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72012026 第3四半期プライムJGAAP

日産自動車(7201) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益赤字転落

2026年度第3四半期の売上高は8兆5,780億円(前年同期比-6.2%)、営業損失は101.1億円(赤字転落)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥85779.7億¥91432.1億−6.2%
営業利益−¥101.1億¥640.1億−86.6%
経常利益−¥1108.3億¥1594.2億−70.5%
純利益−¥2440.3億¥165.0億−1579.0%
ROE(年換算)−6.1%0.4%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は、増収減益ではなく減収に加えて営業損益が赤字転落した点が最重要ポイントである。売上高は8兆5,779.7億円(前年同期比-6.2%)、営業利益は-101.1億円(前年同期640.1億円から-741.2億円の悪化)、経常利益は-1,108.3億円(同-70.5%)、純利益は-2,440.3億円となった。自動車事業の減収と採算悪化が主因で、日本を中心とした固定資産減損805.9億円も損失を拡大させた。

業績変動要因

【売上高】売上高は8兆5,779.7億円で前年同期比-6.2%の減収。自動車事業の外部売上高が7兆6,547.3億円と同-7.1%で連結全体を押し下げる一方、販売金融事業は9,232.4億円と同+2.6%の増収を確保した。地域別ではアジアが同-22.7%と最大の減少率を示し、最大市場の北米も同-4.1%と縮小した。

【損益】営業利益は-101.1億円(前年同期640.1億円)で、粗利率が12.2%へ164bp低下したことが主因。販管費を1,451.3億円削減したが粗利減少を補えなかった。自動車事業の営業利益率は-3.1%(前年同期-1.8%)へ悪化し、販売金融事業は22.9%(同22.6%)と改善し連結損益を支えた。経常損益は支払利息834.0億円を含む営業外費用の重さから-1,108.3億円となり、固定資産売却益1,191.3億円と減損損失805.9億円を含む特別損益が純損失2,440.3億円(親会社株主帰属損失2,502.2億円)を拡大させた。減収減益に区分される。

セグメント別分析

自動車事業は売上高7兆7,655.8億円(セグメント間含む)に対し営業損失2,754.4億円(利益率-3.5%)となり、前年同期の-1,504.1億円から損失が拡大した。販売金融事業は売上高9,773.0億円、営業利益2,240.7億円(利益率22.9%)で、前年同期比営業利益+4.5%と唯一の増益セグメントである。連結営業利益率は0.7%から-0.1%へ悪化しており、自動車事業の採算悪化が構造的な要因である。地域別では北米が外部売上高4兆7,612.4億円で最大規模を占め、アジアは3,852.3億円で同-22.7%と減少率が最も大きい。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は-0.1%(前年同期0.7%)、純利益率(親会社株主帰属)は-2.9%と赤字転換している。粗利率は12.2%で前年同期13.9%から低下し、販管費率12.4%を差し引いても営業損失となる構造。【キャッシュ品質】営業CFは1,323.1億円の黒字だが、自動車事業単体の営業CFは-5,414.8億円と赤字であり、販売金融事業の営業CF6,737.9億円が連結を支えている。固定資産売却益1,191.3億円と減損損失805.9億円が混在し、当期損益の持続性評価には注意を要する。【投資効率】ROEは年換算-6.1%で、自動車事業の低採算が資本効率を押し下げている。【財務健全性】自己資本比率は27.0%(前年同期27.5%相当)、社債残高は2兆6,710.8億円で前年同期比+56.3%と増加し、外部調達への依存度が高まっている。現金及び預金は1兆6,420.4億円で短期の流動性は確保されている。

キャッシュフロー分析

営業CFは1,323.1億円の黒字(前年同期比+184.5%)となったが、投資CFが-6,518.2億円の支出となり、フリーCFは-5,195.2億円と赤字である。営業CFの内訳をみると、運転資本変動前の小計は4,122.4億円のプラスであるものの、仕入債務の減少が-2,546.3億円、利息の支払が-2,647.2億円と資金を圧迫している。セグメント別では自動車事業の営業CFが-5,414.8億円と赤字で、販売金融事業の営業CF6,737.9億円が連結全体を補完する構図であり、製造・販売本体のキャッシュ創出力は弱い。投資CFの支出を補うため財務CFは4,314.5億円の流入となり、社債発行等による資金調達がフリーCF赤字を穴埋めしている。

収益の質

当期の損益には一時的要因が大きく影響している。特別利益には固定資産売却益1,191.3億円が含まれ、特別損失には主に日本の自動車事業固定資産に係る減損損失805.9億円が含まれるため、両者の差額-973.0億円が税引前損失2,081.2億円の拡大に寄与した。営業外収益981.2億円のうち受取利息532.6億円と為替差益196.8億円が主要項目であり、本業の採算改善を示すものではない。一方で営業外費用は支払利息834.0億円を中心に1,988.5億円に達し、経常段階での損失を拡大させている。売上債権の減少(前年同期比-26.8%)は営業CB上の売上債権回収1,804.7億円と整合しており、資金効率上はプラスに働いたが、売上減少という要因も含まれるため単純に質の向上とは言い切れない。包括利益は-436.6億円で、純利益-2,440.3億円との乖離は為替換算調整額+2,207.6億円が主因であり、海外資産の円換算差が損益の見た目を和らげている。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高11兆9,000億円(前年比-5.8%)、営業損益-600.0億円、EPS予想-186.04円、配当予想0円である。売上高の進捗率は72.1%で、四半期累計の標準的な進捗75%をやや下回る。一方、営業損失101.1億円は通期予想の営業損失600.0億円の16.8%にとどまり、第4四半期にかけて損失が拡大する前提が置かれている。親会社株主帰属損失についても、通期予想6,500億円に対しQ3累計は2,502.2億円で進捗38.5%であり、下期に構造改革関連費用等の追加計上が見込まれる会社計画となっている。

株主還元

第2四半期配当および通期配当予想はいずれも1株当たり0円であり、無配が継続している。自社株買いもわずか0.01億円にとどまり、株主還元による資金流出はほぼ生じていない。親会社株主帰属損失2,502.2億円、フリーCF-5,195.2億円という状況下では、無配継続はキャッシュ・資本の保全と整合的な対応といえる。

リスク要因

  1. 自動車事業の採算悪化: 営業損失2,754.4億円、営業利益率-3.5%(前年同期-1.8%相当から悪化)であり、値引き・商品ミックス・固定費吸収の状況次第でさらなる損失拡大の可能性がある。

  2. 地域別の需要変動: 北米は外部売上高の過半を占める最大市場であり、アジアは前年同期比-22.7%と急減している。これら主要地域の需要・競争環境の変化が連結業績に直結する。

  3. 財務負担の高まり: 社債残高が前年同期比+56.3%の2兆6,710.8億円に増加し、支払利息834.0億円が営業損失下で負担となっている。フリーCF-5,195.2億円を財務CFの調達で補う構造が続くと、資金調達環境の変化への感応度が高まる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−0.1%8.6% (4.3%–12.7%)−8.7pt
純利益率−2.8%6.4% (2.8%–10.3%)−9.3pt

業種内では収益性が中央値を大きく下回る位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−6.2%3.3% (-2.1%–8.9%)−9.5pt

売上成長も業種中央値を下回り、製造業内での劣後が確認される。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 連結損益は自動車事業と販売金融事業で明暗が分かれている。自動車事業の営業利益率-3.5%に対し販売金融事業は22.9%であり、連結キャッシュフローも金融事業への依存度が高い構造が確認できる。

  2. 特別損益では固定資産売却益1,191.3億円と減損損失805.9億円が同時に発生しており、当期の損益水準を単純に前年と比較する際にはこの一時的要因の影響を考慮する必要がある。

  3. 通期会社予想は売上進捗72.1%に対し損失進捗が更に深くなる前提であり、第4四半期における追加費用計上の有無が通期実績を左右する構造となっている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)714円
base(基準)762円
bull(強気)812円
算出前提
1株純資産(BPS)1,523円
調整後予想EPS−186.0円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.000(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)

感応度: 株主資本コスト±1%で 742円〜783円、ω±0.1で 741円〜775円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。