| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥382.5億 | ¥324.8億 | +17.7% |
| 営業利益 | ¥45.8億 | ¥34.5億 | +32.8% |
| 税引前利益 | ¥42.3億 | ¥31.8億 | +33.2% |
| 純利益 | ¥27.4億 | ¥24.0億 | +14.0% |
| ROE | 19.1% | 19.3% | - |
2026年3月期の株式会社LITALICO決算は、売上高382.5億円(前年比+57.6億円 +17.7%)、営業利益45.8億円(同+11.3億円 +32.8%)、経常利益16.8億円(同+0.7億円 +4.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益27.4億円(同+3.4億円 +14.0%)となった。営業利益率は12.0%で前年10.6%から1.4pt改善、売上総利益率は39.0%で前年37.2%から1.8pt拡大し、収益性の向上が進んだ。セグメント別では、主力の就労支援事業が売上141.6億円(+13.0%)・営業利益43.6億円(-5.2%、利益率30.8%)で高水準を維持し、児童福祉事業が売上109.5億円(+24.3%)・営業利益10.2億円(+1,137.8%)と大幅黒字化、プラットフォーム事業が売上54.8億円(+20.9%)・営業利益17.9億円(+30.7%、利益率32.7%)、海外事業が売上36.5億円(+28.7%)・営業利益8.6億円(+13.9%、利益率23.5%)と全セグメントで増収を達成し、増収増益の好決算となった。
【売上高】売上高は382.5億円(前年比+17.7%)で、全セグメントが二桁成長を記録した。就労支援事業は141.6億円(+13.0%)で全体の37.0%を占め、引き続き最大セグメントとして安定成長を維持した。児童福祉事業は109.5億円(+24.3%)で構成比28.6%に達し、事業拡大が著しい。プラットフォーム事業は54.8億円(+20.9%)で構成比14.3%、マッチングメディア運営やSaaS事業の収益基盤が拡大した。海外事業は36.5億円(+28.7%)で構成比9.5%と比率は小さいものの、成長率は全セグメント中最高を記録した。その他の事業は40.0億円(+6.3%)で構成比10.5%を占める。売上総利益は149.0億円で粗利率39.0%は前年比+1.8pt改善し、サービスミックスの向上とスケールメリットが寄与した。
【損益】営業利益は45.8億円(前年比+32.8%)で、営業利益率は12.0%へ1.4pt改善した。販管費は104.2億円で売上高比27.2%と前年26.7%から0.5pt上昇したが、粗利率の改善幅がこれを上回り、営業レバレッジが効いた。セグメント別利益では、就労支援事業が43.6億円(-5.2%)と若干減少したものの利益率30.8%の高水準を維持、児童福祉事業が10.2億円(前年0.1億円からの大幅黒字化)へ急回復、プラットフォーム事業が17.9億円(+30.7%)で利益率32.7%と高収益、海外事業が8.6億円(+13.9%)で利益率23.5%を確保した。調整額(本社費用等)は-38.4億円で前年-36.8億円から1.6億円増加したが、セグメント利益合計の拡大により全社営業利益は大幅増となった。経常利益は16.8億円(+4.1%)と営業利益からの伸びが鈍化したのは、金融費用が3.9億円(前年3.2億円)へ0.7億円増加し、金融収益0.5億円(前年0.6億円)も横ばいで、営業外収支が差引-2.7億円(前年-2.7億円)と純額で変わらず、営業利益の増加分が経常利益に十分に寄与しなかったためである。税引前当期利益は42.3億円(+33.2%)で、継続事業からの当期利益は29.3億円(+33.8%)と大幅増益、一方で非継続事業損失が1.9億円(前年は利益2.1億円)計上され、最終的な当期純利益は27.4億円(+14.0%)となった。非継続事業は子会社売却に伴うもので、一時的要因と判断される。結論として、全セグメントの増収と粗利率改善を背景に、増収増益を達成した。
就労支援事業は営業利益43.6億円(-5.2%)で利益率30.8%と高水準を維持したが、前年の利益率36.7%からは5.9pt低下した。売上+13.0%に対し利益が微減したのは、事業拡大に伴う先行投資や人件費増が影響したと推察される。児童福祉事業は営業利益10.2億円と前年0.1億円から大幅黒字化し、利益率9.3%を達成した。売上+24.3%の高成長と収益性改善が同時進行し、事業構造の転換点を迎えた。プラットフォーム事業は営業利益17.9億円(+30.7%)で利益率32.7%と最高水準を記録し、SaaS・メディア事業の高収益性が顕在化した。海外事業は営業利益8.6億円(+13.9%)で利益率23.5%を確保し、強度行動障害者向けサービスの海外展開が順調に推移した。その他事業は営業利益3.9億円(-22.1%)で利益率9.8%にとどまり、ジュニアパーソナルコース・ワンダー・ライフ事業等の収益性改善が今後の課題となる。全体として、児童福祉とプラットフォームの利益貢献拡大が全社増益を牽引した。
【収益性】営業利益率12.0%は前年10.6%から1.4pt改善し、売上総利益率39.0%も前年37.2%から1.8pt拡大した。純利益率は7.2%で前年7.4%から0.2pt低下したが、非継続事業損失の影響を除く継続事業ベースでは7.7%と前年6.7%から1.0pt改善している。自己資本利益率(ROE)は20.4%で前年21.0%から0.6pt低下したが、高水準を維持した。総資産経常利益率(ROA)は11.1%で前年10.9%から0.2pt上昇し、資産効率は概ね安定している。【キャッシュ品質】営業キャッシュフロー71.9億円は当期純利益27.4億円の2.6倍に達し、利益の現金裏付けは極めて高い。アクルーアル比率は(純利益27.4億円-営業CF71.9億円)÷総資産437.9億円≒-10.2%と大幅マイナスで、利益の質は良好である。運転資本の変動は、売掛金が68.9億円(前年65.3億円)へ3.6億円増加し売上債権回転日数(DSO)は約66日、買掛金が15.7億円(前年9.7億円)へ6.0億円増加し、ネットで運転資本は適切に管理されている。【投資効率】総資産回転率は0.87回(売上382.5億円÷期末総資産437.9億円)で前年0.99回から低下し、設備投資40.9億円・無形資産取得17.8億円の積極投資により資産基盤が先行拡大した。設備投資対減価償却比率は1.12倍(40.9億円÷36.4億円)で、成長投資局面にある。【財務健全性】自己資本比率は32.8%で前年38.1%から5.3pt低下し、有利子負債の増加によりレバレッジが上昇した。D/E比率は2.05倍(有利子負債173.3億円÷純資産143.6億円)と高水準で、前年1.01倍から約2倍に上昇した。長期借入金は131.2億円(前年37.1億円)へ大幅増加し、短期借入金は42.2億円(前年65.1億円)へ減少したことで、借入期間の長期化が図られた。Debt/EBITDA倍率は約2.1倍(有利子負債173.3億円÷EBITDA約82.2億円)で投資適格レンジにあり、インタレストカバレッジは約11.6倍(営業利益45.8億円÷金融費用3.9億円)と健全である。のれんは113.4億円で純資産の79%を占め、M&A起因の減損リスクは中期的な留意点となる。
営業キャッシュフローは71.9億円(前年比+45.4%)で、税引前当期利益42.3億円に減価償却費及び償却費36.4億円を加えた小計83.8億円から、法人税等支払10.5億円、利息支払1.7億円、リース料支払18.8億円を控除し、運転資本の増減(売掛金増加-4.7億円、買掛金増加6.2億円、引当金増加1.7億円等)を加味した結果である。営業CFは純利益27.4億円の2.6倍に達し、利益の現金転換力は極めて高い。投資キャッシュフローは-71.0億円で、有形固定資産取得40.9億円、無形資産取得17.8億円、子会社取得15.4億円が主な支出、子会社売却収入3.7億円がオフセットした。フリーキャッシュフローは0.8億円(営業CF71.9億円+投資CF-71.0億円)とわずかで、積極投資により営業CFの大半を投資に振り向けた。財務キャッシュフローは35.9億円で、長期借入による収入161.0億円が長期借入金返済43.3億円、短期借入純減46.6億円、リース負債返済18.8億円、自己株式取得13.0億円、配当支払3.2億円を上回った。期末現金及び現金同等物は81.0億円で前年比+37.6億円増加し、流動性は改善した。総還元(配当3.2億円+自社株買い13.0億円=16.2億円)はフリーキャッシュフロー0.8億円を大幅に上回り、借入資金で株主還元を賄った構図となる。
継続事業の営業利益45.8億円に対し、営業外収益は金融収益0.5億円とその他収益1.5億円で計2.0億円、営業外費用は金融費用3.9億円とその他費用0.6億円で計4.6億円、差引-2.6億円の営業外費用超過となり、税引前当期利益は42.3億円となった。経常的な収益基盤は営業利益に集約されており、営業外は借入金利負担が中心で一過性要因は限定的である。非継続事業損失1.9億円(税引前)は子会社売却に伴う一時的要因で、継続事業からの当期利益29.3億円が実力ベースの収益力を示す。包括利益34.8億円は当期純利益27.4億円を7.4億円上回り、その他の包括利益7.4億円の内訳は在外営業活動体の外貨換算差額8.9億円(プラス)と金融資産の公正価値変動-1.5億円(マイナス)である。為替換算差額は海外事業の円安影響を反映した評価益で、一時的な変動要因である。営業キャッシュフロー71.9億円が純利益27.4億円の2.6倍に達し、アクルーアル比率-10.2%であることから、利益の現金裏付けは極めて強固で、会計上の利益調整余地は小さいと評価できる。売上債権の増加4.7億円は売上成長に比例した範囲内で、異常な売掛金積み上がりは見られず、収益の質は高いと判断される。
通期業績予想は売上高440.0億円(当期実績382.5億円比+15.0%)、営業利益55.0億円(同+20.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益33.0億円(同+20.5%)、1株当たり当期純利益93.45円を見込む。進捗率は、売上高86.9%(382.5億円÷440.0億円)、営業利益83.3%(45.8億円÷55.0億円)、純利益83.0%(27.4億円÷33.0億円)で、概ね計画に沿った進捗である。通期予想達成には、残り57.5億円の売上と9.2億円の営業利益、5.6億円の純利益が必要で、営業利益率は16.0%と当期実績12.0%を上回る水準が前提となる。児童福祉事業とプラットフォーム事業の高成長持続、設備投資の稼働寄与、海外事業の拡大が通期計画達成のカギとなる。配当予想は期末配当0円のため、中間配当実績11円が通期配当となる見込みで、予想配当性向は11円÷93.45円≒11.8%と保守的な水準にとどまる。
期末配当は11円で配当性向は14.3%(配当総額3.9億円÷当期純利益27.4億円、なお実際の配当支払額3.2億円は期中の株式数変動を反映)と保守的な水準にとどまる。自己株式取得は13.0億円を実行し、配当と合わせた総還元は16.2億円、総還元性向は59.1%(16.2億円÷27.4億円)となった。フリーキャッシュフロー0.8億円に対し総還元16.2億円は20倍超で、株主還元の原資は借入資金で賄われた形となる。もっとも、営業キャッシュフロー71.9億円は潤沢で、配当・自社株買いの支払能力には問題がない。通期予想では配当0円のため、中間配当11円が年間配当となる見込みで、予想配当性向は約11.8%と低水準を維持する方針である。成長投資を優先し、株主還元は保守的に運営する資本配分が継続している。
のれん減損リスク: のれん113.4億円は純資産143.6億円の79%を占め、前年97.1億円から16.3億円増加した。M&A起因ののれんが多額で、被取得事業の収益性悪化や市場環境変化により減損損失が発生すれば、純資産と利益に重大な影響を及ぼす。定量的には、のれん全額の減損が発生すれば自己資本比率は32.8%から約6.9%へ急低下する計算となり、財務健全性への影響は甚大である。
レバレッジ上昇リスク: D/E比率2.05倍、有利子負債173.3億円は前年101.8億円から70.5%増加し、自己資本比率は32.8%へ低下した。Debt/EBITDA倍率約2.1倍は現時点で投資適格レンジだが、金利上昇局面では利息負担が増大し、インタレストカバレッジ11.6倍も低下する可能性がある。長期借入金131.2億円の大半が固定金利か変動金利かは不明だが、変動金利比率が高い場合、短期的な収益圧迫リスクがある。
運転資本リスク: 売上債権回転日数(DSO)約66日と、前年比で売掛金が68.9億円へ3.6億円増加した。売上成長に伴う売掛金増加は正常範囲だが、今後も高成長が続く場合、運転資本の追加需要が発生し、営業キャッシュフローを圧迫する可能性がある。買掛金も15.7億円へ6.0億円増加したが、売掛金の伸びを完全にはカバーできておらず、ネット運転資本の増加トレンドは注視が必要である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 自己資本利益率 | 20.4% | 10.1% (2.2%–17.8%) | +10.3pt |
| 営業利益率 | 12.0% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +3.9pt |
| 純利益率 | 7.2% | 5.8% (1.2%–11.6%) | +1.3pt |
ROE、営業利益率、純利益率の全てで業種中央値を上回り、IT・通信業界内で上位の収益性を誇る。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 17.7% | 10.1% (1.7%–20.2%) | +7.6pt |
売上高成長率17.7%は業種中央値10.1%を7.6pt上回り、高成長企業としてのポジションを確立している。
※出所: 当社集計
児童福祉事業の構造転換と高成長セグメントの利益貢献拡大: 児童福祉事業は営業利益10.2億円と前年0.1億円から約100倍に拡大し、利益率9.3%を達成した。売上+24.3%の高成長と収益性改善が同時進行し、事業構造の転換点を迎えた点は注目に値する。プラットフォーム事業も営業利益率32.7%と最高水準を維持し、SaaS・メディア事業の高収益性が顕在化している。就労支援事業の利益率30.8%は前年比5.9pt低下したものの、高水準を維持しており、セグメントミックスの改善が全社の営業利益率1.4pt改善に寄与した。通期ガイダンスの営業利益率16.0%達成には、児童福祉とプラットフォームの成長加速と就労支援の利益率回復が前提となる。
積極投資とレバレッジ上昇のバランス: 設備投資40.9億円・無形資産取得17.8億円の計58.7億円は減価償却費36.4億円の1.6倍で、成長投資局面にある。有形固定資産は70.7億円へ前年比+38.9億円(+122.4%)と急増し、教室・拠点整備が進んだ。一方で、フリーキャッシュフロー0.8億円に対し総還元16.2億円は借入資金で賄われ、長期借入金は131.2億円へ+94.1億円(+253.5%)増加、D/E比率は2.05倍へ上昇した。Debt/EBITDA約2.1倍、インタレストカバレッジ約11.6倍は現時点で健全だが、のれん113.4億円(純資産比79%)の減損リスクと合わせ、今後の投資回収ペースと財務柔軟性の維持が決算上の注目ポイントとなる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。