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68822026 第3四半期スタンダードJGAAP

三社電機製作所(6882) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益44%減

2026年度第3四半期の売上高は181.8億円(前年同期比+1.4%)、営業利益は3.5億円(同-43.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥181.8億¥179.4億+1.4%
営業利益¥3.5億¥6.2億−43.8%
経常利益¥2.8億¥7.2億−60.6%
純利益¥0.8億¥5.0億−83.2%
ROE(年換算)0.5%2.7%-

Executive Summary

増収減益であり、原価上昇と営業外損失、高税負担が最終利益を大きく圧縮した。売上高は181.8億円(前年比+1.4%)と小幅増収を維持したが、営業利益は3.5億円(同-43.8%)、経常利益は2.8億円(同-60.6%)、純利益は0.8億円(前年5.0億円)へ大幅減益となった。増収効果を上回る売上原価の増加(+10.5%)が粗利を圧迫し、さらに為替差損1.1億円や持分法投資損失が経常段階で利益を削った。

業績変動要因

【売上高】売上高は181.8億円で前年比+1.4%の小幅増収となった。セグメント別では電源機器が135.97億円(+0.2%)とほぼ横ばい、半導体が45.82億円(+4.9%)と伸長したが、これはディスクリート・チップの増加が中国向けパワーモジュールの低迷を補った結果である。

【損益】営業利益は3.5億円(前年比-43.8%)に大幅減益した。売上原価が140.6億円(+10.5%)と増収率を大きく上回り、粗利率は22.6%へ低下した。販管費は37.7億円(前年比-3.5%)に抑制されたが減益を補えなかった。経常利益はさらに為替差損1.1億円・持分法投資損失1.0億円により2.8億円(同-60.6%)まで縮小し、実効税率70.2%という高い税負担が加わり純利益は0.8億円(同-83.2%)となった。経常利益と純利益の乖離は税負担要因であり、一時的な特別損益の計上はない。増収減益である。

セグメント別分析

売上構成比では電源機器が74.8%を占め主力事業である。電源機器の営業利益は8.6億円(前年比-17.2%)で、材料費高騰と在庫影響が減益要因となった。半導体は売上構成比25.2%だが営業損失5.1億円(前期-4.2億円)と赤字が拡大しており、中国向けパワーモジュールの受注低迷と前期設備投資の減価償却負担増が主因である。両事業とも減益方向に働いたが、赤字拡大が続く半導体事業の採算改善が全体業績のカギとなっている。

主要財務指標

収益性: 年換算ROE 0.5%(前年同期は年換算で高水準)、営業利益率1.9%(前年3.4%から低下)。 キャッシュ品質: 純利益率0.5%と低く、包括利益6.0億円は純利益0.8億円を大きく上回るが、これは主に為替換算調整による評価要因であり収益性改善を示すものではない。 財務健全性: 自己資本比率71.7%(前年72.5%)、流動比率274.2%と高い水準を維持している。

キャッシュフロー分析

本資料にはキャッシュフロー明細の記載はないが、現金及び預金は60.4億円(前年57.6億円)に増加し、短期借入金は22.0億円(前年30.0億円、-8.0億円)へ減少した。ネット資金は38.4億円(前年27.6億円)に増加しており、借入返済と現金積み増しを両立した財務政策が推察される。現金創出評価は標準からやや強めと位置づけられる。

収益の質

経常利益2.8億円と純利益0.8億円の乖離は約71%に達し、主因は実効税率70.2%という高い税負担である。営業外費用は2.5億円で売上高の1.4%だが、その内訳のうち為替差損1.1億円が営業利益3.5億円の32.3%に相当し、収益変動を増幅させている。包括利益6.0億円が純利益を上回るのは為替換算調整額4.6億円によるもので、本業の収益性改善を示すものではない。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上高277.0億円、営業利益12.0億円、経常利益12.0億円)に対するQ3累計進捗率は、売上高65.6%、営業利益28.9%、経常利益23.5%であり、いずれも標準進捗(75%)を大きく下回る。特に営業利益・経常利益の進捗遅れが著しく、第4四半期に大幅な採算改善が必要となる。契約負債(前受金)は2.8億円で、将来受注の一定の可視性を示すが、比率としては売上規模に対し限定的である。

株主還元

第2四半期配当は1株10.00円、会社予想の年間配当は40.00円である。Q3累計純利益0.84億円に対する配当性向は178.0%と純利益を上回るが、通期純利益予想8.4億円を基準とすれば予想配当性向は約63.3%となる。自社株買いの実施は確認されておらず、総還元性向としての言及は不要である。配当の持続性は第4四半期の利益回復状況に依存する。

カタリスト

【短期】第4四半期における半導体・電源機器の採算改善、材料費高騰への価格転嫁進捗、中国向けパワーモジュール受注動向。 【長期】前期実施の設備投資(建設仮勘定14.7億円、前年比+31.5%)の稼働開始と収益化、インバーター・特殊用途電源分野の販売拡大。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.9%8.6% (4.3%–12.7%)−6.7pt
純利益率0.5%6.4% (2.8%–10.3%)−6.0pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、営業利益率・純利益率とも同業内で下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.4%3.3% (-2.1%–8.9%)−1.9pt

売上成長率も業種中央値をやや下回り、同業内では成長性・収益性ともに劣位にある。

※出所: 当社調べ

リスク要因

  1. 半導体事業の採算悪化: 半導体事業は売上45.8億円(+4.9%)にも関わらず営業損失5.1億円(前期-4.2億円)と赤字が拡大している。中国向けパワーモジュールの受注低迷と前期設備投資の減価償却負担増が要因であり、投資効果の顕在化には時間を要する。

  2. 材料費高騰と為替変動: 電源機器事業では材料費高騰が営業利益を圧迫し、営業外では為替差損1.1億円が計上された。為替差損は営業利益3.5億円の32.3%に相当し、営業外損益の変動が最終利益に大きな影響を与えている。

  3. 高税負担による利益変換効率の低下: 実効税率は70.2%と高水準であり、税引前利益2.8億円から純利益0.8億円への転換過程で利益が大きく削減された。低い税前利益の下では税効果の変動がEPSに与える影響が大きい。

決算上の注目ポイント

  1. 増収を維持しながらも原価上昇と固定費増加により営業利益率が3.4%から1.9%へ低下し、増収減益の構造が明確化している。半導体事業の赤字拡大が全体の利益率を押し下げている点が構造上の特徴である。

  2. 通期計画に対する進捗率は営業利益28.9%、経常利益23.5%と標準進捗を大きく下回り、第4四半期への業績集中度が高い。会社計画の達成には下期における採算改善の実現度が焦点となる。

  3. 自己資本比率71.7%、ネット資金38.4億円という保守的な財務構造は維持されており、資本の安全性は業績の変動に対して一定の耐性を提供している。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,486円
base(基準)1,498円
bull(強気)1,514円
算出前提
1株純資産(BPS)1,834円
調整後予想EPS68.2円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向63.3%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.82倍 / 22.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,459円〜1,539円、ω±0.1で 1,488円〜1,505円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。