- 売上高: 1,326.51億円
- 営業利益: 94.88億円
- 当期純利益: 80.43億円
- 1株当たり当期純利益: 35.30円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,326.51億円 | 1,369.47億円 | -3.1% |
| 売上原価 | 753.04億円 | 758.74億円 | -0.8% |
| 売上総利益 | 573.47億円 | 610.73億円 | -6.1% |
| 販管費 | 478.59億円 | 507.32億円 | -5.7% |
| 営業利益 | 94.88億円 | 103.41億円 | -8.2% |
| 営業外収益 | 16.33億円 | 11.24億円 | +45.3% |
| 営業外費用 | 3.88億円 | 15.33億円 | -74.7% |
| 経常利益 | 107.33億円 | 99.32億円 | +8.1% |
| 税引前利益 | 117.36億円 | 48.39億円 | +142.5% |
| 法人税等 | 36.93億円 | 12.69億円 | +191.0% |
| 当期純利益 | 80.43億円 | 35.70億円 | +125.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 80.50億円 | 35.80億円 | +124.9% |
| 包括利益 | 102.88億円 | -18.88億円 | +644.9% |
| 減価償却費 | 48.97億円 | 52.42億円 | -6.6% |
| 支払利息 | 2.76億円 | 2.58億円 | +7.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 35.30円 | 15.58円 | +126.6% |
| 1株当たり配当金 | 22.50円 | 22.50円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,444.85億円 | 2,358.83億円 | +86.02億円 |
| 現金預金 | 1,141.46億円 | 721.74億円 | +419.72億円 |
| 売掛金 | 293.29億円 | 272.69億円 | +20.60億円 |
| 固定資産 | 921.59億円 | 957.61億円 | -36.02億円 |
| 有形固定資産 | 515.98億円 | 542.82億円 | -26.84億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 113.95億円 | 129.54億円 | -15.59億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -61.88億円 | -108.88億円 | +47.00億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 6.1% |
| 粗利益率 | 43.2% |
| 流動比率 | 377.8% |
| 当座比率 | 377.8% |
| 負債資本倍率 | 0.50倍 |
| インタレストカバレッジ | 34.38倍 |
| EBITDAマージン | 10.8% |
| 実効税率 | 31.5% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -3.1% |
| 営業利益前年同期比 | -8.2% |
| 経常利益前年同期比 | +8.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +124.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 237.72百万株 |
| 自己株式数 | 9.62百万株 |
| 期中平均株式数 | 228.07百万株 |
| 1株当たり純資産 | 982.65円 |
| EBITDA | 143.85億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 22.50円 |
| 期末配当 | 22.50円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Consumer | 423.70億円 | 26.21億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,700.00億円 |
| 営業利益予想 | 210.00億円 |
| 経常利益予想 | 205.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 150.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 65.76円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のカシオ計算機は、売上減と営業減益ながら、営業外収益の寄与で経常益は増益、純利益は大幅増となった四半期である。売上高は1,326.51億円で前年同期比-3.1%、営業利益は94.88億円で-8.2%と、トップライン・ボトムラインともに本業は軟調だった。これに対し、営業外収益が16.33億円(うち受取利息8.45億円、受取配当0.70億円)と厚く、営業外費用3.88億円を差し引いて経常利益は107.33億円(+8.1%)へと増益に転じた。税引前利益は117.36億円、当期純利益は80.50億円で+124.9%と急増し、実効税率は31.5%に収れんしている。粗利益率は43.2%と比較的堅調だが、営業利益率は7.15%にとどまり、前年の約7.56%から約41bp低下したと推定される。販管費は478.59億円で、売上減少の中で固定費の吸収が効かず、営業レバレッジが逆回転している。ROEは3.6%、ROICは4.4%と資本効率は低位で、加えて総資産回転率0.394と効率性の弱さが目立つ。営業外収入比率は20.3%と高く、利益成長の質が非業務要素に依存している点は持続性の観点で留意が必要である。一方で、営業CFは113.95億円と純利益の1.42倍を確保しており、キャッシュ創出の質は良好だ。現金預金は1,141.46億円、流動比率377.8%、当座比率377.8%と流動性は極めて厚い。長期借入金は380億円あるが、Debt/EBITDAは2.66倍、インタレストカバレッジ34.38倍と信用余力は十分である。配当性向は計算値で132.9%と高く、利益ベースでは持続性に懸念が残る一方、営業CF対比では一定の余力が示唆される。投資CFの全体像や在庫水準が未記載のため、FCFや運転資本の定量的評価には限界がある。総じて、本業収益力の立て直し(売上の底打ち、販管費効率化、資産回転の改善)が今後の資本効率改善の鍵となる。短期的には非営業損益と税効果の寄与でEPSは下支えされ得るが、中期的な持続的成長には事業の収益性回復が不可欠である。為替や部材コストの追い風が剥落した場合、営業利益率の一段の圧迫リスクがある。今後は、プロダクトミックス改善、価格施策、固定費の柔軟化、在庫回転改善による総資産回転率の引き上げが焦点。手元資金は潤沢で、戦略投資・株主還元の選択肢は広いが、ROIC>7–8%への道筋の明確化が投資家の主関心となる。
デュポン分解では、ROE 3.6% = 純利益率6.1% × 総資産回転率0.394 × 財務レバレッジ1.50倍。3要素のうち、最大の制約要因は総資産回転率の低さ(0.394)で、資産効率がROEを大きく押し下げている。次点で純利益率は、営業利益率の低下(約41bp縮小)と販売減により圧迫される一方、営業外収益の増加と税率の収れんが純利益段階を下支えした。営業外収益の主因は受取利息(8.45億円)の増加で、潤沢な手元資金・金利上昇局面の恩恵が表れている。こうした非営業要因の寄与は金利環境とキャッシュ残高に依存しやすく、構造的な競争力の改善とは言い難いため、持続性は中立〜限定的と評価する。販管費は売上減の中で高止まりし、営業レバレッジがマイナスに作用、営業利益率の圧縮につながった。懸念すべきは、売上成長率(-3.1%)に対し販管費の削減進捗が不十分で、オペレーションの効率性改善が遅れている点である。
売上は-3.1%で2期連続の減速が示唆され、本業の需要軟化または製品ミックスの変化が背景にある可能性。営業外収益の寄与で経常増益を確保しているが、持続可能な成長の観点では営業利益率の再拡大が鍵。粗利率43.2%は一定の防御力を示す一方、固定費吸収の弱さが利益成長を阻害。短期見通しは為替と金利環境が追い風となり得るが、価格改定、コストダウン、サプライチェーン最適化による販管費率・在庫回転の改善が必須。中期では、資産効率(不要資産の圧縮、在庫適正化)を通じた総資産回転率の底上げがROE改善に直結する。営業外収益(利息等)への依存度上昇は成長の質を毀損しうるため、製品別の付加価値向上と新領域の収益化による営業利益の牽引が求められる。
流動比率377.8%、当座比率377.8%と流動性は極めて強固で、短期支払能力に懸念はない。総資産3,366.44億円に対し、現金預金1,141.46億円と潤沢。負債合計1,124.98億円、負債資本倍率0.50倍で資本構成は保守的。長期借入金380.00億円に対してDebt/EBITDA 2.66倍、インタレストカバレッジ34.38倍と返済余力は十分。短期借入金は2.92億円と極小で、満期ミスマッチリスクは低い。オフバランス債務の開示はなく評価不能だが、現状の手元流動性から耐性は高いとみる。自己資本比率は未記載だが、純資産2,241.46億円を勘案すると財務の健全性は高い。
営業CFは113.95億円で純利益80.50億円の1.42倍と良好なキャッシュ創出力を示す。投資CFは未記載のため、厳密なFCFは算出不能だが、設備投資額23.16億円を差し引いた準FCFは約90.79億円とプラスで、事業投資と還元の原資を確保している可能性が高い。運転資本の詳細(在庫、買掛・売掛の変動)は未開示で、意図的な運転資本操作の有無は判別困難。非営業収入の増加(受取利息)がキャッシュ創出に寄与しており、金利環境の影響が出ている点は留意が必要。
配当性向は計算値で132.9%と高く、純利益ベースでは持続性に課題。投資CF未記載のためFCFカバレッジは不明だが、営業CF対比では余力がうかがえる。手元資金が潤沢で短期的な配当支払い能力は高い一方、中期的には営業利益成長とROICの改善が伴わない限り、高配当維持はバランスシート依存となるリスク。配当方針の明確化(DOEや中期配当性向目標)と、利益創出力の裏付けが重要。
ビジネスリスク:
- 主力製品の需要軟化および製品ミックス悪化による売上減少
- 販管費の硬直性に伴う営業レバレッジ悪化と利益率圧迫
- 価格競争や部材コスト上昇による粗利率・営業利益率の低下
- 為替変動(円高)による売上総利益の毀損
- 新製品開発の遅延による成長モメンタム低下
財務リスク:
- ROIC 4.4%と資本効率の低さが継続するリスク
- 非営業収益(受取利息)依存度上昇による利益の質低下
- 長期借入金380億円の再調達・金利上昇リスク(もっとも流動性は厚い)
- 配当性向の高止まりに伴うキャッシュアウト増加と還元の持続性リスク
主な懸念事項:
- 総資産回転率0.394の低迷によるROE抑制
- 営業利益率の約41bp縮小(推定)にみられる収益性の鈍化
- 投資CF・在庫情報未記載によりFCFと運転資本健全性の評価に不確実性
- 営業外収入比率20.3%と非営業要因への依存
重要ポイント:
- 売上-3.1%、営業利益-8.2%と本業は減速、非営業益で経常・純利益を補填
- 営業利益率は7.15%、前年から約41bp悪化と推定
- ROE 3.6%、ROIC 4.4%で資本効率は低位、改善の余地が大きい
- 営業CF/純利益1.42倍、手元流動性は極めて強固
- 配当性向132.9%は利益ベースで過大、持続性は本業回復次第
注視すべき指標:
- 営業利益率と販管費率の四半期推移
- 総資産回転率(在庫回転日数、売掛回転日数)
- 営業外収益(受取利息)の比率と金利感応度
- 設備投資と投資CFの全体像(FCF創出力)
- 為替レート前提と価格改定・ミックス改善の進捗
セクター内ポジション:
国内エレクトロニクス同業と比べ、財務体質・流動性は強固だが、収益性と資本効率は中位〜下位レンジ。非営業収益の寄与度が相対的に高く、本業の収益改善が課題。
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