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68142027 第1四半期プライムJGAAP

古野電気(6814) 2027年度第1四半期決算 増収・営業益65%増

2027年度第1四半期の売上高は381.1億円(前年同期比+21.8%)、営業利益は56.8億円(同+65.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

古野電気株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥381.1億¥313.0億+21.8%
営業利益¥56.8億¥34.4億+65.3%
経常利益¥63.3億¥39.2億+61.7%
純利益¥49.3億¥35.5億+39.0%
ROE(年換算)21.3%15.8%-

Executive Summary

増収率21.8%を上回る営業増益率65.3%を達成し、粗利率改善と販管費率低下による営業レバレッジの効いた決算となった。売上高は381.1億円(前年比+21.8%)、営業利益56.8億円(同+65.3%)、経常利益63.3億円(同+61.7%)、親会社株主帰属純利益49.3億円(同+38.2%、EPS成長率+38.2%)となった。主力の舶用事業が増収増益を牽引し、産業用事業も赤字から黒字転換した一方、純利益の伸びが営業利益に比べ抑制されたのは実効税率の正常化が要因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は381.1億円で前年比+21.8%増加した。セグメント別では舶用事業が325.6億円(構成比85.5%、前年比+17.9%)で全社を牽引し、産業用事業は46.6億円(同+51.6%)と大幅増収、無線LAN・ハンディターミナル事業は9.6億円(同+44.9%)と拡大した。

【損益】営業利益は56.8億円(前年比+65.3%)、営業利益率は14.9%と前年同期比+3.9pt改善した。粗利率は44.0%(前年43.3%)、販管費率は29.1%(前年32.3%)と低下し、売上成長率(+21.8%)を下回る販管費増加率(+7.5%)が営業レバレッジを生んだ。セグメント利益では舶用事業が57.4億円(同+45.5%、利益率17.6%)と全社利益の大半を占め、産業用事業は前年の0.5億円の赤字から2.6億円の黒字に転換した。経常利益は営業外収益7.4億円(為替差益1.4億円、持分法損益1.2億円等)の寄与により63.3億円(同+61.7%)となった。特別損益は減損損失0.2億円と固定資産売却益0.1億円の差引0.1億円の損失にとどまり、一時的要因の影響は軽微である。親会社株主帰属純利益は49.3億円(同+38.2%)で、実効税率が前年の約11.9%から22.1%へ正常化したことが営業利益の伸びに対し純利益の伸びを抑制した。増収増益の決算である。

セグメント別分析

舶用事業は売上高325.6億円(構成比85.5%、前年比+17.9%)、セグメント利益57.4億円(同+45.5%、利益率17.6%)で全社利益の中核を占める。産業用事業は売上高46.6億円(同+51.6%)、セグメント利益2.6億円(前年同期0.5億円の損失から黒字転換、利益率5.7%)となり、成長の裾野拡大が確認できる。無線LAN・ハンディターミナル事業は売上高9.6億円(同+44.9%)と拡大したが、セグメント損失0.9億円(前年1.9億円損失から改善、利益率△9.2%)と赤字が継続している。舶用事業への収益依存度が高く、同事業の需要動向が全社業績を左右する構造にある。

主要財務指標

【収益性】営業利益率14.9%、純利益率12.9%はいずれも前年同期(11.0%、11.3%)から改善し、年換算ROEは21.3%と高水準を維持している。【キャッシュ品質】経常利益は営業利益を上回るが、その差である営業外収益7.4億円は為替差益や持分法損益など経常性の低い項目を含み、本業収益力は営業利益ベースで評価するのが適切である。【投資効率】自己資本比率64.6%、総資産回転率は売上高381.1億円/総資産1429.6億円から算出すると約0.27回(四半期ベース)であり、資本効率は収益性の高さに支えられている。【財務健全性】現金及び預金204.0億円に対し有利子負債(短期借入金2.0億円、長期借入金93.0億円、1年内返済予定含む)は限定的で、自己資本比率64.6%は財務基盤の堅牢さを示す。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書のデータは開示されていないため、貸借対照表の変動から資金動向を分析する。現金及び預金は204.0億円で前年同期の242.8億円から38.8億円減少した一方、売掛金・受取手形は309.8億円(前年282.6億円)、棚卸資産は298.5億円(前年286.0億円)へ増加しており、増収に伴う運転資本の増加が現金残高を圧迫した可能性がある。契約負債(前受金)は48.8億円で前年比10.2億円増加し、受注進行に伴う資金の一部が事前に確保されている。利益剰余金は617.9億円(前年595.9億円)へ増加し、内部留保による自己資本の積み上がりが継続している。

収益の質

経常利益63.3億円と営業利益56.8億円の差は6.5億円であり、その主因は為替差益1.4億円、持分法損益1.2億円、補助金収入0.9億円などを含む営業外収益7.4億円である。これらは本業由来の経常的な収益とは性質が異なるため、収益力の実態は営業利益ベースで捉えることが妥当である。特別損益は減損損失0.2億円と固定資産売却益0.1億円の差引0.1億円の損失にとどまり、純利益への影響は軽微である。包括利益は52.5億円で親会社株主帰属純利益48.8億円をやや上回り、為替換算調整額2.2億円などその他の包括利益要素が上乗せされているが、両者の乖離幅は小さく利益の質を大きく損なうものではない。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高1485.0億円(前年比+5.6%)、営業利益170.0億円(同+4.6%)、経常利益170.0億円(同△7.1%)であり、当第1四半期時点で修正はない。売上高の進捗率は25.7%と標準的な進捗(25%)に沿う一方、営業利益は33.4%、親会社株主帰属純利益は37.5%(会社予想130億円に対し実績49.3億円)と、利益面で計画を上回るペースにある。通期計画の営業利益率は約11.4%とQ1実績14.9%を下回っており、会社側は期後半において収益性が低下する前提を織り込んでいるとみられる。

株主還元

会社予想の年間配当は1株当たり160円(前年実績は中間・期末合計で150円水準)であり、通期EPS予想411.28円に基づく予想配当性向は約38.9%となる。自己株式取得に関する情報は開示されておらず、ここでの評価は配当性向に限定される。現金及び預金204.0億円、自己資本比率64.6%という財務基盤は、配当原資の確保という観点から安定的な水準にあると評価できる。

リスク要因

  1. 舶用事業への収益依存: 舶用事業は売上構成比85.5%、セグメント利益は報告セグメント利益合計の大半を占める。海運・造船投資動向の変動が全社業績に与える影響は大きい。

  2. 運転資本の効率性: 売掛金309.8億円、棚卸資産298.5億円と増収に伴い増加しており、資金回収・在庫消化のサイクルが投下資本効率に影響する可能性がある。

  3. 無線LAN・ハンディターミナル事業の採算: 同事業は売上高9.6億円へ拡大したが、セグメント損失0.9億円が継続しており、黒字化の遅れが全社利益率の押し下げ要因となり得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率14.9%8.7% (4.2%–14.3%)+6.2pt
純利益率12.9%7.1% (3.2%–10.6%)+5.8pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)21.8%6.2% (-1.1%–14.6%)+15.6pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、成長性の面でも業種内上位にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高成長率+21.8%に対し営業利益成長率+65.3%となり、粗利率改善と販管費率低下による営業レバレッジが明確に確認できる。

  2. 舶用事業が収益の中核を担う一方、産業用事業の黒字転換は収益源の多様化を示す。無線LAN・ハンディターミナル事業の赤字継続は今後の注目点である。

  3. 通期進捗率は営業利益33.4%、純利益37.5%と標準進捗(25%)を上回るが、通期計画の営業利益率(約11.4%)はQ1実績(14.9%)を下回っており、期後半の収益性動向が確認ポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,275円
base(基準)3,399円
bull(強気)3,500円
算出前提値
1株純資産(BPS)2,906円
調整後予想EPS452.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向38.9%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.17倍 / 7.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,305円〜3,498円、ω±0.1で 3,388円〜3,417円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(38%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。