- 売上高: 2,120.51億円
- 営業利益: 161.63億円
- 当期純利益: 142.58億円
- 1株当たり当期純利益: 47.32円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,120.51億円 | 2,039.61億円 | +4.0% |
| 売上原価 | 1,106.69億円 | 1,000.77億円 | +10.6% |
| 売上総利益 | 1,013.81億円 | 1,038.84億円 | -2.4% |
| 販管費 | 852.18億円 | 717.66億円 | +18.7% |
| 営業利益 | 161.63億円 | 321.18億円 | -49.7% |
| 営業外収益 | 38.79億円 | 31.25億円 | +24.1% |
| 営業外費用 | 12.40億円 | 7.31億円 | +69.6% |
| 持分法投資損益 | 98百万円 | 4.17億円 | -76.5% |
| 経常利益 | 188.02億円 | 345.12億円 | -45.5% |
| 税引前利益 | 207.16億円 | 354.35億円 | -41.5% |
| 法人税等 | 61.53億円 | 100.34億円 | -38.7% |
| 当期純利益 | 142.58億円 | 185.73億円 | -23.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 142.03億円 | 251.45億円 | -43.5% |
| 包括利益 | 219.55億円 | 246.80億円 | -11.0% |
| 減価償却費 | 188.92億円 | 167.18億円 | +13.0% |
| 支払利息 | 8.04億円 | 1.74億円 | +362.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 47.32円 | 81.19円 | -41.7% |
| 1株当たり配当金 | 38.00円 | 38.00円 | +0.0% |
| 年間配当総額 | 117.90億円 | 117.90億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,364.46億円 | 2,390.09億円 | -25.63億円 |
| 現金預金 | 905.59億円 | 970.21億円 | -64.62億円 |
| 売掛金 | 466.06億円 | 457.17億円 | +8.89億円 |
| 棚卸資産 | 144.26億円 | 154.58億円 | -10.32億円 |
| 固定資産 | 2,185.62億円 | 1,956.24億円 | +229.38億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 377.84億円 | 380.51億円 | -2.67億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -421.66億円 | -736.99億円 | +315.33億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -28.43億円 | 125.58億円 | -154.01億円 |
| フリーキャッシュフロー | -43.82億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 7.6% |
| 総資産経常利益率 | 4.2% |
| 配当性向 | 46.8% |
| 純資産配当率(DOE) | 3.6% |
| 1株当たり純資産 | 1,076.18円 |
| 純利益率 | 6.7% |
| 粗利益率 | 47.8% |
| 流動比率 | 217.9% |
| 当座比率 | 204.6% |
| 負債資本倍率 | 0.41倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +4.0% |
| 営業利益前年同期比 | -49.7% |
| 経常利益前年同期比 | -45.5% |
| 当期純利益前年同期比 | -23.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -43.5% |
| 包括利益前年同期比 | -11.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 319.19百万株 |
| 自己株式数 | 20.43百万株 |
| 期中平均株式数 | 300.17百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,082.65円 |
| EBITDA | 350.55億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 38.00円 |
| 期末配当 | 38.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ElectronTube | 5.60億円 | 189.53億円 |
| ImagingAndMeasurementInstruments | 77百万円 | 96.98億円 |
| Laser | 1.99億円 | -43.65億円 |
| OptoSemiconductor | 9.67億円 | 125.83億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,220.00億円 |
| 営業利益予想 | 172.00億円 |
| 経常利益予想 | 202.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 143.00億円 |
| 1株当たり配当金予想 | 19.00円 |
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2025年度Q4の浜松ホトニクスは、売上は堅調に拡大した一方で、利益は大幅減益となり、マージンが大きく悪化した四半期でした。売上高は2,120.51億円で前年比+4.0%と増収を確保しました。営業利益は161.63億円で前年比-49.7%と半減、経常利益は188.02億円で-45.5%、当期純利益は142.03億円で-43.5%の大幅減益です。営業利益率は7.6%(=161.63/2,120.51)で、前年の約15.8%(逆算)から約814bpの収縮となりました。粗利益率は47.8%と高水準を維持しつつも、販管費比率の上昇が営業段階での圧迫要因となりました。営業外収入は38.79億円と営業利益の支えとなり、営業外収入比率は28.0%と非営業依存度が上がっています。ROEは4.4%(純利益率6.7%×総資産回転率0.466×財務レバレッジ1.41)と資本効率は明確に低下しています。ROICは3.8%と社内外のベンチマーク(7–8%以上)を下回り、投下資本の回収力が弱含みです。営業CFは377.84億円と純利益142.03億円の2.66倍で、利益の現金化は良好です。もっとも、設備投資359.05億円が重く、フリーキャッシュフローは-43.82億円とマイナスに転化しました。自己株買い200.01億円を実施しており、財務CFは-28.43億円の資金流出です。流動比率217.9%、当座比率204.6%と流動性は厚く、短期借入金534.98億円に対して現金預金905.59億円で手元資金は十分です。インタレストカバレッジは20.10倍と負担は軽微で、財務健全性は良好です。一方で、配当性向(計算値)170.8%およびFCFカバレッジ-0.18倍は、現状の利益水準・投資水準の下では配当政策の持続性に課題を示唆します。持分法投資利益は0.98億円と限定的で、浜松ホトニクスの利益構造は本業依存が高い一方、今期は非営業収益への依存度が上がっています。総じて、売上は底堅いものの、固定費増や先行投資負担の増加により利益率が大きく圧迫され、ROIC・ROEの低下を招いた決算です。営業CFの強さは救いであり、投資回収が進めば中期的な収益力回復余地はあります。短期的にはコストコントロール、価格転嫁、ミックス改善によるマージン底打ち、ならびに大型投資の立ち上がり曲線の可視化がポイントです。資本配分は投資と株主還元のバランス再点検が必要で、少なくともFCF黒字化が見えるまでは高水準の還元は慎重が望まれます。為替動向と半導体・光センサー需要の循環要因が来期の上振れ・下振れリスクとして重要です。
ステップ1(ROE分解):ROE 4.4% = 純利益率6.7% × 総資産回転率0.466 × 財務レバレッジ1.41倍。 ステップ2(変化の特定):前年比で最も大きく変化したのは純利益率で、営業利益率が約814bp収縮したことが主因です。 ステップ3(理由):販管費の増勢や先行投資(減価償却費188.92億円、設備投資359.05億円)に伴う固定費負担増、価格転嫁やミックス改善の遅れ、研究開発・人件費の上昇が営業段階の圧迫要因となりました。加えて、営業外収入(受取利息15.91億円等)への依存が相対的に高まりましたが、これは本業の弱含みを補完する性格で構造的な改善とは言えません。 ステップ4(持続性評価):固定費増は生産能力増強や新製品立ち上げに伴う一時的な立ち上がりコストの側面があり中期的には薄まる可能性がある一方、賃金・エネルギーコスト等の恒常的上昇はマージンの恒常的な下押し要因になり得ます。従って、マージン回復は投資回収と稼働率向上、価格戦略の実行に依存し、短期は限定的、12〜24カ月で漸進的回復のシナリオが妥当です。 ステップ5(懸念トレンド):売上成長率+4.0%に対し、営業利益-49.7%と営業レバレッジが負に作用。販管費の伸び(内訳未記載)と固定費化の進行が示唆され、非営業収益比率28.0%の上昇は利益の質の低下リスクを示します。総資産回転率0.466は資本回転の鈍さを示し、ROIC 3.8%は資本コストを下回る懸念があります。
売上は+4.0%増と底堅く、光電子増幅管・イメージング等の主力領域の需要が続いた可能性が高い一方、数量・価格・ミックスのいずれかでコスト上昇を完全に吸収できず、利益面は逆風でした。営業外収益の寄与(受取利息15.91億円など)で経常段階は下支えされましたが、営業利益の落ち込みが大きく、利益の質はやや低下しています。固定資産2,185.62億円、減価償却費188.92億円、設備投資359.05億円から、拡張投資が本格化している局面で、短期的な費用先行が収益性を圧迫しています。持分法投資利益0.98億円と非連結先の寄与は軽微で、来期以降の成長は本業の稼働・ミックス改善が鍵です。需要サイクル(半導体・医用・分析計測)と為替の追い風があれば売上継続性は高いものの、マージン回復にはコスト吸収と価格戦略の徹底が必要です。見通しとしては、投資回収が進むにつれEBITDAマージン(現在16.5%)の再拡大余地はあり、ROICを5%超へ引き上げられるかが最初のマイルストーンです。
流動性は厚く(流動比率218%、当座比率205%)、短期借入金より手元資金が上回り満期ミスマッチは低い。負債資本倍率0.41倍、インタレストカバレッジ20.1倍で支払能力は十分。のれん・無形資産計646億円の減損リスクは監視が必要。オフバランス債務は未記載で不確実性あり。
営業CFは377.84億円で純利益の2.66倍と高品質、減価償却費188.92億円が実効的にキャッシュ創出を下支えしています。一方、投資CF-421.66億円(設備投資359.05億円中心)によりFCFは-43.82億円と赤字。運転資本の水準は妥当で、極端な引き締め/緩みの兆候は限定的です。総じて、利益の質は高いが、投資負担によりフリーCFは短期的に圧迫されている構図です。
配当性向(計算値)170.8%は利益水準に対して高く、現状のFCFカバレッジ-0.18倍は配当を内部資金だけで賄えていないことを示します。今期は自己株買い200.01億円を実施しており、総還元の負担は大きくなっています。潤沢な現金905.59億円と低レバレッジにより短期的な支払い能力はあるものの、投資負担が継続する局面では持続性に課題が残ります。来期の持続可能性は、(1) 営業CFの維持・拡大、(2) 設備投資のピークアウト、(3) 利益率回復の進捗の3点に依存します。配当方針の詳細開示が未記載のため、ガイダンス確認が必要です。
ビジネスリスク:
- マージン圧迫リスク:販管費・固定費上昇に対し価格転嫁・ミックス改善が追いつかない可能性
- 投資回収リスク:大型設備投資の立ち上がり遅延によるROIC低迷長期化
- 需要循環リスク:半導体・分析計測・医用分野のサイクル変動による稼働率低下
- 技術競争リスク:高感度センサー・光源の競争激化によるASP下落
- 為替リスク:円高進行時の売上・利益押し下げ
財務リスク:
- FCF赤字継続リスク:投資継続でフリーCFがマイナス持続となる可能性
- 無形資産減損リスク:のれん・無形の計646億円に対する減損認識リスク
- 非営業依存度上昇:受取利息等の営業外収益への依存が一時的に高まることによる利益の質低下
- 資本効率低下:ROIC 3.8%、ROE 4.4%と資本コスト未達が続くリスク
主な懸念事項:
- 営業利益率が約814bp悪化と急速なマージン縮小
- ROICが5%を下回り、資本回収が遅れている点
- FCFがマイナスの中で自己株買いを実施し、総還元の持続性に懸念
- 短期借入金は大きいが、手元資金で賄える一方、投資継続時の流動性バッファ消費
重要ポイント:
- 増収ながら固定費・先行投資負担で営業利益率が大幅低下(約8.1ppt縮小)
- ROIC 3.8%と資本効率が警戒水準、投資回収の可視化が必須
- 営業CFは堅調も、設備投資でFCFはマイナス転化
- 手元流動性は厚く短期の耐久力は高いが、総還元の持続性は利益/FCF次第
- 非営業収益比率が高まり、利益の質がやや低下
注視すべき指標:
- 受注動向・ブックトゥビルと稼働率
- 営業利益率・粗利率の四半期推移と価格転嫁進捗
- ROIC(NOPAT/投下資本)と投下資本回転
- 設備投資実行額・稼働開始時期・歩留まり
- 営業CFとFCFの転換点(黒字化時期)
- 為替感応度(USD/JPY、EUR/JPY)の開示と実効影響
セクター内ポジション:
ニッチ高感度領域で技術的優位を持つ一方、今期は投資先行で収益性が低下し資本効率が同業ハイマージン企業に劣後。中期の投資回収とミックス改善が進むかで相対ポジショニングの回復余地が決まる。
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