- 売上高: 19,102.72億円
- 営業利益: 1,124.27億円
- 当期純利益: 525.49億円
- 1株当たり当期純利益: 44.65円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 19,102.72億円 | 19,768.68億円 | -3.4% |
| 売上原価 | 13,331.21億円 | - | - |
| 売上総利益 | 6,437.47億円 | - | - |
| 販管費 | 4,556.32億円 | - | - |
| 営業利益 | 1,124.27億円 | 2,009.84億円 | -44.1% |
| 持分法投資損益 | 58.45億円 | - | - |
| 税引前利益 | 1,132.11億円 | 1,947.71億円 | -41.9% |
| 法人税等 | 451.28億円 | - | - |
| 当期純利益 | 525.49億円 | 1,496.43億円 | -64.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 433.86億円 | 1,360.63億円 | -68.1% |
| 包括利益 | 275.26億円 | 1,465.90億円 | -81.2% |
| 減価償却費 | 618.31億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 44.65円 | 138.49円 | -67.8% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 44.60円 | 138.45円 | -67.8% |
| 1株当たり配当金 | 25.00円 | 25.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 16,083.68億円 | - | - |
| 売掛金 | 1,781.86億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 5,741.05億円 | - | - |
| 固定資産 | 11,751.33億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 4,868.44億円 | - | - |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 1,918.47億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -954.69億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -875.14億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 3,729.99億円 | - | - |
| フリーキャッシュフロー | 963.78億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.3% |
| 粗利益率 | 33.7% |
| 負債資本倍率 | 1.34倍 |
| EBITDAマージン | 9.1% |
| 実効税率 | 39.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -3.4% |
| 営業利益前年同期比 | -44.1% |
| 税引前利益前年同期比 | -41.9% |
| 当期純利益前年同期比 | -64.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -68.1% |
| 包括利益前年同期比 | -81.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 1.02十億株 |
| 自己株式数 | 48.55百万株 |
| 期中平均株式数 | 971.62百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,196.49円 |
| EBITDA | 1,742.58億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 25.00円 |
| 期末配当 | 25.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 25,700.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,200.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 450.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 46.34円 |
| 1株当たり配当金予想 | 25.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
ヤマハ発動機(7272)の2025年度Q3(累計)決算は、売上高19,102.72億円(前年比-3.4%)と減収、営業利益1,124.27億円(同-44.1%)と大幅減益で、収益性の悪化が鮮明となった。粗利益率は33.7%と依然高いものの、販管費率の上昇(23.9%)とコスト環境の悪化を反映し、営業利益率は5.9%まで低下した。税引前利益は1,132.11億円に対し法人税等は451.28億円で実効税率は39.9%と高く、当期純利益は433.86億円(同-68.1%)にとどまった。包括利益は275.26億円と純利益をさらに下回り、その他包括損失(為替換算差額等)の影響が窺える。デュポン分解によるROEは3.7%(純利益率2.3%、総資産回転率0.694、財務レバレッジ2.37倍)と、資本効率は大きく低下した。売上総利益の絶対額は6,437.47億円確保しているが、営業レバレッジが逆回転し、固定費負担の重さが利益を圧迫した。キャッシュフローは対照的に堅調で、営業CF1,918.47億円と純利益の4.42倍、フリーCFも963.78億円を確保し、利益の質は定量的には良好と評価できる。バランスシートは総資産27,513.46億円、純資産11,600.88億円で自己資本比率40.2%と堅健、負債資本倍率1.34倍と過度なレバレッジは見られない。現金及び同等物は3,729.99億円(資産比13.6%)と流動性クッションは厚い。運転資産では棚卸資産5,741.05億円(売上高比30.0%)、売掛金1,781.86億円(売上高比9.3%)、買掛金1,499.22億円(売上原価比11.2%)と、在庫積み上がりの可能性に留意が必要。配当は開示不足だが、計算配当性向は117.3%と利益水準に対して高く、FCFカバレッジ1.89倍が辛うじて維持を示す構造。EBITDAは1,742.58億円、EBITDAマージン9.1%で、減価償却費618.31億円の非資金費用がキャッシュ創出に寄与。今期は税率上振れおよび営業利益率の低下が純利益のボラティリティを拡大させた一方、キャッシュ創出力は堅調で、資金面の耐性は高い。売上のマイナス成長と営業利益率の悪化は、製品ミックス・価格状況・コストインフレ・為替など複合要因が示唆される。ROAは参考計算で約1.6%(当期純利益÷総資産)と低位だが、景気・為替環境が落ち着けば税率正常化とともに改善余地はある。データ面では営業外項目、金利費用、流動負債、現金明細、配当詳細が未開示であり、金利負担と短期流動性比率の精緻な評価に制約がある。総じて、利益は弱含むがキャッシュは強いというコントラストが鮮明で、短期の利益ボラティリティと在庫水準に注意を払いながら、資本政策はFCFを基軸に組み立てる局面とみる。
ROE分解(デュポン):純利益率2.3% × 総資産回転率0.694 × 財務レバレッジ2.37倍 = ROE 3.7%。純利益率は営業利益率5.9%から税率高止まり(実効39.9%)と営業外の不確実性により大きく希薄化。粗利率33.7%は堅調だが、販管費率23.9%(4,556.32/19,102.72)で固定費吸収が難しく、営業レバレッジが悪化。EBITDAマージンは9.1%(1,742.58/19,102.72)に低下、営業利益/EBITDA比は64.5%(1,124.27/1,742.58)で減価償却負担は適正水準だが、営業段階の圧迫が主因。営業レバレッジの観点では、売上-3.4%に対し営業利益-44.1%と感応度が高く、価格転嫁・ミックス・為替の逆風あるいは固定費高止まりが示唆される。参考ROAは約1.6%(433.86/27,513.46)と低位。税率正常化(例えば~30%)が進めば純利益率は約3.0%前後まで押し上げ余地。持分法投資利益58.45億円は税引前利益の約5.2%に相当し一定の下支えだが、全体の利益低下を補う規模ではない。
売上高は19,102.72億円で前年比-3.4%、数量・ミックス・価格・為替のいずれか(複合)の逆風が想定される。営業利益は1,124.27億円(-44.1%)と大幅減で、粗利は維持も販管費比率上昇が利益を圧迫。EPSは44.65円で純利益減少の影響を直接反映。売上の持続可能性では、在庫5,741.05億円(売上比30.0%)の水準が今後の販売消化に鍵となり、在庫圧縮過程では値引き圧力のリスクも。利益の質は営業CF/純利益4.42倍と高く、会計利益よりキャッシュ創出が安定している点はポジティブ。今後の見通しは、コストインフレの落ち着き、為替の方向性、価格戦略、製品ミックス改善が回復ドライバー。税率の高止まりは一過性要因(地域ミックス・一時差異等)であれば次期以降の改善余地。成長投資は投資CF-954.69億円と継続しており、FCFを確保しつつ選択的投資を実施できる余力がある。
総資産27,513.46億円、純資産11,600.88億円、自己資本比率40.2%で資本基盤は堅健。負債資本倍率1.34倍(負債/資本)と財務レバレッジは中庸。現金及び同等物3,729.99億円は総資産比13.6%で流動性クッションは厚い。流動資産は16,083.68億円だが、流動負債が未記載のため流動比率・当座比率は算出不可(評価制約)。買掛金1,499.22億円は売上原価比11.2%で、サプライヤークレジットは適度。有利子負債・金利費用が未記載のためインタレストカバレッジは評価不能だが、営業CF・EBITDA水準からみて支払能力に大きな懸念は限定的。包括利益が純利益を下回る点は為替・評価差のボラティリティを示し、自己資本変動リスクには留意。
利益の質は高い。営業CF1,918.47億円は非資金費用(減価償却618.31億円)と運転資本のプラス寄与が背景とみられる。純利益433.86億円に対し営業CF/純利益4.42倍は、会計利益のボラティリティに比べキャッシュ創出が安定していることを示す。フリーCF963.78億円を確保し、投資CF-954.69億円(成長・維持投資)実施後でも配当原資を十分に賄える。運転資本は流動負債未記載のため正確なネット運転資本は算出不可だが、売掛比率9.3%、棚卸資産比率30.0%は在庫の監視を要請。キャッシュ同等物3,729.99億円は短期ショック吸収に有効。
計算配当性向117.3%と利益基準では過熱。FCFカバレッジ1.89倍でキャッシュフロー基準では妥当性を確保。配当支払額は-484.06億円(CF計上)で、利益減少局面でも支払い継続が可能な水準だが、利益回復が遅れる場合は性向調整の余地。DOEや通期配当方針は未記載のため、資本政策の定量目標の確認が必要。自己株買い未記載により総還元性向の評価は限定的。
ビジネスリスク:
- 需要サイクル変動による販売量・ミックスの悪化
- 価格競争・販促強化に伴う粗利率低下
- 原材料・物流・人件費の上昇継続
- 為替変動による収益・包括利益の変動
- 在庫積み増しに伴う評価損・値引きリスク
財務リスク:
- 流動負債・借入金内訳未記載による短期流動性評価の不確実性
- 金利負担の把握不能(インタレストカバレッジ算出不可)
- 高い実効税率の継続による純利益の圧迫
- 包括損失の継続による自己資本の変動
主な懸念事項:
- 営業利益率5.9%と前年からの大幅低下
- 実効税率39.9%によるEPS圧迫
- 棚卸資産5,741.05億円の水準と回転の鈍化リスク
- 配当性向117.3%(利益基準)の持続性
- 営業外・負債内訳データ不足による分析制約
重要ポイント:
- 減収・大幅減益でROE3.7%、資本効率が低下
- 営業CF・FCFは強固で、キャッシュ主導の資本政策余地が大きい
- 自己資本比率40.2%と潤沢な現金で財務耐性は良好
- 短期の焦点は在庫消化と税率正常化、価格転嫁の進捗
- 配当はFCFで維持可能だが、利益回復が前提
注視すべき指標:
- 営業利益率・EBITDAマージンの回復度合い
- 実効税率のトレンドと一過性要因の開示
- 棚卸資産回転日数・在庫評価損の有無
- 営業CF/純利益倍率、FCFの継続性
- 為替前提とセグメント別ミックス
- 負債内訳・金利費用・平均金利
- 総還元性向(配当+自己株)
セクター内ポジション:
国内同業と比して今期の収益性は弱含む一方、キャッシュ創出と財務健全性は相対的に良好。循環要因の反転余地があれば相対ポジションは改善可能。
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