- 売上高: 194.54億円
- 営業利益: 23.71億円
- 当期純利益: 20.95億円
- 1株当たり当期純利益: 97.37円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 194.54億円 | 190.79億円 | +2.0% |
| 売上原価 | 58.72億円 | 57.30億円 | +2.5% |
| 売上総利益 | 135.82億円 | 133.50億円 | +1.7% |
| 販管費 | 112.11億円 | 110.27億円 | +1.7% |
| 営業利益 | 23.71億円 | 23.22億円 | +2.1% |
| 営業外収益 | 6.01億円 | 3.72億円 | +61.7% |
| 営業外費用 | 14百万円 | 2.10億円 | -93.4% |
| 経常利益 | 29.58億円 | 24.84億円 | +19.1% |
| 税引前利益 | 29.58億円 | 24.86億円 | +19.0% |
| 法人税等 | 8.62億円 | 8.36億円 | +3.1% |
| 当期純利益 | 20.95億円 | 16.50億円 | +27.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 20.95億円 | 16.27億円 | +28.8% |
| 包括利益 | 21.90億円 | 15.93億円 | +37.5% |
| 減価償却費 | 4.23億円 | 4.25億円 | -0.3% |
| 支払利息 | 1百万円 | 2百万円 | -21.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 97.37円 | 73.16円 | +33.1% |
| 1株当たり配当金 | 50.00円 | 50.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 483.55億円 | 484.96億円 | -1.41億円 |
| 現金預金 | 276.83億円 | 282.18億円 | -5.36億円 |
| 売掛金 | 55.83億円 | 72.35億円 | -16.52億円 |
| 棚卸資産 | 8.27億円 | 4.49億円 | +3.78億円 |
| 固定資産 | 150.58億円 | 147.78億円 | +2.79億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 22.15億円 | 27.35億円 | -5.20億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -27.25億円 | -19.55億円 | -7.70億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 10.8% |
| 粗利益率 | 69.8% |
| 流動比率 | 245.0% |
| 当座比率 | 240.8% |
| 負債資本倍率 | 0.60倍 |
| インタレストカバレッジ | 1711.91倍 |
| EBITDAマージン | 14.4% |
| 実効税率 | 29.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +2.0% |
| 営業利益前年同期比 | +2.1% |
| 経常利益前年同期比 | +19.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +28.7% |
| 包括利益前年同期比 | +37.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 22.25百万株 |
| 自己株式数 | 885千株 |
| 期中平均株式数 | 21.52百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,860.77円 |
| EBITDA | 27.94億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 50.00円 |
| 期末配当 | 50.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 430.00億円 |
| 営業利益予想 | 56.00億円 |
| 経常利益予想 | 63.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 44.50億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 209.00円 |
| 1株当たり配当金予想 | 150.00円 |
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2026年度Q2の図研は、売上・利益ともに増加し、利益率も概ね安定からやや改善と評価できる四半期であった。売上高は194.54億円で前年同期比+2.0%、営業利益は23.71億円で+2.1%、経常利益は29.58億円で+19.1%、当期純利益は20.95億円で+28.7%と、下期偏重の業態を踏まえても良好な伸びを示した。営業利益率は12.2%(=23.71/194.54)で、前年同期の概算12.18%から約+1bp改善と横ばい微改善にとどまる一方、経常利益率は15.2%(前年概算13.0%)で+219bp、純利益率も10.8%(前年概算8.5%)で+226bpと大幅に改善した。改善の主因は営業外収益の増加(受取利息0.47億円等)と実効税率29.2%の範囲内での税負担安定にあり、営業段階のレバレッジは限定的だった。粗利益率は69.8%と高水準を維持し、販管費率は57.6%(=112.11/194.54)で引き続き高いが、売上総利益の伸長で吸収した。営業外収入比率は28.7%と高く、経常・純利益の伸長を下支えしたが、反面で非営業依存度の上昇は利益の質の観点では一抹の懸念を残す。営業キャッシュフローは22.15億円、営業CF/純利益は1.06倍と、キャッシュ創出は純利益を上回り品質は良好である。設備投資は2.52億円に抑制され、簡便FCF(営業CF−設備投資)は約19.63億円のプラス、財務CFは▲27.25億円(うち自己株買い▲16.14億円)と、株主還元はFCFをやや上回るペースとみられる。流動比率245%、当座比率241%、負債資本倍率0.60倍、現金預金276.83億円とバランスシートは非常に強固で、支払能力リスクは低い。デュポン分解のROEは5.3%(=純利益率10.8%×総資産回転率0.307×レバレッジ1.60)、総資産回転率が低く資産効率がROEの抑制要因。ROICは13.9%(提供値)と目標レンジを上回る良好な水準で、投下資本効率は健全と評価できる。なお、図研は総合商社ではなく、持分法利益の寄与は開示N/Aで限定的と想定されるため、商社型の『資源/非資源』構成の変動リスクは小さい。一方で、EDA・製造業DX向けソフトの特性上、顧客投資サイクルや為替の影響を受けやすい点は留意。総じて、営業外寄与で底上げされた収益拡大と強固な財務体質が確認でき、通期に向けては営業成長の実効性(ライセンス/サブスクの伸び、販管費の伸び抑制)と株主還元のFCFカバレッジが注目点となる。
ステップ1: ROE=純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ=10.8%×0.307×1.60≈5.3%。ステップ2: 期中で最も寄与度が大きいのは純利益率の改善(営業外収益増加により経常・純利益率が+219〜+226bp改善)。ステップ3: 受取利息0.47億円などの金融収益増と営業外費用の低位(0.14億円)により経常段階が伸長、実効税率29.2%の範囲で純利益率を押し上げた。一方、営業利益率は12.2%で前年概算から+1bpの微改善にとどまり、販管費率57.6%の高さが営業段階のレバレッジを抑制。ステップ4: 金融収益に依存した純利益率の押し上げは持続性に不確実性がある一方、粗利率69.8%の高さは構造的強みで中期的に維持可能性が高い。販管費のコントロールが進めば営業利益率の持続的改善余地がある。ステップ5: 懸念されるトレンドとして、売上成長(+2.0%)に対し販管費の伸びが不明だが、販管費率57.6%の高さは引き続きマージン拡大のボトルネック。総資産回転率0.307の低さ(現金厚めのバランス)がROEの抑制要因で、資産効率改善(余資の有効活用、M&A/自己株)によるROE押し上げ余地がある。
売上は+2.0%と堅調ながら、エンタープライズソフトとしては控えめな伸び。営業利益+2.1%と概ね売上並みの伸長で、営業レバレッジは限定的。経常・純利益の伸び(+19.1%、+28.7%)は営業外収益の寄与が大きい。利益の質は、営業CF/純利益=1.06倍と一定の裏付けあり。今後の持続可能性は、(1) 受注/バックログの動向(未開示)、(2) サブスクリプションや保守のストック比率の上昇、(3) 為替の追い風(受取利息含む金融収益は金利環境次第)に依存。販管費率の高さがボトルネックで、成長投資の効率と価格改定が中核課題。短期的には高粗利率の維持と営業外の下支えで増益を見込めるが、質的成長には営業段階でのマージン改善が必要。
流動比率245%、当座比率241%と極めて健全で、短期支払余力は高い。負債資本倍率0.60倍と保守的で、インタレストカバレッジ1711.9倍から有利子負債依存は極小と推測される。総資産634.12億円に対し現金預金276.83億円、運転資本286.22億円と厚い手元流動性が満期ミスマッチリスクを大きく緩和。流動負債197.33億円に対し現金・売掛・棚卸の合計340.93億円があり、短期負債のロールリスクは低い。オフバランス債務は開示N/Aのため不明だが、現状の資本構成からシステミックな支払不能リスクは限定的。
営業CF/純利益=1.06倍で、利益のキャッシュ裏付けは良好。設備投資は2.52億円と控えめで、簡便FCF(営業CF−設備投資)は約19.63億円のプラス。2026年度上期の財務CFは▲27.25億円(自己株買い▲16.14億円、配当は非開示)で、株主還元の総額はFCFをやや上回った可能性がある。運転資本の詳細内訳は未開示のため、運転資本の引き上げ/解放の寄与は判定不能。営業CFが純利益を上回る点から、会計利益とキャッシュの乖離は小さいが、営業外収益(受取利息等)は非キャッシュではないものの持続性に注意が必要。
配当性向(計算値)106.2%は一般的な持続可能レンジ(<60%)を超え、高水準。もっとも、自己株買いを含む総還元が高い可能性があり、配当単体の金額は未開示。簡便FCF約19.63億円に対し、自己株買い16.14億円+配当(非開示)を合算した総還元はFCFと拮抗〜やや上回る可能性があり、現金厚みで当面は賄えるが、持続性は成長投資や景気局面次第で低下し得る。方針面の開示が限られるため、通期見通しと総還元方針(配当/自社株の配分、DOE目線の有無)の確認が必要。
ビジネスリスク:
- 顧客の設備投資サイクル・製造業景況に連動した需要変動
- サブスクリプション移行の進捗遅延や価格改定の受容性
- 競合(EDA/PLM/MBSE等)による価格圧力と機能差別化の難易度
- 為替変動による海外売上・金融収益の変動
財務リスク:
- 高水準の株主還元がFCFを上回る場合のキャッシュ減少
- 営業外収益依存の利益構成に伴うボラティリティ(受取利息の金利感応度)
- 資産効率(総資産回転率0.307)の低さによるROE抑制
主な懸念事項:
- 販管費率57.6%の高さが営業利益率改善を制約
- 営業利益の伸びが売上成長と同程度にとどまり、営業レバレッジが弱い
- 配当性向106.2%(計算値)と自己株買い実施により、総還元の持続性評価が必要
重要ポイント:
- 売上+2.0%、営業利益+2.1%と安定成長、経常・純利益は営業外収益で大幅増
- 営業利益率12.2%、純利益率10.8%とマージンは安定〜改善、粗利率69.8%は高水準
- 営業CF/純利益1.06倍、簡便FCF約19.6億円とキャッシュ創出は良好
- 流動比率245%、現金277億円で財務体質は極めて強固
- ROE5.3%は総資産回転率の低さが抑制要因、ROIC13.9%は良好
- 株主還元(自己株▲16.1億円)の積極化はFCFとのバランス監視が必要
注視すべき指標:
- 受注残・SaaS/保守のストック売上比率と解約率
- 販管費の伸び率と販管費率のトレンド
- 営業外収益(受取利息等)の持続性と金利感応度
- 営業CF/純利益と運転資本の変動(売掛・前受金)
- 総還元額(配当+自社株)とFCFカバレッジ
- 総資産回転率の改善(余資活用、M&A、自己株の継続)
セクター内ポジション:
国内ソフトウェア同業内で、粗利率・財務健全性は上位、営業利益率は中位、ROEは現金厚めの資本配分により中位弱。外部環境(顧客投資景況・金利)に左右されにくい営業段階の利益成長をどこまで積み上げられるかが相対評価の分岐点。
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