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72942026 通期プライムJGAAP

ヨロズ(7294) 2026年度通期決算 減収1%

2026年度通期の売上高は1,763億円(前年同期比-1.2%)、営業利益は39.8億円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 ヨロズ

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1763.3億¥1784.1億−1.2%
営業利益¥39.8億¥3.0億+114.7%
経常利益¥37.8億−¥20.8億+281.8%
純利益¥24.5億−¥143.1億+117.2%
ROE3.8%−23.4%-

Executive Summary

当期は減収ながら大幅増益となり、前期の巨額減損からの回復局面にあることが最大のポイントである。売上高は1763.3億円(前年比-1.2%)と小幅減収となったが、営業利益は39.8億円(同+114.7%)へ急回復し、経常利益は37.8億円(前年-20.8億円から黒字転換)、純利益は24.5億円(前年-143.1億円から黒字転換)となった。増益の主因は粗利率改善と販管費削減に加え、前期に発生した91.5億円の大型減損損失が当期は1.1億円に縮小した反動効果である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1763.3億円で前年比-1.2%の減収。地域別では日本が544.8億円(+3.4%)と増収を確保したが、アジアが345.5億円(-11.2%)と大きく減少し、全社を下押しした。米州は873.0億円(+0.5%)とほぼ横ばいで、売上構成比49.5%を占める最大セグメントである。

【損益】営業利益は39.8億円(前年比+114.7%)で、粗利率が11.4%(前期9.4%から改善)、販管費率が9.1%(前期9.2%から低下)となったことが寄与した。経常利益は37.8億円で、営業外では支払利息9.7億円と為替差損5.5億円が押し下げ要因となった。特別損益は特別利益4.8億円(固定資産売却益3.7億円等)に対し特別損失6.3億円(減損損失1.1億円等)で差引1.6億円のマイナスだが、前期の9.1億円減損に比べ大幅に縮小している。純利益は24.5億円となり、前期の143.1億円の赤字から黒字転換した。結論として、減収増益である。

セグメント別分析

セグメント別営業利益は日本28.3億円(前年比+20.8%、利益率5.2%)、米州1.5億円(同+105.8%、利益率0.2%)、アジア8.9億円(同+1411.9%、利益率2.6%)。日本が最大の利益貢献セグメントであり、アジアは売上が11.2%減少したにもかかわらず前期の低採算からの急改善で利益率2.6%まで回復した。一方、売上構成比49.5%を占める米州は営業利益率0.2%にとどまり、全社収益性の重石となっている。米州の低採算が改善するかどうかが、今後の全社利益率の方向性を左右する構造的な論点である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.3%で前期0.2%から約2.1pt改善したが、粗利率11.4%は依然低水準にあり、原材料・労務費上昇の価格転嫁力には限界がある。ROEは3.8%で、前期の大幅赤字から黒字転換した局面にあり、資本収益性は改善途上にある。【キャッシュ品質】営業CFは80.3億円で純利益24.5億円(連結)の3.3倍に相当し、利益の現金化は良好である。ただし営業CFには棚卸資産減少13.2億円など運転資本の一時的な資金化が含まれる。【投資効率】設備投資52.0億円は減価償却費61.1億円を下回り、CapEx/減価償却は0.85倍で、更新投資中心の資本支出にとどまる。【財務健全性】自己資本比率は46.3%で前期44.8%から改善したが、長期借入金は250.5億円へ前年比44.1%増加しており、有利子負債の増加は留意点である。

キャッシュフロー分析

営業CFは80.3億円で前年比+69.4%と大幅に増加し、純利益の回復に加え運転資本の資金化(棚卸資産の減少13.2億円等)が寄与した。投資CFは-18.5億円で、設備投資52.0億円を主因とするが、前期の投資CF-118.1億円から投資規模を縮小している。フリーキャッシュフローは61.9億円となり、財務CFの-31.4億円(自社株買い38.3億円、借入返済等)を十分にカバーしている。総じて、当期は営業活動による資金創出力の回復と投資の絞り込みにより、株主還元と負債圧縮の双方に資金を配分できる構図となった。

収益の質

当期純利益24.5億円(連結)のうち、特別損益は差引1.6億円のマイナスで、前期の9.1億円減損に比べ一時的要因の影響は大きく縮小している。営業外損益では受取利息・配当金合計5.0億円に対し支払利息9.7億円、為替差損5.5億円が発生し、経常段階での金融関連コストが利益を圧迫する構造は継続している。包括利益は73.8億円と純利益を大きく上回り、その差は主に為替換算調整額42.2億円によるもので、海外子会社の現地通貨資産の円換算効果が包括利益を押し上げている点は、本業の収益力とは区別して理解する必要がある。

業績予想・ガイダンス

次期(2027年3月期)会社予想は売上高1660.0億円(当期比-5.9%)、営業利益33.0億円(同-17.1%)、経常利益21.0億円(同-44.4%)と減収減益を見込んでいる。当期は前期の減損反動と粗利率改善で増益となったが、次期予想はこの改善ペースが一部反転する計画であり、米州の低採算解消やアジアの収益改善が定着するかが進捗確認のポイントとなる。EPS予想は53円で、当期実績90.79円から低下する見込みである。

株主還元

年間配当は33円(中間15円、期末18円)で、前期の年間配当(中間15円、期末18円相当)から倍以上の増配となった。配当性向は純利益(親会社株主帰属)に対して36.3%であり、持続可能性の目安とされる水準内にある。当期は自己株式取得38.3億円も実施し、配当と合わせた総還元額は45.8億円となる。配当のみの配当性向36.3%と、自己株買いを含む総還元性向(親会社株主帰属利益比で約221%)は明確に区別される。次期予想EPS53円に対する配当33円の配当性向は約62.3%となる見込みで、当期実績より上昇する。

リスク要因

  1. 米州セグメントの低採算: 売上構成比49.5%を占める米州の営業利益率は0.2%にとどまる。同セグメントの稼働率・価格交渉の変動が全社利益に大きな影響を与えやすい構造である。

  2. 有利子負債の増加: 長期借入金は250.5億円で前年比+44.1%増加し、支払利息は9.7億円で営業利益39.8億円の24.4%に相当する。低マージン下での負債負担の増加はモニタリングが必要である。

  3. 一時的要因への依存: 純利益の回復は前期の減損損失91.5億円が当期1.1億円へ縮小した反動効果を含む。粗利率11.4%は依然低水準であり、原材料・物流費上昇を価格転嫁できない場合、利益変動が大きくなる可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.3%7.6% (4.8%–12.0%)−5.3pt
純利益率1.4%5.9% (2.9%–9.2%)−4.5pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく下回り、収益性は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−1.2%3.4% (-0.8%–8.8%)−4.5pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、トップライン成長力は業種内で下位に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は前期0.2%から2.3%へ改善したが、これは前期の大型減損(91.5億円)の反動と粗利率改善が主因であり、業種中央値7.6%とは依然大きな差がある。

  2. 売上構成比49.5%を占める米州の営業利益率が0.2%と極めて低く、地域別の採算バランスが全社収益性を左右する構造にある。

  3. 配当は33円へ増配され、自己株買い38.3億円と合わせた総還元額は45.8億円となった。営業CF80.3億円・FCF61.9億円で当期の還元原資はカバーされているが、次期減益計画のもとで同規模の還元を継続する場合は資金余力の変化を確認する必要がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,091円
base(基準)2,105円
bull(強気)2,119円
算出前提値
1株純資産(BPS)2,629円
調整後予想EPS58.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向62.3%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.80倍 / 36.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,049円〜2,164円、ω±0.1で 2,089円〜2,116円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 33%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。