| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥28.6億 | ¥27.3億 | +4.8% |
| 営業利益 | ¥0.2億 | ¥0.3億 | -50.2% |
| 経常利益 | ¥0.2億 | ¥0.3億 | -49.4% |
| 純利益 | ¥-0.3億 | ¥0.1億 | -92.4% |
| ROE | -0.9% | 0.1% | - |
2026年6月期第2四半期連結決算は、売上高28.6億円(前年同期比+1.3億円 +4.8%)と増収を達成した一方、営業利益は0.2億円(同-0.2億円 -50.2%)に半減し、経常利益も0.2億円(同-0.2億円 -49.4%)に縮小。親会社株主帰属当期純利益は-0.3億円(前年同期は0.1億円の黒字)と赤字転落した。積極的な人財投資により従業員数が前年同期比40名増加し、販管費が9.0億円と売上の31.4%を占めたことが収益圧迫の主因。受注残高は28.7億円(前年同期比+33.5%)と大幅増加し、特にITソリューション事業で消防通信指令システム4件受注など62.9%増と好調だが、仕掛品が6.8億円に積み上がり営業キャッシュフローは-6.1億円の大幅流出となった。短期借入金を3.5億円増加させて運転資本に充当している状況。
【売上高】 売上高28.6億円は前年同期比+4.8%の増収。セグメント別ではITソリューション事業が17.6億円(+7.9%)と牽引し、GISソリューションが前年比49%増と高成長を記録。消防通信指令システム4件の新規受注が貢献した。ITインフラ事業は4.7億円(+10.0%)と2桁成長で官公庁DX化推進に伴うIT環境整備案件を堅調に受注。一方、ITサービス事業は6.6億円(-4.1%)と減収となり、第三者保守サービスが営業リソース不足により伸び悩んだ。受注残高は全社で28.7億円(+33.5%)と大幅増加し、特にITソリューションが17.3億円(+62.9%)と翌期以降の収益基盤を強化。
【損益】 売上総利益は9.2億円で粗利益率32.0%を維持したが、販管費が9.0億円(売上高比31.4%)と高水準となり営業利益は0.2億円に縮小。販管費増加の主因は従業員数40名増加に伴う人件費増と新卒採用OJT配属による収益貢献時期の後ずれ。営業利益率は0.6%(前年1.2%)に低下した。営業外損益は微小で経常利益は0.2億円。特別損失として固定資産除却損等により税前利益は-0.2億円となり、法人税等負担0.5億円を計上した結果、親会社株主帰属当期純利益は-0.3億円の赤字に転落。税負担係数-1.492と異常値を示し、繰延税金資産の回収可能性評価見直し等の税効果調整が純利益を押し下げたと推定される。
一時的要因として固定資産除却損が発生し、税効果会計の調整による非経常的な税負担増加が確認される。経常利益0.2億円に対し純利益-0.3億円と乖離が大きく、税務・会計処理の一時項目が純利益を圧迫した。
結論:増収減益。売上成長は維持したが積極的人財投資と税務調整により利益は大幅減少。
ITソリューション事業:売上17.6億円(+7.9%)、営業利益0.1億円(前年-0.3億円から黒字転換)。全社売上の61.5%を占める主力事業。GISソリューションや消防通信指令システムの受注好調により増収増益に転換。受注残高17.3億円(+62.9%)と大幅増で将来収益の基盤を構築。営業利益率0.5%と低水準だが前年赤字から改善。
ITインフラ事業:売上4.7億円(+10.0%)、営業利益0.3億円(-13.6%)。売上構成比16.4%。官公庁DX関連案件で増収を達成したが、先行投資により利益率は低下。営業利益率6.6%(前年7.6%)。受注残高6.9億円(+4.4%)。
ITサービス事業:売上6.6億円(-4.1%)、営業利益0.2億円(-71.1%)。売上構成比23.2%。第三者保守サービスの営業リソース不足で減収減益。営業利益率2.3%(前年10.6%)と大幅低下。受注残高4.5億円(+0.1%)。
全社業績への寄与:主力のITソリューション事業が黒字転換し増収を牽引したが、ITサービス事業の利益率悪化が全社営業利益縮小に影響。セグメント間で利益率格差が拡大しており、ITサービス事業は前年10.6%から2.3%へ急低下。
収益性:ROE -0.7%(前年1.1%)、営業利益率0.6%(前年1.2%)、EBITマージン0.6%、EBITDAマージン1.4%、粗利益率32.0%(前年32.3%)
キャッシュ品質:営業CF/純利益24.34倍(分母マイナスのため解釈注意、営業CF実額は-6.1億円の流出)、FCF -6.9億円、現金転換率(OCF/EBITDA)-15.03倍、アクルーアル比率11.1%
投資効率:設備投資/減価償却0.86倍、ROIC -0.3%、総資産回転率0.543回
財務健全性:自己資本比率58.6%(前年68.2%)、流動比率277.3%、当座比率255.1%、現金預金23.2億円(現金/短期負債比率5.46倍)
効率性:DSO 133日、DIO 128日、CCC193日(いずれも警告水準)
営業CF:-6.1億円(前年-0.3億円からさらに悪化)。純利益-0.3億円に対し営業CF/純利益比率は24.34倍だが、分母がマイナスのため実態は営業CF大幅流出である。営業CF悪化の主因は棚卸資産5.5億円増(仕掛品が3.7億円→6.8億円へ倍増)と売掛金水準維持により運転資本が5.8億円増加したこと。受注残高増加に伴い消防通信指令システム等の仕掛品が積み上がりキャッシュアウトが先行している。
投資CF:-0.8億円。有形固定資産取得0.2億円が主体で、2026年1月の株式会社システムズサービス子会社化に伴う投資キャッシュアウトも含まれるが具体額は不明。設備投資0.2億円は減価償却0.2億円とほぼ同水準で、設備投資/減価償却0.86倍と成長投資局面ではない。
財務CF:+4.2億円。短期借入金3.5億円増加(0.7億円→4.2億円)が主因で、運転資本確保のため短期資金調達に依存。配当支払は計上されていない。
FCF:-6.9億円(営業CF -6.1億円 - 設備投資0.2億円)。営業CFの流出が大きく投資余力は喪失している。
現金創出評価:要モニタリング。営業CFマイナス、FCFマイナスで短期借入に依存する構造。現金預金23.2億円と流動性は一定水準を保つが、運転資本管理が改善されなければ現金流出が継続するリスクがある。
経常利益0.2億円に対し純利益-0.3億円と0.5億円の乖離があり、税金等調整前当期純利益が-0.2億円に対して法人税等0.5億円を計上した結果、税負担係数-1.492(実効税率276.2%)となった。これは繰延税金資産の回収可能性見直し等の税効果会計調整による一時的要因と推定される。
営業外損益は微小で、特別損益として固定資産除却損等が発生しているが金額は限定的。経常利益段階までは一時要因は少ないが、税務処理が純利益を大きく押し下げた。
アクルーアル比率11.1%と高めで、営業CFが純利益を大幅に下回っており収益の現金裏付けが弱い。現金転換率(OCF/EBITDA)-15.03倍と悪化しており、利益の質は低い。DSO 133日、DIO 128日と債権・在庫管理に問題があり、売掛金回収と仕掛品消化が遅延している。仕掛品比率100%の警告が示す通り、棚卸資産のほぼ全てが仕掛品で滞留している。
収益の質評価:税効果調整という一時的要因で純利益が歪むが、営業CFマイナスと運転資本悪化は構造的問題であり、利益の持続性とキャッシュ裏付けに懸念がある。
通期予想は売上70.0億円(前期比+9.0%)、営業利益7.0億円(+19.9%)、経常利益7.0億円(+19.7%)、親会社株主帰属当期純利益4.5億円(+16.6%)、EPS 45.23円、配当25円で据え置き。
第2四半期終了時点の進捗率:売上40.9%(標準50%比-9.1pt)、営業利益2.3%(標準50%比-47.7pt)、経常利益2.9%(標準50%比-47.1pt)、純利益-5.6%(標準50%比-55.6pt)と大幅に遅延。
進捗率が標準から大きく乖離する背景:同社顧客の多くが3月決算の国内法人であり、第3四半期末(3月末)に売上が集中する季節性があるため、上期の進捗率低迷は例年の傾向。下期での大幅な収益回復を織り込んで通期予想を据え置いている。受注残高28.7億円(+33.5%)が下期収益の裏付けとなる。ただし、営業利益進捗率2.3%は季節性を考慮しても極端に低く、下期に営業利益6.8億円超(上期の34倍)を計上する必要があり、販管費抑制と運転資本改善の実行力が前提となる。
予想修正は実施されていない。
配当政策:第2四半期は無配、期末一括配当として25.00円を予定。通期配当25円は前期と同額で累進配当方針を継続。配当性向は計算上-1021.5%(赤字分母のため実態乖離)だが、会社は通期で純利益4.5億円、配当総額2.5億円を見込んでおり、通期ベースでの配当性向は55.3%となる想定。
配当の持続可能性:第2四半期末時点の純利益-0.3億円では配当余力がないが、現金預金23.2億円と一定の手元流動性があり、下期の業績回復を前提とすれば配当継続は可能。ただしFCFが-6.9億円と大幅マイナスであり、営業CFが改善されなければ配当は現預金取崩しまたは借入に依存することになる。中期経営計画2028まで累進配当方針を延長する姿勢を示しており、配当維持への経営コミットメントは確認できる。
自社株買い:開示なし。総還元としては配当のみで、配当性向ベースでの株主還元を実施。
【短期】
【長期】
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)
収益性:営業利益率0.6%(自社過去5期平均と比較して低水準。2026年度は人財投資先行により一時的に低下) 効率性:ROE -0.7%(過去実績1.1%から悪化、税効果調整と純利益赤字が主因) 成長性:売上成長率+4.8%(過去5期推移で見ると安定成長を継続)
※業種:情報・通信業、比較期間:自社過去5期、出所:当社集計
業種横断的なベンチマークデータは入手できていないため、自社過去実績との比較に基づく評価となる。営業利益率とROEは過去水準を下回るが、売上成長率は堅調に推移している。
運転資本管理リスク(定量化:CCC193日、仕掛品6.8億円):受注残高増加に伴う仕掛品積み上がりと売掛金回収遅延により営業CF-6.1億円の大幅流出。DSO 133日、DIO 128日と運転資本効率が著しく悪化しており、さらなる案件受注拡大時にキャッシュ圧迫が継続するリスク。仕掛品比率100%は在庫管理の抜本改善が急務であることを示す。
収益性圧迫リスク(定量化:営業利益率0.6%、販管費率31.4%):積極的人財投資により従業員40名増加、販管費9.0億円が売上の31.4%を占め営業利益を圧迫。営業利益率0.6%と極めて低く、販売不振や案件採算悪化が直ちに赤字転落につながる脆弱性がある。下期に営業利益6.8億円計上を達成するには販管費抑制と粗利率改善が必須。
短期負債依存リスク(定量化:短期借入金+3.5億円、短期負債比率66%):運転資本確保のため短期借入金を0.7億円→4.2億円へ急増させ、短期負債比率66%と高水準。Debt/EBITDA 15.9倍と債務耐性が低く、リファイナンス条件悪化や金利上昇が財務コストを増加させるリスク。営業CF改善なしに短期借入依存が継続すれば財務健全性が低下する。
受注残高の大幅増加と下期収益回復の蓋然性:受注残高28.7億円(+33.5%)、特にITソリューション事業17.3億円(+62.9%)は下期以降の売上基盤として注目される。消防通信指令システム4件受注等の大型案件が第3四半期末に売上計上される見込みであり、顧客の3月決算集中という季節性を踏まえると下期での大幅増収増益の可能性がある。ただし営業利益進捗率2.3%から通期7.0億円達成には下期6.8億円超の計上が必要で、販管費管理と案件採算確保の実行力が試される。
運転資本とキャッシュフロー改善の必要性:営業CF-6.1億円、FCF-6.9億円と現金創出力が著しく弱く、仕掛品6.8億円の積み上がりが主因。下期に仕掛品を売上計上し売掛金を回収できれば運転資本が圧縮され営業CFは大幅改善する見込みだが、回収遅延や新規案件での仕掛品再積み上がりがあれば短期借入依存が継続し財務健全性が低下するリスクがある。営業CF動向が配当持続性と成長投資余力の鍵となる。
中期成長戦略と人財投資の収益化:中期経営計画2028で売上100億円・ROE15%を目指し、首都圏M&Aと成長領域への集中投資を推進。従業員40名増と新卒採用強化により短期的には収益を圧迫するが、OJT配属見直しで収益貢献時期を適正化する方針。M&A第一弾の株式会社システムズサービス子会社化の統合効果と、人財投資が中長期的に収益性向上に寄与するかが注目される。
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
PDF決算説明資料のAI分析
アクモス株式会社の2026年6月期第2四半期は、売上高2,861百万円(前年同期比+4.8%)と増収を確保したが、営業利益は16百万円(-50.2%)に半減し、親会社株主帰属中間純利益は▲25百万円の赤字に転落した。ITソリューション事業の受注残高は前年同期比62.9%増と好調で、特に消防通信指令システムが4件受注し受注残は1,731百万円。ITインフラ事業も官公庁DX案件で堅調。一方、ITサービス事業は第三者保守サービスの営業リソース不足で売上が伸び悩んだ。積極的な人財投資により従業員数は前年同期比40名増、新卒OJT配属の見直しなど収益貢献時期の適正化を進める。営業CFは▲608百万円と棚卸資産増加(▲495百万円)が主因で資金繰りが悪化。トップライン伸長に向け首都圏でM&A推進中で、2026年1月に株式会社システムズサービスを子会社化。通期予想は売上7,000百万円、営業利益700百万円、ROE13.0%を目指し、中期経営計画2028では売上100億円、ROE15%以上を目標に掲げる。
ITソリューション事業の受注残高が前年同期末比62.9%増の1,731百万円と大幅増加、消防通信指令システムなど4件受注。ITインフラ事業は官公庁DX化推進案件で受注堅調、受注残高は前年同期末比4.4%増の692百万円。積極的な人財投資により従業員数が前年同期末比40名増、新卒OJT配属を見直し収益貢献時期を適正化。2026年1月29日に株式会社システムズサービスを子会社化し首都圏SI・ソフトウェア開発分野を強化。中期経営計画2028を1年延長し2028年6月期に売上100億円、経常利益10億円、ROE15%以上を目標設定。
通期予想は売上7,000百万円(前期比+9.0%)、営業利益700百万円(+19.9%)、親会社株主帰属当期純利益450百万円(+16.6%)を見込む。下期に売上計上が多い季節性を踏まえ、3月末にかけて収益回復を想定。成長投資領域である消防防災事業とネットワーク事業への集中投資を継続し、首都圏でのM&Aも推進してトップライン伸長を図る。人財投資の収益貢献時期適正化と運転資本管理の改善が下期回復の鍵となる。
経営陣は下期の業績回復を前提に通期予想を据え置き、配当25円を維持する方針。中期経営計画2028では「Business×Members×Value」の3分野での挑戦を拡大し、2028年6月期ROE15%以上、時価総額100億円を目標に資本コストと株価を意識した経営を推進すると表明。人財投資と成長投資領域への集中投資を継続し、トップライン伸長と収益性改善の両立を目指す。配当方針の累進配当実施期間を2028年6月期まで1年延長し株主還元を継続する姿勢を示す。
成長投資領域(消防防災事業・ネットワーク事業)への集中投資と体制強化を実施中。首都圏でのM&A推進により維持伸長領域・成長投資領域の事業会社獲得を目指す(2026年1月にシステムズサービス子会社化)。新卒採用社員の収益貢献時期適正化のため一斉OJT配属を見直し、段階的な配置へ変更。人財への積極的投資を継続し従業員数を前年同期比40名増、中長期的な成長基盤を構築。中期経営計画2028でウィングシステム(少人数採算管理制度)によりKPI最大化とリーダー人財育成を推進。
製造業を中心とするIT投資の慎重姿勢が強く、計画見直しや要員調整要請が発生しており受注・売上に影響。ITサービス事業の第三者保守サービスにおいて営業リソース不足により新規顧客開拓が進まず売上伸び悩み。棚卸資産増加(▲495百万円)と未払費用等流動負債減少(▲195百万円)により営業CFが大幅マイナス。短期借入金が前年同期比+350百万円(+466.7%)と急増しており短期資金調達依存度が上昇。法人税等の異常な増加(前年同期比+18百万円、税負担係数-1.492)により純利益が大幅悪化。