- 売上高: 1,685.45億円
- 営業利益: 84.98億円
- 当期純利益: 48.58億円
- 1株当たり当期純利益: 66.11円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,685.45億円 | 1,734.02億円 | -2.8% |
| 売上原価 | 1,428.70億円 | 1,485.60億円 | -3.8% |
| 売上総利益 | 256.75億円 | 248.42億円 | +3.4% |
| 販管費 | 171.76億円 | 170.01億円 | +1.0% |
| 営業利益 | 84.98億円 | 78.40億円 | +8.4% |
| 営業外収益 | 13.90億円 | 12.74億円 | +9.1% |
| 営業外費用 | 19.24億円 | 28.63億円 | -32.8% |
| 経常利益 | 79.64億円 | 62.51億円 | +27.4% |
| 税引前利益 | 78.26億円 | 62.71億円 | +24.8% |
| 法人税等 | 29.68億円 | 28.59億円 | +3.8% |
| 当期純利益 | 48.58億円 | 34.11億円 | +42.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 43.32億円 | 29.72億円 | +45.8% |
| 包括利益 | 63.47億円 | -22.73億円 | +379.2% |
| 減価償却費 | 88.41億円 | 95.37億円 | -7.3% |
| 支払利息 | 10.73億円 | 12.65億円 | -15.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 66.11円 | 45.37円 | +45.7% |
| 1株当たり配当金 | 25.00円 | 25.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,514.79億円 | 1,469.08億円 | +45.71億円 |
| 現金預金 | 372.57億円 | 338.49億円 | +34.08億円 |
| 売掛金 | 469.92億円 | 510.33億円 | -40.41億円 |
| 棚卸資産 | 138.36億円 | 115.18億円 | +23.18億円 |
| 固定資産 | 1,429.26億円 | 1,382.18億円 | +47.08億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 169.08億円 | 155.69億円 | +13.39億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -26.63億円 | -98.33億円 | +71.70億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 1,812.60円 |
| 純利益率 | 2.6% |
| 粗利益率 | 15.2% |
| 流動比率 | 153.1% |
| 当座比率 | 139.1% |
| 負債資本倍率 | 1.30倍 |
| インタレストカバレッジ | 7.92倍 |
| EBITDAマージン | 10.3% |
| 実効税率 | 37.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.8% |
| 営業利益前年同期比 | +8.4% |
| 経常利益前年同期比 | +27.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +45.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 65.58百万株 |
| 自己株式数 | 38千株 |
| 期中平均株式数 | 65.53百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,952.20円 |
| EBITDA | 173.39億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 25.00円 |
| 期末配当 | 25.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Asia | 32.74億円 | 42.18億円 |
| Europe | 7.19億円 | 6.52億円 |
| Japan | 134.67億円 | 7.28億円 |
| NorthAmerica | 30百万円 | 26.73億円 |
| SouthAmerica | 18.93億円 | 2.17億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,300.00億円 |
| 営業利益予想 | 210.00億円 |
| 経常利益予想 | 185.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 110.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 167.91円 |
| 1株当たり配当金予想 | 25.00円 |
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2026年度Q2の武蔵精密工業は、減収ながらコスト効率改善で営業・最終利益が増加し、利益率が着実に改善した四半期でした。売上高は1,685.45億円で前年比-2.8%と縮小した一方、営業利益は84.98億円で+8.4%、経常利益は79.64億円で+27.4%、当期純利益は43.32億円で+45.8%と大幅増益です。営業利益率は5.0%(=84.98/1,685.45)と算出され、前年の概算4.5%(=78.44/1,733.98)から約+52bp拡大しました。純利益率は2.6%(=43.32/1,685.45)で、前年の概算1.7%(=29.71/1,733.98)から約+86bpの改善です。粗利益率は15.2%と開示されており、売上総利益の確保と販管費コントロールが営業段階の増益に寄与したとみられます。営業外収益は13.90億円、営業外費用は19.24億円で、受取利息2.89億円・受取配当金2.18億円が下支えしつつ、支払利息10.73億円の負担は残っています。インタレストカバレッジは7.92倍と健全域(>5倍)を確保し、金利負担耐性は良好です。営業CFは169.08億円と純利益(43.32億円)の3.90倍に達し、利益のキャッシュ創出力は高品質です。設備投資は101.07億円で、営業CFから控除した推計FCFは約68億円と前向きで、成長投資と財務安定性の両立が可能な水準です。貸借対照表では流動比率153.1%、当座比率139.1%と短期流動性は良好で、負債資本倍率1.30倍とレバレッジも過度ではありません。もっとも、ROEは3.4%と低位で、ROICは2.9%と警戒水準(<5%)にあり、資本効率の改善が最重要課題です。総資産回転率0.572、財務レバレッジ2.30倍という水準から、収益性(純利益率)のさらなる引き上げがROE改善の主戦力となります。営業外収入比率が32.1%と高めであり、営業活動からの恒常的な稼ぐ力をどこまで伸ばせるかが中期の焦点です。為替・原材料価格・自動車需要の変動に対する感応度は引き続き重要なリスクファクターです。運転資本の解放が営業CFを押し上げた可能性があるため、継続性の見極めが必要です。総じて、短期のCF・流動性は盤石、利益率は改善トレンドだが、資本効率と営業ベースの収益力強化が中期課題という評価です。
デュポン分解では、ROE 3.4% = 純利益率2.6% × 総資産回転率0.572 × 財務レバレッジ2.30倍です。現状の制約要因は純利益率で、総資産回転率やレバレッジは極端ではありません。営業利益率は約5.0%と前年概算比で約+52bp改善、純利益率も約+86bp改善しており、販管費や原価のコントロール、製品ミックス改善、価格転嫁の進展が示唆されます。一方で実効税率は37.9%と高く、純利益率の伸びを一部抑制しています。営業外では受取利息・配当が下支えする一方、支払利息負担が残り、金利先高・レバレッジ維持局面では純利益率の上振れ余地を圧迫し得ます。営業外収入比率が32.1%と相対的に高く、営業活動由来の利益成長の実需性を高めることがROEの持続的改善に不可欠です。今期は売上減の中で営業増益(負の売上レバレッジを克服)であり、コスト構造の改善が確認できますが、需要環境が軟化すると再び営業レバレッジがマイナスに転じるリスクも意識されます。販管費の明細は未開示ですが、販管費伸び率が売上伸び率を下回った可能性が高く、固定費の抑制が効いているとみられます。持続性は、価格転嫁の定着度、原材料・物流コストの動向、製品ミックス(電動化・高付加価値品比率)の進展に依存します。結論として、ROE引き上げには純利益率の更なる改善(原価率低下・固定費効率化・金利負担抑制)と、資産効率の漸進的な改善(不要資産圧縮・運転資本効率化)が主なドライバーになります。
売上は前年比-2.8%で、需要環境や為替影響が逆風となった可能性がありますが、営業利益+8.4%、純利益+45.8%と利益は堅調です。営業利益率の改善(約+52bp)から、コスト最適化とミックス改善が寄与したとみられます。EBITDAは173.39億円、EBITDAマージン10.3%と、減収下でもキャッシュ創出力は維持されています。営業外では受取利息2.89億円、受取配当金2.18億円が寄与し、金利環境の追い風も一部反映。もっとも、支払利息10.73億円の負担と高めの実効税率が純利益率のボトルネックです。需要回復が鈍い前提でも、価格・ミックス・原価の着実な改善が続けば、来期以降も営業段階の利益率は下支えされます。中期的には電動化・eAxle関連、トランスミッション・駆動系の高精度部品で付加価値を引き上げられるかが成長の鍵です。為替(円安)と原材料価格の変動は上振れ/下振れ要因となり得、顧客との価格スライド条項の有効性が持続性の分岐点です。投資規律とROIC改善に資する選択的設備投資が、成長の質の向上に直結します。
流動比率153.1%、当座比率139.1%と短期流動性は健全域で、明示的な警告水準には該当しません。負債資本倍率1.30倍、総有利子負債は短期433.43億円・長期507.00億円で、レバレッジは業界許容範囲内です。インタレストカバレッジ7.92倍と金利耐性は十分ですが、Debt/EBITDAは5.42倍とやや高めで、景気後退局面では負担感が増す可能性があります。満期ミスマッチの観点では、短期借入金433.43億円に対して現金372.57億円、売掛金469.92億円、棚卸138.36億円など流動資産1,514.79億円があり、短期債務989.59億円を十分にカバーしています。オフバランス債務は開示がなく評価不能です。純資産1,279.54億円と自己資本の厚みは十分で、資本性クッションは機能しています。
営業CFは169.08億円で純利益の3.90倍と高品質(>1.0倍)です。運転資本の解放(売掛金回収や在庫圧縮)が営業CFを押し上げた可能性があり、継続性の点検が必要です。設備投資は101.07億円で、営業CFから控除した推計FCFは約+68億円と前向きです。財務CFは-26.63億円で、純返済・配当支払等による資金流出を示唆します(配当総額は未開示)。営業CF/金利支払は十分にカバー可能で、金利上昇局面でも短期的な資金繰り耐性は高いとみられます。投資CFの詳細科目(M&A・証券投資・有形固定資産以外)は不明で、一次性の資金流出入の有無は評価に限界があります。
配当性向は計算値で75.7%とやや高めで、理想(<60%)を上回ります。純利益43.32億円ベースでの推計配当総額は約32.8億円となり、推計FCF約68億円がこれをカバーする余地はありますが、投資CFの全体像が不明なため確度は中程度です。今期は営業CFが強く、配当の短期持続性は良好と評価しますが、景気減速や運転資本の再積み上がり局面では余裕が縮小し得ます。会社方針の開示(DOEや安定配当/連結配当性向目標)の欠落により、中期的な増配余地の判断には制約があります。レバレッジとROICの改善が並行すれば、配当余力の質は高まります。
ビジネスリスク:
- 自動車生産・販売サイクルの変動による需要ボラティリティ
- 電動化移行の加速に伴う製品ポートフォリオ適合リスク
- 原材料・エネルギー・物流コストの上振れによる原価率悪化
- 主要顧客への取引依存度上昇による価格交渉力低下
- 為替変動(円高反転)による採算悪化
財務リスク:
- Debt/EBITDA 5.42倍とやや高めのレバレッジによる金利・再調達リスク
- 支払利息10.73億円の負担増リスク(金利先高・格付け変動)
- 運転資本の再積み上がりによる営業CFの反転リスク
- ROIC 2.9%と資本効率低位が継続することでの資金コスト乖離
主な懸念事項:
- ROE 3.4%・ROIC 2.9%と資本効率の構造的低さ
- 営業外収入比率32.1%と、営業ベース収益力の相対的弱さ
- 実効税率37.9%が純利益率の重石
- 投資CF・配当総額の未開示に伴うFCF余力評価の不確実性
重要ポイント:
- 減収下でも営業・最終増益、営業・純利益率ともに大幅改善(+52bp/+86bp)
- 営業CFは169億円で純利益の3.9倍、推計FCFもプラスでキャッシュ創出は良好
- 流動性は健全(流動比率153%)で、金利耐性も十分(カバレッジ7.9倍)
- 一方でROE 3.4%、ROIC 2.9%と資本効率は課題、営業外依存度も高め
- Debt/EBITDA 5.4倍とレバレッジはやや高めで、景気変動・金利上昇の影響に注意
注視すべき指標:
- 営業利益率・粗利率の継続的な改善度合い
- 運転資本回転(在庫・売掛金回収)と営業CFの持続性
- 金利負担(支払利息)とDebt/EBITDAの低下進捗
- 為替・原材料価格と価格転嫁の進捗
- ROIC・ROEのトレンド(資産売却や非中核圧縮の有無)
セクター内ポジション:
同業自動車部品セクター内では、今期はコスト効率改善と強い営業CFでディフェンシブに推移。一方、資本効率はセクター平均を下回る公算が高く、レバレッジ指標もやや高め。安定性は良好だが、資本生産性の底上げが評価の鍵。
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