クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥339.0億 | ¥334.2億 | +1.4% |
| 営業利益 | ¥7.5億 | ¥8.3億 | −10.1% |
| 経常利益 | ¥8.4億 | ¥9.5億 | −11.8% |
| 純利益 | ¥4.7億 | ¥6.0億 | −22.2% |
| ROE | 5.6% | 7.4% | - |
Executive Summary
2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高339.0億円(前年比+4.8億円 +1.4%)、営業利益7.5億円(同-0.8億円 -10.1%)、経常利益8.4億円(同-1.1億円 -11.8%)、純利益4.7億円(同-1.3億円 -22.2%)となった。微増収減益の基調で、営業利益率は2.2%(前年2.5%から-0.3pt)、純利益率は1.4%(前年1.8%から-0.4pt)へ低下した。総資産は199.7億円(前年181.2億円から+18.5億円増)、純資産は83.3億円(前年80.8億円から+2.5億円増)となり、自己資本比率は41.7%で推移している。
業績変動要因
【売上高】外部顧客への売上高は339.0億円で前年334.2億円から+4.8億円(+1.4%)の微増となった。セグメント別では、人財系フィールドが199.7億円(うち製造請負・派遣事業93.1億円、技術者派遣事業106.6億円)、モノ・コトづくりフィールドが139.1億円(うちEMS事業121.9億円、社会サポート事業17.2億円)で構成される。前年同期比では製造請負・派遣が+1.6億円(+1.7%)、技術者派遣が+5.5億円(+5.5%)増加し、人財系フィールド全体で+7.1億円の増収となった。一方、EMS事業は-4.7億円(-3.7%)の減収、社会サポート事業は+2.6億円(+17.8%)の増収となり、モノ・コトづくりフィールド全体では-2.2億円の減収となった。売上構成では人財系フィールドが59.0%を占め主力事業の位置づけにある。
【損益】売上総利益は65.8億円で、粗利益率は19.4%(前年19.2%から+0.2pt)とわずかに改善したが、販売費及び一般管理費が58.2億円(前年56.6億円から+1.6億円 +2.8%)増加した。販管費の伸び率が売上成長率を上回り、営業利益は7.5億円へ-0.8億円(-10.1%)減少、営業利益率は2.2%へ低下した。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は+0.9億円で前年+1.2億円から縮小し、経常利益は8.4億円(-11.8%)となった。税金等調整前四半期純利益は7.7億円、法人税等は3.0億円で実効税率は約39.4%と高水準となり、税負担が利益率を圧迫した。この結果、純利益は4.7億円(-22.2%)へ大幅減少した。セグメント利益は人財系が9.0億円(前年7.3億円から+1.7億円)、モノ・コトづくりが0.3億円(前年2.7億円から-2.4億円)となり、モノ・コトづくりフィールドにおける利益悪化が全社営業減益の主因である。特にEMS事業は営業損失0.1億円(前年営業利益3.5億円)へ転落した。全社費用は1.7億円(前年1.6億円)で横ばいとなった。結論として、増収減益のパターンであり、粗利率微改善にもかかわらず販管費増とセグメント別採算悪化が減益を招いた。
セグメント別分析
報告セグメントは「人財系フィールド」と「モノ・コトづくりフィールド」の2区分で、人財系フィールドはさらに製造請負・派遣事業(売上93.1億円、営業利益4.6億円)と技術者派遣事業(売上106.6億円、営業利益4.4億円)に区分される。人財系フィールド全体では売上199.7億円(全体の59.0%)、営業利益9.0億円で、営業利益率は4.5%となり主力事業の位置づけである。モノ・コトづくりフィールドはEMS事業(売上121.9億円、営業損失0.1億円)と社会サポート事業(売上17.2億円、営業利益0.4億円)から構成され、モノ・コトづくり全体では売上139.1億円(全体の41.0%)、営業利益0.3億円で営業利益率は0.2%と極めて低い。前年同期比では、人財系の営業利益が7.3億円から9.0億円へ+1.7億円(+23.3%)改善した一方、モノ・コトづくりは2.7億円から0.3億円へ-2.4億円(-89.2%)急減し、セグメント間の収益性格差が顕著である。EMS事業の営業損失転落が全社減益の主因であり、事業再構築の進捗が注視される。
主要財務指標
【収益性】ROE 5.6%(前年7.4%から低下)、ROA 2.3%(総資産199.7億円に対する純利益4.7億円)、営業利益率 2.2%(前年2.5%から-0.3pt)、純利益率 1.4%(前年1.8%から-0.4pt)、粗利益率 19.4%(前年19.2%から+0.2pt)。実効税率は約39.4%と高く利益成長を抑制している。【キャッシュ品質】現金及び預金53.8億円、短期負債88.7億円に対する現金カバレッジ0.6倍。四半期累計のため営業CFと純利益の比較データは未開示。【投資効率】総資産回転率 1.70倍(売上339.0億円/総資産199.7億円)で業種内では高回転を維持している。財務レバレッジは2.40倍(総資産199.7億円/純資産83.3億円)。【財務健全性】自己資本比率 41.7%、流動比率 188.6%(流動資産167.2億円/流動負債88.7億円)、当座比率 167.2%、負債資本倍率 1.40倍。有利子負債は17.7億円で前年12.0億円から+5.7億円増加し、内訳は短期借入金11.8億円(前年2.8億円から+9.0億円)、長期借入金5.9億円(前年9.2億円から-3.3億円)となり、短期債務への集中が顕著である。短期負債比率は66.6%で高水準にあり、リファイナンス管理が課題となる。
キャッシュフロー分析
四半期累計のためキャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は53.8億円で前年52.0億円から+1.8億円増加し、短期的な流動性は確保されている。運転資本面では、売掛金59.2億円(前年57.8億円から+1.4億円)、棚卸資産19.0億円(前年15.0億円から+4.0億円)と資金拘束が拡大した。DSO(売掛金回転日数)は約64日で前年約63日から微増し、棚卸資産回転日数は約20日で前年約16日から延伸傾向にある。買掛金は22.1億円(前年23.4億円から-1.3億円)減少し、サプライヤークレジット活用は前年より低下した。有利子負債は17.7億円へ+5.7億円増加したが、その大半は短期借入金11.8億円の急増(前年2.8億円から+9.0億円、+329.1%)によるもので、短期資金調達に依存した資金繰りとなっている。長期借入金は5.9億円へ-3.3億円減少し、借入の短期化が進行した。流動比率188.6%と流動性自体は健全だが、短期負債の高比率は借換タイミングや金利環境の影響を受けやすく、運転資本拡大と短期債務集中の二面から資金管理が重要となる。
収益の質
経常利益8.4億円に対し営業利益7.5億円で、営業外純収益は約0.9億円となる。営業外収益の構成は開示が限定的だが、営業外損益が経常利益に対して相対的に小幅であり、収益構造は営業本業に依存している。営業外収益が売上高の約0.3%程度で推移し、金融収益や持分法投資利益などの寄与は限定的である。純利益4.7億円は経常利益8.4億円から法人税等3.0億円を控除した結果で、税引前利益に対する税負担率は約39.4%と高い。実効税率の高さは税効果会計上の繰延税金資産の積み増しや税務上の損金算入制約を示唆する。営業CFの開示がないため、アクルーアル(純利益と営業CFの差)の観点からの収益品質は判定できないが、運転資本の拡大(売掛金・棚卸資産増、買掛金減)は利益に対するキャッシュ裏付けの低下を示唆する。総じて、利益構造は営業活動主体で営業外依存は低いが、運転資本管理と税負担がキャッシュ創出力に影響を与えている。
業績予想・ガイダンス
通期業績予想は売上高467.0億円(前年比+4.8%)、営業利益11.0億円(同+4.9%)、経常利益11.5億円(同-5.3%)、純利益7.1億円(同-9.4%)で据え置かれている。第3四半期累計時点での進捗率は、売上高72.6%、営業利益67.7%、経常利益72.9%、純利益65.5%となる。標準進捗率75.0%と比較すると、売上高は-2.4pt、営業利益は-7.3pt、純利益は-9.5ptの遅れとなっており、特に利益系項目で第4四半期の挽回が必要となる。通期営業利益11.0億円達成には第4四半期単独で3.5億円の営業利益(四半期ベース過去最高水準)が求められ、通期純利益7.1億円達成には第4四半期単独で2.4億円の純利益が必要である。第3四半期までの販管費増加ペースと粗利率微改善トレンドを踏まえると、営業レバレッジ改善またはセグメント採算の急速な回復が前提となる。経常利益予想が前年比マイナスとなっている点は、営業外収益の減少見通しを示唆する。予想の前提条件として、人財需給環境の安定と製造業向けサービス需要の回復が想定されるが、第3四半期までの実績を鑑みると達成には慎重な監視を要する。
株主還元
年間配当は20円(中間配当0円、期末配当20円)を予定しており、前年実績20円(中間0円、期末20円)から据え置きとなっている。通期予想純利益7.1億円に対する配当総額(発行済株式約639.7万株ベース)は約1.3億円で、配当性向は約18.1%と低位にある。一方、第3四半期累計実績純利益4.7億円ベースで通期配当20円を年換算すると、実績純利益6.3億円想定で配当性向は約20.3%となる。自社株買いの実施は開示資料から確認できず、株主還元は配当に限定される。総還元性向は配当性向と同値の約18.1%(通期予想ベース)となる。現金及び預金53.8億円に対し配当総額約1.3億円は十分にカバーされるが、営業CFの開示がないため配当のキャッシュ持続性は営業CF創出力次第となる。運転資本の拡大と短期借入金増加を考慮すると、配当維持には営業CFの安定的創出が前提となる。配当性向が低位である点は増配余地を示唆する一方、通期純利益予想達成の不確実性を踏まえた保守的配当政策と評価できる。
リスク要因
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セグメント採算悪化リスク: EMS事業が営業損失0.1億円へ転落し、モノ・コトづくりフィールド全体の営業利益率が0.2%と極めて低水準にある。前年営業利益3.5億円から-3.6億円の悪化であり、事業再構築の遅延は全社収益性を圧迫する。定量影響として、EMS事業の赤字継続は四半期あたり約0.05億円のマイナス寄与となる。
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短期負債集中とリファイナンスリスク: 短期借入金が11.8億円へ+9.0億円(+329.1%)急増し、短期負債比率66.6%と高水準にある。借換タイミングや金利環境変化の影響を受けやすく、短期資金調達コストの上昇は財務費用増につながる。現時点の支払利息は年間約0.3億円水準だが、短期金利が1%上昇した場合、短期借入金11.8億円に対し追加年間約0.1億円の利息負担増となる。
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運転資本拡大と現金創出力低下リスク: 売掛金+1.4億円、棚卸資産+4.0億円の増加に対し買掛金-1.3億円の減少により、運転資本は約6.7億円の資金拘束増となる。DSOは約64日で回収遅延警告ライン(60日超)に入り、棚卸回転日数も延伸傾向にある。運転資本効率の悪化は営業CF創出を圧迫し、配当や投資への資金充当余力を低下させる。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)IT・通信業種における2025年第3四半期ベンチマークとの比較において、同社の収益性と効率性の位置づけを確認する。収益性では、営業利益率2.2%は業種中央値8.0%(IQR: 3.6%〜17.4%, n=103)を大幅に下回り、業種内下位に位置する。純利益率1.4%も業種中央値5.8%(IQR: 2.2%〜12.0%, n=103)に対し-4.4ptの差で下回る。ROE 5.6%は業種中央値8.2%(IQR: 3.5%〜13.1%, n=103)を-2.6pt下回り、ROA 2.3%も業種中央値3.9%(IQR: 1.4%〜6.9%, n=103)を-1.6pt下回る。効率性では、総資産回転率1.70倍は業種中央値0.68倍(IQR: 0.49〜0.94, n=103)を大幅に上回り、資本効率面での強みを示す。売掛金回転日数は約64日で業種中央値61.76日(IQR: 46.68〜83.09日, n=92)と同水準だが、棚卸資産回転日数は約20日で業種中央値16.51日(IQR: 4.19〜47.60日, n=56)をやや上回る。財務健全性では、自己資本比率41.7%は業種中央値59.0%(IQR: 42.0%〜71.7%, n=103)を-17.3pt下回り、レバレッジ活用度が高い。流動比率1.89倍は業種中央値2.13倍(IQR: 1.56〜3.56倍, n=93)を下回るが、短期流動性リスクは限定的である。売上高成長率+1.4%は業種中央値+10.4%(IQR: -1.3%〜+19.7%, n=101)を大幅に下回り、成長ペースで業種平均に劣後する。総じて、同社は高い総資産回転率を強みとする一方、営業利益率・純利益率・ROEで業種平均を下回り、収益性改善が業種内競争力強化の鍵となる。(出所: 当社集計、比較対象: IT・通信業種2025年Q3, n=103社)
決算上の注目ポイント
決算上の注目ポイントとして、以下3点が挙げられる。第一に、セグメント別採算の二極化である。人財系フィールドは営業利益率4.5%で安定収益基盤を形成する一方、モノ・コトづくりフィールドは営業利益率0.2%まで低下し、特にEMS事業の赤字転落が全社減益の主因となっている。セグメント再編後の収益構造において、モノ・コトづくりの収益改善が通期業績達成と中期的な利益成長に不可欠である。第二に、短期負債への集中と運転資本拡大の同時進行である。短期借入金が+9.0億円急増し短期負債比率66.6%となる中、売掛金・棚卸資産の増加により運転資本が約6.7億円拡大した。短期的な流動性は確保されているが、営業CF創出力の確認と短期債務の借換計画が株主価値維持の観点から重要となる。第三に、通期業績予想に対する進捗遅延である。営業利益進捗率67.7%、純利益進捗率65.5%は標準進捗75.0%を下回り、第4四半期での挽回が求められる。販管費増加トレンドと粗利率微改善を踏まえると、第4四半期の営業レバレッジ改善またはセグメント採算の急回復が前提となり、通期予想達成の蓋然性には慎重な評価を要する。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比1.4%増の338.97億円となった一方、営業利益は同10.1%減の7.45億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同22.2%減の4.66億円となり、増収減益である。売上高の増加額は4.79億円にとどまる一方、売上総利益は1.18億円増加した。粗利益率は前年同期の19.0%から19.4%へ約38bp改善しており、売上原価の伸びが売上高を下回ったことはプラス材料である。他方、販管費は前年同期比5.5%増の58.17億円となり、売上高の伸びを上回った。販管費率は16.5%から17.2%へ約66bp上昇し、粗利率の改善を上回るコスト負担増が営業利益率を圧迫した。営業利益率は2.5%から2.2%へ約28bp低下し、5%未満という営業効率警告に該当する。純利益率も1.8%から1.4%へ約42bp低下した。経常利益は8.39億円で営業利益を0.94億円上回ったが、補助金収入1.15億円を含む営業外収益が利益を補完している。特別損失0.69億円の計上により、税引前利益から純利益への変換も弱まった。実効税率は39.4%であり、税負担係数は0.605と、通常の目安である0.70を下回る。年換算ROEは7.5%で、収益性ベンチマーク上は要注意の8%未満に位置する。もっとも、流動比率188.6%、当座比率167.2%、インタレストカバレッジ67.73倍と、短期流動性および利払い余力は良好である。有利子負債は17.71億円、Debt/Capital比率は17.5%に抑制され、過大なレバレッジは確認されない。最大の業績上の焦点は、EMS事業が前年同期の3.48億円の利益から0.13億円の損失へ転じたことである。一方で、製造請負・派遣事業は増収かつ大幅増益、社会サポート事業も黒字転換しており、事業ポートフォリオ内で明暗が分かれた。通期会社予想に対する売上高進捗率は72.6%、営業利益進捗率は67.7%、純利益進捗率は65.6%であり、第4四半期には利益率改善を伴う収益の積み上げが必要となる。今後は、EMS事業の採算回復、販管費の売上成長率を上回る増加の抑制、ならびに短期借入金増加の背景と借換方針が重要である。
収益性分析
デュポン分析では、年換算ROE 7.5%は、純利益率1.4%×総資産回転率2.263回×財務レバレッジ2.40倍で構成される。ROEを制約している最大の要因は純利益率1.4%であり、資産回転率は人材サービス・製造支援を中心とする事業モデルとして相対的に高い一方、低マージンを十分に補えていない。営業利益率は前年同期の2.5%から2.2%へ約28bp低下し、純利益率は同1.8%から1.4%へ約42bp低下した。粗利益率は19.0%から19.4%へ約38bp改善しているため、利益率悪化の主因は原価ではなく販管費率の約66bp上昇である。販管費は5.5%増と売上高の1.4%増を上回り、営業レバレッジは逆方向に働いた。製造請負・派遣事業は売上高93.13億円、前年同期比1.7%増、セグメント利益4.60億円、同65.5%増であり、セグメント利益率も3.0%から4.9%へ改善した。技術者派遣事業は売上高106.42億円、同5.5%増である一方、セグメント利益は4.39億円、同2.4%減となり、利益率は4.5%から4.1%へ低下した。EMS事業は売上高121.89億円、同3.7%減、セグメント損失0.13億円となり、前年同期の3.48億円の利益から大きく悪化した。社会サポート事業は売上高16.83億円、同18.0%増、セグメント利益0.42億円となり、前年同期の0.83億円の損失から黒字転換した。営業利益への寄与額が最大の主力事業は、セグメント利益4.60億円の製造請負・派遣事業である。なお、全社費用は1.68億円で前年同期の1.61億円から増加しており、各事業の収益改善が連結営業利益へ反映されにくい構造となっている。営業外では補助金収入1.15億円が経常利益を下支えしており、営業利益ベースでの収益力回復を確認する必要がある。
成長性評価
売上成長率は1.4%にとどまり、通期売上高予想467.00億円の達成には第4四半期で128.03億円の売上高が必要である。第3四半期累計の売上進捗率は72.6%で、標準進捗率75%を2.4ポイント下回る。人財系フィールドでは、製造請負・派遣事業が堅調に増収増益となり、技術者派遣事業も増収を確保したため、人材需要を取り込む基盤は維持されている。社会サポート事業は売上高が18.0%増加し黒字転換しており、成長・採算両面で改善がみられる。これに対し、売上構成上最大のEMS事業は3.7%減収かつ赤字化しており、全社利益成長の阻害要因となった。売上高の持続性は人材系フィールドの需要拡大に支えられる一方、EMS事業の受注・稼働および採算の回復度合いに左右される。通期営業利益予想11.00億円に対する進捗率は67.7%で、標準進捗率を7.3ポイント下回る。通期純利益予想7.10億円に対する進捗率は65.6%である。会社計画達成には、第4四半期に営業利益3.55億円、純利益2.44億円が必要であり、累計営業利益率2.2%を上回る収益性の確保が焦点となる。
財務健全性
流動比率は188.6%、当座比率は167.2%であり、流動資産167.23億円が流動負債88.66億円を78.57億円上回る。現金預金は53.83億円、売掛金は59.23億円で、短期的な運転資金需要に対する資産流動性は高い。総負債は116.33億円、純資産は83.35億円で、負債資本倍率は1.40倍であり、警戒水準である2.0倍を下回る。有利子負債は17.71億円、Debt/Capital比率は17.5%であり、資本構成は保守的である。インタレストカバレッジは67.73倍と高く、支払利息0.11億円に対する営業利益のカバー力は十分である。一方、短期負債比率は66.6%で、品質アラートの67%超に該当し、負債の満期が短期に偏っている。短期借入金は前年同期の2.75億円から11.80億円へ9.05億円増加し、329.1%増となった。長期借入金は7.99億円から5.91億円へ2.08億円減少しており、借入期間の短期化が進んでいる。現金預金は短期借入金の4.56倍であり、現時点の返済原資には余力があるが、短期借入金の増加は借換・資金需要への依存度を高めるため、資金使途と満期管理を監視する必要がある。棚卸資産は15.04億円から19.03億円へ3.99億円、26.5%増加し、売上高の伸びを大きく上回った。製品在庫の増加は、EMS事業の減収・赤字化と併せて、在庫回転、滞留および評価損のリスクを高めうる。退職給付に係る負債は14.30億円で、総負債の12.3%を占めるが、長期性の負債として資金繰りを直ちに圧迫する水準ではない。のれんは2.23億円で純資産比2.7%、総資産比1.1%にとどまり、M&A価値への依存度やのれん減損リスクは限定的である。
B/S変動のポイント
短期借入金: +9.05億円(+329.1%)- 2.75億円から11.80億円へ急増。長期借入金の減少と併せ、資金調達の短期化がみられるため、借換方針と資金使途を監視する必要がある。棚卸資産: +3.99億円(+26.5%)- 15.04億円から19.03億円へ増加。売上高成長率1.4%を大幅に上回っており、EMS事業の減収・赤字化と併せて在庫回転、滞留および評価リスクを注視する。長期借入金: -2.08億円(-26.0%)- 7.99億円から5.91億円へ減少。短期借入金の増加と対照的であり、負債の満期構成が短期側へ移行している。自己株式: +0.40億円(簿価負債が33.3%縮小)- 自己株式はマイナス1.20億円からマイナス0.80億円へ縮小。純資産への負の控除額が減少している。
キャッシュフロー品質
配当持続性
第2四半期配当は1株当たり20.00円であり、累計純利益4.66億円に対する配当性向は27.8%である。これは配当金のみを分子とする配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向ではない。27.8%は持続可能性の目安である60%を下回り、利益ベースの配当負担は重くない。通期配当予想は1株当たり40.00円、通期EPS予想111.79円に対して、予想配当性向は約35.8%となる。通期会社予想の達成を前提とすれば、配当政策は利益水準に対して一定の余裕を維持する。利益進捗が通期予想を下回っているため、第4四半期の利益回復が通期配当の裏付けとして重要となる。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度・高影響: EMS事業は売上高が前年同期比3.7%減の121.89億円、セグメント損益は3.48億円の黒字から0.13億円の赤字へ悪化した。製造・EMS領域の需要変動、顧客の生産計画変更、稼働率低下および価格競争が連結利益を大きく左右する。、高優先度・中影響: 売上構成上重要な人材サービス事業は、採用競争、人件費上昇、派遣スタッフの稼働率および顧客企業の設備投資・生産活動に影響を受ける。技術者派遣事業は5.5%増収にもかかわらず2.4%減益であり、単価・人件費のバランスが課題である。、中優先度・中影響: 棚卸資産が26.5%増加しており、特に製品在庫の滞留、需要予測のずれ、在庫評価損がEMS事業の採算悪化を増幅させる可能性がある。、中優先度・中影響: 事業区分をビジネスフィールド軸へ再編しており、マネジメント体制変更後の責任分担、コスト配賦および事業間シナジーの実現度合いが収益改善に影響する。、中優先度・低影響: 海外事業を含むその他事業では為替差損0.26億円が発生しており、為替変動は営業外損益の変動要因となる。が挙げられます。
財務リスクとしては、高優先度・中影響: 短期負債比率66.6%は警告基準の40%を上回る。短期借入金が329.1%増加しているため、現金余力はあるものの、借換条件の悪化や短期資金市場の変動に対する感応度が高まった。、中優先度・中影響: 営業利益率2.2%、純利益率1.4%と低く、販管費率の上昇が続く場合には小幅な売上・粗利変動でも利益が大きく振れやすい。、中優先度・低影響: 税負担係数0.605、実効税率39.4%は純利益への変換効率を抑制している。特別損失0.69億円も当期純利益を圧迫した。、低優先度・低影響: のれんは純資産比2.7%にとどまり、のれん由来の減損リスクは現時点では限定的である。が挙げられます。
主な懸念事項としては、品質アラートの営業効率警告について、EBITマージン2.2%は5%未満であり、増収を利益成長へ転換できていない。粗利率は改善したが、販管費の伸びが売上成長を上回る状況の是正が必要である。、品質アラートの低粗利警告について、粗利益率19.4%は20%未満である。前年同期比では約38bp改善したものの、低マージン事業では人件費・原材料費・稼働率の変化に対する利益感応度が高い。、品質アラートのリファイナンスリスク警告について、短期負債比率66.6%と短期借入金の急増は満期集中を示す。ただし、流動比率188.6%、現金預金53.83億円、現金/短期借入金4.56倍、インタレストカバレッジ67.73倍は、足元の返済能力を支える。、通期営業利益予想に対する進捗率は67.7%にとどまり、第4四半期での利益率改善が必要である。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、増収を維持した一方、営業利益は10.1%減、純利益は22.2%減となり、収益性の改善が最優先課題である。、製造請負・派遣事業の増益と社会サポート事業の黒字転換は前向きだが、EMS事業の赤字化が連結利益を大きく押し下げた。、粗利益率は約38bp改善したが、販管費率が約66bp上昇しており、コスト規律の回復が必要である。、流動性、利払い能力、有利子負債水準は健全であり、財務余力は一定程度確保されている。、短期借入金の329.1%増と棚卸資産の26.5%増は、資金効率と在庫管理の観点から注視を要する。が挙げられます。
注視すべき指標は、EMS事業の売上高、セグメント利益およびセグメント利益率、製造請負・派遣事業および技術者派遣事業の単価・稼働率・人件費の動向、連結販管費率と営業利益率、棚卸資産残高、特に製品在庫の回転と評価損、短期借入金残高、借換条件および短期負債比率、通期営業利益予想11.00億円に対する第4四半期の利益創出です。
セクター内ポジションについては、年換算ROE 7.5%、営業利益率2.2%、純利益率1.4%はいずれも示された一般的な収益性ベンチマークでは要注意領域にある。一方、流動比率188.6%、当座比率167.2%、Debt/Capital比率17.5%、インタレストカバレッジ67.73倍は財務安全性の面で良好であり、評価上は低収益性と良好な流動性・ソルベンシーが併存する位置付けとなる。