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69412026 第3四半期プライムJGAAP

山一電機(6941) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益29%増

2026年度第3四半期の売上高は395.9億円(前年同期比+9.6%)、営業利益は93.1億円(同+29.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥395.9億¥361.4億+9.6%
営業利益¥93.1億¥72.2億+29.1%
経常利益¥96.2億¥69.5億+38.4%
純利益¥69.9億¥44.9億+55.7%
ROE15.8%11.3%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は増収増益となり、特にCS事業の急拡大により利益成長が売上成長を大幅に上回った。売上高は395.9億円(前年比+9.6%)、営業利益は93.1億円(同+29.1%)、経常利益は96.2億円(同+38.4%)、純利益は69.9億円(前年44.9億円)となった。営業利益率は23.5%と前年から大きく改善し、通期会社計画に対する進捗率も利益項目で85%前後と標準を上回る。増益の主因は通信機器・データセンター向け需要拡大によるCS事業の過去最高業績であり、原材料高・円高というコスト圧力を吸収する結果となった。

業績変動要因

【売上高】売上高は395.9億円で前年比+9.6%増収となった。主力のTestSolution(TS)事業は203.9億円で前年比▲3.1%と減収したが、ConnectorSolution(CS)事業が180.6億円(同+27.0%)と急伸し全体を牽引した。CS事業は基幹系通信機器に加えAIを含むデータセンター向けが大幅増加し、第3四半期累計で過去最高業績を記録した。TS事業はスマートフォン・PC・自動車向けが堅調な一方、自動車用ロジック半導体向けバーンインソケットの投資先送りが減収要因となった。

【損益】営業利益は93.1億円で前年比+29.1%増、営業利益率は23.5%と大幅に改善した。増益の主因はCS事業の営業利益が31.1億円(前年比+426.2%)と急拡大したことで、TS事業の営業利益59.9億円(同▲10.4%)の減益を補って余りある結果となった。経常利益は96.2億円(同+38.4%)で、為替差益3.3億円を含む営業外収支のプラスが寄与し、営業利益の伸び率を上回った。特別損失1.1億円(固定資産除却損等)を計上したが影響は軽微である。純利益は69.9億円(前年44.9億円、+55.6%)と、経常利益からの伸び率がさらに拡大しており、法人税等の負担率低下(実効税率約26.5%)も寄与した。結論として増収増益であり、増収率を上回る利益成長が特徴的である。

セグメント別分析

売上構成比ではTS事業(51.5%)が最大で、依然として主力事業だが、営業利益への寄与ではCS事業の伸びが際立つ。TS事業の営業利益率は29.4%と3セグメント中最も高く、収益性の柱であり続けている。CS事業は営業利益率17.2%ながら、前年比+426.2%という急拡大により全体増益の主因となった。通信機器・データセンター向け需要の取り込みがCS事業の利益率改善を牽引した一方、TS事業は原材料高・円高・車載向け投資先送りにより減益となり、セグメント間で明暗が分かれた。OpticsRelated(光関連)事業は売上11.5億円、営業利益1.6億円と規模は小さいが黒字転換した。

主要財務指標

収益性: ROE 15.8%、営業利益率 23.5%(前年約20.0%から改善) キャッシュ品質: 営業CF等のキャッシュフローデータは開示情報から算出できないため評価対象外 投資効率: 設備投資28.8億円(年度計画37.1億円)に対し減価償却費23.4億円、比率約1.2倍で成長投資局面 財務健全性: 自己資本比率75.8%、流動比率335.8%

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細データが開示情報に含まれていないため、営業CF・投資CF・財務CF・FCFの個別評価は困難である。ただし現金及び預金は167.7億円と前年比+29.2%増加しており、利益成長に伴う現金積み上がりが確認できる。設備投資はQ3累計で28.8億円、減価償却費は23.4億円であり、キャッシュ流出面では成長投資が継続している。長期借入金は前年比▲89.2%減少しており、財務面では返済が進んでいる。

収益の質

経常利益96.2億円と純利益69.9億円の差は主に法人税等25.2億円によるもので、実効税率は約26.5%と正常水準にある。営業外収益4.7億円のうち為替差益が3.3億円を占め、売上高比では約0.8%にとどまるため質的な懸念は小さいが、経常利益の伸び率(+38.4%)には為替という非経常的要素が一定寄与している点に留意が必要である。特別損失1.1億円(固定資産除却損等)は純利益比約1.6%と軽微であり、一時的要因の影響は限定的である。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上高520.0億円、営業利益110.0億円、経常利益111.5億円)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高76.1%、営業利益84.7%、経常利益86.3%となり、標準進捗(75%)を上回る。特に利益項目の進捗が先行しており、通期計画に対する達成余地が示されている。通期予想は前年比で売上高+14.8%、営業利益+33.7%、経常利益+45.0%を見込み、第4次中期経営計画の最終年度目標(売上500億円、営業利益100億円)を上回る水準である。

株主還元

年間配当予想は132円(中間実績35円)で、前年(年間70円水準)から増配となる見通しである。予想EPS437.01円に基づく配当性向は約30.2%であり、会社が方針とする配当性向30%水準を維持している。自己株式は65.0億円で、自社株買いの具体的な当期実施額は開示情報からは確認できないため、総還元性向としての評価は行わない。

カタリスト

【短期】第4四半期におけるTS事業のメモリー半導体向け投資再開の進捗、および為替相場(USD/JPY前提150円)の動向が経常利益に影響する。 【長期】CS事業のAI・データセンター向け需要の持続性、TS事業における自動車用次世代ADAS・ADS向け製品の商談進捗、フィリピン第3工場への太陽光発電設置などサステナビリティ関連の取り組み。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率23.5%8.6% (4.3%–12.7%)+14.9pt
純利益率17.7%6.4% (2.8%–10.3%)+11.2pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.6%3.3% (-2.1%–8.9%)+6.3pt

売上高成長率も業種中央値およびIQR上限を上回り、成長性においても業種内で優位な位置づけにある。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 為替変動リスク: 為替差益3.3億円が経常利益を押し上げており、前年同期比ではUSD円高(-3.81円)が売上高で-4.0億円、営業利益で-3.7億円の影響を与えた。通期為替感応度はUSD1円あたり売上高2.4億円・営業利益1.4億円とされ、第4四半期の為替動向が利益変動要因となる。

  2. 運転資本効率: 売掛金87.9億円、棚卸資産33.6億円(うち原材料40.3億円)を抱え、原材料価格高騰と在庫水準の管理が粗利益率に影響する。在庫・売掛金の回転効率は今後の現金創出力を評価する上での確認事項である。

  3. 事業別需要変動: TS事業では自動車用ロジック半導体向けバーンインソケットの投資先送りにより売上高が前年比▲3.1%となった一方、CS事業では車載機器向けが世界的需要低迷・EV減速の影響で低調であり、事業間・用途別の需要変動が業績に影響を与えている。

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率23.5%は前年から大幅改善し、CS事業の通信機器・データセンター向け急拡大が構造的な収益性向上要因となっている点が注目される。TS事業の減益をCS事業が補う構図は、今後の事業ポートフォリオのバランス変化を示唆する。

  2. 通期計画に対する利益進捗率が売上高進捗率を上回っており、下期にかけての利益積み上がりペースが速い点は、通期計画達成の確度を示す材料である。ただし経常利益には為替差益の寄与が含まれるため、本業の伸びと為替要因を区別して捉える必要がある。

  3. 配当性向約30.2%を維持した増配方針が示されており、利益成長に応じた株主還元の継続性が確認できる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,013円
base(基準)3,157円
bull(強気)3,275円
算出前提
1株純資産(BPS)2,394円
調整後予想EPS480.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.2%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.32倍 / 6.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,067円〜3,252円、ω±0.1で 3,138円〜3,187円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(87%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。