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72722026 第1四半期プライムIFRS

ヤマハ発動機(7272) 2026年度第1四半期決算 増収・営業益44%増

2026年度第1四半期の売上高は7,301億円(前年同期比+16.6%)、営業利益は626.4億円(同+43.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥7301.2億¥6259.5億+16.6%
営業利益¥626.4億¥435.7億+43.8%
税引前利益¥619.4億¥454.1億+36.4%
純利益¥448.0億¥339.7億+31.9%
ROE3.7%2.8%-

Executive Summary

2026年12月期第1四半期は、主力ランドモビリティ事業の大幅な採算改善により、増収を上回る営業増益を達成した。売上収益は7,301.2億円(前年比+16.6%)、営業利益は626.4億円(同+43.8%)、税引前利益は619.4億円(同+36.4%)、親会社所有者に帰属する四半期利益は412.6億円(同+34.5%)となった。営業利益率は8.6%で前年同期7.0%から改善したが、この改善は粗利率の低下(29.8%、前年31.5%から低下)を販管費率の抑制(21.7%、前年24.8%から低下)が上回った結果であり、原価面ではなくコスト構造面での増益であった点に留意が必要である。

業績変動要因

【売上高】全社売上収益は7,301.2億円で前年同期比+16.6%増収。主力のLandmobilityが4,799.4億円(構成比65.7%、YoY+23.7%)と全社成長を牽引し、MarineProducts(1,486.0億円、+6.0%)、FinancialServices(302.5億円、+8.7%)、Robotics(262.6億円、+10.2%)も増収した。一方OutdoorLandVehicleは412.0億円で前年同期比-0.4%と横ばい減収となった。

【損益】営業利益は626.4億円(YoY+43.8%)。Landmobilityの営業利益が489.8億円(YoY+76.3%、利益率10.2%)と大幅増益し、全社営業利益の78.2%を占めた。FinancialServicesも63.6億円(+56.8%)と伸長した。一方でMarineProductsは159.7億円(-19.2%)と減益し利益率は10.7%へ低下、OutdoorLandVehicleは-77.9億円の損失(前年-49.0億円から赤字拡大)となった。税引前利益から純利益への乖離は法人税等171.4億円(実効税率27.7%)によるもので、特別損益的な要因は確認されない。結論として、増収増益。

セグメント別分析

Landmobilityは売上高4,799.4億円(構成比65.7%、YoY+23.7%)、営業利益489.8億円(YoY+76.3%、利益率10.2%)と全社増益の中心となった。MarineProductsは売上高1,486.0億円(構成比20.4%、YoY+6.0%)ながら営業利益は159.7億円(YoY-19.2%)と減益し、利益率は前年から低下した。OutdoorLandVehicleは売上高412.0億円(構成比5.6%、YoY-0.4%)、営業利益-77.9億円と前年(-49.0億円)から赤字が拡大している。FinancialServicesは売上高302.5億円(YoY+8.7%)、営業利益63.6億円(YoY+56.8%、利益率21.0%)と収益性が高い。なお、当第1四半期より産業用無人ヘリコプター等の業績をRoboticsから「その他」区分へ移管する組織再編が行われ、前年同期比較は変更後区分に基づき再作成されている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率8.6%は前年同期7.0%から改善し、純利益率は5.7%(親会社帰属利益ベース)である。粗利率は29.8%で前年31.5%から低下しており、増益は販管費率の低下(21.7%、前年24.8%)によって実現された。【キャッシュ品質】営業CFは55.8億円にとどまり、親会社帰属利益412.6億円に対する比率は約0.14倍と低水準で、販売金融債権・営業債権の増加が営業CFを圧迫している。【投資効率】ROE(四半期)は3.7%、四半期利益を年換算すると概算年率ROEはこれを上回る水準となる。設備投資は377.1億円で減価償却費230.99億円を上回り、成長投資局面にある。【財務健全性】自己資本比率は37.7%(前期末39.0%から低下)、流動比率は約149.5%であり、社債及び借入金は流動・非流動合計で1兆1,818億円と期首から増加した。

キャッシュフロー分析

営業CFは55.8億円のプラス(前年同期は-481.3億円)に転じたが、親会社帰属利益412.6億円との対比では現金化の遅れが目立つ。この背景には販売金融債権が582.5億円増加、営業債権及びその他の債権が549.9億円増加したことがあり、両者合計で約1,132億円の資金を吸収した。一方、棚卸資産は307.7億円減少、仕入債務は250.3億円増加し、これらは営業CFを押し上げる方向に寄与した。投資CFは-347.2億円で、設備投資377.1億円が主因である。フリーCF(営業CF+投資CF)は-291.4億円のマイナスとなり、投資活動を営業活動だけで賄えていない。この不足は財務CF650.3億円(短期借入純増834.0億円、長期借入れ910.0億円など)で補われ、現金及び現金同等物は期首398.9億円から436.7億円へ増加した。財務CFには非支配持分からの子会社持分取得による支出388.7億円も含まれる。

収益の質

当四半期の増益は主に販管費率の低下によるもので、特別損益的な一時要因は確認されない。営業外では金融収益31.3億円に対し金融費用38.2億円が上回り、金融収支はわずかにマイナスである。持分法投資損益は25.5億円のプラスで前年16.4億円から増加したが、営業利益に占める比率は限定的であり、利益の中心は連結事業の実質的な改善である。一方、包括利益は608.5億円(親会社所有者分571.4億円)と純利益448.0億円を上回っており、これは主に在外営業活動体の換算差額145.1億円のプラス(前年同期は-381.2億円)によるもので、為替の追い風が包括利益を押し上げた形である。営業CFが利益成長に対して弱く、販売金融債権・営業債権の増加という運転資本要因がアクルーアル(会計発生高)を膨らませている点は、収益の質を評価するうえで留意すべき点である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高2兆7,000億円、営業利益1,800億円(YoY+42.4%)、EPS103.05円、配当50.00円であり、当四半期時点で予想・配当予想の修正はない。第1四半期の進捗率は売上高27.0%、営業利益34.8%と、標準的な四半期進捗(25%)を上回っている。特に営業利益の進捗が先行しており、Landmobilityの採算改善が通期計画に対して先行して寄与している状況がうかがえる。ただし、MarineProductsの減益やOutdoorLandVehicleの赤字拡大、運転資本の負担再拡大が下期以降も継続するかは、通期達成の確認ポイントとなる。

株主還元

通期配当予想は1株50.00円で、期中平均株式数9億7,037.8万株を基準とすると年間配当総額は概算485億円、通期純利益予想1,000億円に対する配当性向は約48.5%となる(自社株買いを含まない配当性向)。当第1四半期の配当支払額は97.0億円(前年同期244.4億円から減少、うち非支配持分への配当を含む持分変動計算書ベースでは176.1億円)であり、自己株式の取得・処分によるキャッシュフローは実質ゼロで、当四半期に大規模な自社株買いは確認されない。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: Landmobilityが全社営業利益の78.2%を占めており、同事業の需要・価格・競争環境の変化が連結利益に大きく波及する構造である。

  2. 収益の現金化リスク: 営業CFは55.8億円にとどまり、親会社帰属利益412.6億円との比率は約0.14倍と低い。販売金融債権及び営業債権の増加(合計約1,132億円)が主因であり、信用リスクと回収管理の状況を注視する必要がある。

  3. セグメント別採算悪化リスク: MarineProductsは増収ながら営業利益が-19.2%と減益し利益率が低下、OutdoorLandVehicleは-77.9億円の損失で前年から赤字が拡大している。両セグメントの需給・原価動向が全社利益率に与える影響を注視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.6%7.2% (3.2%–12.5%)+1.4pt
純利益率6.1%5.9% (2.9%–12.5%)+0.3pt

業種中央値をいずれも上回っており、収益性は業種内で中位からやや上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)16.6%5.6% (1.1%–13.9%)+11.0pt

売上高成長率は業種IQR上限(13.9%)を上回っており、業種内でも高い成長率を示している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 当四半期は売上収益+16.6%、営業利益+43.8%と増収を上回る増益を確保したが、営業利益率改善の主因は粗利率低下を上回る販管費率の抑制であり、原価構造の改善ではない点は業績の質を評価する上で留意点となる。

  2. 営業CFは55.8億円にとどまり、親会社帰属利益に対する比率は低水準である。販売金融債権・営業債権の増加という運転資本要因が要因であり、利益成長が今後キャッシュフローに反映されるかが注目点である。

  3. 通期予想に対する進捗率は営業利益34.8%、純利益ベースでも標準を上回るペースである一方、MarineProductsの減益とOutdoorLandVehicleの赤字拡大という事業間のばらつきがあり、セグメント別の動向継続が通期業績の確認ポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,176円
base(基準)1,205円
bull(強気)1,234円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,198円
調整後予想EPS113.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向48.5%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.01倍 / 10.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,172円〜1,240円、ω±0.1で 1,205円〜1,206円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。