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72712026 第3四半期スタンダードJGAAP

安永(7271) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益434%増

2026年度第3四半期の売上高は250.4億円(前年同期比+11.9%)、営業利益は14億円(同+434.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 安永

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥250.4億¥223.7億+11.9%
営業利益¥14.0億¥2.6億+434.0%
経常利益¥13.8億¥3.5億+292.7%
純利益¥8.3億¥4.0億+108.7%
ROE(年換算)9.3%4.7%-

Executive Summary

主力エンジン部品の採算改善を主因に、増収に伴う利益成長が売上成長を大きく上回る増収増益決算となった。売上高は250.4億円(前年同期223.7億円、YoY+11.9%)、営業利益は14.0億円(同2.6億円、YoY+434.0%)、経常利益は13.8億円(同3.5億円、YoY+292.7%)、純利益は8.3億円(同4.0億円、YoY+108.7%)となった。売上原価の伸びが売上高の伸びを下回り粗利率が改善したことに加え、販管費の伸びが売上高の伸びを下回ったことで、営業レバレッジが効き大幅増益となった。一方、減損損失3.1億円を含む特別損失3.3億円が純利益の押し下げ要因となっている。

業績変動要因

【売上高】売上高は250.4億円で前年同期比+11.9%。主力のエンジン部品が190.3億円(同+14.5%)と全社増収の大半を牽引し、環境機器も38.5億円(同+8.5%)と伸長した。一方、機械装置は32.0億円(同-1.2%)とわずかに減収した。

【損益】粗利率は17.9%で前年同期14.2%から3.7pt改善し、販管費率も12.3%と伸びを抑制した結果、営業利益率は5.6%(前年同期1.2%)へ4.4pt拡大した。経常利益は営業外で為替差益1.0億円を計上したが支払利息1.6億円が相殺し13.8億円となった。純利益は8.3億円だが、減損損失3.1億円を含む特別損失3.3億円が税引前利益から純利益への転換を抑制している。増収増益。

セグメント別分析

エンジン部品は売上高190.3億円(同+14.5%)、営業利益12.3億円(前年同期2.0億円)と利益率6.5%へ大幅改善し、全社利益回復の中心となった。環境機器は売上高38.5億円(同+8.5%)、営業利益4.1億円で利益率10.7%と3セグメント中最も高い採算を維持している。機械装置は売上高32.0億円(同-1.2%)とほぼ横ばいながら、営業利益は前年同期の1.6億円の損失から0.2億円の利益へ黒字転換した。セグメント間取引消去等の調整額は前年同期の+0.2億円からー2.9億円へ変化しており、連結利益への影響として留意が必要である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率5.6%は前年同期1.2%から4.4pt改善し、粗利率17.9%も同3.7pt改善した。純利益率3.3%も前年同期1.8%から改善しているが、特別損失の影響で営業段階の改善幅より小さい。【キャッシュ品質】特別損失3.3億円のうち減損損失が3.1億円を占め、純利益に対する一時的要因の比率は約39.8%と大きく、営業利益の伸びがそのまま純利益に反映されていない。【投資効率】ROE(年換算)は9.3%で、純利益率の低さを高い財務レバレッジ(総資産/純資産)が補う構造にある。【財務健全性】自己資本比率は30.6%で前年同期30.7%とほぼ同水準。有利子負債は短期83.0億円、長期76.6億円の合計159.6億円で、純資産119.9億円を上回るため、レバレッジは相応に高い状態にある。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別開示はないが、BS変化から資金動向を分析すると、現金及び預金は81.6億円で前年同期70.7億円から10.9億円増加している。一方で短期借入金は69.0億円から83.0億円へ、長期借入金は73.7億円から76.6億円へ増加し、有利子負債への依存を強めながら手元資金を積み増した格好である。建設仮勘定は20.4億円から32.8億円へ増加しており、有形固定資産への投資が進行中であることがうかがえる。営業利益の大幅な改善が実現している一方、資金調達面では借入金の増加を伴っており、投資活動と資金調達のバランスが今後の焦点となる。

収益の質

営業段階の増益は売上増加と販管費の抑制効果によるもので、経常的な収益力の改善を反映していると考えられる。一方、経常利益13.8億円に対し純利益は8.3億円にとどまり、この乖離の主因は減損損失3.1億円を含む特別損失3.3億円である。特別利益はごく僅少(0.0億円)であるため、純利益は一時的な資産評価の影響を強く受けている。包括利益は7.6億円で純利益8.3億円をやや下回り、為替換算調整額のマイナス2.3億円が主因である。営業外収益では為替差益1.0億円が計上されており、これは事業活動に伴う付随的な収益であるため、経常的な収益力を測る際には除いて評価することが望ましい。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想(売上高333.0億円、営業利益18.0億円、経常利益17.0億円)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高75.2%、営業利益77.7%、経常利益81.2%、純利益83.5%である。第3四半期の標準的な進捗率75%と比較すると、利益系指標がいずれも上回っており、収益性改善の速度が売上成長を上回っていることを示す。業績予想・配当予想はいずれも修正されていない。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり7.00円で、通期会社予想の年間配当は14.00円である。通期予想EPS97.06円に基づく予想配当性向は約14.4%であり、利益成長に対して配当は保守的な水準に留まっている。利益剰余金は68.9億円で前年同期比11.0%増加し、内部留保を優先する方針がうかがえる。

リスク要因

  1. 主力エンジン部品への集中: 同事業は売上高190.3億円で全社の76.0%を占め、完成車生産動向や内燃機関需要、EV化の進展が業績に大きく影響する構造にある。

  2. 財務レバレッジと短期資金依存: 有利子負債159.6億円に対し純資産は119.9億円で、D/Eレシオは約1.33倍。短期借入金83.0億円は流動負債の47.5%を占め、借換え条件の変化が資金繰りに影響を与えうる。

  3. 減損損失および投資の収益化: 当期に減損損失3.1億円を計上する一方、建設仮勘定は32.8億円と有形固定資産の20.6%に達しており、投資案件の稼働状況・収益化の進捗が今後の資産効率に影響する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率5.6%8.6% (4.3%–12.7%)−3.0pt
純利益率3.3%6.4% (2.8%–10.3%)−3.1pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)11.9%3.3% (-2.1%–8.9%)+8.6pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、増収ペースは業種内で高い位置にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高11.9%増に対し営業利益は434.0%増となり、粗利率3.7pt・営業利益率4.4ptの改善が確認された。増収額を上回る増益は、販管費抑制と主力事業の採算改善によるものである。

  2. 通期予想に対する利益進捗率(営業利益77.7%、純利益83.5%)は標準進捗率75%を上回っており、収益性改善が計画を上回るペースで進行している。

  3. 減損損失3.1億円と建設仮勘定32.8億円は、既存資産の収益性評価と進行中投資の稼働時期を確認するうえで注目される項目である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,084円
base(基準)1,112円
bull(強気)1,138円
算出前提
1株純資産(BPS)1,163円
調整後予想EPS107.0円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向14.4%
予想EPSの信頼度調整×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 10.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,080円〜1,144円、ω±0.1で 1,110円〜1,113円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。