記事一覧に戻る
69822026 第3四半期スタンダードJGAAP

リード(6982) 2026年度第3四半期決算 増収5%

2026年度第3四半期の売上高は32.6億円(前年同期比+5.2%)、営業損失は2.5億円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社リード

自動車・輸送機/輸送用機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥32.6億¥31.0億+5.2%
営業利益−¥2.5億−¥1.0億−135.6%
経常利益−¥2.0億−¥0.5億−302.0%
純利益−¥2.2億−¥0.9億−134.4%
ROE(年換算)−11.4%−4.8%-

Executive Summary

売上高は5.2%増収となったが、粗利益率の大幅低下により営業損失が拡大しており、増収・赤字拡大型の決算である。売上高は32.57億円(前年30.97億円、YoY+5.2%)、営業利益は-2.45億円(前年-1.04億円)、経常利益は-2.05億円(前年-0.51億円)、純利益は-2.18億円(前年-0.93億円)となった。売上原価が前年比12.1%増と売上成長率を上回るペースで増加し、粗利益率は11.2%から5.3%へ584bp低下したことが、増収にもかかわらず損益悪化を招いた主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は32.57億円で前年同期比+5.2%増加した。電子機器事業を含む製造業として売上は拡大したが、通期予想50.00億円に対する進捗率は65.1%にとどまり、標準的な75%水準を下回っている。

【損益】売上原価が前年比12.1%増の30.85億円となり、売上増加率を上回ったため粗利益率は11.2%から5.3%へ584bp低下した。販管費は4.18億円と前年比7.0%減少したが、粗利益の減少幅を相殺できず、営業損失は-1.04億円から-2.45億円へ拡大した。営業外収益0.91億円(うち受取配当金0.41億円)が経常損失を一部緩和したものの、支払利息0.42億円が負担となり経常損失は-2.05億円となった。固定資産除却損0.16億円等の特別損失差引0.13億円も加わり、純損失は-2.18億円へ拡大した。結論として増収減益(赤字拡大)である。

セグメント別分析

セグメント損益は経常損失と一致する開示であり、賃貸不動産は営業外で処理されている。その他区分(電子機器事業)を含め、報告セグメント別の詳細な営業損益データは開示されていない。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は-7.5%(前年-3.4%)、純利益率は-6.7%(前年-3.0%)で、粗利益率5.3%が販管費率12.8%を下回る本業採算の問題を反映している。年換算ROEは-11.4%で、純利益率マイナス・総資産回転率0.487倍・財務レバレッジ3.51倍の3要素分解では純利益率の悪化が主因である。【キャッシュ品質】原材料在庫は前年比20.7%増の2.20億円、仕掛品は同112.2%増の0.48億円に達し、生産・調達段階での資金滞留がみられる一方、完成品は17.2%減少している。年換算DSOは約60日、DIOは約27日、DPOは約34日、CCCは約52日と試算され、運転資本サイクル自体は極端な長期化ではない。【投資効率】年換算ROICはマイナス6.9%であり、投下資本が収益を生まない状態が続いている。総資産回転率0.487倍は低位で、総資産89.19億円に対する収益創出力に改善余地がある。【財務健全性】自己資本比率は28.5%(前年33.0%)へ低下し、D/E比率は2.51倍、Debt/Capital比率は59.8%と資本構成の保守性は限定的である。インタレストカバレッジはマイナス5.81倍で、営業利益による支払利息の吸収ができていない。流動比率は101.5%で、短期借入金16.45億円に対し現金預金16.07億円と現金/短期負債は0.98倍にとどまり、流動性バッファーは薄い。

キャッシュフロー分析

CF計算書の開示はないため、B/S推移から資金動向を分析する。現金及び預金は前年同期比12.0%増の16.07億円となった一方、短期借入金は16.45億円、長期借入金は21.29億円で有利子負債合計は37.74億円に達し、借入による資金調達が現金水準を下支えしている構造がうかがえる。リース資産は前年比231.9%増の6.96億円となっており、設備投資の一部がリースを通じて実行された可能性がある。建設仮勘定は60.7%減少しており、建設中投資が稼働資産へ振り替わったとみられる。利益剰余金は前年比57.9%減の1.78億円へ急減しており、営業損失の継続が内部留保を圧縮し、内部資金創出力の低下を示唆している。投資有価証券は前年比26.7%増の11.86億円で、資金の一部が有価証券投資に向けられている。

収益の質

経常損失を構成する営業外収益0.91億円のうち受取配当金が0.41億円と約45%を占め、本業とは異なる経常的な収益源となっている。一方、支払利息0.42億円は借入金負担に伴う経常的な費用であり、営業損失の圧迫要因が継続する構造である。特別損益は固定資産売却益0.04億円に対し固定資産除却損0.16億円が計上され、差引0.13億円の一時的な損失要因となったが、通期損益に与える影響は限定的である。在庫(原材料・仕掛品)の増加は将来の売上原価やアクルーアルの観点で留意点であり、在庫評価と生産進捗の確認が収益の質を見極める上で重要となる。全体として、損失の主因は営業外・特別要因ではなく粗利益率低下という本業要因にあり、経常的な収益力の低下が中心である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想では売上高50.00億円(前年比+19.4%)、営業損失1.20億円、経常損失0.80億円、純損失0.90億円が示されている。Q3累計の売上進捗率は65.1%で標準的な75%水準を下回る一方、営業損失の進捗率は204.2%、純損失の進捗率は242.2%に達しており、損益面では通期予想を大きく超過する損失が既に発生している。通期計画の達成にはQ4単独で営業利益・純利益への急反転が必要であり、現時点の累計収益性との乖離は大きい。

株主還元

通期予想では1株当たり配当金10円が示されており、自己株式控除後株式数を基準とした年間配当総額は概算0.26億円となる。ただし通期純損失予想0.90億円、Q3累計純損失2.18億円がすでに計上されており、配当性向は損失計上により純利益ベースでは有意に算定できない。配当の維持は本業の黒字化、借入金の借換え状況、現金水準に依存する状況であり、モニタリングが必要である。自社株買いに関する情報は開示されておらず、総還元性向の評価は行わない。

リスク要因

  1. 収益性低下リスク: 粗利益率が前年同期比584bp低下し5.3%となった。原材料・加工費・販売価格のいずれかの採算悪化が続く場合、増収でも営業赤字が拡大する構造的リスクがある。

  2. 財務レバレッジ・流動性リスク: D/E比率2.51倍、インタレストカバレッジ-5.81倍、短期借入金16.45億円に対する現金/短期負債0.98倍という水準にあり、借換え・返済対応が短期的な流動性を左右する。

  3. 在庫滞留リスク: 原材料在庫が前年比20.7%増の2.20億円、仕掛品が同112.2%増の0.48億円となっており、需要変動や生産進捗の遅延が在庫評価および資金効率に影響する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−7.5%8.6% (4.3%–12.7%)−16.1pt
純利益率−6.7%6.4% (2.8%–10.3%)−13.1pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、製造業ベンチマークの中でも下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.2%3.3% (-2.1%–8.9%)+1.9pt

売上成長率は業種中央値を上回るが、収益性の低さと対照的な構図となっている。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が5.2%増加した一方、粗利益率の584bp低下により営業損失は2.45億円へ拡大しており、増収が利益改善に結びついていない点が決算の中心的な特徴である。

  2. 通期予想に対しQ3累計の営業損失進捗率は204.2%、純損失進捗率は242.2%に達しており、Q4における採算改善の有無が通期計画達成の可否を左右する。

  3. 利益剰余金は前年同期比57.9%減の1.78億円へ急減しており、赤字の継続は内部留保および配当原資、財務柔軟性への影響が観察される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)619円
base(基準)630円
bull(強気)641円
算出前提
1株純資産(BPS)981円
調整後予想EPS−34.8円
株主資本コスト r10.87%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.000(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)

感応度: 株主資本コスト±1%で 613円〜647円、ω±0.1で 620円〜636円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。