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71842026 通期プライムJGAAP

富山第一銀行(7184) 2026年度通期決算 増収・経常益11%増

2026年度通期の売上高は531.5億円(前年同期比+9.6%)、経常利益は209.9億円(同+10.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥531.5億¥485.1億+9.6%
営業利益---
経常利益¥209.9億¥189.6億+10.7%
純利益¥150.6億¥133.5億+6.0%
ROE7.6%8.8%-

Executive Summary

金利上昇局面での資金運用収益拡大を主因に、増収増益となった。経常収益は531.5億円(前年比+9.6%)、経常利益は209.9億円(同+10.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は150.6億円(同+12.7%)となった。貸出金利息および有価証券利息・配当金の増加が収益を牽引したが、預金利息を中心とする資金調達費用も199.1%増と急増しており、資産利回りの改善が調達コスト上昇を上回った結果、利益成長が実現した。

業績変動要因

【売上高】経常収益は531.5億円で前年比+9.6%。銀行業が454.1億円(構成比85.4%、YoY+8.3%)を占め、収益の中心となった。サービス別では有価証券投資業務収益が301.7億円(経常収益の56.8%)で貸出業務収益126.5億円を上回り、最大の収益源となっている。リース業は60.5億円(+6.4%)、その他事業は16.9億円(+84.7%)で、いずれも規模は小さい。預金は1兆4,277.2億円(+3.7%)、貸出金は1兆330.2億円(+2.8%)と、預貸両面で規模拡大が続いている。

【損益】経常利益は209.9億円(+10.7%)、純利益は150.6億円(+12.7%)。資金運用収益が前年比+16.7%増加した一方、預金金利上昇により資金調達費用が+199.1%と急増し、利ざや動向のモニタリングが重要となる。セグメント別では銀行業の利益率44.8%(+5.8%増益)が主導し、リース業は利益率1.8%(-82.8%)まで悪化した。特別損益は僅少で一時的要因の影響は限定的であり、増収増益の決算内容である。

セグメント別分析

銀行業は経常収益454.1億円、セグメント利益203.6億円、利益率44.8%と収益の柱を成し、前年比では収益+8.3%、利益+5.8%の伸びを示した。リース業は経常収益60.5億円(+6.4%)に対しセグメント利益は1.1億円(-82.8%)と大幅に悪化し、利益率は1.8%に低下した。その他事業(クレジットカード業務等)は経常収益16.9億円(+84.7%)、セグメント利益10.0億円(+33.2%)、利益率59.5%と高い収益性を維持している。銀行業への収益・利益の集中度が高く、非銀行部門、特にリース業の採算悪化がグループ収益構造上の懸念材料となる。

主要財務指標

【収益性】純利益率は28.3%で前年27.5%から改善し、経常利益率も39.5%と前年39.1%から上昇した。一般管理費比率は25.1%と前年26.9%から低下し、営業レバレッジは改善している。【キャッシュ品質】営業CFは177.4億円で純利益の1.18倍を確保し、アクルーアル比率もマイナス0.2%と低く、利益の現金裏付けは良好である。【投資効率】ROEは7.6%で、一般事業会社の優良基準10%には届かないが、総資産回転率0.031回・財務レバレッジ8.57倍という銀行業特有の資本構成を反映している。【財務健全性】自己資本比率は11.7%で最低規制水準8%を上回るが、健全性の目安12%にはわずかに届かない。預貸率は72.4%で適正圏にあり、預金の増加と貸出金の増加が並行して進んでいる。

キャッシュフロー分析

営業CFは177.4億円で、前年3,353百万円から大幅に増加し、純利益150.6億円の1.18倍のカバレッジを確保した。投資CFは134.1億円の支出で、うち設備投資は3.3億円にとどまり、減価償却費11.3億円に対する比率は0.29倍と低水準にある。営業CFから投資CFを差し引いたフリーCFは43.3億円の黒字である。財務CFは39.7億円の支出で、配当支払29.7億円および自己株式取得10.0億円が主因である。現金及び現金同等物は期末802.2億円で、期中に3.5億円増加した。営業活動によるキャッシュ創出が投資・株主還元の主な原資となっているが、設備投資水準の低さは、システム更改やデジタル化投資の余力を継続的に確認すべき点である。

収益の質

税引前利益209.9億円と経常利益209.9億円はほぼ同水準であり、当期利益は特別損益によらず経常的な収益力に基づいている。特別利益は0.01億円の固定資産処分益にとどまり、特別損失は計上されていないため、一時的要因による利益の押し上げは見られない。法人税等は59.4億円で実効税率は28.3%と通常の範囲にあり、税引前利益から純利益への移行に大きな歪みはない。営業CFは純利益の1.18倍であり、アクルーアル比率もマイナス0.2%と低いことから、当期利益は現金創出を伴う質の高いものと評価できる。なお包括利益は500.0億円と純利益を大きく上回っており、その他有価証券評価差額金344.7億円の増加が主因であるため、市場価格変動に伴う資本の振れ幅には留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想は経常利益180.0億円、純利益130.0億円、年間配当75円であるのに対し、実績は経常利益209.9億円(予想比116.6%)、純利益150.6億円(予想比115.8%)、年間配当84円(予想比+9円)となり、いずれも予想を上回って着地した。予想では経常利益・純利益とも前年比二桁減益が見込まれていたが、実績は増益となっており、資金運用収益の拡大が保守的な予想想定を上回ったことがうかがえる。

株主還元

年間配当は中間28円・期末56円の合計84円で、配当性向(配当総額52.8億円÷純利益150.6億円)は35.2%である。配当のみでみた配当性向は前年16.3%から大きく上昇しており、増配が進んだ。自己株式取得10.0億円を加えた総還元性向は約41.7%となり、配当性向・総還元性向いずれも過度な水準ではない。フリーキャッシュフロー43.3億円に対する年間配当総額のカバレッジは約0.80倍であり、当期の配当は会計利益では十分にカバーされるが、フリーキャッシュフロー単独では余裕が限定的である。

リスク要因

  1. 金利マージン圧縮リスク: 資金調達費用は前年比+199.1%、預金利息は+205.8%と急増し、資金運用収益の+16.7%を大幅に上回っている。預金金利上昇が資産利回り改善を上回る局面では、経常利益率の圧縮要因となり得る。

  2. 有価証券・市場価格への依存: 有価証券投資業務収益は301.7億円で経常収益の56.8%を占め、有価証券残高も556.0億円と総資産の32.7%を占める。その他有価証券評価差額金344.7億円の増加が包括利益・純資産増加の主因であり、金利・株価変動時にはOCIの逆回転リスクがある。

  3. リース事業の採算悪化と事業集中: リース業のセグメント利益は前年比-82.8%、利益率1.8%まで低下した。一方で銀行業が経常収益の85.4%を占めており、非銀行部門の収益貢献低下と銀行業への収益集中が構造的な特徴となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(bank)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率28.3%11.9% (7.2%–35.4%)+16.4pt

純利益率は業種中央値を大幅に上回り、業種内でも上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.6%10.1% (7.3%–12.1%)−0.5pt

売上高成長率は業種中央値とほぼ同水準で、IQR内に収まっている。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 経常利益・純利益はいずれも前年比二桁増となり、通期予想も大きく上回って着地したが、予想自体は前年比減益を見込んでいた点が特徴的である。資金調達費用の増加ペースが今後の利益動向を左右する構造にある。

  2. 営業CFは純利益の1.18倍、アクルーアル比率もマイナス0.2%と、当期利益のキャッシュ裏付けは良好である。一方で設備投資/減価償却比率は0.29倍と低く、投資活動の水準については継続的な確認が必要である。

  3. 包括利益500.0億円は純利益を大幅に上回り、その他有価証券評価差額金の増加が純資産増加を主導している。自己資本の拡大に市場価格変動の要素が大きく寄与している点は、決算の質を評価する上で留意すべき事実である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。