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68222026 第3四半期スタンダードJGAAP

大井電気(6822) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益23%増

2026年度第3四半期の売上高は200.8億円(前年同期比+8.2%)、営業利益は7.5億円(同+22.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

大井電気株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥200.8億¥185.5億+8.2%
営業利益¥7.5億¥6.1億+22.9%
経常利益¥6.6億¥5.5億+20.3%
純利益¥5.9億¥4.2億+40.4%
ROE(年換算)8.1%6.3%-

Executive Summary

情報通信機器製造販売の増収・採算改善がネットワーク工事保守の赤字を吸収し、増収増益を確保した決算である。売上高は200.8億円(前年比+8.2%)、営業利益は7.5億円(同+22.9%)、経常利益は6.6億円(同+20.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5.9億円(同+40.4%、GPT分析では対応する基準の増減率+69.9%も別途参照)となった。営業利益率は3.7%と前年同期の3.3%から改善したものの、絶対水準としては低位にとどまる。増益の主因は情報通信機器製造販売セグメントの増収・利益率改善であり、通期予想に対する営業利益進捗率は50.2%と標準的な75%を下回る。

業績変動要因

【売上高】売上高は200.8億円で前年同期比+8.2%増収。情報通信機器製造販売が外部顧客向け売上高127.0億円(前年同期比+13.6%)と牽引役となった一方、ネットワーク工事保守は77.9億円(同+0.2%)とほぼ横ばいであった。売上構成比は情報通信機器製造販売が約63%、ネットワーク工事保守が約37%である。

【損益】営業利益は7.5億円で前年同期比+22.9%増益し、営業利益率は3.30%から3.75%へ改善した。情報通信機器製造販売のセグメント利益は7.7億円(利益率6.1%、前年同期3.9%から上昇)と改善した一方、ネットワーク工事保守は0.2億円の営業損失に転じ、前年同期の1.6億円の利益から悪化した。営業外では支払利息0.7億円と為替差損0.7億円が発生し、税引前利益は6.5億円にとどまった。特別損失として減損損失0.1億円(一時的要因)を計上したが規模は小さい。純利益は5.9億円(前年比+40.4%)と、低い実効税率(8.9%)も寄与し営業利益の伸びを上回った。結論として増収増益だが、増益はほぼ情報通信機器製造販売単一セグメントに依存している。

セグメント別分析

情報通信機器製造販売は売上高127.0億円(前年同期比+13.6%)、セグメント利益7.7億円(同+76.5%)と、増収と利益率改善(利益率3.9%→6.1%)を同時に達成し、連結利益を牽引した。ネットワーク工事保守は売上高77.9億円(同+0.2%)とほぼ横ばいの一方、セグメント損益は前年同期の利益1.6億円から0.2億円の損失へ1.8億円悪化した。工事損失引当金3.9億円の計上や固定資産減損0.1億円の発生も踏まえると、同セグメントの採算悪化は工事案件の進捗・原価管理に起因するとみられる。連結利益の情報通信機器製造販売への依存度が高まっている点は、収益構造上の留意点である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率3.7%(前年同期3.3%)、粗利率21.4%(前年同期約20.7%から改善)、純利益率2.8%(前年同期1.8%)といずれも改善したが、EBITマージン3.8%は5%を下回る水準にとどまる。【キャッシュ品質】DSOは年換算84日、DIOは同175日、CCCは同200日と長く、仕掛品比率は75.4%に達しており、利益成長が現金創出に直結しにくい構造である。【投資効率】ROE(年換算)8.1%で、純利益率・総資産回転率に加え財務レバレッジの寄与が大きい。【財務健全性】自己資本比率36.9%、流動比率156.4%、有利子負債は短期借入金が中心で、短期負債比率が高い点はリファイナンス面での留意点となる。

キャッシュフロー分析

CF計算書の開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を分析すると、現金及び預金は32.6億円で前期末の38.8億円から減少している。仕掛品は前期末比+86.2%増の76.2億円、売掛金は同-22.9%の61.5億円となり、案件進捗に伴う運転資本の積み上がりが現金水準の低下に影響したとみられる。一方、買掛金は+42.1%の34.0億円、短期借入金や長期借入金(+53.1%)も増加しており、仕入債務・借入による資金調達で運転資金の拡大を補っている構図がうかがえる。利益剰余金は+16.3%の38.1億円へ増加し、内部留保による純資産の積み上がりは進んでいるが、資金効率面では仕掛品・売掛金の回収サイクルの長さが焦点となる。

収益の質

経常的な収益力を見ると、営業利益7.5億円に対し営業外費用が支払利息0.7億円・為替差損0.7億円を中心に1.5億円発生しており、税引前利益は6.5億円へ圧縮されている。特別損失は減損損失0.1億円のみで一時的要因としての影響は限定的である。純利益5.9億円の伸び率(+40.4%)が営業利益の伸び率(+22.9%)を上回った背景には、実効税率の低下(前年同期比で法人税等負担が軽減)が寄与しており、経常的な収益力の改善に加え税負担面の要因も含まれる点は留意が必要である。アクルーアルの観点では、仕掛品の大幅増加と売掛金の減少が並存しており、発生主義上の利益計上と現金回収のタイミングにギャップが生じている可能性がある。包括利益は8.1億円と純利益5.9億円を上回り、有価証券評価差額金2.1億円の含み益計上が寄与しているが、これは事業本業の収益力とは別要因である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高330.0億円(前年比+13.6%)、営業利益15.0億円(同+1.0%)、経常利益14.0億円(同-2.1%)、EPS789.95円、配当70.00円である。当四半期累計の進捗率は売上高60.8%、営業利益50.2%、経常利益47.0%で、いずれも標準的な四半期進捗(75%)を大きく下回る。特に営業利益・経常利益の進捗遅れが目立ち、第4四半期には売上高約129.2億円の計上に加え、営業利益はほぼ横ばいの前提が織り込まれている。業績予想は当四半期に修正されており、今後は情報通信機器製造販売の受注動向とネットワーク工事保守の採算改善が通期達成の焦点となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり20.00円が実施済みで、通期配当予想は70.00円(期末配当は差し引き50.00円の見込み)である。配当予想修正はない。通期予想EPS789.95円に対する予想配当性向は約8.9%と低水準であり、配当は利益水準の範囲内に収まっている。低い配当性向は配当余力の存在を示す一方、仕掛品・売掛金を中心とした運転資本の長期化が資金回収を遅らせる可能性があり、配当の持続性は利益水準に加えて資金化の状況にも左右される。

リスク要因

  1. ネットワーク工事保守の採算悪化: 売上高74.8億円(前年同期比+0.2%)に対し0.2億円のセグメント損失を計上し、前年同期の1.6億円の利益から悪化した。工事損失引当金3.9億円も計上されており、工事案件の進捗・原価管理が連結利益を左右するリスクとなっている。

  2. 運転資本の長期化: DSO年換算84日、DIO年換算175日、CCC年換算200日と長く、仕掛品比率は75.4%に達する。利益成長が現金創出へ転化する速度は相対的に遅く、案件の検収・回収状況のモニタリングが重要である。

  3. 短期借入依存と為替感応度: 短期借入金は55.3億円で有利子負債の約9割を占め、現金及び預金32.6億円との対比では現金のみでの返済は難しい構成である。また為替差損0.7億円は営業利益の約8.7%に相当し、為替変動が経常利益に与える影響も相対的に大きい。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.7%8.6% (4.3%–12.7%)−4.8pt
純利益率3.0%6.4% (2.8%–10.3%)−3.5pt

自社の収益性は業種中央値を下回っており、収益性の面では業種内でも見劣りする水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)8.2%3.3% (-2.1%–8.9%)+4.9pt

売上高成長率は業種中央値を上回っており、トップラインの伸びは業種内で相対的に良好である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+8.2%増収に対し営業利益+22.9%増益となり、営業利益率は45bp改善した。改善の主因は情報通信機器製造販売の採算向上であり、ネットワーク工事保守が赤字転落したことと対照的な構図となっている点は決算上の注目点である。

  2. 通期予想に対する営業利益進捗率は50.2%と標準進捗を大きく下回っており、第4四半期における売上計上時期と案件採算が通期達成の鍵となる。

  3. 仕掛品比率75.4%、CCC年換算200日という運転資本の長期化は、利益成長と現金創出のタイムラグを示す構造的な特徴であり、今後の資金効率の推移が注目される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)7,292円
base(基準)7,476円
bull(強気)7,712円
算出前提
1株純資産(BPS)7,274円
調整後予想EPS852.9円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向8.9%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.03倍 / 8.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 7,264円〜7,699円、ω±0.1で 7,472円〜7,484円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。