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72612026 第3四半期プライムJGAAP

マツダ(7261) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益赤字転落

2026年度第3四半期の売上高は3兆5,015億円(前年同期比-5.1%)、営業損失は231.2億円(赤字転落)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

マツダ株式会社

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥35015.0億¥36894.2億−5.1%
営業利益−¥231.2億¥1482.5億−25.9%
経常利益¥374.2億¥1567.7億−76.1%
純利益−¥143.2億¥912.8億−115.7%
ROE(年換算)−1.0%6.7%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は、粗利益率の悪化を主因に営業損益が赤字転落し、収益構造の悪化が最大の注目点である。売上高は3兆5,015億円(前年比-5.1%)、営業利益は-231.2億円(前年1,482.5億円から悪化)、経常利益は374.2億円(同-76.1%)、純利益は-143.2億円(前年912.8億円から赤字転落)となった。経常黒字は為替差益412.6億円に支えられており、本業の採算悪化を営業外収益で補う構図が鮮明である。特別損失391.8億円の計上も最終赤字を深めた。

業績変動要因

【売上高】売上高は3兆5,015億円で前年比5.1%減。地域別では日本が5.8%減の6,583億円、北米が10.1%減の1兆8,535億円と主要2地域が減収した一方、欧州は9.3%増の5,527億円、その他地域は3.5%増の4,370億円と増収を確保し、減収幅を一部緩和した。

【損益】粗利益率は17.0%と前年の21.5%から452bp低下し、販管費を4.2%削減したものの吸収できず、営業利益は-231.2億円の赤字に転落した。セグメント別では北米が営業利益709.1億円(前年比+20.6%)で最大の利益源を維持したが、日本が-1,017.0億円と前年の黒字284億円から1,301億円悪化し、全社赤字の主因となった。経常利益は374.2億円を確保したが、為替差益412.6億円への依存度が高く、営業外収益で営業赤字を補う構造である。特別損失391.8億円(減損損失19.2億円、固定資産除売却損69.9億円等)の計上により、純利益は-143.2億円の赤字となった。結論として減収減益(営業・純利益ベース)である。

セグメント別分析

セグメント別売上高(外部顧客向け)は北米53.0%、日本18.8%、欧州15.8%、その他地域12.5%の構成。北米はセグメント利益709.1億円(利益率3.4%)で前年比20.6%増と収益の柱を担う一方、外部売上高は10.1%減少しており、量的縮小と採算改善が同時進行している。日本はセグメント損失1,017.0億円(前年同期は284億円の黒字)となり、1,301億円の悪化が連結営業赤字の主因である。欧州はセグメント利益123.9億円(利益率2.2%)でほぼ前年並み、その他地域は179.3億円で小幅増益となり、いずれも黒字を維持した。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は-0.7%で前年4.0%から468bp悪化し、純利益率も-0.4%とマイナスに転じた。ROE(年換算)は-1.0%で、純利益率の悪化が主因である。【キャッシュ品質】営業CFは-1,716.9億円で前年+1,435億円から3,152億円悪化し、フリーCFも-1,457.7億円と投資・配当を内部資金で賄えない状況にある。棚卸資産増加258.4億円、仕入債務減少291.2億円が運転資本を圧迫した。【投資効率】設備投資650.9億円は減価償却費888.4億円の0.73倍にとどまり、更新投資の抑制傾向がうかがえる。【財務健全性】自己資本比率は43.5%で前年43.8%からほぼ横ばい。現金及び預金1兆234.1億円がネットキャッシュを支える一方、長期借入金は前年比49.1%増の6,226.1億円に拡大しており、収益力低下局面での負債依存度上昇が観察される。

キャッシュフロー分析

営業CFは-1,716.9億円と前年の+1,434.8億円から大幅悪化し、投資CFは+259.2億円のプラス(設備投資650.9億円を有価証券回収等が上回った)、財務CFは+1,089.3億円のプラスとなった。営業キャッシュの流出を投資回収と資金調達で補う構図であり、現金及び現金同等物は期末1兆1,372.7億円と前年比317億円増加したものの、営業活動による創出ではない点に注意を要する。フリーキャッシュフローは-1,457.7億円で、配当支払346.8億円や投資活動を内部資金で賄う余力は低下している。棚卸資産の増加258.4億円、仕入債務の減少291.2億円が運転資本面で営業CFを圧迫しており、在庫・仕入サイクルの正常化が今後のキャッシュフロー改善の鍵となる。

収益の質

経常利益374.2億円は営業損失231.2億円を営業外収益770.0億円(うち為替差益412.6億円)が上回った結果であり、本業由来ではなく為替という一時性の高い要因に依存した黒字である。特別損失391.8億円(減損損失19.2億円、固定資産除売却損69.9億円等)が税引前損益を-13.8億円に押し下げ、法人税等129.4億円の負担も加わり最終純利益は-143.2億円となった。包括利益は556.6億円とプラスであり、為替換算調整額514.5億円が純利益との大きな乖離を生んでいる。この乖離は評価性の含み益によるもので、本業の収益力を示す指標としては純利益や営業利益を重視すべきである。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高4兆8,200億円(前年比-4.0%)、営業利益500.0億円(同-73.1%)、経常利益780.0億円(同-58.7%)であり、Q3累計の売上進捗率は72.6%と標準的な75%をやや下回る。営業利益・純利益は累計で赤字であるため、通期黒字予想の達成にはQ4だけで営業利益731億円超、親会社株主帰属利益347億円超が必要となる計算であり、達成には国内事業の急速な採算改善と北米収益の維持が前提となる。

株主還元

第2四半期配当は1株25円で、通期予想配当は1株55円である。累計の親会社株主帰属損益が赤字のため、配当性向は実質的にマイナスとなり当期利益による裏付けはない。通期予想EPS31.71円に対し予想配当55円を用いた予想配当性向は約173%に達し、フリーキャッシュフローも-1,457.7億円であるため、配当原資は現金残高(1兆234.1億円)に依存する形となっている。配当の持続性は、Q4以降の収益・営業CF回復状況の確認が重要となる。

リスク要因

  1. 国内事業の採算悪化: 日本セグメントは営業損失1,017.0億円で、前年同期比1,301億円悪化した。連結営業赤字の主因であり、採算是正の遅れは全社収益回復を阻害する。

  2. 為替差益依存の経常利益構造: 経常利益374.2億円のうち為替差益は412.6億円に上り、営業損失を為替が補う構造である。為替変動が縮小・反転した場合、経常利益は下押しされる可能性がある。

  3. 負債水準と利払い負担: 長期借入金は前年比49.1%増の6,226.1億円に拡大し、EBITベースでは営業利益が支払利息80.8億円を下回る状況にある。現金預金は有利子負債を上回るネットキャッシュを維持しているが、収益力低下が続けば財務負担の監視が必要となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−0.7%8.6% (4.3%–12.7%)−9.2pt
純利益率−0.4%6.4% (2.8%–10.3%)−6.8pt

自社の収益性は営業・純利益率ともに業種中央値を大きく下回り、業種内でも下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−5.1%3.3% (-2.1%–8.9%)−8.4pt

売上成長率も業種中央値を下回り、業種内の増収基調とは異なる減収局面にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 北米はセグメント利益709.1億円(前年比+20.6%)と全社利益の最大の牽引役だが、日本は1,017.0億円の損失となり地域間の収益格差が拡大している。国内採算の動向が全社業績の変曲点となり得る。

  2. 経常黒字は為替差益412.6億円に支えられており、営業利益率-0.7%が示す本業の収益力低下とは乖離がある。決算の質を評価する上で、為替除きの経常利益推移を追う必要がある。

  3. 通期予想達成にはQ4での急回復が前提となっており、営業CF-1,716.9億円という現況からの転換が確認ポイントとなる。棚卸資産の積み上がりと仕入債務の減少は運転資本面の課題として継続的な確認対象である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,280円
base(基準)2,293円
bull(強気)2,297円
算出前提
1株純資産(BPS)2,903円
調整後予想EPS36.5円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向100.0%
予想EPSの信頼度調整×1.150(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.79倍 / 62.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,232円〜2,356円、ω±0.1で 2,274円〜2,305円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 40%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。