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71502026 第3四半期スタンダードJGAAP

島根銀行(7150) 2026年度第3四半期決算 増収・経常益42%減

2026年度第3四半期の売上高は82.1億円(前年同期比+6.4%)、経常利益は4.7億円(同-42.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社島根銀行

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥82.1億¥77.2億+6.4%
営業利益---
経常利益¥4.7億¥8.1億−42.1%
純利益¥4.8億¥6.4億−24.7%
ROE(年換算)4.8%5.7%-

Executive Summary

経常収益は増加したものの、資金調達費用と経費の急増により経常利益・純利益は大幅減益となった決算である。経常収益は前年同期比+6.4%の82.1億円、経常利益は同△42.1%の4.68億円、親会社株主に帰属する純利益は同△24.7%の4.78億円となった。資金運用収益は貸出金利息の伸びを主因に+18.6%増加したが、預金利息が前年同期4.76億円から11.74億円へ急増し、経費も+22.5%増加したため、増収を利益成長に結びつけられなかった。

業績変動要因

【売上高】経常収益は82.1億円(前年比+6.4%)。資金運用収益は56.89億円(同+18.6%)で、貸出金利息46.13億円(同+17.8%)が牽引した。一方、役務取引等利益は0.48億円(同△31.4%)と減少し、金利収益以外の収益源が弱含んだ。貸出金は3,941.17億円(同+1.5%)、預金は5,326.60億円(同+1.1%)と安定的に拡大しており、預貸率は74.0%で標準的な水準を維持している。

【損益】資金調達費用は11.87億円(同+146.8%)と急増し、うち預金利息は11.74億円(前年4.76億円)に達した。純資金利益は45.02億円(同+4.3%)にとどまり、調達コスト上昇が利ざや拡大を吸収した。経費は42.53億円(同+22.5%)と増収率を大きく上回り、経常利益率は10.48%から5.70%へ478bp低下した。特別利益0.16億円の計上もあり純利益は経常利益を上回ったが、本業の収益力は悪化している。増収減益。

主要財務指標

【収益性】経常利益率は5.70%で前年同期の10.48%から478bp低下し、純利益率は5.8%である。年換算ROEは4.8%、NIMは1.14%にとどまり、銀行収益性の目安である1.5%を下回る水準にある。【キャッシュ品質】資金運用収益の増加は貸出金利息の伸びに支えられているが、調達費用の増加ペースがそれを上回り、純資金利益の伸びは+4.3%にとどまっている。【投資効率】ROICは4.6%で、投下資本に対する収益創出力は低位にとどまる。証券残高は136.34億円ではなく1,363.42億円(前年比+15.9%)と拡大しており、運用資産構成の変化が進んでいる。【財務健全性】連結自己資本比率は2.3%で前年同期の2.6%から低下し、純資産は132.94億円(前年比△11.0%)へ減少した。その他有価証券評価差額金はマイナス111.87億円(前年マイナス92.40億円)へ悪化しており、資本の変動性が高まっている。

キャッシュフロー分析

CF計算書データは開示されていないため、バランスシートの推移から資金動向を分析する。預金は5,326.60億円(前年比+1.1%)へ拡大し、調達基盤は安定的に伸長した一方、預金利息の急増(前年4.76億円→11.74億円)が調達コストを押し上げている。運用面では貸出金が3,941.17億円(同+1.5%)、証券が1,363.42億円(同+15.9%)と拡大しており、預金増加分が貸出・有価証券運用へ振り向けられた構図が読み取れる。現金預け金は257.76億円(前年比△44.6%)と大きく減少しており、流動性資産から有価証券・貸出への資金シフトが進んでいる。借用金は201.48億円(同+0.9%)とほぼ横ばいであり、外部調達への依存度に大きな変化はない。

収益の質

経常利益の減益は主に構造的な要因によるもので、資金調達費用の増加と経費増が継続的な収益圧迫要因となっている。特別損益は特別利益0.16億円のみで、一時的要因の寄与は限定的である。税負担面では実効税率が1.0%程度と低く、税前利益4.85億円に対し税金費用は0.05億円にとどまり、純利益が経常利益を上回る構図となっている。包括利益はマイナス14.52億円で、純利益4.78億円との乖離が大きい。乖離の主因はその他有価証券評価差額金の悪化(マイナス19.15億円)であり、金利上昇・市場価格変動による含み損拡大が資本の質を押し下げている。損益計算書上の利益と包括的な資本変動の間に大きな差があることから、評価差額を含めた収益の質を継続的に監視する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対するQ3累計の進捗率は、経常収益77.7%、経常利益104.0%、親会社株主帰属純利益129.2%である。標準的な進捗率75%と比較すると、経常利益は29.0ポイント、純利益は54.2ポイント上回っており、Q3時点で経常利益・純利益ともに通期予想を超過している。通期予想の親会社株主帰属純利益3.70億円はQ3累計実績4.78億円を下回るため、Q4にかけて有価証券関係損益や信用コスト、季節性費用などを保守的に織り込んだ計画である可能性がある。通期経常利益予想は4.50億円(前年比△47.5%)であり、収益性の下振れを前提とした計画となっている。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり5.00円、通期会社予想の年間配当は10.00円である。Q3累計純利益4.79億円に対する中間配当ベースの配当性向は8.8%、通期予想純利益3.70億円を分母とした場合の配当性向は約22.2%であり、いずれも持続可能性の目安とされる60%を大きく下回る。自己株式は19.45万株で、取得額の開示はなく自社株買いに関する情報はないため、ここでは配当性向のみを評価対象とする。配当水準自体の利益負担は軽いが、自己資本比率2.3%への低下や有価証券評価差額の悪化を踏まえると、配当余力は利益水準だけでなく資本の安定性と併せて評価する必要がある。

リスク要因

  1. 利ざや圧迫リスク: NIMは1.14%と警戒水準とされる1.5%を下回る。資金調達費用が前年同期比+146.8%増加しており、預金金利上昇を貸出・有価証券利回りへ十分転嫁できなければ、利ざやと経常利益がさらに圧迫される可能性がある。

  2. 費用増加による営業レバレッジ悪化: 経費は前年同期比+22.5%増と経常収益の伸び+6.4%を大幅に上回った。人件費やシステム投資などの増勢が続けば、コスト・インカム比率(現状51.8%)のさらなる上昇につながりうる。

  3. 資本の安定性リスク: 連結自己資本比率は2.3%と前年同期の2.6%から低下した。その他有価証券評価差額金の悪化(マイナス111.87億円)を背景に包括利益が赤字となっており、純資産は前年同期比△11.0%減少している。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(bank)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率5.8%

純利益率は業種比較データが限定的であり、絶対水準としての評価にとどまる。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)6.4%

売上高成長率も同様に業種中央値データが限定的であり、自社の増収傾向のみが確認できる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 経常収益は増加したが、預金利息を中心とする資金調達費用の急増と経費増加により経常利益は△42.1%の減益となった。増収減益の構図であり、利ざや管理とコスト統制が今後の収益動向を左右する。

  2. NIM 1.14%、年換算ROE 4.8%、ROIC 4.6%はいずれも収益性・資本効率の面で低位にあり、資本効率改善の余地が示唆される。一方で預貸率74.0%は標準的なレンジを維持しており、資金運用構造自体は安定している。

  3. 連結自己資本比率は2.3%へ低下し、有価証券評価差額の悪化により包括利益は赤字、純資産は前年同期比△11.0%減少した。通期予想に対するQ3累計の進捗率は経常利益104.0%、純利益129.2%と高いが、資本の安定性は継続的な確認が必要な項目である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。