- 売上高: 355.99億円
- 営業利益: 4.07億円
- 当期純利益: 2.27億円
- 1株当たり当期純利益: 7.39円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 355.99億円 | 373.81億円 | -4.8% |
| 売上原価 | 289.75億円 | 303.61億円 | -4.6% |
| 売上総利益 | 66.24億円 | 70.20億円 | -5.6% |
| 販管費 | 62.16億円 | 57.51億円 | +8.1% |
| 営業利益 | 4.07億円 | 12.69億円 | -67.9% |
| 営業外収益 | 2.31億円 | 2.37億円 | -2.5% |
| 営業外費用 | 1.50億円 | 1.32億円 | +13.6% |
| 経常利益 | 4.88億円 | 13.74億円 | -64.5% |
| 税引前利益 | 4.71億円 | -5.68億円 | +182.9% |
| 法人税等 | 2.44億円 | 2.11億円 | +15.6% |
| 当期純利益 | 2.27億円 | -7.80億円 | +129.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.42億円 | -7.31億円 | +133.1% |
| 包括利益 | -9.50億円 | 2.78億円 | -441.7% |
| 支払利息 | 1.01億円 | 1.13億円 | -10.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 7.39円 | -22.31円 | +133.1% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 361.34億円 | 391.68億円 | -30.34億円 |
| 現金預金 | 24.05億円 | 46.49億円 | -22.44億円 |
| 売掛金 | 103.18億円 | 135.18億円 | -32.00億円 |
| 棚卸資産 | 45.68億円 | 31.41億円 | +14.27億円 |
| 固定資産 | 290.69億円 | 295.11億円 | -4.42億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 0.7% |
| 粗利益率 | 18.6% |
| 流動比率 | 190.5% |
| 当座比率 | 166.4% |
| 負債資本倍率 | 0.60倍 |
| インタレストカバレッジ | 4.03倍 |
| 実効税率 | 51.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -4.8% |
| 営業利益前年同期比 | -67.9% |
| 経常利益前年同期比 | -64.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +80.9% |
| 包括利益前年同期比 | -83.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 32.80百万株 |
| 自己株式数 | 22千株 |
| 期中平均株式数 | 32.78百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,240.91円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 840.00億円 |
| 営業利益予想 | 46.00億円 |
| 経常利益予想 | 47.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 40.60億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 123.87円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
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2026年度Q2の古河電池は、売上減とコスト上昇により営業利益が大幅減益となる一方、最終利益は前年の低水準から持ち直し、全体としては弱含みながら持ち堪えた決算である。売上高は355.99億円で前年同期比-4.8%、売上総利益は66.24億円、粗利益率は18.6%と圧迫が続いた。販管費は62.16億円と高止まりし、販管費率は17.5%まで上昇、営業利益は4.07億円(-67.9%)に大きく縮小した。営業外損益は+0.81億円(営業外収益2.31、営業外費用1.50)と黒字で、経常利益は4.88億円(-64.5%)となった。税引前利益4.71億円に対して法人税等2.44億円で実効税率は51.8%と高く、当期純利益は2.42億円(+80.9%)と、前年の低基準からは増益となった。営業利益率は1.14%と前年の約3.40%から226bp悪化し、収益性の低下が鮮明である。経常利益率も1.37%と前年の約3.69%から232bp悪化した一方、純利益率は0.68%で、前年の約0.36%から約32bp改善した。包括利益は-9.50億円と大幅なマイナスで、その他包括損失(有価証券評価差額や為替換算調整等)の悪化が自己資本に負の影響を与えている。貸借対照表は総資産652.04億円、純資産406.74億円で財務レバレッジは1.60倍、流動比率190.5%、当座比率166.4%と流動性は堅調である。短期借入金52.74億円、長期借入金12.00億円と総有利子負債は約64.74億円、実質ネット有利子負債は約40.7億円(現金24.05億円差引)とみられる。インタレストカバレッジは4.03倍で、当社ベンチマーク(>5倍)を下回り、金利上昇環境下での金利負担は無視できない。ROEは0.6%(デュポン計算値一致)、ROICは0.5%と極めて低水準で、資本効率面に明確な課題がある。営業CF等のキャッシュフロー情報は未開示で、利益の質(現金裏付け)の評価は限定的である。短期的にはコストパススルーと販管費抑制の進展が鍵であり、中期的には製品ミックス改善(高付加価値電池)と稼働率回復による固定費吸収が収益改善の主導因となるだろう。包括損の拡大は自己資本の毀損要因であり、市況(鉛価格、為替)や保有有価証券の評価動向が次四半期以降の株主資本変動に影響し得る。総じて、事業収益性の低下、金利負担、OCI悪化が同時進行しており、当面はコスト管理と価格政策の徹底、在庫・運転資本の適正化が最優先課題である。
デュポン分析: ROE(0.6%) = 純利益率(0.7%) × 総資産回転率(0.546) × 財務レバレッジ(1.60)。最大の悪化要因は純利益率の低下要因となる営業段階の収益性(営業利益率)が大きく毀損した点で、営業利益率は前年約3.40%から今期1.14%へ約-226bp縮小した。総資産回転率は売上減少(-4.8%)の影響でわずかに低下ないし横ばい圏(現状0.546)とみられ、レバレッジは1.60倍で大きな変化はない。営業利益率の悪化は、粗利率18.6%の低下(原材料価格や販売価格ミックスの逆風)と販管費率の上昇(17.5%)が同時に進行したことによる。非営業損益は+0.81億円と下支えしたが、金利負担(支払利息1.01億円)で一部相殺されている。営業段階の逆風は原材料(鉛等)価格やエネルギーコスト、価格転嫁遅れが主因と推測され、短期的には持続する可能性があるが、販売価格改定とミックス改善が進めば徐々に解消余地はある。懸念されるトレンドとして、売上成長率(-4.8%)に対し販管費が硬直的で、販管費率が上昇している点、ならびに非営業項目(受取利息等)への依存度が相対的に高まっている点が挙げられる。
売上は355.99億円(-4.8%)と減収で、主に市場需要鈍化と製品ミックスの変化が示唆される。粗利率18.6%と薄利に加え、販管費率17.5%の上昇で営業レバレッジが逆回転し、営業利益は4.07億円(-67.9%)と急減。経常段階は非営業黒字で下支えされたが、構造的成長とは言い難い。純利益は2.42億円(+80.9%)だが、前年の絶対水準が低くベース効果の色彩が濃い。将来の持続性は、価格改定の浸透、原材料市況(鉛、電解液、エネルギー)安定、及び高付加価値分野(産業用・蓄電、特殊電池)比率拡大に依存する。短期的には在庫・受払条件是正による運転資本効率改善が利益とROIC改善に寄与しうるが、現時点のROICは0.5%と資本コストを大幅に下回り、成長投資の資本回収力に課題がある。包括損の拡大は株主資本を押し下げ、積極的なリスクテイク余地を狭める可能性がある。
流動比率190.5%、当座比率166.4%と短期流動性は健全で、流動資産361.34億円が流動負債189.66億円を十分に上回る。満期ミスマッチは限定的で、短期借入金52.74億円は現金24.05億円および運転資本171.68億円のバッファで吸収可能。総負債245.30億円、純資産406.74億円で負債資本倍率0.60倍、D/Eは保守的な水準。もっとも、インタレストカバレッジは4.03倍と当社ベンチマーク(>5倍)を下回り、金利上昇局面で収益性のさらなる悪化があれば支払能力指標が低下するリスクがある。包括損-9.50億円は評価差額の悪化を示唆し、今後の自己資本の変動要因。オフバランス債務の情報は開示なく、現時点で評価は困難。
営業キャッシュフロー、投資・財務CF、設備投資、配当の定量情報が未記載のため、利益の現金裏付けを直接検証できない。営業CF/純利益比率は算出不可で、品質評価は保留。ただし、売上減少と粗利率の低下、販管費の硬直性から、運転資本の積み上がり(売掛金103.18億円、棚卸資産45.68億円)には注視が必要で、期末に向けた在庫是正や与信・回収条件の厳格化が品質改善に寄与し得る。フリーキャッシュフローも算出不能のため、配当・投資の持続性評価には次四半期のCF開示が不可欠。
期中配当情報が未記載で、配当性向・総額・FCFカバレッジは算出不可。今期の純利益水準(2.42億円、EPS7.39円)が低いこと、ROIC0.5%かつ営業利益率1.14%と低収益であることから、高水準の配当維持には営業CF創出力の確認が前提となる。ネット有利子負債が約40.7億円、インタレストカバレッジ4.03倍である点も踏まえ、配当方針が安定配当重視であっても、短期的に配当余力は利益・CFの回復度合いに左右される可能性が高い。次回開示でのCFと投資計画の整合性が鍵。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(鉛、電解液、エネルギー)上昇による粗利圧迫
- 販売価格改定・コストパススルー遅延によるマージン低下
- 需要サイクル鈍化(自動車・産業用電池の需要変動)
- 製品ミックス悪化(低付加価値比率上昇)によるROIC低迷
財務リスク:
- インタレストカバレッジ4.03倍と金利耐性の限定性
- 包括損-9.50億円による自己資本の評価変動リスク
- ネット有利子負債約40.7億円の残存と金利上昇リスク
- CF未開示による資金繰り・投資余力の不確実性
主な懸念事項:
- ROIC0.5%と資本コスト大幅割れの継続
- 販管費率上昇(17.5%)と営業レバレッジの逆回転
- 営業利益率1.14%までの低下(前年比-226bp)
- OCI悪化によるPBRディスカウント拡大リスク
重要ポイント:
- 売上-4.8%の中で粗利率18.6%、販管費率17.5%により営業利益率は1.14%まで低下
- 経常段階は非営業黒字0.81億円で下支えも、持続的改善には営業力強化が必須
- ROE0.6%、ROIC0.5%と資本効率が著しく低位で改善余地大
- 流動性は良好(流動比率190.5%)だがインタレストカバレッジ4.03倍は注意
- 包括損-9.50億円が自己資本を圧迫、評価性損失や為替影響に要注意
- CF未開示のため利益の質・配当持続性評価は保留
注視すべき指標:
- 粗利益率と価格改定の進捗
- 販管費率と固定費吸収(稼働率)の改善度
- インタレストカバレッジと金利感応度
- 在庫回転日数・売掛金回転日数(運転資本効率)
- OCIの内訳(評価差額・為替換算)と自己資本への影響
- ROICと投下資本の回収見通し
セクター内ポジション:
同業内では、収益性・資本効率が足元で下位水準。財務安全性(流動性、レバレッジ)は相対的に堅調だが、収益性改善の確度が評価の分岐点となる。
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