記事一覧に戻る
70712026 第2四半期プライムJGAAP

アンビスホールディングス(7071) 2026年度第2四半期決算

2026年度第2四半期の売上高は256億円(前年同期比+7.5%)、営業利益は28億円(同-25.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥256.0億¥238.2億+7.5%
営業利益¥28.0億¥37.4億−25.1%
経常利益¥27.9億¥38.1億−26.8%
純利益¥19.0億¥26.9億−29.5%
ROE(年換算)10.0%14.9%-

Executive Summary

2026年3月期第2四半期(中間期)は増収減益となり、売上成長を上回る原価上昇が収益性を圧迫した。売上高は256.0億円(前年比+7.5%)と拡大した一方、営業利益は28.0億円(同△25.1%)、経常利益は27.9億円(同△26.8%)、純利益は19.0億円(同△29.5%)といずれも減益となった。主因は主力の医心館事業における原価率上昇で、粗利率は32.5%から27.6%へ低下している。

業績変動要因

【売上高】売上高は256.0億円で前年同期比+7.5%増収。主力の医心館セグメントが250.3億円(構成比97.8%、YoY+6.1%)、総合医療支援セグメントが5.7億円(構成比2.2%、YoY+149.6%)と、いずれも増収に寄与した。総合医療支援は小規模ながら高成長を続けている。

【損益】営業利益は28.0億円(YoY△25.1%)で、増収にもかかわらず減益となった。売上原価は185.4億円(YoY+15.6%)と売上成長を大幅に上回り、粗利率は前年同期の32.5%から27.6%へ491bp低下した一方、販管費率は16.8%から16.6%へ改善しており、収益悪化は原価率上昇が主因である。セグメント別では医心館の利益率が15.6%から9.9%へ570bp低下し連結減益を牽引した一方、総合医療支援は利益率57.1%(YoY利益+376.5%)と対照的な動きを見せた。経常利益は27.9億円(YoY△26.8%)、純利益は19.0億円(YoY△29.5%)で、支払利息増加(3.37億円、前年2.53億円)が経常段階でさらに利益を押し下げた。総括すると増収減益であり、主力事業の採算改善が今後の焦点となる。

セグメント別分析

医心館は売上高250.3億円(構成比97.8%、YoY+6.1%)、セグメント利益24.8億円(YoY△32.5%)、利益率9.9%(前年15.6%)と、増収ながら利益率が大きく低下した。総合医療支援は売上高5.7億円(構成比2.2%、YoY+149.6%)、セグメント利益3.2億円(YoY+376.5%)、利益率56.9%と高収益だが規模は小さく、連結業績への影響は限定的である。連結営業利益減益の大半は医心館の採算悪化に起因する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.0%で前年同期の15.7%から低下、純利益率も7.4%と前年同期11.3%から387bp低下した。粗利率27.6%(前年32.5%)の低下が主因で、販管費率は16.6%(前年16.8%)とわずかに改善している。【キャッシュ品質】営業CFは37.7億円で純利益19.0億円の約2.0倍と、利益の現金裏付けは良好である。【投資効率】ROE(年換算)は10.0%で、設備投資32.3億円は減価償却費15.9億円の約2.0倍にあたり、施設投資を継続している。【財務健全性】自己資本比率は45.2%(前年43.0%)と改善し、流動資産200.0億円は流動負債171.3億円を上回る。一方で有利子負債は248.5億円、長期借入金は198.5億円と大きく、財務レバレッジの水準はモニタリングが必要な状況にある。

キャッシュフロー分析

営業CFは37.7億円で前年同期比+14.8%増加し、純利益19.0億円を上回る水準を確保した。投資CFは32.3億円の流出で、その大半は設備投資32.3億円であり、施設拡張投資が継続している。財務CFは21.6億円の流出で、短期借入金の削減(前年比26.99億円減)が主な要因である。この結果、営業CFから設備投資を控除したフリーキャッシュフローは5.4億円の黒字を維持し、現金及び現金同等物は16.2億円減少して92.1億円となった。配当支払3.9億円も営業CFの範囲内で賄われており、上期の資金繰りは健全に推移した。

収益の質

営業外収益3.4億円、営業外費用3.6億円(うち支払利息3.4億円)はいずれも前年同期からの増加であり、経常的な金利負担が経常利益を圧迫している。特別損益は特別利益0.3億円、特別損失0.1億円(固定資産除却損)と小規模で、当期損益への影響は限定的であり、今回の減益は一時的要因ではなく本業の原価率上昇によるものと判断できる。包括利益は19.0億円で純利益19.0億円とほぼ一致しており、その他包括利益項目(退職給付調整額0.0億円)は僅少で、会計利益と包括利益の乖離は小さい。営業CFが純利益を上回る水準にあることも、利益の質が現金面で裏付けられていることを示す。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高49.5%(予想517.0億円)、営業利益73.8%(予想38.0億円)、経常利益84.5%(予想33.0億円)、純利益90.3%(予想21.0億円)であり、利益面は標準的な50%進捗を大きく上回っている。これは通期予想が下期の利益率回復を前提とせず保守的に設定されていることを示唆し、下期は営業利益ベースで9.96億円程度の水準が見込まれる計算となる。業績予想・配当予想ともに当四半期での修正は行われていない。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり0円、通期配当予想は1株当たり4.0円である。期中平均株式数97,713,903株に基づく年間配当総額は概算3.9億円で、通期純利益予想21.0億円に対する配当性向は約18.6%と算出され、利益水準に対して抑制的な還元姿勢がうかがえる。上期のフリーキャッシュフロー5.4億円は通期予想配当総額を上回っており、現時点の配当水準はキャッシュフローの裏付けを伴っている。

リスク要因

  1. 主力事業の採算悪化: 医心館は連結売上の97.8%を占める主力事業だが、セグメント利益率が前年同期の15.6%から9.9%へ570bp低下した。人件費や稼働率などの原価要因の改善が連結収益回復の前提となる。

  2. 財務レバレッジの高さ: 有利子負債248.5億円に対しDebt/EBITDA倍率は高水準にあり、支払利息も前年同期の2.53億円から3.37億円へ増加している。EBITDAインタレストカバレッジは十分な水準を保つが、利益率低下が続く局面ではモニタリングが必要である。

  3. 売上債権回収の長期化: 売掛金は92.6億円で前年同期比+0.7億円増加し、年換算の売上債権回転日数は66日程度に達している。回収条件の変化が続けば運転資本や営業CFに影響を及ぼす可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.0%17.3% (4.1%–24.5%)−6.3pt
純利益率7.4%13.0% (2.0%–16.2%)−5.6pt

自社の収益性は業種中央値を下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)7.5%22.5% (16.2%–26.8%)−15.0pt

自社の売上成長率は業種中央値を大きく下回り、成長性の面でも見劣りする水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は7.5%増収を確保したものの、粗利率が491bp低下したことで営業利益は25.1%減となり、増収減益の構図が明確化した。主力の医心館事業における原価率上昇が連結収益性を左右する構造にある。

  2. 営業CFは純利益の約2.0倍の水準を確保し、フリーキャッシュフローも5.4億円の黒字を維持するなど、利益の現金裏付けは良好である。一方で有利子負債水準や売上債権回転日数の長期化は、今後の資金効率上の注目点となる。

  3. 通期予想に対する利益進捗率は73.8%~90.3%と高水準だが、これは下期の利益率回復ではなく保守的な計画設定を反映したものであり、下期の医心館の採算動向が通期着地を左右する。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)341円
base(基準)348円
bull(強気)350円
算出前提値
1株純資産(BPS)387円
調整後予想EPS23.9円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向18.6%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 14.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 338円〜358円、ω±0.1で 347円〜349円。

注記:

  • のれん償却 0.2円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 通期予想に対する純利益の進捗(90%)が標準(50%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。