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73132026 第3四半期プライムIFRS

テイ・エス テック(7313) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は3,100億円(前年同期比-8.7%)、営業利益は56.3億円(同-50.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3099.7億¥3396.2億−8.7%
営業利益¥56.3億¥113.3億−50.3%
税引前利益¥98.2億¥142.2億−31.0%
純利益¥68.3億¥99.9億−31.6%
ROE2.1%3.1%-

Executive Summary

売上・利益ともに大幅な減収減益であり、本業収益力の低下が顕著な決算である。売上高は3,099.7億円(前年比-8.7%)、営業利益は56.3億円(同-50.3%)、純利益は68.3億円(同-31.6%)となった。営業利益率は1.8%と前年から大きく低下し、売上減少に対して固定費吸収力が弱く、利益が増幅して悪化した点が最大の特徴である。

業績変動要因

【売上高】売上高は3,099.7億円で前年比8.7%減となった。粗利率は11.8%にとどまり、原価・数量・価格いずれかへの圧力が続いていることを示唆する。

【損益】売上原価2,734.2億円、粗利365.5億円(粗利率11.8%)に対し、販管費326.5億円を要し、粗利から営業利益への転換率は15.4%に低下した。売上減少幅(-8.7%)に対し営業利益は50.3%減と大幅に増幅されており、負の営業レバレッジが明確である。税引前利益98.2億円は営業利益56.3億円を41.9億円上回り、金融収益37.7億円・その他収益19.4億円・持分法損益6.3億円が補完する構造で、純利益68.3億円の水準は本業利益のみでは説明できない。以上より、当期は減収減益であり、収益構造は営業外・持分法利益への依存度が高い。

主要財務指標

【収益性】営業利益率1.8%、純利益率2.2%はいずれも低水準であり、前年から大きく低下した。ROEは2.1%にとどまり、収益性の弱さが資本効率を押し下げている。【キャッシュ品質】営業CFはマイナス10.4億円で、純利益68.3億円との乖離が大きく、利益の現金化が進んでいない。棚卸資産の増加79.1億円、仕入債務の減少103.2億円、法人税等支払134.9億円が資金流出の主因である。【投資効率】設備投資144.1億円を実施する一方、フリーCFはマイナス167.9億円であり、投資を営業CFで賄えていない。【財務健全性】自己資本比率72.7%、現金及び現金同等物774.5億円と財務基盤は強固であり、短期的な資金繰り耐性は高い。

キャッシュフロー分析

営業CFはマイナス10.4億円と純利益68.3億円から大きく乖離しており、利益の現金化が弱い。営業CF小計92.8億円に対し、棚卸資産の増加79.1億円、仕入債務の減少103.2億円、法人税等支払134.9億円が資金を流出させ、売上債権の減少100.5億円による資金流入では相殺できなかった。投資CFは157.5億円の流出で、設備投資144.1億円が中心である。財務CFは211.6億円の流出で、配当支払103.5億円、自社株買い36.0億円を含む。この結果、フリーCFはマイナス167.9億円となり、現金及び現金同等物は774.5億円へ341.9億円減少した。現預金水準は依然厚いが、在庫・仕入債務を含む運転資本の正常化がキャッシュ創出力回復の鍵となる。

収益の質

税引前利益98.2億円は営業利益56.3億円を41.9億円上回り、金融収益37.7億円、その他収益19.4億円、持分法損益6.3億円が寄与しており、経常的な本業利益と営業外要因の寄与を区別して評価する必要がある。営業利益率1.8%という低水準に対し、税引前利益と営業利益の乖離が大きいため、純利益の持続性は営業外項目の再現性に依存する部分が大きい。また、営業CFがマイナス10.4億円である一方で純利益は68.3億円のプラスであり、両者の乖離は在庫増加・仕入債務減少・税金支払の影響によるもので、アクルーアル(会計上の利益と現金収支の差)が大きい点は収益の質の観点で留意が必要である。包括利益202.9億円は純利益を上回っており、為替換算差額や有価証券の公正価値変動など、純損益に含まれない資本変動要因が大きく寄与している。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高4,200.0億円、営業利益120.0億円(前年比-27.0%)、純利益95.0億円(同-18.9%)である。Q3累計の売上高進捗率は73.8%で標準的な75%にほぼ近いが、営業利益進捗率は46.9%と標準を28.1pt下回っており、Q4に大幅な採算改善を織り込む計画となっている。純利益の進捗率は71.9%であり、営業利益ほどの未達ではなく、営業外収益の継続的な寄与を前提とした利益構成が読み取れる。Q4営業利益は63.7億円程度が必要となり、Q3累計の四半期平均を大きく上回る水準が求められる点は、計画達成のハードルとして注目される。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり44.00円、配当支払額は103.5億円であった。通期予想配当は90.00円、通期予想EPSは59.25円であり、これらから算出される予想配当性向は約151.9%と、当期純利益水準に対して配当額が上回る構造となっている。自社株買いも36.0億円実施しており、配当と自社株買いを合わせた株主還元は139.6億円に達する。当期のフリーCFはマイナス167.9億円であり、還元原資は営業キャッシュフローではなく手元現金774.5億円によって支えられている。自己資本比率72.7%という財務基盤は還元余力を支えるが、営業CFの黒字転換が還元の持続性を評価する上で重要な観察点となる。

リスク要因

  1. 収益性低下リスク: 営業利益率1.8%、粗利率11.8%はいずれも低水準で、売上8.7%減に対し営業利益は50.3%減と大きく増幅した。原材料費・稼働率・価格転嫁のいずれかの悪化が利益に与える影響が大きい構造である。

  2. 通期計画未達リスク: 通期営業利益予想120.0億円に対しQ3累計進捗率は46.9%にとどまり、標準進捗率75%を28.1pt下回る。Q4に四半期平均の3倍超の営業利益が必要となり、未達リスクが相応にある。

  3. キャッシュ創出力リスク: 営業CFはマイナス10.4億円で純利益68.3億円との乖離が大きい。棚卸資産の増加、仕入債務の減少、法人税等支払いが重なり、フリーCFはマイナス167.9億円となった。運転資本の正常化が遅れる場合、追加的な現金流出が続く可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.8%8.6% (4.3%–12.7%)−6.8pt
純利益率2.2%6.4% (2.8%–10.3%)−4.2pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、収益力は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−8.7%3.3% (-2.1%–8.9%)−12.0pt

同業他社の多くが増収基調にある中、自社は減収に転じており、成長性も業種内で劣後する。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は前年から大きく低下し1.8%となり、売上減少に対する固定費吸収力の弱さが顕在化している。今後の焦点は本業採算の回復速度である。

  2. 税引前利益は営業利益を上回る構造で、金融収益・その他収益・持分法損益への依存度が高い。純利益の評価は営業利益の改善と切り離して見る必要がある。

  3. 営業CFがマイナスとなる一方、配当・自社株買いを合わせた株主還元は139.6億円に達しており、現預金774.5億円の取り崩しにより支えられている。営業CFの回復が還元の持続性を左右する観察点である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,151円
base(基準)2,167円
bull(強気)2,182円
算出前提
1株純資産(BPS)2,636円
調整後予想EPS65.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向100.0%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.82倍 / 33.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,110円〜2,226円、ω±0.1で 2,152円〜2,176円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。