クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥329.9億 | ¥347.9億 | −5.2% |
| 営業利益 | ¥23.1億 | ¥12.0億 | +92.2% |
| 経常利益 | ¥22.6億 | ¥10.0億 | +126.2% |
| 純利益 | ¥15.7億 | ¥8.8億 | +77.7% |
| ROE(年換算) | 16.8% | 10.9% | - |
Executive Summary
当期は減収ながら採算改善により大幅増益となった決算であり、造船案件の原価管理と工事損失引当金の縮小が利益回復を主導した。売上高は329.9億円(前年比-5.2%)、営業利益は23.1億円(同+92.2%)、経常利益は22.6億円(同+126.2%)、純利益は15.7億円(同+77.7%)となった。売上原価が減収率を上回る速度で縮小し、粗利率は9.9%へ改善、これが増益の中核要因である。
業績変動要因
【売上高】売上高は329.9億円で前年同期比-5.2%となった。セグメントはShip単一で、売上326.6億円・営業利益31.6億円(利益率9.7%)を計上しており、事業のほぼ全てを占める。減収の背景には工事進行・引渡しタイミングの影響が想定され、通期予想465.0億円に対する進捗率は70.9%とやや低水準にある。
【損益】売上原価は297.2億円(前年比-8.9%)と減収率を上回るペースで縮小し、売上総利益は32.8億円、粗利率9.9%(前年6.1%から+3.8pt)に改善した。販管費は9.7億円(同+4.5%)と増加したが、粗利改善がこれを吸収し、営業利益は23.1億円(利益率7.0%、前年3.4%から+3.6pt)となった。前年同期に発生していた為替差損0.8億円が当期は解消し、経常利益は22.6億円(同+126.2%)まで拡大した。特別損益はネットで0.1億円弱の損失にとどまり影響は軽微。法人税等6.8億円を計上後、純利益は15.7億円(同+77.7%)。工事損失引当金が前年同期12.4億円から2.6億円へ大幅縮小したことも増益に寄与しており、減収増益の構図である。
セグメント別分析
セグメントはShipの単一区分で、売上高326.6億円、営業利益31.6億円、利益率9.7%となっている。全社営業利益23.1億円との差は本社費等の配分によるものであり、造船事業単体の採算は全社平均を上回る水準にある。
主要財務指標
【収益性】営業利益率7.0%(前年3.4%)、純利益率4.8%(前年2.5%)と大幅に改善した。粗利率は9.9%と絶対水準は低いが、前年同期の6.1%からは3.8pt改善している。【キャッシュ品質】現金及び預金は149.7億円と前年同期47.0億円から大幅増加し、売掛金は68.0億円へ66.0%減少しており、回収進展が現金増加の一因となっている。【投資効率】年換算ROEは16.8%で、純利益率・総資産回転率・財務レバレッジの掛け算により形成されており、財務レバレッジの寄与が大きい。【財務健全性】自己資本比率は31.4%(前年25.6%から+5.8pt)に改善したが、総資産に対し契約負債113.4億円を含む負債構成が大きく、流動比率は112.4%と資金繰り余力は限定的である。
キャッシュフロー分析
現金及び預金は149.7億円となり前年同期の47.0億円から102.7億円増加した。この増加は売掛金の68.0億円への減少(前年比-66.0%)と方向性が一致しており、代金回収の進展を反映していると考えられる。一方で契約負債(前受金)は113.4億円と前年同期138.7億円から25.3億円減少しており、前受金の減少と現金増加が同時に生じているため、現金増加を収益力のみに帰属させることは適切でない。仕掛品は25.4億円と前年同期比で大幅増加し、工事進行に伴う資金拘束が増している。長期借入金は14.5億円へ11.8億円減少し、借入負担は軽減傾向にある。
収益の質
当期の利益改善は主に売上原価の削減と工事損失引当金の縮小という事業構造上の要因によるものであり、特別損益の影響は軽微である。特別利益0.3億円と特別損失0.3億円はほぼ相殺し、純利益への影響は限定的である。営業外収益は0.6億円と売上高の0.2%にとどまり、受取配当金0.3億円・受取利息0.1億円への依存も小さい。前年同期に計上されていた為替差損0.8億円が当期は発生しておらず、これが経常利益の伸びを押し上げた一時的な改善要因として認識できる。包括利益は17.0億円で純利益15.7億円との差は主に有価証券評価差額金1.2億円によるものであり、両者の乖離は大きくない。総じて、当期の増益は持続的な原価管理改善によるものと、為替差損消滅という一時的要因の両方から構成されている。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高465.0億円(前年比+4.1%)、営業利益26.0億円(同+83.7%)、経常利益24.5億円(同+108.0%)である。Q3累計の進捗率は売上高70.9%、営業利益88.7%、経常利益92.4%であり、利益面は標準的な75%進捗を大きく上回る。売上進捗が相対的に低い一方、利益進捗が先行しているため、Q4に必要な売上は約135億円、営業利益は約2.9億円にとどまる。通期計画自体が前年比で大幅な増益を見込んでおり、当期までの採算改善の継続が前提となっている。
株主還元
通期の配当予想は1株当たり100円である。期中平均株式数1,694,788株から算定される配当総額は約1.7億円で、通期純利益予想20.0億円に対する配当性向は約8.5%となる。前年同期の1株当たり配当は40円であり、通期予想は前年実績から増配となる計画である。利益剰余金は106.7億円と前年同期比15.0億円増加しており、配当原資の蓄積は進んでいる。
リスク要因
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造船案件の採算変動リスク: 粗利率は9.9%まで改善したが絶対水準は低く、資材・労務費の変動や工程遅延、設計変更が個別案件の採算に影響しやすい。工事損失引当金は2.6億円へ縮小したが、追加計上の可能性は残る。
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仕掛品の高水準化: 仕掛品は25.4億円と前年同期比で大幅増加し、棚卸資産の大部分を占める。長期建造工程の進行を反映するが、工程遅延や原価再見積りが生じた場合、利益認識と資金回収に影響する。
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運転資本構造に伴う財務指標の変動: 契約負債113.4億円を含む負債構成により総負債は純資産を上回る水準にあり、流動比率も112.4%と資金繰り余力は限定的である。顧客への引渡し進捗や前受金の変動が短期の資金需要を左右する。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(manufacturing)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.0% | 8.6% (4.3%–12.7%) | −1.6pt |
| 純利益率 | 4.8% | 6.4% (2.8%–10.3%) | −1.7pt |
収益性は前年から大きく改善したものの、業種中央値には依然として届いていない水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | −5.2% | 3.3% (-2.1%–8.9%) | −8.5pt |
売上成長率は業種中央値を大きく下回っており、トップラインでは業種内で見劣りする位置づけにある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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減収下でも営業利益率が前年比+3.6pt改善しており、造船案件の採算回復が業績変化の中心となっている。工事損失引当金の縮小がこの改善を支えている。
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累計営業利益・経常利益は通期計画に対して88.7%・92.4%まで進捗し、売上進捗70.9%を上回るペースにある。Q4の売上計上動向と案件採算の再現性が通期着地を左右する構造にある。
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仕掛品25.4億円、契約負債113.4億円という長期工事型の運転資本構造は、今後の資金・利益変動の主要な観察点となる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 8,552円 |
| base(基準) | 8,951円 |
| bull(強気) | 9,340円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 7,370円 |
| 調整後予想EPS | 1,301.3円 |
| 株主資本コスト r | 10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 8.5% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.103(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.21倍 / 6.9倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 8,691円〜9,223円、ω±0.1で 8,911円〜9,011円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。