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73672026 第3四半期スタンダードJGAAP

セルム(7367) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益17%増

2026年度第3四半期の売上高は79.8億円(前年同期比+35.6%)、営業利益は11.4億円(同+17.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社セルム

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥79.8億¥58.9億+35.6%
営業利益¥11.4億¥9.7億+17.4%
経常利益¥11.1億¥8.9億+24.9%
純利益¥7.0億¥5.7億+23.0%
ROE(年換算)29.0%27.1%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は、KYTグループ化に伴う事業拡張で高成長を維持したが、利益率は前年同期から低下した。売上高は79.8億円(前年比+35.6%)、営業利益は11.4億円(同+17.4%)、経常利益は11.1億円(同+24.9%)、純利益は7.0億円(同+23.0%)となった。増収率に対して営業増益率が下回ったのは、新規事業のセグメント利益率が主力事業より低いことが主因である。通期会社計画に対する進捗率は営業利益105.8%、経常利益107.6%、純利益111.0%とすでに超過している。

業績変動要因

【売上高】売上高は79.8億円、前年同期比+35.6%の増収となった。主力の組織・人材開発事業が60.2億円(構成比75.4%)、2024年12月にグループ入りしたKYTを起点とするステークホルダーリレーション事業が19.6億円(構成比24.6%)を計上し、新事業の追加が増収の主因である。

【損益】営業利益は11.4億円、前年同期比+17.4%増にとどまり、増収率を下回った。売上総利益率は50.0%と前年同期の52.7%から2.7pt低下し、販管費率は35.7%と0.4pt改善したが相殺しきれなかった。セグメント利益率は組織・人材開発事業22.0%に対しステークホルダーリレーション事業8.4%と低く、事業ポートフォリオ拡張が連結マージンを希薄化している。経常利益は11.1億円(+24.9%)、純利益は7.0億円(+23.0%)で、増収増益となった。

セグメント別分析

組織・人材開発事業は売上高60.2億円、セグメント利益13.3億円(利益率22.0%)で、報告セグメント利益合計の89.0%を占める主力事業である。ステークホルダーリレーション事業は売上高19.6億円、セグメント利益1.6億円(利益率8.4%)で、当期新設のセグメントである。前年同期は単一セグメントであったため厳密な同一区分での比較はできないが、両事業の利益率差13.6ptは、今後の連結マージン動向を左右する構造要因として注視される。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は14.3%で前年同期の16.5%から2.2pt低下、純利益率は8.8%で同0.9pt低下した。売上総利益率50.0%の低下(前年52.7%)が主因で、販管費率35.7%の改善(前年36.1%)では相殺できなかった。【キャッシュ品質】売掛金は12.8億円(前年比+18.3%)、買掛金は8.6億円(同+17.7%)で、いずれも売上高成長率+35.6%を下回り、売上拡大に対する売上債権の過度な膨張は見られない。【投資効率】ROE(年換算)は29.0%で、純利益率8.8%、総資産回転率1.41回、財務レバレッジ2.34倍の組み合わせで構成され、レバレッジと資産効率の双方に支えられている。【財務健全性】自己資本比率は42.8%(前年36.9%)に改善した。長期借入金は19.8億円で前年の24.5億円から圧縮され、現金及び預金は20.6億円と前年比+20.9%増加した。一方、のれん32.4億円は純資産32.3億円を上回り、総資産の43.0%を占める。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、BS変動から資金動向を分析する。現金及び預金は20.6億円で前年同期の17.0億円から+20.9%増加し、流動性は厚みを維持している。長期借入金は19.8億円で前年の24.5億円から4.6億円減少し、借入返済が進んでいる。自己株式は前年のマイナス17.5億円からマイナス5.8億円へ11.7億円減少し、純資産の押上げに寄与した一方、利益剰余金は23.5億円から15.6億円へ7.9億円(-33.7%)減少している。純利益の積み上がりを上回る資本移動が生じており、配当・資本政策・買収関連の資本配分が資金動向の主要な変動要因とみられる。

収益の質

当期の営業外損益は0.4億円の純費用で、支払利息0.4億円が主体であり、一時的な損益は含まれていない。前年同期には投資有価証券売却益0.15億円が特別利益として計上されており、前年の純利益にはその分の押上げ効果が含まれる。この一時的要因を含む前年実績に対しても当期純利益は+23.0%増加しており、当期の増益は営業利益の拡大を軸としたもので利益成長の質は損なわれていない。包括利益は7.0億円で純利益7.0億円とほぼ一致し、為替換算調整額はわずかにマイナス0.02億円にとどまるため、純利益と包括利益の間に大きな乖離はない。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対するQ3累計の進捗率は、売上高76.6%、営業利益105.8%、経常利益107.6%、純利益111.0%である。標準的な進捗ペース(累計9か月で概ね75%)に対し、売上高はほぼ一致する一方、営業・経常・純利益はすでに通期計画を超過している。会社計画は売上高+27.3%増を見込む一方、営業利益はわずか+0.5%増を想定しており、M&Aに伴う利益率低下や統合コストを織り込んだ保守的な設計とみられる。Q3時点での利益超過を踏まえると、Q4の収益性動向次第で通期計画の上振れ余地が残る。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり7.00円であり、会社予想の年間配当15.00円を前提とすると期末配当は8.00円が示唆される。年間配当15.00円と通期純利益計画6.32億円に基づく予想配当性向は約51%である。Q3累計純利益7.0億円に対する実績ベースの配当性向は23.1%(配当総額をQ2配当×期中平均株式数から算定)であり、これは配当のみを分子とした配当性向であって自社株買いを含む総還元性向ではない。利益剰余金は前年同期比33.7%減少しており、今後の配当余力は利益成長に加え借入返済やのれん価値維持との資本配分バランスで評価する必要がある。

リスク要因

  1. のれん・無形資産への集中: のれんは32.4億円で純資産32.3億円を上回り、総資産の43.0%を占める。無形資産全体では総資産の46.3%に達し、買収先事業の収益計画が未達となった場合、減損損失が財務基盤と期間利益に及ぼす影響が大きい。

  2. 事業ポートフォリオ拡張によるマージン希薄化: ステークホルダーリレーション事業のセグメント利益率は8.4%で、主力の組織・人材開発事業22.0%を13.6pt下回る。同事業の売上構成比が上昇するほど連結利益率の希薄化が続く可能性がある。

  3. 資本構成の変化: Debt/Capital比率は41.3%で目安の40%を小幅に超過する。長期借入金の返済は進行しているが、利益剰余金は前年同期比33.7%減少しており、追加のM&Aや収益性の変動が重なればレバレッジが再上昇する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率14.3%8.3% (3.6%–18.6%)+6.0pt
純利益率8.8%6.1% (2.3%–12.8%)+2.7pt

収益性は業種中央値を上回り、営業利益率・純利益率ともに業種内で優位な位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)35.6%10.4% (-0.9%–19.9%)+25.2pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、IQR上限を超える高成長に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は前年同期比+35.6%増と高成長を維持する一方、営業利益率は14.3%と前年同期の16.5%から2.2pt低下した。新規事業の低マージン構造が連結収益性に与える影響は、今後の事業ポートフォリオの推移を評価する上での注目点である。

  2. 営業・経常・純利益はQ3累計時点で通期会社計画をすでに超過している。会社計画は売上高+27.3%増に対し営業利益+0.5%増という保守的な設計となっており、通期の実績と計画修正の有無が今後の確認点となる。

  3. のれんが純資産を上回る資本構成であり、買収後事業の統合効果の実現状況が、資産価値の維持と将来の減損リスクの両面で継続的な確認対象となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)185円
base(基準)196円
bull(強気)199円
算出前提
1株純資産(BPS)149円
調整後予想EPS32.3円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向51.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.32倍 / 6.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 191円〜202円、ω±0.1で 195円〜198円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(111%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。