- 売上高: 861.41億円
- 営業利益: 37.39億円
- 当期純利益: 26.50億円
- 1株当たり当期純利益: 40.26円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 861.41億円 | 920.68億円 | -6.4% |
| 売上原価 | 764.87億円 | - | - |
| 売上総利益 | 155.80億円 | - | - |
| 販管費 | 134.15億円 | - | - |
| 営業利益 | 37.39億円 | 21.65億円 | +72.7% |
| 営業外収益 | 15.07億円 | - | - |
| 営業外費用 | 3.08億円 | - | - |
| 経常利益 | 49.82億円 | 33.64億円 | +48.1% |
| 税引前利益 | 40.10億円 | - | - |
| 法人税等 | 13.59億円 | - | - |
| 当期純利益 | 26.50億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 38.73億円 | 25.38億円 | +52.6% |
| 包括利益 | 36.73億円 | 39.17億円 | -6.2% |
| 支払利息 | 95百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 40.26円 | 26.40円 | +52.5% |
| 1株当たり配当金 | 6.50円 | 6.50円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 576.99億円 | 665.12億円 | -88.13億円 |
| 現金預金 | 140.93億円 | 126.42億円 | +14.51億円 |
| 売掛金 | 133.08億円 | 166.06億円 | -32.98億円 |
| 棚卸資産 | 16.42億円 | 18.88億円 | -2.46億円 |
| 固定資産 | 636.63億円 | 635.77億円 | +86百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.5% |
| 粗利益率 | 18.1% |
| 流動比率 | 157.6% |
| 当座比率 | 153.1% |
| 負債資本倍率 | 0.66倍 |
| インタレストカバレッジ | 39.36倍 |
| 実効税率 | 33.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -6.4% |
| 営業利益前年同期比 | +72.7% |
| 経常利益前年同期比 | +48.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +52.6% |
| 包括利益前年同期比 | -6.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 96.43百万株 |
| 自己株式数 | 182千株 |
| 期中平均株式数 | 96.22百万株 |
| 1株当たり純資産 | 761.00円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 6.50円 |
| 期末配当 | 6.50円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,210.00億円 |
| 営業利益予想 | 54.00億円 |
| 経常利益予想 | 62.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 39.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 40.57円 |
| 1株当たり配当金予想 | 7.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の市光工業は、売上減少にもかかわらず大幅な利益改善を達成した四半期だった。売上高は861.41億円で前年同期比-6.4%と縮小した一方、営業利益は37.39億円で+72.7%と急増し、営業利益率は4.34%へ上昇した。経常利益は49.82億円(+48.1%)で、営業外収益の寄与が大きく、当期純利益は38.73億円(+52.6%)と2桁成長を確保した。営業利益率は前年の約2.35%から約199bp改善し、コスト最適化やミックス改善、価格是正の効果が示唆される。純利益率も前年の約2.76%から4.50%へ約174bp改善した。粗利率は18.1%で、売上総利益155.80億円に対して販管費134.15億円(売上比15.6%)を吸収し、営業黒字を確保した。営業外収入比率は38.9%と高く、受取利息1.33億円・配当0.06億円以外の要因(為替差益等)が経常段階を押し上げた可能性がある。流動比率157.6%、当座比率153.1%と流動性は良好で、インタレストカバレッジは39.36倍と支払能力に余裕がある。総資産1,213.63億円に対し純資産732.46億円で財務レバレッジは1.66倍と保守的な水準だ。ROEは5.3%にとどまり、資本効率の観点では中立的だが、営業効率の改善が貢献した。ROICは4.2%と5%を下回り、資本コストを十分に上回れていない可能性がある点は警戒材料。キャッシュフロー情報が未開示のため、利益の現金裏付け(営業CF対純利益)やFCFの持続可能性は評価が難しい。棚卸資産16.42億円・売掛金133.08億円に対し買掛金142.21億円と、サプライヤークレジットに依存した運転資本構造はキャッシュにプラスだが、サプライヤー与信や交渉力に左右されやすい。資本政策では配当性向32.4%と適正レンジだが、総額やFCFカバレッジは不明で定量検証が未了。総じて、需要鈍化下でもマージン改善と財務健全性を示した一方、非営業要因依存とROIC低下が利益質・資本効率の課題として残る。今後は営業利益率の持続性、非営業収益の反動、運転資本の健全化とともに、ROIC>7–8%への引き上げが焦点となる。
ROE(5.3%)は、純利益率4.5% × 総資産回転率0.710 × 財務レバレッジ1.66倍の積で整合している。今期の改善インパクトが大きいのは純利益率で、営業利益率が約199bp拡大したこと、加えて営業外収益の増加で経常・純利益段階が押し上げられたことが主因。総資産回転率は0.710と製造業としては中庸で、売上が減少する中ではむしろ低下圧力があった可能性が高い一方、固定費吸収の改善やコスト効率化で利益率が上振れたとみられる。財務レバレッジは1.66倍と安定的で、ROEのボラティリティを抑制。営業面では、粗利率18.1%の維持と販管費率15.6%のコントロールが効いており、営業レバレッジはポジティブに作用した。ただし経常段階での非営業寄与(営業外収入比率38.9%)が大きく、純利益率の一部は反復性に疑義が残る。持続性という観点では、原価是正・ミックス改善による営業利益率の底上げは一定の持続可能性がある一方、為替差益などの非営業要因は一過性になりやすい。販管費の伸びは詳細未開示だが、売上減の中で販管費率を抑制できている点はポジティブ、今後は売上回復局面での規模の経済発現が鍵となる。総じて、今期のROE改善ドライバーは利益率>回転率>レバレッジの順で、なかでも非営業寄与の反動リスクに留意が必要。
売上高は861.41億円で前年同期比-6.4%とマイナス成長。市場環境(自動車生産の変動、モデルサイクル、顧客の在庫調整)を反映した需要軟化が示唆される。一方、営業利益は+72.7%と大幅増益で、価格是正・原価低減・ミックス改善(高付加価値ランプ比率上昇)などが想定される。経常利益の増加には非営業収益も寄与し、受取利息1.33億円以外に為替差益・補助金収入等の可能性があるが、反復性は限定的となりうる。利益の質は、営業段階の改善が確認できるため一定の評価が可能だが、キャッシュフロー未開示で確証は得られない。今後の見通しは、コスト最適化の定着、製品ミックスの高度化、電動化・ADAS向け照明の採用進展が支援要因。逆風は、主要顧客の生産調整、価格プレッシャー、原材料・物流コスト、為替のボラティリティ。短期的には営業利益率4%台の維持可否、中期的には5%台回復とROICの7%台への引き上げが成長仮説の中核。
流動比率157.6%、当座比率153.1%と短期流動性は健全。運転資本は210.93億円のプラスで、短期債務366.06億円に対し現金・売掛金が厚く満期ミスマッチのリスクは限定的。総負債481.16億円、負債資本倍率0.66倍で資本構成は保守的。短期借入金0.13億円と利払い負担は軽微で、インタレストカバレッジ39.36倍と支払能力は極めて強固。長期借入金・リース債務等の詳細未開示のため、有利子負債総額・ネットキャッシュ/ネットデットは評価不能。オフバランス(運転リース等)の情報は確認できず、潜在的債務の有無は不明。自己資本比率は未記載だが、純資産/総資産から概算で約60%台となり防御力は高いと見られる。
営業キャッシュフロー、投資・財務CF、設備投資額が未開示のため、営業CF/純利益、FCFの水準・安定性は評価不能。一般論として、売掛金133.08億円・買掛金142.21億円・棚卸16.42億円の構造はキャッシュコンバージョンサイクルを短縮しやすく、運転資本がキャッシュ創出に寄与する余地がある。一方で、今期の純利益増の一部が非営業収益由来であるため、営業CF/純利益が1.0倍を下回るリスクには留意が必要。運転資本操作の兆候(期末一時的な買掛増・在庫圧縮)についてはデータ不足で判定不可。配当・投資に対するFCFカバレッジの持続性も不明で、次四半期以降のCF開示が不可欠。
配当性向は計算値で32.4%と健全レンジ(<60%)に収まる。もっとも、配当金総額とFCFが未開示のため、FCFベースのカバレッジは評価できない。純利益は非営業要因の寄与もあり、キャッシュ裏付けの強さ次第では将来の増配余地は限定的となる可能性がある。ネット有利子負債やレバレッジが抑制的である点は配当の下支え。基本方針は利益連動型の継続配当と推察されるが、来期以降の投資計画・ROIC改善計画と合わせたバランスが鍵となる。
ビジネスリスク:
- 主要完成車メーカーの生産調整・モデル切替による需要変動
- 価格引下げ要請や競争激化によるマージン圧迫
- 原材料・エネルギー・物流コストの上昇
- 新製品開発の遅延・品質問題によるリコールリスク
財務リスク:
- 非営業収益依存の拡大による利益の変動性上昇
- 為替変動による評価損益・コスト構造への影響
- 運転資本の変動(買掛金比重の高さ)に伴うキャッシュフローの振れ
- 長期資金構成・リース債務の不透明性(開示不足)
主な懸念事項:
- ROICが4.2%と5%を下回り資本効率に課題
- 営業外収入比率38.9%と非営業要因の寄与が大きい点
- キャッシュフロー未開示により利益の質検証が未了
- 売上減少下での利益改善の持続性(価格・ミックス・原価施策の定着)
重要ポイント:
- 売上-6.4%でも営業利益+72.7%とマージン改善が鮮明
- 営業利益率は約199bp拡大、純利益率も約174bp改善
- 非営業収益の寄与が大きく利益の反復性に注意
- 流動性・支払能力は強固、レバレッジは低位
- ROIC 4.2%と資本効率がボトルネック
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益(ベンチマーク: >1.0倍)
- FCFと設備投資額、配当のカバレッジ
- 営業利益率の持続性(原価率・販管費率の推移)
- 非営業損益の内訳(為替差損益等)の反動
- ROIC(7–8%への軌道)と事業別収益性
セクター内ポジション:
自動車照明サプライヤーとして財務健全性は同業内で良好だが、資本効率(ROIC)と売上成長は相対的に課題。今期の利益改善は評価する一方、非営業要因の比重低減と営業CFの裏付け確認が相対評価のカタリスト。
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