒水準を大幅に上回る。もっとも、EBITDAインタレストカバレッジは23.00倍、EBITベースのインタレストカバレッジも15.46倍であり、現時点の利払い負担への耐性は維持されている。Debt/Capitalは37.4%で40%未満、D/Eは1.09倍で2倍未満であり、資本構成全体が直ちに過大レバレッジとはいえないが、低いEBITDAに対する借入規模が課題である。売掛金は12.60億円と前年同期比4.92億円、28.1%減少したが、契約資産は前年同期比68.90億円増加している。これは売掛金の減少だけでは運転資本上の資金拘束改善を意味せず、進行案件に係る未請求残高の増加が営業CF悪化と短期借入増加に結び付いている。資産除去債務2.13億円はオフバランスではなく貸借対照表に認識済みであり、その他の重要なオフバランス債務は確認できない。

B/S変動のポイント

契約資産: +68.90億円(前年同期比+60.3%)の183.19億円 - 進行案件に係る未請求残高の増加を示す。将来売上の基盤となり得る一方、請求・検収・回収の遅延は営業CFと短期借入依存を高める。売掛金: -4.92億円(-28.1%)の12.60億円 - 売掛金の回収または契約資産への構成移行を示唆する。契約資産の大幅増加を併せてみると、運転資本全体の資金拘束は改善していない。総資産: +62.77億円(+24.6%)の318.31億円 - 主として契約資産の増加を反映した資産拡大であり、資産回転と資金回収の監視が必要。負債合計: +65.91億円(+65.0%)の165.97億円 - 資産拡大を負債で賄う度合いが高まった。短期借入金: +25.06億円(+40.5%)の87.00億円 - 営業CF赤字を補う資金調達の性格が強い。短期負債比率95.7%であり、借換えと回収キャッシュフローへの依存が高い。純資産: -2.64億円(-1.7%)の152.34億円 - 利益剰余金の減少と配当支払いの影響を受け、資産・負債の拡大に対して自己資本の増強は進んでいない。

キャッシュフロー品質

営業CFはマイナス79.15億円で、純利益2.52億円に対する営業CF/純利益はマイナス31.41倍となり、0.8倍未満の収益品質警告に該当する。営業利益および純利益が黒字である一方、現金創出が大幅な赤字であるため、当期利益の現金化は極めて弱い。アクルーアル比率は25.7%で10%の警戒水準を大きく上回っており、発生主義利益が現金収支を先行している状態を示す。契約資産は183.19億円まで増加しており、建設コンサルタント事業における履行進捗と請求・入金時期のずれが主要な資金拘束要因と考えられる。売掛金の減少は営業CFにプラス寄与した一方、営業CF全体の赤字を補うには至らなかった。現金転換率(営業CF/EBITDA)はマイナス11.37倍であり、EBITDA6.96億円から現金を創出できていない。設備投資は2.27億円、減価償却費は2.28億円で、設備投資/減価償却は0.99倍と概ね維持更新水準である。フリーキャッシュフローはマイナス81.37億円となり、内部資金による投資・株主還元の賄い余力は上期時点で認めにくい。財務CFはプラス77.87億円であり、短期借入金の純増87.00億円が営業CFと投資CFの赤字を補填した。従って、キャッシュフロー改善の判断材料は、契約資産の請求化、入金回収、短期借入金の縮小に置かれる。

配当持続性

通期の1株当たり配当予想は75円、通期EPS予想は218.11円であり、配当性向は配当金のみで約34.4%となる。発行済株式数から自己株式を控除した8,210,720株を用いた年間配当総額の概算は約6.16億円で、通期純利益予想17.80億円に対する配当性向も約34.6%である。利益予想が達成される前提では、配当性向は60%未満であり、利益ベースの配当負担は過大ではない。上期の営業CFはマイナス79.15億円、フリーキャッシュフローはマイナス81.37億円であり、キャッシュフローベースの配当原資は弱い。実際の配当支払額は6.51億円で、設備投資2.27億円と合わせた支出は上期フリーキャッシュフローで賄えていない。現状では短期借入金の増加が資金繰りを支えているため、配当持続性は通期利益だけでなく、契約資産の回収による営業CFの正常化に依存する。自社株買いに関する金額は示されていないため、総還元性向は算定せず、配当性向と区別して評価する。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 総合建設コンサルタント事業の案件採算・進捗リスク。売上高が横ばいの中で粗利益率は70bp低下、営業利益率は250bp低下しており、設計変更、工数超過、外注費上昇または低採算案件の比重上昇が続けば下期の利益率回復を阻害する。、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 契約資産183.19億円の請求化・回収リスク。契約資産の前年同期比68.90億円増加は、検収・請求のタイミング次第で営業CFと借入需要を大きく変動させる。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 建設コンサルタント業界固有の公共投資予算、発注時期、入札競争および技術者確保リスク。公共案件の執行時期や価格競争、人材コスト上昇は受注量と採算の双方に影響する。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 単一セグメントへの集中リスク。総合建設コンサルタント事業のみであるため、特定事業の不採算を他事業の利益で相殺しにくい。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): 短期借入金87.00億円を中心とした借換えリスク。短期負債比率95.7%、現金/短期負債0.29倍であり、金融機関からの継続的な資金供給と運転資本の現金化が重要となる。、高優先度(発生可能性: 中、影響度: 高): Debt/EBITDA 13.06倍の高レバレッジ。D/E 1.09倍およびDebt/Capital 37.4%は許容範囲にあるが、EBITDAが低水準であるため、収益悪化時には債務返済能力の見え方が急速に悪化し得る。、高優先度(発生可能性: 高、影響度: 高): 営業CFマイナス79.15億円、フリーキャッシュフローマイナス81.37億円という資金創出力の低下。短期借入金の純増87.00億円への依存が継続する場合、財務柔軟性を損なう。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 実効税率44.8%による税後利益の下振れ。税負担係数0.551は高税負担警告に該当し、利益回復局面でも税後利益の伸びを抑制する可能性がある。、中優先度(発生可能性: 低、影響度: 中): REIT向けのDebt/EBITDA警告基準8倍超にも該当する。ただし同社はREITではないため、このラベル自体は業態適合的ではないが、13.06倍という債務負担の高さを示す補助的な警戒シグナルとしては重要である。が挙げられます。

主な懸念事項としては、営業CF/純利益マイナス31.41倍、アクルーアル比率25.7%、営業CF/EBITDAマイナス11.37倍という3つの収益品質警告は、利益の現金化が当面の最重要課題であることを示す。、EBITマージン2.7%は5%未満の警戒水準であり、販管費の売上超過成長と粗利益率低下が同時に発生している。、通期予想に対する営業利益進捗率18.7%は標準進捗を大幅に下回るため、下期の利益率9.9%達成の実現性を確認する必要がある。、流動比率160.6%は健全である一方、流動資産の大きな部分を契約資産が占めるため、比率上の流動性と即時の現金流動性には差がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、売上高の維持に対して営業利益が48.8%減少しており、投資判断上はトップラインより案件採算と販管費管理の改善度が重要となる。、通期営業利益予想25.00億円に対し上期進捗は18.7%であり、下期の大幅な収益性回復が織り込まれている。、契約資産の増加と営業CFマイナス79.15億円により、利益の現金化および短期借入金の圧縮が最重要の財務論点である。、のれん償却はEBITDAの3.8%にとどまり、JGAAPののれん償却が収益性を大きく歪めている状況ではない。、配当予想75円は利益予想に対する配当性向約34%の範囲にあるが、キャッシュフロー面では営業CFの改善が持続性の前提となる。が挙げられます。

注視すべき指標は、営業利益率および粗利益率、販管費の前年比増減率と売上高成長率との差、契約資産の残高、請求化および回収による営業CFの改善、短期借入金87.00億円と現金/短期負債比率0.29倍、Debt/EBITDA 13.06倍の低下速度、通期営業利益25.00億円に対するQ3時点の進捗率、実効税率および税負担係数です。

セクター内ポジションについては、流動比率160.6%、当座比率160.6%、インタレストカバレッジ15.46倍は一定の安全性を示す一方、営業利益率2.7%、年換算ROE 3.3%、年換算ROIC 2.4%、Debt/EBITDA 13.06倍、営業CFの大幅赤字は、収益性・資本効率・キャッシュ転換の面で慎重な評価を要する位置付けである。