- 売上高: 2,442.28億円
- 営業利益: 76.53億円
- 当期純利益: 103.30億円
- 1株当たり当期純利益: 26.73円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,442.28億円 | 2,320.22億円 | +5.3% |
| 売上原価 | 1,857.77億円 | 1,753.29億円 | +6.0% |
| 売上総利益 | 584.50億円 | 566.93億円 | +3.1% |
| 販管費 | 507.96億円 | 576.68億円 | -11.9% |
| 営業利益 | 76.53億円 | -9.74億円 | +885.7% |
| 営業外収益 | 70.26億円 | 75.77億円 | -7.3% |
| 営業外費用 | 12.58億円 | 67.31億円 | -81.3% |
| 経常利益 | 134.22億円 | -1.29億円 | +10504.7% |
| 税引前利益 | 136.09億円 | 55.06億円 | +147.2% |
| 法人税等 | 32.79億円 | 34.31億円 | -4.4% |
| 当期純利益 | 103.30億円 | 20.74億円 | +398.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 103.18億円 | 20.68億円 | +398.9% |
| 包括利益 | 243.16億円 | -97.28億円 | +350.0% |
| 減価償却費 | 271.48億円 | 403.19億円 | -32.7% |
| 支払利息 | 7.39億円 | 3.76億円 | +96.5% |
| 1株当たり当期純利益 | 26.73円 | 5.36円 | +398.7% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 22.80円 | 4.30円 | +430.2% |
| 1株当たり配当金 | 25.00円 | 25.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 6,241.72億円 | 5,612.45億円 | +629.27億円 |
| 現金預金 | 2,942.28億円 | 1,966.02億円 | +976.26億円 |
| 売掛金 | 913.04億円 | 772.85億円 | +140.19億円 |
| 棚卸資産 | 380.97億円 | 430.83億円 | -49.86億円 |
| 固定資産 | 8,149.89億円 | 8,795.20億円 | -645.31億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 471.90億円 | 540.98億円 | -69.08億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -103.60億円 | 894.15億円 | -997.75億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.2% |
| 粗利益率 | 23.9% |
| 流動比率 | 310.5% |
| 当座比率 | 291.5% |
| 負債資本倍率 | 0.59倍 |
| インタレストカバレッジ | 10.36倍 |
| EBITDAマージン | 14.2% |
| 実効税率 | 24.1% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +5.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +398.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 403.76百万株 |
| 自己株式数 | 17.72百万株 |
| 期中平均株式数 | 386.01百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,342.85円 |
| EBITDA | 348.01億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 25.00円 |
| 期末配当 | 25.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,600.00億円 |
| 営業利益予想 | 50.00億円 |
| 経常利益予想 | 110.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 90.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 23.31円 |
| 1株当たり配当金予想 | 25.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のロームは、売上高の増加と金融収益の寄与で経常段階を押し上げた一方、資本効率とフリーキャッシュフローは弱含みというミックスな決算です。売上高は2,442.28億円で前年同期比+5.3%と増収、粗利は584.50億円で粗利率は23.9%でした。販管費は507.96億円に達し、販管費率は約20.8%と高止まり、営業利益は76.53億円(営業利益率約3.1%)にとどまりました。営業外収益70.26億円(受取利息25.90億円、受取配当金24.32億円)が利益を下支えし、経常利益は134.22億円(経常利益率約5.5%)まで改善しました。税引後は当期純利益103.18億円(純利益率4.2%)で、前年同期比+398.9%と大幅増益ですが、増益の大半は金融収益の増加と前年の低基準による反動の可能性があります。営業→経常で利益率は約+237bp拡大(営業3.1%→経常5.5%)し、経常→純利益で約-130bp縮小(税負担等)しました。EPSは26.73円、期中平均株式数は3.86億株で、自己資本は9,044.22億円(自己資本比率は算出不可だが実質的に高水準)です。キャッシュ面では、営業CFが471.90億円と純利益の4.57倍で品質は高い一方、設備投資816.24億円が重く、FCFは-344.34億円と大幅マイナスでした。現預金2,942.28億円と投資有価証券2,645.72億円を保有し、短期・長期借入金各1,000億円を上回るネットキャッシュ体質(約+942億円)を維持しています。デュポン分解ではROE=1.1%と低水準で、純利益率4.2%と総資産回転率0.170の低さが主要因です。ROICは0.7%と警戒水準(<5%)で、資本効率の改善が最重要課題です。営業外収入比率が68.1%と高く、金融収益依存度が利益の見かけを押し上げている点は持続性に注意が必要です。流動比率310.5%、当座比率291.5%で流動性は極めて厚く、金利負担もインタレストカバレッジ10.36倍と健全です。配当はXBRL未記載ながら計算上の配当性向195.7%と示され、現状の稼ぐ力・FCFでは持続性に課題を残します。総合すると、需要は底堅く増収・金融収益で当期利益は回復した一方、営業力(粗利・販管費構造)と資本効率、投下資本回収(ROIC)の弱さが残り、SiC等成長投資の収益化タイミングが重要な見極めポイントです。
デュポン分析(Chain-of-Thought): ステップ1: ROE(1.1%)= 純利益率(4.2%)× 総資産回転率(0.170)× 財務レバレッジ(1.59倍)。ステップ2: 低ROEの主要ドライバーは総資産回転率の低さ(0.170)と純利益率の低さ(4.2%)で、レバレッジは抑制的(1.59倍)で中立。ステップ3: 総資産回転率の低さは巨額の現金・投資有価証券(合計約5,588億円)や未稼働化しつつある固定資産への先行投資が効率を圧迫、純利益率は粗利率23.9%に対し販管費率約20.8%が重く営業利益率3.1%にとどまる構造に起因。ステップ4: 金融収益に依存した経常・純利益の押し上げは金利環境次第で変動しやすく、一時的要素が含まれる一方、販管費・固定費の吸収改善(稼働率・ミックス改善)が進めばマージン改善は持続的に可能。ステップ5: 懸念トレンドとして、販管費の伸び(水準の高さ)が売上成長率(+5.3%)を上回る可能性、営業外収入比率の高止まり、投下資本増に対するROICの低迷(0.7%)を指摘。
売上は+5.3%増で、主力のパワー半導体(特に車載・産業向け)の底堅さが示唆される一方、粗利率23.9%は依然抑制されており価格・ミックス・稼働率の改善余地が残る。営業利益率3.1%は販管費率約20.8%の高さにより伸びが限定的。経常段階は受取利息・配当の増加で押し上げられており、金利・保有資産残高に依存する部分が大きい。営業CFは471.90億円と力強いが、成長投資(設備投資816.24億円)が先行しFCFは-344.34億円。今後の持続性は、SiC含む成長投資の立ち上がり速度、歩留まり・稼働率改善による粗利率回復、在庫最適化によるキャッシュ創出が鍵。外部要因では為替(ドル円)、自動車・産業需要循環、金利動向(金融収益影響)が業績に与える弾力性が大きい。短期は金融収益の下支えと在庫調整一巡の恩恵、中期はROIC>5%回復を目標に資本効率の改善が焦点。
流動比率310.5%、当座比率291.5%で短期流動性は非常に良好。負債資本倍率0.59倍、総資産14,391.61億円に対し純資産9,044.22億円でレバレッジは抑制的。短期借入金1,000億円・長期借入金1,000億円に対し現金2,942.28億円・投資有価証券2,645.72億円を保有、実質ネットキャッシュで金利上昇耐性も高い。インタレストカバレッジ10.36倍で支払能力に問題なし。満期ミスマッチは、流動資産6,241.72億円に対し流動負債2,010.25億円と安全域が大きくリスク低い。オフバランス債務は開示情報からは把握できず、重大なリース・保証等の潜在債務は未把握。流動比率<1.0やD/E>2.0の警告条件には該当せず、財務健全性は高い。
営業CF/純利益=4.57倍で利益の現金化は極めて良好(品質高い)。一方、設備投資816.24億円が先行し、FCF=営業CF471.90億円−設備投資816.24億円=▲344.34億円と大幅マイナス。これは成長投資(製造能力拡張、SiC関連等)の前倒しが主因と推定。運転資本面では、売掛金913.04億円・棚卸資産380.97億円・買掛金223.76億円の規模から、在庫・売掛の回収効率改善余地があるが、四半期の変動内訳未開示のため操作的な運転資本調整の有無は判定困難。配当・自社株買い情報未記載のため、FCFに対する株主還元の持続性評価は限定的だが、現状のFCFマイナスは外部資金または手元流動性での充当を示唆。
XBRLに配当金総額の記載はないが、計算上の配当性向195.7%は当期利益を上回る水準であり、単年度の持続性には懸念がある。営業CFは潤沢ながら、FCFは大幅マイナス(▲344.34億円)で、投資負担が重い局面では内部資金のみでの高水準還元継続は難しい。手元資金と投資有価証券で短期的な配当支払いは可能だが、持続可能性は投下資本の収益化(ROIC改善)とFCF転正に依存。今後は、配当方針が連結業績連動か安定配当重視か、かつ投資規律(資本配分)との整合が焦点となる。
ビジネスリスク:
- 需要サイクル悪化(自動車・産業分野の在庫調整再燃)による稼働率低下と粗利率圧迫
- 製造立ち上げ(特にSiC)の歩留まり・良品率の想定未達によるコスト増
- 価格競争激化(パワー半導体、アナログ)によるASP下落
- 為替変動(ドル円、ユーロ円)による売上・利益の振れ
- サプライチェーン・地政学リスク(特定地域への依存、輸出規制等)
財務リスク:
- ROIC0.7%と資本効率の低迷が継続するリスク(投下資本回収の遅れ)
- FCFマイナスが長期化し、投資・還元・運転資本の三立が困難となるリスク
- 営業外収益依存(受取利息・配当)に起因する利益の変動性(金利低下・配当減少局面)
- 大規模投資の減損リスク(需要想定未達・技術トランジション)
- 金利上昇局面での借入コスト増(現状はネットキャッシュで緩和)
主な懸念事項:
- 販管費率約20.8%の高さによる営業レバレッジの弱さ
- 総資産回転率0.170の低迷(現金・投資有価証券・固定資産の厚み)
- 営業外収入比率68.1%と本業以外の寄与大の構造
- FCF▲344.34億円と成長投資の先行
- ROE1.1%/ROIC0.7%という株主資本・投下資本の収益性不足
重要ポイント:
- 増収と金融収益で純利益は大幅回復も、営業利益率3.1%と本業の稼ぐ力は依然弱い
- 営業CFは強いが、大型CAPEXでFCFはマイナス継続、資本効率(ROIC0.7%)が課題
- ネットキャッシュ体質と高流動性で財務耐性は高い
- 利益構成の金融収益依存が高く、金利・保有資産動向に業績が振れやすい
- SiC等成長投資の収益化タイミングが中期業績の分岐点
注視すべき指標:
- 粗利率と歩留まり/稼働率(SiC含む)
- 販管費率と固定費吸収度
- 受注動向・在庫回転(自動車・産業向け)
- 営業外収益の比率(受取利息・配当)と金利感応度
- ROICとFCFの転正(投資効率)
- USD/JPYなど為替レート
- 設備投資額と稼働開始スケジュール
セクター内ポジション:
国内半導体の中ではパワー半導体のポジショニングは強みだが、現局面ではROIC/ROEが低位かつ販管費重い分だけ収益性で見劣り。財務健全性とキャッシュリッチは上位、しかし資本効率と収益の持続性は同業上位(高マージン/高回転)の後塵。
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